バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
2003年、フランスに単身で渡り、 現在はパリを拠点にヘアメイク&フォトエッセイストとして 活躍しているとのまりこさんが、 愛犬のバブーくん(アイルランド出身)を相棒に、 パリ暮らしのちょっとびっくりな出来事や、 へぇ〜っと感心する習慣などなど(*)をお届けします。 *もちろんすべてのフランス人やフランス全土に共通しないこともあります。 週に1回、でも気まぐれにもっと更新するかも? すてきな写真とともに、おたのしみください。 Amusez-vous bien!

 
とのまりこさんと バブーくんのプロフィール
 


   

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フランスでは離婚をしても
『共同親権』が原則?!

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フランスでは離婚をしても
『共同親権』が原則?!

                           

バブー

フランスに住んでいると、
よく耳にする会話に
こういったものがあるんだ。

子ども
「先週末はパパの家だったから、
そっちに全部置き忘れてきちゃったよ」

パパ
「来週は妻担当なのでスケジュールを知らず、
(誕生日に)行けるかどうかは、
聞いてみないとわからないですねえ」

友達
「この冬のバカンスは1週目がパパの方だから、
その週は子なしのひとり生活なの。
だからいつでも夜出れるよ〜! ごはん行こう」

などなど、日本ではあまり聞かない
内容の会話が『あるある』なんだよ。

とのまりこ

これは、フランスでは親が離婚や別居をしても、
「子どもに対しての親の責任や権利や義務は、
基本的には共同で行われる」
というのが原則の
『共同親権』であるために生まれる会話です。

離婚や別居をしていても、
子どもたちは基本的に
パパとママのところを行き来したり、
両方に会ったりして過ごします。

もちろん子どもの安全や福祉の面で
理由がある場合
(たとえばDVやネグレクトなど)、
裁判所が片方の親のみに親権を与える判断を
することもありますが、
原則的にはどちらもが親権を持ち続けます。

バブー

「家」が2つに分かれたとしても、
基本的に「親」という存在は
1つだけにはならないってことなんだ。

大切な意思決定なども、
必ず両方で行われるんだよ。
たとえば学校関連の書類には必ず、
両方の親がサインする場所があるよ。
進路や教育のこととか、医療関係とかもそう。

「親同士が別れたとしても、
子どもは2人の親の子どもである」
という考え方がしっかりあるんだよね。

たとえば、こちら。息子の学校から来た
「来年度も我が校に登録しますか?」
の書類にも、親権者両方のサインをする場所が。

とのまりこ

住む場所に関しては、
必ずしも半分半分ではありません。
パパ側とママ側を行ったり来たりする割合、
主にどちらで暮らすかなどは
家ごとに変わりますが、一緒に暮らしていなくても、
訪問や宿泊の権利があります。

子どもと暮らす時間の分け方や
バカンスの過ごし方は、
親同士の話し合いや
裁判所の判断などで決められます。

(なにしろバカンス大国のフランス、
1年のあいだに夏休みが2か月、
季節ごとにある2週間のバカンスが4回。
1年のうち約4か月がバカンスなので、
そこでの取り決めも重要なのです)

もちろんこれが大前提とはいえ、
「決められているのに約束を守らない」とか、
「取り決め内容が納得のいくものではない」など
その中でのトラブルもよく聞きます。
ですが、奥深すぎる話で、今回は書ききれないので
あくまでも原則的なお話です。

バブー

「ママの家では‥‥」
「先週はパパの方だったから‥‥」
「今度のバカンスはパパと、
パパの新しい奥さんの子どもと、
みんなで一緒に◯◯へ行くよ」
みたいな会話が子どもから出ると、
そのドライな内容に、最初のころは
一瞬ドッキリしていたけれど、
この『フランスあるある』に
もうすっかり慣れてしまったボクたち。

フランスでは「家族のかたち」よりも、
「家族との心の距離」が大事なのかな。

それではみなさん、いよいよ12月に突入!
なんとあと1か月で2025年が終わるね。
今週もステキな1週間を。

 

 

*とのまりこさんの本*


「シンプルシックで心地よい暮らし
パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」
出版社 : 世界文化社
発売日 : 2021/5/29

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

フランス雑貨のお店オープンしました。
バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
東京都杉並区西荻北4丁目5−24
【地図】 【駅からの道順はこちら】

                 

           
           

           

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