バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「フランスのハロウィンは
お菓子か呪い?!」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「フランスのハロウィンはお菓子か呪い?!」

バブー

約半月前、10月31日はハロウィンだったよね。
ちなみにフランスでは「H」の発音をしないので
「Halloween アロウィン」。
ボクたちが住んでいるここフランスでは、
ハロウィンはあまり注目されることのない
イベントだよ。

それでもボクの飼い主まりこちゃんが
フランスで暮らしているこの20年間で、
昔に比べたら、「ビジネス」としての
ハロウィンイベントは広がりつつあります。

スーパーや雑貨屋さんでは
ハロウィンの飾りやお菓子が手に入るし、
チョコレート屋さんなどには
ハロウィンをテーマにしたチョコが並んだり。

八百屋や花屋には
飾り用のカボチャが並べられて、
なんとなく街の中に「オレンジ」が増える。
そんな感じだよ。

とのまりこ
ハロウィン当日、パリの街中では、
ちらほらと仮装をしている子どもを見かける程度で、
特にご近所の家や商店を回って
お菓子をもらって歩く、という習慣はなく、
「あら、そういえばハロウィンだったのね。」
なんて、仮装している息子を見かけて
八百屋の店頭に並ぶ商品のみかんを
1つ渡してくれたり、という具合です。


▲本場アメリカや日本に比べたらイベントとしての盛り上がりはいまいちではあるけど、
年々パリなりにハロウィン色が強くなってはいます。こちらはパリ交通公団RATPの窓口。


▲魔女やドラキュラなどに扮したメトロやバスの職員が子どもたちに配っていたのは
RAPT(パリ交通公団)デザインのグミとタトゥーシール。
メトロのドアの開閉注意を促すお馴染みのイラストがハロウィンバージョンにかわっています。

子どもが生まれてからは、
仮装して幼稚園に行く日があったり、
友人たちとのパーティーを楽しんだり、
フランスにしてはまあまあハロウィンを
楽しむようになった我が家ですが、
今年はパリ市内よりも
ずっとハロウィンが盛り上がるという
(一軒家なども多いので、飾り付けをする
家がたくさんあったり、子どもたちが
地域の家々をまわる習慣ができているそう)
パリ郊外のハロウィンに遊びに行ってきました。


▲今年はハロウィンのためにパリの郊外へ。
ハロウィンがあまり盛り上がらないうえにアパートばかりのパリでは、
このような装飾を見ることはほぼないので新鮮!

バブー
家の玄関に飾りが飾ってあったり、
電気がついている家を見つけるたびに、
チャイムを鳴らして。

「ほら、なんていうんだっけ?!
ちゃんと言わなくちゃお菓子はないよ♪」

なんて玄関に出てくる大人たちに促されて
子どもたちが口にする
「トリック・オア・トリート」
のフランス語版の言葉。
それは
「Des bonbons ou un sort?」
(デ・ボンボン・ウ・アン・ソール)
=「お菓子か、それとも呪いか?」
というセリフだったよ。


▲友人宅のまわりには、気合の入ったうちが何軒か。
ご近所さんたちも毎年たのしみにしているのだそう。

とのまりこ
最初は一体何を言っているのか
わからなかったけれど、
子どもたちに教えてもらって
ようやくわかった、フランス語の
「トリック・オア・トリート」。

「Sort」(ソール)はフランス語の「呪い」。
「お菓子じゃなかったら呪っちゃうぞー」
とちょっぴり怖い感じもするけれど。

玄関に出てきた大人たちは、
お菓子を促されるたびに、
「ちゃんとセリフは言えてるかい?」
と、このフランス語の言葉を言わせているのが
とっても印象的でした。


▲飾りや灯りがついているのが「お菓子か呪いか」でお家をたずねていいしるし♪

バブー
ちなみにね、袋入りの個包装になっている
お菓子を用意しているお家もあったけれど、
お皿にどさっとグミやクッキーを入れてあって
子どもが持ってきた袋に
素手で掴んで裸のままのグミやクッキーを
どさっと入れる家庭もあちこちに。

コロナ禍じゃなくても、
ちょっぴり気になるこのワイルド具合。
このご時世、どうなんだろうと、
正直思ったけれど、
まあ、そこはおフランスさ♪と
目をつぶって見て見ぬ振りをしたボクたち(笑)。

フランスに住んでいると、
色々なことがワイルドになってくるよ♪
というか、「ワイルド」に慣れないと
いろんなことが気になって仕方ないからね。

今後もフランスのハロウィン、
年々ちょっとずつだけ盛り上がっていきそう。
ハロウィンの季節に
フランスを歩くことがあったら
「Des bonbons ou un sort?」
(デ・ボンボン・ウ・アン・ソール)
=「お菓子か、それとも呪いか?」
という言葉に耳を傾けてみてね!

 

 

 

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2022-11-15-TUE

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illustration:Jérôme Cointre