バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「大規模な省エネで
寒い冬になる?!」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「大規模な省エネで寒い冬になる?!」

バブー

学校や会社に行くために、
朝7時に目覚ましが鳴って起きても、
世の中はまだ真っ暗闇。

太陽の光がないと、
なかなか脳みそが起きてくれないよ〜
という冬のパリ。
今年はさらに「寒くて布団から出たくない!」
というのが加わって、いつもより
さらに厳しい冬を味わっているよ。

というのものね、
エネルギー危機による省エネプランで、
暖房温度の上限が、摂氏19度に
決められているからなんだ。


▲こちらは朝7時半すぎの窓からの景色。
東の空が少しずつ明るくなってくるのが見えるけれど、
西側のベランダ側はまだ真っ暗。家やオフィスは電気必須です。

とのまりこ
いつものスーツ姿ではなく、
タートルネックセーター姿で、
演説をするフランスのマクロン大統領の姿を
ニュースでご覧になった方も
もしかしていらっしゃるでしょうか?

70年代のオイルショック以来、
最も大規模な省エネプランが発表された、
フランス。
2024年までにエネルギー消費量を10%削減、
さらに最終的には2050年までに
40%削減することを目標としたプランが
作られています。

その大きなひとつとして、
今年はアパートなどの暖房の上限を
19度にしましょうという決まりに。
上限が決められていて建物の中が寒いから、
厚着をしてなんとか皆で乗り切りましょう、
という姿を見せるために、
政治家たちの服装も
ちょっと違う姿でアピールなのかな?!

バブー
アパートや学校などの暖房は、
19度を上限に。

パリ市の運営する建物はさらに低く、18度。
(人がいなくなる夜間や週末は12度で、
暖房を入れる開始時間も30分ずらす。
オフィスなども夜間は16度に。)

中央暖房があるアパートは
例年ならTシャツに半パンというくらい
暖まるのだけど、
今年は同じ場所とは思えないくらい
部屋の中が寒いんだよ‥‥。
建物全体で管理されちゃっているから、
どうしようもない‥‥。

ボクの弟分が通う幼稚園なんかも
例年よりず〜っと寒いから、
子どもたちには厚着をさせて
通わせているよ。


▲幼稚園や習い事などの教育施設も寒いくらいの温度でびっくり。
慌てていつもより暖かい格好をさせて学校に送り出しています。

とのまりこ
その他にも、パリのシンボルである
エッフェル塔の消灯時間を前倒しにするなど、
区役所や美術館など
建造物のライトアップの時間も
対象になっています。


▲パリのシンボルエッフェル塔をはじめ、
建造物などのライトアップの消灯時間も 早まっています。
街灯などは安全上消灯はしないとのことですが、
LEDなど省エネなものにどんどん変わっているそう。

公営のプールの温度も水温を1度下げたり
公共施設のトイレでは温水を出なくしたり、
時短や温度でエネルギー消費量を減らそうという
取り組みです。

みんなで協力して、
そしてこういうことに関しては
あっという間に決まったことが施行される
スピード感には毎回感心するのですが、
ただでさえ日照時間が少なくて
暗くて長い冬というイメージのパリ。
今年はさらにちょっぴり寒く厳しく感じます。


▲例年は暖かい部屋の中から煙突から出る煙を眺めているのですが、
今年はこの景色を眺める家の中もまあまあ寒い‥‥。

バブー
オーブンを使って料理したり、
煮込み料理や鍋料理なんかすると
ちょっと部屋の中があったかくなるから、
そんな部分で工夫して
ちょっとでも部屋を
暖かくしようなんてしているよ。

ボクのアパートは中央暖房の床暖房。
本当ならこの季節、
あったかい床にぴったりくっついて
昼寝を楽しむ季節なんだけど‥‥。

今年は人間たちの脱いだ洋服とかを狙って
ぬくぬくあったかいところを探しているよ。


▲いつもならぬくぬくあったかい床にペタリと寝転がって過ごす季節なのに
今年は代わりになる布っぽいものを探してそこで昼寝するバブー。

 

 

 

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「シンプルシックで心地よい暮らし
パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」
出版社 : 世界文化社
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※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
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2022-11-22-TUE

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illustration:Jérôme Cointre