バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「バカンス大国を
リアルに実感?!」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「バカンス大国をリアルに実感?!」

バブー

さて、フランスは
今日で全ての学校が終わり。
(日本と同じで公立、私立などで
終わりの日程がけっこうずれるのだけど、
最後まであった公立の学校も今日で終わり!)
2ヶ月の長い長い夏休みに突入したよ!


▲2ヶ月の長い夏休みに入ったフランス。
学年最後の日も終業式などもなくいつも通り。
ふつ〜に1年が終わる。

とのまりこ
今まで

『フランス人がいかに
バカンス命で生きているか』

『仕事を頑張るために休むのではなく、
バカンスを取るために仕事をするという考えか』

『学校は6週間行ったら
2週間のバカンスが挟まる』

などなど、バカンス大国おフランスの様子を
いろいろお伝えしてきましたが、
自分の息子が実際にフランスの学校に入って、
みんなの『バカンス命』度をリアルに体感。
(何しろ我が家はサラリーマンではないし、
外国人として暮らしているので、
今までは自分たちには関係はない
周りの出来事でした。)


▲バカンス前の月、6月はお誕生会ラッシュでもある。
なぜなら7月と8月はみんなバカンスでいなくなるので誕生会をしても誰もいないから。
だから6月は6、7、8月分のお誕生会ラッシュで子どもたちも大忙しになるのが定番。

バカンス前の1週間は学校に来ない人も多いし、
もう授業もろくにせず
バカンスモードに入るから
むしろ先生の方から
「来なくてもいいわよ」
とびっくり発言することさえあるとは
聞いていましたが、
確かに息子の幼稚園・小学校でも
最後の週はググッと生徒の数が減り、
そして会う人会う人、
「いつからいつまで、
どこにバカンスに行くのか」
という話しかしません♪


▲バカンスに入る前の日になると毎回恒例。「忘れ物」が学校前にずらりと並ぶ。
いつもこの柵の向こうのほうまでいっぱいだけど今回はなぜか少なかった?! 
フリーマーケットのようになってます。

バブー
2週間のバカンスなんて、かなり短い方。
ほんとみんな、2週間を2回とか、
合計1ヶ月半とか、かなり長く、
夏休みの間に何回かに分けたりして
色んなところに旅して楽しむみたいだよ。

それでも仕事がなんとかなるのが
あらためてすごいね‥‥。

「ニューヨーク、パリ、
ミラノ、東京、ロンドン‥‥」

なんてよく並べられる同じ先進国。
でもバカンスひとつとってもこんなに違う。
こんな風に人生を謳歌する
フランス人たちの生活、
本当になんだかとってもいいよね。
羨ましいよねって、それが正解かもね、
なんて心から思ってしまう
最近のボクたちです。


▲1年お世話になった先生とのお別れ‥‥泣、
なんてセンチメンタルになるのは私くらい?!
「バカンスどこ行くの?!」「ステキなバカンスをね!」って
みんなただただ嬉しそうで笑顔いっぱい♪

とのまりこ
入学式も、始業式も、終業式もなくて
日本の学校システムとは
ずいぶん違うフランス。

私なんていつまでも日本人だから、
息子がフランスの学校1年目を終えて、
先生に対しても
幼稚園初年度の1年に対しても
なんとなくセンチメンタルに
なっていたのですが。

親も子どもも先生も、みんなとにかく
「ついにバカンスだよ嬉しい!!!」
という喜びが溢れまくっていて、
「1年間ありがと〜!!!
ボンバカンス〜!!(良いバカンスを)」
と、爽やかに笑顔で挨拶し合うのをみて、
拍子抜けするくらいさっぱりなこの感じも
『別れがあって寂しい』より
『楽しい』が多くて
案外いいのかなと思った、
年少さんの最後の日なのでした。


▲日本の幼稚園のように日々、作品を持ち帰ったりしないな
(母の日とかクリスマスなど特別な行事以外)と思っていたら、
学年末にまとめて大量にお持ち帰りのシステムでした。


▲:画用紙をホチキスで止めた即席袋に1年分の絵などが入っている。
この適当さ、なかなか良い♪ 先生も割と楽チンでいいと思う♪
最後の1週間はこんな作品の詰まった画用紙袋を抱えて歩いているママを
たくさん街で見かけたからどこの学校もみんなこのシステムなのかな?!

バブー
普段のバカンス中も、基本宿題はない。
『バカンス』は休むためにあるのだから
勉強なんてさせるのはかわいそうだ!
そして字が読めない人なども多い、
移民大国フランス、
親が子どもの宿題を見れない家庭も多いので、
勉強は学校でというのが基本的な考え方。
(ただし勉強に力を入れている学校、
特に私立の学校では、宿題が出る場合もある。)

でもこの2ヶ月の最も長いバカンスは
学年の変わり目になるから、
もちろん宿題はなし!

でも、夏休みの1ヶ月くらい前になると
スーパーや文房具店や書店などで
「バカンスノート」なる
学年別のお勉強本が売り出されて、
各自やる子供はやる、って感じになるよ。


▲6月に入るとスーパーや文房具屋などで大量に売り出されるお勉強用の「バカンスノート」。
年齢ごとにある問題集。ちなみに誰もが遠くまでバカンスに出かけるフランス、
高速道路のサービスエリアなどでも必ず売ってます。

バカンスは休むためにあるから
勉強はなし!
って考えもなかなか素晴らしいけれど、
毎日コツコツの習慣がなくなると、
夏休み明けの学校で苦労する子どもも多い、
というのもよく耳にする話。

ほどほどが一番だからね。
ボクの家のプチモンスターにも
「バカンスノート」を購入してね。
毎日遊びもお勉強も
楽しんでやってもらう予定だよ!


▲2ヶ月の長い夏休み。日中昼寝をして過ごす、
ボクの静かな日々はしばらくお預け‥‥。

 

*とのまりこさんの新刊が出版されました*


「シンプルシックで心地よい暮らし
パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」
出版社 : 世界文化社
発売日 : 2021/5/29

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

フランス雑貨のお店オープンしました。
バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
東京都杉並区西荻北4丁目5−24
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2021-07-06-TUE

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illustration:Jérôme Cointre