バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「クリスマスディナーが
はじまらない?!」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「クリスマスディナーがはじまらない?!」

バブー

今年はコロナに振り回されて、
思い返してみればもうすぐ1年。
何もかもが予定外の1年だったけれど、
みなさん素敵なクリスマスを過ごしたかな?!

フランスは、ただいま夜8時から翌朝6時までの
外出制限期間中なのだけど、
24日から25日にかけては時間制限も解除。
「家族間であってもできるだけ少人数で、
家の中でもマスクをして注意してね。」
って呼びかけをしていたものの、
フランス人にとって1年で最も大切な
クリスマスの集まりだけは止められないから
実質容認という感じだったよ。

とのまりこ
いつもは友人のクリスマスに
混ぜてもらうけれど、
高齢の家族もいるし
今年は他人である私たちは遠慮して。
実況中継で写真を送ってもらいながら
フランス式のクリスマスを楽しみました。

クリスマスイブの日中は、家族や親戚で
それぞれ買い物を分担。
海鮮、肉、チーズ、パン、ケーキetc.
クリスマスディナー用の食材を調達します。


▲クリスマスイブのディナーに向けて家族全員で大忙し。
全員があたふた忙しそうですが、全員参加で用意するって素敵な習慣ですよね!

アペリティフと呼ばれる食前酒が用意され、
それと一緒に食べるつまみが並ぶ。
それをチマチマ食べながら、
みな食事の準備を分担。
男たちはひたすら牡蠣を開ける。


▲牡蠣あきの仕事は大抵男性の仕事。クリスマスディナーには欠かせない生牡蠣。
1人何個も食べるので、家族&親戚合わせるとかなりの量を開けることに‥‥。

バブー
魚屋で開けてもらうこともできるけれど、
なにしろ家族&親戚分となると数がすごいので
箱買いして自分たちで開ける人も多いんだ。
フランス人はみんな牡蠣を開けるのが上手だよ!

19時前後からだらだら
アペリティフ&準備が始まって。
毎年のことなのに、
どうして時間通り行かないんだろうねえ、
と、ぶつぶつ言いながら、どんどん時間がたち、
みんなお腹もすいているから
アペリティフ用のおつまみをパクパクつまみ、
21時になってもディナーが開始しない
みたいのが定番のパターンだよ♪


▲料理上手な男性が多いフランス。
エプロン姿が様になっているのも、普段からキッチンに立っているから。


▲アペリティフ担当だという彼が作っているのは一体これは何?! という色のカクテル(笑)。
スライムかと思ってしまった‥‥。

とのまりこ
「変なゲームが始まってしまった!」
って友人からメッセージが届いたのは22時。
写真にうつる食卓の上は
まだ何も手がつけられていないし、
テーブルセッティングもそのまま!
やっぱりまだ何も始まってないんだな・・・。
って思いながら
私はすでにベッドでゴロゴロしていました(笑)。


▲変なゲームが始まったと友人からメッセージがきたのが22時。
まだテーブルの上、何も手がついていない状態! いったい何時からご飯始まるの?!

(もちろん各家庭によって
細かい時間配分は色々ですよ!
でも、のんびりだらだら具合としては、
大体似たようなものなのです。)


▲手作りでフォアグラを作ったらしいジェローム。
フォアグラまで手作りなんて素敵♪

牡蠣やカニやエビや‥‥海鮮食べて、
フォアグラ食べて、
前菜を食べ終わった頃にはすでに23時半すぎ。
まだメインにたどり着いていないのに、
お腹がいっぱいになってしまったと
友人からメッセージが‥‥。
フランス人家族の顔も、
みんなけっこう疲れているように見えるけれど、
なぜか毎年このスケジュールは変わらない?!

21時ごろ、フランス人ファミリーと過ごしている
友人たちにメッセージをしてみたら、
全員から「まだ始まってないよー。」
という連絡が‥‥。


▲食べている時以外は家族でもマスクしてねって政府からの要請に応える
コロナ対策?! で家族全員の名前入りのマスクが用意されていたそう。
作ったのはおじいちゃん。なんてユーモアにあふれたおじいちゃん♪

バブー
クリスマスディナーと、
結婚式のパーティー(披露宴)だけは、
本当に夜中まで長いんだよ‥‥。
お年寄りもよくこんなに遅くまで食べ続ける!
ってびっくりするけれど。
これこそがいつまでも楽しく過ごす
長生きの秘訣なのかな?!


▲メインに到達する夜中近くにはみなさんの顔ぐったりだけど、
それでも夜中すぎまで楽しむのがフランス流クリスマスディナー。
おじいちゃんもおばあちゃんもみんな元気だなあ‥‥。

ツリーの下に
大量のプレゼントをセッティングして、
クリスマスもクライマックス。
全員が全員に、
何かしらちょっとしたプレゼントを
用意するから、ものすごい量なんだ!
絵本や映画の中で見た
大量のプレゼントが置かれている
もみの木のシーン。
あれって、夢のような世界じゃなくて、
現実のクリスマスシーンそのものだったんだって
フランスで過ごすようになってわかったよ。


▲最後のメインイベントは、サンタさんが持ってくる大量のプレゼント。
子供たちがいない間にクリスマスツリーの下に並べられます。

さて、日本はお正月に向けてまっしぐら。
お正月もいつもとは違うwithコロナですが、
みなさんゆったりとした素敵な年末年始を。
次の更新は2021年。
今年最後の更新になりました。
今年もみなさんありがとうございました!
それではよいお年を‥‥。

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

フランス雑貨のお店オープンしました。
バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
東京都杉並区西荻北4丁目5−24
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2020-12-29-TUE

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illustration:Jérôme Cointre