バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「学校給食が
ひとそれぞれ!?」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「学校給食がひとそれぞれ!?」

バブー

フランスでは
公立の学校の給食費が
親の収入によって10段階に分かれている
ってことは前に書いたよね

例えば1食0.13ユーロ(約15円)
から7ユーロ(約830円)までと
かなり幅広いんだ。

いちばん安いお値段だと
もうほとんどタダじゃない! って値段だし
いちばん上は大人顔負けのお値段。

私立の場合はたいてい
一律で給食費が決まってるよ。


パリ市のサイトにあった、給食の様子。

とのまりこ

さてその給食ですが、
申し込みは自由。

食べたい人だけが申し込んで食べる。
申し込まない人は
お昼休み家に帰って食べるのです。

なんとフランスの学校、
お昼休みが2時間もあるのです。
だから家に帰って食べて
また学校に戻れるのです。

幼稚園も小学校も中学校も。
お昼の時間もみんな一緒という
日本の学校とはずいぶん違いますよね。

バブー
給食を食べたい曜日をね、
事前に登録しておくんだよ。
だから毎日家に帰る子もいるし、
週に2回だけ給食を食べる
なんていうのも可能。

小さい子供を一人にしてはいけないフランス。
小学生までは基本大人が送り迎えをするから、
給食を食べないで家でお昼ご飯にする場合、
往復2回、合計4回の送り迎え。

というわけでかなり大変ではあるのだけど、
家が近いから帰れる、
給食が美味しくないから給食は嫌だ、
安いとはいえ兄弟3人分となるとかなりの出費、
などなど色々な事情で
学校の給食を取らない子も結構いるんだよ。

とのまりこ
そしてフランスの給食は
日本のように教室で食べるのではなく、
食堂でいただきます。

担任の先生たちが見るのではなく、
給食(お昼休みはその専門の会社)の管轄。
先生たちはノータッチです。

だって先生たちだってお昼休みだから。
なんて、日本の学校の先生が聞いたら
泣いてしまうのではないかしら‥‥、
と思う、羨ましい分業スタイル。

というわけなので、食堂の規模によって
全員分が供給できないため、
共働き夫婦が優先されるなど
学校的な事情も関係するのだそうです。

小さい子から順番になど、
2回制、3回制と
まるでレストランのように
食堂を回転させて給食を食べさせるのです。


▲ちょうど先週末、区役所前で開かれた給食イベント。
食べ物や食材について知るコーナーや、試食コーナーや、
子供アトリエコーナーなどで給食をアピール。

バブー
ちなみにね、パリ市では学校給食の50%を
BIO(オーガニック)にしたい方向で
頑張っているらしいのです。
(もちろんオーガニックが増えると
コストもかかるのでなかなか難しい問題のよう。)

実際今月の学校の給食のメニューというのを
のぞいてみると、
「AB」という緑のロゴ(これがBIOマーク)が
たくさん並んでる!


▲こちらが給食のメニューの例。以前もこのコラムで書いたように、
フランスの給食は「前菜・メイン・デザート」と必ずコース仕立てになっている。
「AB」の緑のマークがオーガニックマーク。

例えば先週の11日金曜日なんて
「ベジタリアン&BIOの日」
なんてテーマになっていて、
全てオーガニックみたいだよ。

「Nouvelle Recette」(新しいレシピ)
という文字(黄色い部分だよ)も目立つし、
色々工夫されているんだね。
ボクもちょっと食べてみたいなあ‥‥。

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

フランス雑貨のお店オープンしました。
バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
東京都杉並区西荻北4丁目5−24
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2019-10-15-TUE

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illustration:Jérôme Cointre