バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「『出会い系アプリ』が
 大流行中?!」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「『出会い系アプリ』が
大流行中?!」

バブー

この間、独身のパリジェンヌたちと
カフェでおしゃべりしていてね。

モンスターを捕まえていく
世界的に大ブームの「ポケモンGo」の話から、
リアルに男子を捕まえる
「出会い系」アプリの話に‥‥。
「モンスターより生身の人間よね♪」って‥‥。

心配になっちゃう会話だけど、
パリっ子たちの中で大流行りしている
出会い系のアプリについて
いろいろ教えてもらったんだ。

とのまりこ

「出会い系」。
日本でもたびたびニュースなどで目にする
この言葉、どちらかといえば
ちょっとネガティブな危険なイメージ。

ところがフランスのそれは
日本のイメージとは
ちょっと違うようなのです。

「今ね、みんなやってるよ。」

「ほんとにそんなに
 ネガティブなものじゃないの。」

「軽く楽しくできるんだから。」

って言われても‥‥。
独身女子たちのその言葉に
心配になって眉をしかめてしまう私。
歳をとった証拠かしら‥‥。

でもとりあえず、
あまりにみんなが盛り上がるので
フランス版「出会い系」を
一緒にのぞいてみたのです♪

いくつか有名アプリがあるようですが、
今回はパリっ子の中で今大人気という
「Tinder」というアプリから‥‥。

(ちなみに、友人たちにキャプチャー画面を
 協力してもらっていますが、
 名前などはすべて仮名に変えています。)

バブー
「Tinder」は、位置情報を使った
出会い系のサービス。
基本的にフェイスブックのアカウントを使って
ログインするんだって。

アプリを開くと、
半径数キロメートル以内にいる同じアプリに
登録している人の写真が名前と年齢と一緒に
どんどん表示されるんだ。

気に入らなければ左にスワイプして
ポイポイパスして次の人へ。
気に入ったら右にスワイプすると
「ライク」がつくよ。
(もしくはバツマークや
 ハートマークを押してもOK。)

とのまりこ
ちょっと体験、というわけで、
すてきな「Shigesato」(仮名です!)さん
38歳を「ライク」してみました♪

写真の右下には赤文字で
「16」とありますが、
これはフェイスブック上の共通の友達、
もしくは「友達の友達」まで表示される仕組み。

まったくつながりのない人だと
この情報は出ないけれど、
フェイスブックを経由して、
けっこうな確率で「友達の友達」などが
表示されてびっくり!
自分が今いるところから
ほんの少ししか離れていないところにいる人が
表示されるんですもん!

どうやらこの「世界は狭い」の法則も
マッチングの秘密のひとつらしいです。
詳しいプロフィールを見ると
このアプリに登録している人のつながりも
見ることができます。

で、この「Shigesato」さんを気に入って
「ライク」ボタンを押しましたが、
相手も「ライク」を押した場合のみ
「マッチング」という仕組み。

今回はなんと、
見事相手も「ライク」してくれていたので
「マッチング」画面が。
これでメッセージのやりとりが
できるようになるんです。

バブー
こ、こ、こわい!
なんて一瞬思っちゃったけど、
みんななんだか気軽に話したりするみたい。

実際にカフェでお茶したり
チャットだけで終わったり、いろいろなんだって。
特に旅先なんかでは
「地元の情報を教えてもらったり、
 けっこう役に立つんだよ。
 こないだイタリアに行った時に使ったよ!」
なんて言っている子もいたよ。

グループでの登録ってのもあってね、
「今日これから飲みに行くけど
 一緒に合流する人!」
なんて呼びかけたりもできるんだって。

とのまりこ
知らない人との「出会い」系。
ここフランスでだって、
もちろん危険な可能性だってあるし、
細心の注意はしなくてはいけないけれど、
どうやら日本よりははるかに軽いノリの
爽やかなイメージで
普通に愛用している人が多いみたいです。

想像ですが、
「女子高生」とか 「アイドル」とか、
比較的若い年齢層を対象としたサービスに
大きな大きな市場がある日本と、
恋愛も文化も大人のもの、
というフランスとはそもそもが違うから、
「出会い系」の実際の使われ方も
違うんだろうなあ‥‥。

パリに留学して間もない頃、
まだ友達がほとんどいなかった頃、
こんなアプリがあったら
もしかして使っていたのかな?!
なんて想像してしまいました。


▲いっぽうこちらは、ちょっと前、パリ中のメトロやバス停の広告に
 でかでかと掲示されていてしょっちゅう見かけたこの画像。
 文字情報が一切ない広告だったので、
 「一体なんの広告なの? どういう意味?」と
 みんなでよく話題にしていたのですが、
 実はこれも出会い系サイトの広告だったらしい。
 女性が男の人をカートに乗せて行って選んでいるという、
 言われてみれば‥‥の広告。
 まさか出会い系の広告が、あんなにパリ中で宣伝されていたなんて!

バブー
ボクもね、かわいいイヌ友探しに
登録してみよっかな♪

こ〜んな風に出会っちゃったりして‥‥。
なんて、ボクもいろいろ想像しちゃった
パリジェンヌたちとの
「出会い系」トークでした♪

 


※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!

 

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バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

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東京都杉並区西荻北4丁目5−24
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2016-08-02-TUE


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illustration:Jérôme Cointre