バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「フランス人の口癖は、
 『たいしたことじゃない』」

 
     

バブー

ねえねえ、知ってる?!
フランス人の口癖。

「C’est pas grave.」(セパグラーブ)
=「たいしたことじゃない♪」

とのまりこ

フランスで生活していたら、
日々聞かないことはないほど
フランス人お得意のセリフ。
「たいしたことじゃない」。

ちなみに、文法的には否定のneが入って
 Ce n’est pas grave. (スネパグラーブ)
が正しいのだけれど、
日常生活ではneを抜かすことが多いので、
耳にするのは「セパグラーブ」。

軽い感じで、

「たいしたことじゃないじゃないさ!」
「だいざ〜ぶ。だいざ〜ぶ♪だいざぶろう。」
「気にしな〜いったら気にしない♪」

‥‥‥。

そう聞いて、
まあ、なんて前向きな人たちなのかしら。
って、思ったあなた。
ちょっと違います。
(書いてる私は若干怒り気味。)

バブー
例えばね、お釣りが足りないことを
指摘するとするでしょ。
そしたら「セパグラーブ!」。

レストランでウェイターが
ワインを倒して、
ちょっと料理に入っちゃったり、
洋服にかかったりするでしょ。
そしたら「セパグラーブ!」。

工事の約束の人が
2時間遅れて来たとするでしょ。
そしたら「セパグラーブ!」。

とのまりこ
これね、私が「セパグラーブ」
「いいですよ。
 まあ、たいしたことじゃないです。」
と、言っているわけじゃ〜ない。

お釣りが足りないと指摘された人、
ワインをこぼした人、
約束の時間に遅れて来た人。
ミスした側が、「セパグラーブ」と言い放つのです。
しかも、謝りもせずにねっ!

「いやいやいやいやいやいや、
 それは〜あなたのセリフじゃないでしょ。
 言うとしたら
 こっちのセリフじゃ〜ボケ〜ッ。」

と、なるわけです。

言葉遣いがお上品じゃなくて失礼‥‥
なのですが、怒りのあまり、心の中で
「そっちが言うことじゃないんじゃ〜。」
と、突っ込みを入れずにいられないのが
このフランス人の超得意な口癖
「セパグラーブ」なんでございます。

ちなみに、むかしむかし、
肉団子を揚げたあと、さましていた
おいし〜い匂いのする揚げ油を、
バブーが大量に飲んでしまうという
大事件がありました。

おいしすぎて、鍋にあった油の
半分ほどを飲んでしまったバブー。
真夜中にぐったり‥‥。
私は慌てて
いつもお世話になっている獣医さんの
24時間SOSに電話。

そしたら獣医さんが言った言葉。

「とりあえず塩とかを指につけて、
 口の中に入れて、吐くだけ吐かせて。
 で、明日になったら連れてきたらいいさ。
 セパグラーブ。」

オーノーノーノーノーノーノー。
で〜た〜〜っ!!

「セパグラーブじゃな〜い!!
 セ・グラーブ!(=たいしたことだ!)
 だから、夜中に電話しとるんじゃ〜。
 ぼけ〜!!!」

最後の「ぼけ〜!!」の部分は
心の中で叫びましたけど、
さすがの私も「セパグラーブじゃないんだ〜。」
と、この時ばかりは初めて反論をしました‥‥。

ほんとに、「あなたのセリフじゃないよ。」
って時にフランス人が発するお得意の口癖です。

「セパグラーブ」。
「セパグラーブ」。

フランスで暮らすようになったら、
「メルシー」と「ボンジュール」の次に
覚える言葉じゃないかしら。

バブー
フランスを旅することがあったら、
耳をすましてみてね。
「セパグラーブ」って聞こえてきたら、
「あ〜っ! これだ〜っ!!」
って思い出してね♪
ちなみに、油飲んじゃったけど、
すぐに復活したから安心してね。

 

2014-02-04-TUE


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