バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「日本人ならびっくり。
 アムールの国って、
 こういうこと!?」

 
     

バブー

年が明けてから日本では、
芸能人のスキャンダルの話で
持ちきりだよね。
やれ不倫した。
週刊誌に激写された。
携帯でのやり取りが流出した。
CMの契約が打ち切られ、
番組も降板‥‥etc。
そんなニュースばっかり。

とのまりこ

海外暮らしだと、
基本、日本のテレビニュースを
見ることがなく、
たまにネットニュースを
流し読みするだけなので、
情報ソースや情報量に
偏りはあるかもしれないけれど。

見ていてちょっと怖い。
集団いじめに見えてきて、ほんとに怖いです。

どうでもいいじゃん‥‥。
もっと大切なニュースたくさんあるよね‥‥。
って思ってしまう‥‥。

「いいか悪いか」ということは
今回は置いておいて。
芸能人や政治家の恋愛事情が暴露され、
倫理観や道徳観で攻撃される、この現象、
フランスじゃ、絶対に起こりえない。

バブー
仕事とプライベートは別のもの。
その人が職務を全うすれば
プライベートで何をしようが関係ない。
っていうのが
基本的なフランス人の考え方なんだよね。

とのまりこ
フランスの大統領なんて、
「日本じゃアウト!」
な恋愛スキャンダルが、
みなさんにいくつも。

オランドさんが女優と不倫した。
ミッテランさんには婚外子がいた。

サルコジさんに至っては、3度結婚していて、
それぞれの人との間の子供が計4人いて、
2人目の奥さんとは
ダブル不倫の結果結婚して、
でもその元奥さんは
実業家と駆け落ちしちゃって‥‥。

日本だったらもう
ワイドショーと週刊誌が
ぜ〜んぶこのネタになっちゃって、
国会で追及されて政治生命を断たれて‥‥、
と想定されるようなネタ満載ですが、
誰も別に気にしない。
誰も政治生命なんて断たれていない。
これがおフランス♪

ちなみにおフランス、
浮気や不倫は日常茶飯事。
これもどうかと思うけど‥‥。
ここは「アムールの国」。
男女の仲じゃなくなったら、
子供がいても、大統領でも、
2人は終わり。

そしてすてきな人に
出会ってしまったら、
子供がいても、大統領でも、
2人は始まり。

バブー
だから子供が生まれたら
ふたりの関係が変わって、
「家族」になるというような
日本人的発想はアウトだよ。

これが原因で離婚する日仏カップルが
ものすご〜くものすご〜く多いんだ。
フランス人にとって、
相手はいつまでも「男」であり「女」でないと
いけないんだって。

とのまりこ
そういえば、フランスに来て間もない頃、
知り合いの紹介で会った
父くらいの年齢のムッシューに

「キスをしたい」

と言われ、

「えええええっっ。。。。」

と衝撃を受けながら

「あの、日本に彼がいますので
 浮気はできません。」

とお断りしたら、

「何言ってるんだ〜。
 そんなの浮気じゃないよ。
 ここはフランスだよ。
 日本に彼がいてもいなくても関係ないよ。」

と訳のわからない理論で返答され、
固まった時が
「アムールの国、おフランス」の
洗礼だったかもしれないなあ。

ちなみに、仕事でちょこちょこ出席する
フランス人の結婚式では、
メインテーブルの親族席に、
前の奥さんと子供が座ってるとか、
お父さんとお母さんは別れたんだけど、
それぞれ今の恋人を連れているとか‥‥。
「ああ、日本じゃありえないな。」
と思う状況に毎回のように出くわします。

というわけで、
国による倫理・道徳観の違い、
「アムール」に対する考え方の違い
などなどがあるので、
「いいか悪いか」は別として、
こんな国にいると、今の日本の報道が
ちょっと異常に、
怖く見えちゃったりするわけなのです。

バブー
お隣イギリスとかはゴシップの国だし、
近い国同士でもきっと全然違うよね。

ボクもゴシップネタには
ぜ〜んぜん興味なし。
「おやつ・ごはん・さんぽ」
ボクの興味あるものって言ったら
これだけだよね!

 


※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!

 

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バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
東京都杉並区西荻北4丁目5−24
【地図】 【駅からの道順はこちら】

 

2016-02-02-TUE


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