バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「おしゃれの国フランスで
 犬はどういう時に
 服を着る?」

 
     

バブー

この冬は、
がまんできない、
耳がちぎれそうに痛いくらいの寒い寒い日が
とっても少ないパリ。

ボクも毎日のお散歩で
ぶるっちゃう日が少なくて、
助かってるんだよね〜。

今日は荷物を出しに郵便局、
事務用品屋で足りなくなったプリンターのインク、
パン屋で熱々のバゲット‥‥っていう
いつもより長いお散歩コースで
たくさんのお友達に会って
ご機嫌なボクだけど。

そんなパリでは
洋服を着たイヌ友っていうのに
ほとんど出会わないんだよね。

とのまりこ

カフェもレストランも買い物も
電車も飛行機もバスもホテルも。
どこにだって一緒に行けて、
こんっなにイヌ天国のフランスなのにね!

日本に帰ると街を歩くワンコ達が
みんなすごい『衣装』を着ているのに
毎回ビックリ!

しかも女の子は
フリフリのお姫様みたいな
ちゃ〜んと「女の子」ってわかるものだったり。
男の子はオーバーオール的な
ズボンみたいのを履いて
ちゃ〜んと「男の子」ってわかるものだったり。

思わず『衣装』って言ってしまうのは
その気合の入れ方の違いを
感じるからでしょうか。

ここフランスでは
イヌに洋服を着せるというのは
「防寒のため」という意味合い以外には
ほぼありません。

真冬になると、ほんと〜に
人間的に言うと
「耳がちぎれそう」なほど寒い日には
防寒具を着せられたイヌももちろん見かけます。
(思わず「防寒具」なんて言っちゃうのは
 「洋服」と言いたくなるようなオシャレな
  ものではないから?!)

でもイヌに洋服を着せるときは
あくまでも「防寒」という意味合いのため。
決して「オシャレ」で
着せるものじゃないんです。

バブー
ボクはまりこちゃんの方針でさ、
真冬の「防寒対策」のための洋服以外は、
昔っからあんまり着せられず、
毛むくじゃらの裸で過ごすタイプなんだけどさ。

それでも日本に帰るとかわいい洋服が
あっちこっちで見つかるからって。
たまに着てるわけなんだよね。

そうすると、必ず、

「あらま〜かわいい〜!!!
 それ、どこで買ったの?!?!」

って聞かれるんだよね。
そのくらい、フランスでは
イヌが着ている洋服っていうのが珍しいんだ。

ほらね(↓)、
ペットグッズを扱うお店の看板犬ですら、
洋服着ていないでしょ?!
お店の宣伝もかねて、普通着るよね?!

とのまりこ
というわけで、
日本で見つけたオシャレな服を着せていると
必ず声をかけられるこの国フランスですが、
こんな現象も、服を着せていてもおかしくない
秋冬に限ってのこと。

「イヌに洋服を着せる=寒さ対策」
以外の真夏なんかにオシャレ着を着せていたら、

「なんでイヌに洋服なんて着せるんだ!」
「かわいそうじゃないか!」

と、怒られる事が多いです。

人間のエゴのために
イヌに洋服を着せるなんて
「イヌへの虐待」と
思ってしまう人も多いみたい。
これも国によっての
感じ方の違いの現れですよね‥‥。

一応日本にだって、
毛が抜けて他の人に迷惑をかけないように
洋服を着せるって習慣もあるんだよ‥‥。
とか説明しても
全くわかってもらえないし。

たしかに、
家族として大切に育てられているけれど、
ちょっと異常なほどに
人間の装飾品のように飾られている
日本のペット事情も
目撃したりもするし‥‥。
両方の言い分、わかるような気がします。

バブー
とはいえ、とにかくね、
フランスは、
「オシャレ」のためにボクたちイヌに
洋服を着せるということはほとんどない国。
だから真夏とか「防寒」としての役割が
必要ないときに洋服を着せていると
道で出会う人に怒られちゃったりするからさ。
ボクは夏はあんまり洋服は着ないんだ。

 


※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
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2016-02-09-TUE


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