バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「フランスには、
 下戸はいない?!」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「フランスには、
 下戸はいない?!」

バブー

年末年始。
クリスマスパーティーに
忘年会、新年会と
お酒を飲む機会も多くなるよね?!

お酒の大〜好きな強い人。
すぐに酔っ払っちゃう人。
記憶を失ってしまう人。
全く飲めない人。

日本には色々なタイプの人がいるけれど
フランスにはお酒の飲めない
「下戸」っていうのがいないんだよ!


注:
これは黒人や白人の人種がいる場所ということで
正確には「フランスには‥‥」と
フランス限定の話ではないのだけど、
今日はフランスの小話のコラム
「パリこれ!」の中のことなので
「フランスでは」っていうお話にさせてもらったよ。

とのまりこ

アルコールを分解する遺伝子の関係で
日本人の約45%は、お酒に弱いのだそう。

ところが白人はほぼ100%が
お酒を分解できる遺伝子を持っているため
「アルコールを飲めない」という人、
つまり「下戸」がほぼ存在しないのです。

ここで困ってしまうのが
「下戸」が存在しない人種の国では
「飲めない」という遺伝子を持つ体質を
理解してもらいづらいので
(そもそもそんな人がいること自体
 知らない人が多い)
体がアルコールを受け付けないから
「飲まない」のではなくて、
遠慮して「飲まない」
と誤解されがちなこと。

バブー
つまりフランス人たちはとてもお酒に強い!
だから酔っ払って羽目を外したり
気持ち悪くなってトイレにこもったり
道端に吐いてしまうなんて迷惑行為も
ほとんどないんだよね。
たくさんお酒を飲んで
楽しくなってしまってる人はいるけれど
お酒に呑まれちゃう人はいないんだ。
お酒に弱い人が多い日本人からすると
ちょっと羨ましいことだよね。

サラリーマンが昼休みのランチ中にも
ワイングラスを片手に、なんていうのが
当たり前の国フランス。

当然のことながら
ビジネス関係のランチとか、
知り合いの家でのお呼ばれなんかにも
昼間っからシャンパンだのワインだのが
用意されるんだ。

食事やチーズなどとワインの相性、
食べ物とお酒のマリアージュが
とりわけ強いフレンチ。

美味しかったり高級だったりする
シャンパンやワインを用意することが
おもてなしのひとつなんだよね。

とのまりこ
そこでお酒を飲めない人が
「私はいりません。」
なんて断ってしまうと
「いやいや、何を言っているんだ。
すごくおいしいからぜひ。」
とすすめられるのが通常のパターン。

控えめな日本人が
遠慮して断っているのだと思われたり
することが多いのです。

この他にもレストランでは
(その中でも
 高級レストランであればあるほど)
基本的にはほとんどのフランス人が
食前酒を飲んだり、
食事に合わせて
ワインを注文したりするので
「水だけで」
なんていうのに
怪訝な顔をされることもあるのです。

もちろんフランス人の中にも
『お酒があまり好きでない』
とか
『健康上・宗教上の理由でお酒を飲まない』
とかはありますが、
体がアルコールを受け付けないから
「飲まない」、というのがないので
ちょっと理解しにくいのですよね。

バブー
だからといって
お酒を注文しないから
レストランは入りにくいとか
仕事関係の人とだから
無理してでも飲まなくちゃ
なんてことは思わなくても
大丈夫だよ!

堂々と
「お酒は飲まないので水をお願いします」
っていうので、問題なし。

ただね、ヨーロッパの人種と違って
モンゴロイド系の日本人には
お酒を分解する遺伝子の関係で
全く飲めない人とか
すごく弱い人がいるって
違いを知っていると様子が違うことにも
ちょっと納得。

ビジネスランチなんかでお酒が出てきて
困った時はこれを説明できれば
さらに相手もすぐに納得?!
そしてこの話題をきっかけに
その場が盛り上がったりも
するかもしれないね?!

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!

フランス雑貨のお店オープンしました。
バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
東京都杉並区西荻北4丁目5−24
【地図】 【駅からの道順はこちら】

 

2017-12-19-TUE


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illustration:Jérôme Cointre