バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「やっと、フランスで
餅がブームに?!」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「やっと、フランスで餅がブームに?!」

バブー

もうはるか前から、日本食ブームは
何度も何度も波が来ているパリだけど、
ただいまパリで大流行なのが
日本の「餅」のお菓子。

「Mochi」と書いて「モシ」と読む
フランス語だけど、
ボク達にとってのあの「餅」です。


▲フランスのチェーンのスーパーにある「餅アイス」
(私たちにとっての「雪見だいふく」)を売っているショーケース。

とのまりこ
日本食に対しては誰もがとても
高い評価をしてくれるという印象のフランス。
しかしその中で、「餅」といえば、
「味のないゴムを食べているようでむり」
という感想が多いという印象。

私が2003年に初めてフランスに住み始めた時、
とにかくみんなに求められる「和食」の中で、
最も受け入れてもらえなかったのが
「餅」と言う印象がいまだに忘れられません。

白いご飯にドボドボ(と言う言葉がぴったりなくらい)
醤油をかけて食べるのが大好きなフランス人にも、
「いそべ巻き」の美味しさは全くわからないと言われ。

「なんだこの味のないゴムみたいなものは」
という感想(泣)に対抗して、
よし、スイーツ好きなところに訴えようと、
あんことか、きな粉とか、みたらしとか、
もっともっとシンプルに、砂糖だけとか。
いろんなバージョンを試してみたけれど、
「味のないゴム」
と言われ続け‥‥。

ああ、「餅」は受け入れてもらえないんだなあ
と言う印象が強かった「餅」なのですが。
いつの間にか市民権を得て、
最近は「ブーム」と言ってもいいくらい
「餅」を求めるフランス人が
増加しているようなのです。


▲1個1.4ユーロ(約182円)。かなり小さく一口ちょっとサイズですが、
フランスで「雪見だいふく」的なものをいただけるとしたらありがたい泣。

バブー
最も広く受け入れられているのが、
「Mochiアイス」。
ボクたちにとって、
「雪見だいふく」でおなじみの
あのアイスが餅で包まれたお菓子だよ。


▲バニラはもちろん、ベルギーチョコ、塩キャラメル、くるみ、マンゴ、はちみつピスタチオetc、
味のラインナップもフランスっぽいものが多い♪

とのまりこ
フランスの有名チェーンスーパーの中では
いろんな味のフランス版「雪見だいふく」を
売っているショーケースがあったり。

パリのオシャレピープルが集まる中心部には
「餅まんじゅう」(あんこ以外にも
ピスタチオ、チョコ、
アーモンドとか味もいろいろ)を
専門に売るパティスリーが登場していたり。
日本の「餅」が確実にパリに浸透しています。


▲これは週に何度も買い物をする日系アジアスーパー。
「これ、すっごい人気なんですよ。入ったらすgになくなるんですよ。」と、
入荷の日に教えてもらってから、気になる存在に。
フランス人が写真とともに、これを求めてお店にやってくると言うパターンが多いそう。
誰かインフルエンサーがSNSに投稿していたりするのかな?!

バブー
ボク達が週に何度も買い物をする
アジア食材スーパーがあるんだけどね、
そこでも仕入れても仕入れても
飛ぶように売れていくのが
「餅だんご」のお菓子とかなんだって!

入荷した先から
あっという間に売り切れるそうだし、
「Mochiありますか?」って買い物に来て
品切れ中だとガッカリして帰るフランス人とかが
とっても多いんだって話を聞いたよ。

つきたてのお餅の味や、
老舗和菓子屋さんの本場の味を知っている
日本人からしたら
「これが本当のお餅と思われちゃ〜困るさ!」
って思う部分もあるけれど、
このまま「餅ブーム」が続けば、
フランスのお餅事情も
どんどん変るかもしれないね?!

少なくとも、
「何これ! 味のしないゴムじゃん!」
って言われて悔しい思いをした
あの日のリベンジができる日が近いのかも?!
と思わずにはいられない、
最近のパリの餅ブームなのです。

 

*とのまりこさんの新刊が出版されました*


「シンプルシックで心地よい暮らし
パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」
出版社 : 世界文化社
発売日 : 2021/5/29

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

フランス雑貨のお店オープンしました。
バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
東京都杉並区西荻北4丁目5−24
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2021-12-14-TUE

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illustration:Jérôme Cointre