バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「電気の証明書が、
 何よりも大事?!」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「電気の証明書が、
 何よりも大事?!」

バブー

コンピューターがこんなに発達した現代、
先進国だとは思えないくらい、
フランスがアナログ、
書類社会だということ、
前にもちょっと書いたよね?!

提出書類の原本を揃えて、
そのコピーを1枚1枚用意するという作業、
フランスに住んでいると
しょっちゅうなんだけど。

とにもかくにも
ものすごく頻繁に登場する書類。
それが「EDF」
(ウー・デー・エフ=Electricite de France)。
フランスの電気会社の証明書だよ。

とのまりこ

電気の証明。
って、日本ですごく重要なことって
あまりないですよね?

これ、いわゆる住んでいる住所を
証明するための書類。
引っ越しをしても転入とか転出とか
住民票というものがないフランス。
住居証明としていちばん目にあがるのが
「EDF」(ウー・デー・エフ)なのです。

滞在許可証(いわゆるビザ)の更新。
銀行口座の開設。
保育園の申し込み。
など頻繁に必要書類として登場しすぎて
フランス語がまだほとんどわからない時から
耳にこびりついて離れない
「EDF」(ウー・デー・エフ)という言葉‥‥。


▲黄色の線を引いたところが住居証明。
指定されているのは家賃の領収書、EDF、固定電話の3つ。

バブー
家の証明といえば、
他にもガスの証明書などもあるけれど
ガスがある家は案外少ないんだ。
キッチンも電気というところが多いし、
お湯も電気のタンクで式というのが
多いからね。

携帯やインターネットが普及したいま、
固定電話の請求書がある人もあまりいない。

家の保険や家賃領収書などもあるけど
重要度&信頼度は2番目以降。
電気がない家なんてないから。
とにかく「EDF」は全員あるでしょ。
ということでフランス生活では
「ウー・デー・エフ」がつきまとうわけなんだ。


▲ビザのための提出書類。住居証明はガスか電気と書いてあります。
その下にもしくは家賃領収書、賃貸契約書と書いてありますが、
これは実際持っていってもガスか電気をもってこいと追い返されるブルーなケースがほとんど‥‥

とのまりこ
簡単に名前の部分だけ
書き換えられそうな証明書類で、
これがどうしてそこまで重要なのだと
「EDF」(ウー・デー・エフ)信仰具合を
いまだに疑問に思うのですが、
フランスでは「EDF」命です(笑)。


▲これがEDF(フランスの電気会社)の証明書。
こんなA4の紙1枚の証明がとにかく重要なのです。
いくらでも偽造できてしまいそう・・・と思うのは私だけ?!

ちなみに、公共料金の支払通知による
証明ということで、
水道代があがってもよさそうですが、
なぜかそこに名前は出てきません。

そいうえばパリには水道代がない!
これ、正確にいえば
もちろん水道代はあるのです。
が、賃貸でアパートを借りている限り、
水道代というものを一度も見たことがない!

というのも、パリの古い古い建物、
個別ではなく
建物全体での水道代になっている方が多いらしく、
大家さんがまとめて払っているため、
家賃の中に水道代は込みという仕組み。

アパートを借りている限り、
「水道代」という項目を目にすることはないので
パリって水がただ、という感覚になります。

バブー
郊外の一軒家に住む友人とかに聞くと、
ちゃんと請求がきているらしいよ。
でもパリ市内だと、
ほとんど一軒家を目にしないほどだから
自然と「水道代」というものに触れる機会が
なくなるんだよね。

パリでも、新しく建てられているアパートとか、
少しずつだけど個別に請求が来るところも
出てきているみたいだよ。

というわけで、フランスの住居証明で
なんといっても重要なのは
「EDF」(ウー・デー・エフ)。

フランス語を勉強している人は
覚えておいて損はなし!
教科書にもいつか出てくるはずな
必須単語「EDF」(ウー・デー・エフ)です♪

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
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2018-07-31-TUE


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illustration:Jérôme Cointre