バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「プールに入るのは
子供だけ?!」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「プールに入るのは子供だけ?!」

バブー

ボクの相棒、5歳のプチモンスター。
今年の9月から、フランスの幼稚園では
3年目の年長さんに突入したけれど、
週に1回プールの授業が始まったよ。

とのまりこ
着替えやトイレやらのお手伝いがてら、
毎回お母さんたちが3人くらい付き添います。

フランス語まわりでは全くお役に立てないし、
毎日決まった時間出社する会社員でもないので、
結局毎週のようにお手伝いに参戦している私。

というわけで、
毎週じっくりプールの授業を
観察しているのですが、
もう1回目から驚きの連続。

フランスのプール、
コーチは水の中に入らず、
プールサイドから指導するということは
昔から聞いてはいたが、
ほんと〜に、誰もプールの中に入らない。
初めましてのご挨拶で
プールサイドに座る園児たちの前に立つ
コーチたちの足元がスニーカーなのを見て、
私は絶句したのでした‥‥。

まさか4歳児、5歳児のクラスで
誰も大人がプールに入らないなんて。
思ってもみなかった!


▲コーチはプールに入らないので、この通り普通に靴を履き洋服を着ています‥‥。

バブー
プチモンスターたちが入るのは、
子供プール。
子供プールとはいえ、水深はおそらく
80cmから90cmくらい。

4歳から5歳のクラスメイト。
1mから1m15cmくらいの身長の
子供たちなんだけど、
プールに入ると、
ちょうど頭の部分だけがやっと出るくらい。
波が立つと口や鼻に水が入って
ちょっとアップアップしちゃうくらいの水深だよ。

とのまりこ
そこになんと、初日から、
「は〜い、みんなプールに入って〜!
あっち(25m先)まで歩いて行ったら、
ロープをくぐって隣のコースに入って、
今度は走って戻ってきなさ〜い!」
から始まった!

え?? いきなり水の中に入る??
(ちなみに準備体操とかは一切ない)
子供たちだけで入る??
いきなり25m歩かせる??
それでロープをくぐるだって?!

一体どういうことだ?!
水に顔をつける練習どころか、
いきなり潜るってことか?!

と、頭の上をハテナが飛びまくる私の前で、
子供たち全員いきなりプールの中。
コーチは1クラスに2人。
プールサイドから檄を飛ばします。


▲プールサイドから指示を出すコーチ。
彼が持っている棒状のビート板のようなものや棒で泳いでる人を
つんつんしたりして指導することも。

バブー
プールサイドに座って、
まずは足を水の中に入れてみて、
バタバタ〜なんてバタ足しながら
少しずつ水に慣れて、
ちょっと水を顔にかけてみよう
ちょっと水に顔をつけてみよう
ビート板を持って浮かぶ練習してみようetc...

そんなところから始まるのかと思っていたら、
なんといきなり25mプールの往復を
ひたすらするっていう初日から始まったのだ‥‥。

とのまりこ
子供たちは楽しそうに
ぴょんぴょんぴょんぴょん
跳ねたり潜ったりふざけ合ったりしながら、
25mプールを行ったり来たりしているのだけど、
ふざけているのか溺れているのか、
いまいちわからないような場面もあるし、
コーチがふざけてる子を叱ったり
何かアドバイスをしたりでプールサイドに
誰かを呼んで話していたりすると、
25mプール全体に
大人の目が行ってないなんてことも
しょっちゅうあって、なんだこれは〜!
と、ちゃぶ台をひっくり返したくなったけれど、
どうやらこれがフランスのスタンダード。

「なんでコーチがプールに誰も入らないの?」
「誰か溺れたらどうするの?」
「プールサイドから言葉だけで指導しても
泳ぎが上手くならないやん。」

と、フランス人のママたちにも
聞いてみたけど、
みんなこれが当たり前で、
むしろ日本はコーチがプールの中に入って
手取り足取り教えるだって?!?!
と、驚かれるのでした‥‥。

(ちなみに、プチモンスターの幼稚園が
お世話になっているスイミングスクールは、
パリでも超有名なスクールで
わざわざ遠くから通う人も多いスポーツクラブ。
そんなところでもコーチは水の上からなのでした。)


▲子どもたちが持っている棒状のビート板代わりになる棒を「フリット」と言います。
「フリット」といえばフライドポテトのことなので
ついつい毎回ポテトを連想してしまう私‥‥。

バブー
これでさらに驚くのがね、
クラスメイトの半分以上が、すでに、
スイスイ泳いだり、逆立ちみたいのしたり、
平気で水の中に潜れるってことなんだ。

泳ぎ方はもうみんなめちゃくちゃで
形になっている子なんていないけど、
なんとなく本能で?! 適当に?!
スイスイ潜って泳げるんだ。
頑張って顔を水につけてみようね〜。
なんてレベルじゃないわけなんだ。
だっていきなりロープを潜って
隣のコースに行けって指示に
ほぼ全員問題なくクリアできちゃうんだもの。

一体どういうことなんだ?!
と、ボクたちは考えてみた。
そして謎が解けたんだ。

そう、ここはバカンス大国、おフランス。
年に何度も、1週間2週間単位で
バカンスに出かけるお国。

ひたすら毎日海に出かけてダラダラしたり、
プール付きのバカンスハウスを借りて
過ごしたり。
もう赤ちゃんの頃から、
プールや海に触れる機会が山ほど。
だから水が怖いなんて子供はいないし、
当たり前のように
潜ったり泳いだりできるんだと‥‥。

なんとバカンス大国の影響が、
こんなところに出ていたとは?!
というわけで、周りのみんなに
必死に追いつこうと頑張っている
プチモンスター。
プールサイドから教えるコーチスタイルで
どのくらい泳げるようになるのか。
これからも観察してみようと思っているよ♪


▲初日から25mプールをひたすら往復。コーチはプールサイドから声かけ。
コースの向こう側とこっち側でひとクラスを2つのグループに分けているけど
やってることも全然違う(レベル別ではない)。

 

 

 

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「シンプルシックで心地よい暮らし
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出版社 : 世界文化社
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※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
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2022-10-18-TUE

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illustration:Jérôme Cointre