バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「セーヌ川がたいへん!
パリは何に困ってる?」

 
     

バブー

日本でもセーヌ川の氾濫、
そしてそのセーヌの氾濫から守るために
ルーブル美術館やオルセー美術館を
急遽お休みにして作品を移動しているところなど
ニュースで流れているよね?!

とのまりこ

いろんな方面から心配の声が届くので
今日はそんな今のパリの様子をお届けします。

夜10時をすぎても明るい、
そしてみんながいちばん楽しみにしている
夏のバカンスが目前にせまった
フランスが最も明るくて華やいだ空気になる
この季節。


▲パリっ子、観光客があつまる散歩道が今は全て水没しています

ところが今年はお天気でウキウキした日なんて
両手で数えられるほど。
いや、片手で数えられるほどくらいかな?!
ほとんど毎日どんより曇り空。
ブーツとコートが手放せない寒さ。
雨がしとしと降り続け、
カフェのテラスでビールを飲むというよりは、
ほぼ日の土鍋を使って鍋をしたいという日が多かった。

 

バブー

そしてそこに追い打ちをかけるように
5月最後、まとまって降り続けた雨。
セーヌ川の水位がどんどんあがり、
ここ数日ニュースで流れていたような
状況になってしまったんだ。

ボクはちょうど、日本からきていた
お客様をアテンドして、
パリ観光最後の夜を
「セーヌ川のディナークルーズ」で
締めくくる予定だったのだけど・・・。


▲天気がよければぜひ体験してほしいセーヌ川クルーズ!

「セーヌ川の水位があがってしまったため、
クルーズはできません。
停泊したまま、お食事だけはできますが
どうしますか?」

なんて連絡があり、
(↑水位があがっちゃうと橋の下を
船が通れないからクルーズが中止されるんだ)
残念ながら予定を変更して
クルーズディナーを中止した、まさにその翌日に
セーヌ川が氾濫したんだよね。

とのまりこ

とはいえ、「セーヌ川氾濫」といっても、
ごくごく一部の浸水をのぞき、
パリの街並みの住宅街の中に水が溢れ出して
氾濫しているというわけではなくて、
セーヌ川すぐわきのパリっ子憩いの散歩道である
遊歩道や車が通るセーヌ川沿いの車道、
そしてセーヌ川に浮かぶ島の一部分などが
浸水しているという状態。

「セーヌ川氾濫」とか「セーヌ川洪水」という
言葉ばかりがニュースで流れているようで、
市民が危険な状況なのかと心配していただいたり
しているようなのですが、
今のところパリ市内は危険な状態というわけではないので
安心してくださいね。

川沿いの遊歩道にあったクルーズ会社の建物や
カフェやレストラン、道路の標識や草木たちは
水の下になってしまって
大きな被害はあるのですが・・・。

バブー

こんな時なんだけどさ、
先日の「パリこれ!」でも紹介した 
フランスは労働法改正に反対するデモの動きから
ガソリンスタンド、パイロット、鉄道・・・etc
ストライキの動きもひどくなる一方。

そして今週からフランスでは
世界中から人が集まる
サッカーの大きな大きな大会「ユーロ2016」が始まる。
なのに洪水被害にストライキ。
そして新たなテロの心配・・・。
ちょっと踏んだり蹴ったり
観光客にも色々なところで影響がありそう・・・
というちょっと心配な今のパリです。

ボクも大好きなセーヌ川沿いの散歩道。
早くもとの姿に戻るといいな・・・。

 

 


※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!

 

フランス雑貨のお店オープンしました。
バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
東京都杉並区西荻北4丁目5−24
【地図】 【駅からの道順はこちら】

 

2016-06-07-TUE


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