お気に入り記事の保存はアプリが便利!

ほぼ日刊イトイ新聞

2021-10-22

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・クルマに乗って逃亡する銀行ギャングは、
 クルマの運転ができます。
 じぶんでどこかで練習して免許を取ったのか、
 教習所に通ったのかはわかりませんが、
 免許がもらえるまでの勉強をちゃんとやっていたんです。
 そして、猛スピードで逃亡して追跡されちゃうのです。
 いずれ衝突したり捕まったりするにしても、運転はできる。

 全身にタトゥを彫り込んだ悪そうなおにいさんが、
 バンドでベース・ギターなんかぶんぶん鳴らしている。
 ベースの練習をしてきたから、演奏できているのです。
 しかも、どういう音を出したらかっこいいかについても、
 ある意味、さんざん「研究」してきているわけです。
 ついでに、タトゥを入れる痛みにも耐えたのでしょう。
 「セックス・ピストルズ」のシド・ビシャスだって、
 なんにも楽器できないけど、なんとなくかっこいいから
 メンバーに入れたという伝説を聞いているけれど、
 ベース弾いてライブもやってるし、録音もしてるでしょう
 (まさか別のプレイヤーの仕事じゃないよね?)。 
 「いちおう、できるまではやった」ことって、
 なかなか大したものなのです。
 シド・ビシャスも、ぜんぜん弾けない人よりも、
 何百倍も弾けるやつなのです。

 ぼくは、ほんとに練習から逃げてきた人間なので、
 人に努力の大切さを説くことはできないのですが、
 いま多少なりとも得意にしているようなことについては、
 それを努力とも思わず飽きもせずにやってきたみたいです。
 「コピーライティングってのはさー」なんて
 調子よくしゃべっているだけでは、メシは食えませんから、
 たくさんの実作をやってきたということになります。

 努力しているつもりがないのに、やめずにやっていること。
 これが、たぶん「興味あること」なんだと思うんです。
 ワルなんだけどギターが弾けるって人は、
 ギターが「興味あること」だったんですよね。
 その「興味あること」の、すっごくうまい人がいたら、
 その彼や、彼女や、そのチームがどうやって、
 「すっごくうまい」になったのかを追いかける。
 結局それが、すごい努力に匹敵するものになるんですね。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
「しゃべってるより、やれ」、どれだけ先人が言ったことか!


ここ1週間のほぼ日を見る コンテンツ一覧を見る
ほぼ日の學校
吉本隆明の183講演
ドコノコ
ほぼ日アプリ
生活のたのしみ展
TOBICHI東京
TOBICHI京都