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ほぼ日刊イトイ新聞

2023-12-11

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・みかん収穫の手伝いというか、
 子どもたちにとっては「たのしいみかん狩り」というか、
 いや、やっぱり大人にとっても「たのしいみかん狩り」は、
 もう5年目になるとだんだん腕も上がってきたらしく、
 とんでもない数の実をつけた当たり年のみかんの木
 計16本を丸刈りにして終えることができた。
 一本の木に600個とかなっているらしいから、
 10000個近い数のみかんを収穫したわけかぁ。
 作業としては、ちょんとハサミで枝から切り取って、
 へそのように見えるギリギリのところでもう一度切る。
 いわゆる「二度切り」ということだけがルールだった、 
 シロウトのぼくたちにとってはね。
 でも、それは、みかん農家のやるべき仕事のうちの
 10分の1にもならないようなことだ。
 もし、ちょっとだけ知りたいと思ったら、
 グーグルの検索で「みかん農家 スケジュール」とか
 入力してみてください、いやぁ、たいへんなことだよ。
 買うときのみかん1個は安いと思わないかもしれないけど、
 それぞれの木が無料で果実をつけてるみたいだけど、
 たくさんの人たちの仕事の積み重ねで、
 その、1個のみかんになっているんだよね。

 子どもたちも、「たのしいみかん狩り」を経験すると、
 こんなにたいへんな思いをして育ててるんだ、
 と知る…とはかぎらない(笑)。
 でも、それでいいんだ。
 いつもよく見ているみかんの、
 「みかんそのものだけじゃない」なにかを知るだけでいい。
 冷蔵庫にある果実も、お店に並んでる果実も、
 天から降ってきてそこにあるものじゃない。
 そういう「感じ」を、そういえば知ってるということが、
 なんだかとても大事なことなんだよね。
 「苦労を知りましょう」とか「勉強しましょう」じゃなく、
 木ってすごいなぁとか、葉っぱもいっぱいだったとか、
 あんなにたくさん実るのかとか、箱に入れると重いなとか、
 そういうストーリーを感じるだけで、みかんが変わる。
 みかんが変われば、みかん分だけ世界が変わるよ。

 ぼくら大人たちも、肩甲骨をよく動かして、
 「みかん収穫体操」を経験していい一日だったねー。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
みかんのことググった人は、ぜひ感想など送ってください。


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