お気に入り記事の保存はアプリが便利!

ほぼ日刊イトイ新聞

2020-06-03

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・「ああ、そうですか」「え、そうだったんですか」
 「わぁ」「おお」「あっ」「ええええ」
 「そうかぁ…」「あります」「まさか、え、ほんとに?」
 「それはすごい」「なるほど〜」「おおきい!」
 というようなことば、日常生活のなかによくあります。

 相槌(あいづち)というものです。
 特別の意味はないのですが、小さな感想というか、
 「聞いてますよ」という返事のようなことでもあるし、
 語られたことば裾に、ちょっとつかまったりする感じ。
 この相槌をさらに補うような表情というものもあります。
 話している相手に目をやっていることだとか、
 いかにも機嫌わるそうな顔をしないことだとか、
 声に出さない場合でもうなずきがあるとか、
 そういうことも話を気持ちよく進めます。

 手慣れた水商売の人が、いかにもという感じで
 わざとらしい相槌を打つのにはちょっと閉口しますが、
 素直に「聞いてますよ」とサインが出ているのは、
 話している人にとっては、とてもありがたいものです。
 しゃべるということも、ひとつの表現行為ですから、
 「聞いてもらえてないかも?」という不安があります。
 これを、相槌が打ち消してくれるわけです。

 このごろ、どこでもやっているリモート会議で、
 けっこうつらく感じているのが、この相槌の部分です。
 基本的にじぶんの順番で、じぶんの言いたいことを言う。
 話した人は終わりをはっきりさせて、次の人が話し出す。
 こういうやり方がクリアでスムーズな進行には必要です。 
 だれかのしゃべりがいったん終わるまで、
 「そうですね」だとか「ああ、それはいい!」とか、
 声を出したら妨害みたいになってしまうので、
 みんなが互いに相槌を噛み殺しているんですよね。
 相槌がないと、しゃべっている人もやや不安になる。
 理路整然としたことばかり言うわけじゃないですからね。
 「ということです」(一瞬の間)「それに賛成です」
 というような流れでリモート会議が進んでいきます。
 この愛想なしなムードをなんとかしようと、
 頭のうえで両腕でマルをつくったりもするのですが、
 そこらへんがせいいっぱいなんです(間)どうぞ。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
一生、相槌と頷きと笑顔だけで過ごせたら最高に幸せです。


ここ1週間のほぼ日を見る コンテンツ一覧を見る