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ほぼ日刊イトイ新聞

2023-03-29

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・今年がはじまったばかりのときに、ぼくは、
 「1日」という単位を大事にしようと思うと書いた。
 いろんな予定やら計画やらがあるにはあるさ、みんな。
 でも、生きものが、ほんとうに単位にしているのは、
 日が昇って日が沈む、朝があって昼があって夜がある。
 地球が自転する時間、1日という単位なのだと思った。
 長く見える一生だって、仮に100年生きるとしても、
 たった36500日しかないということだ。

 36500日の1日を1円だと考えて、
 人生が36500円だと思ってみたまえ、小林くん。
 1円つかうごとに1円減るんだぞ。
 全財産が一万円札3枚と6500円しかないとしたら、
 あんがい100円とか10円とかもばかにならないだろう。
 脅かしてるように聞こえるか、小林くん。
 子どもっぽい喩え話で、事実を思い出させてるだけだ。

 1日については、もっと考えた。
 1日を鎖(くさり)の輪っかだとしてみたらどうだろう。
 輪がつながっているのが鎖というものだ、わかるよね。
 これ、また人生の喩え話にしてみるぞー。
 1日という単位の輪が、一年だと365個つながっている。
 100歳まで生きる人の鎖は、36500個の輪のつながりだ。
 それぞれの人によって、どこかで輪が切れる。
 50年で切れたら、輪は18250個で終わったことになる。
 ひとつの輪、ある1日が無くなっただけで、
 その先にもう、鎖はつながらないのだ。

 1日を単位にして考えるというのは、
 こんなふうになかなかおもしろいものだった。
 とにかく1日を大事にすることだと思うようにした。
 1日というそれほど長くもない時間は、すぐ過ぎ去る。
 今日とは、今(いま)とほとんど同義語に思える。
 そして「今」とは、現在ということだ。
 「現在」は英語で「PRESENT」だったなと思い出す。
 そして「PRESENT」は、だれもが知ってる「贈り物」だ。
 1日とは、今日とは、現在(PRESENT)であり、
 生きているぼくらに与えられた贈り物(PRESENT)だ。
 「LIFE IS PRESENT」わぁ、そうなのだ。
 これは、ものすごく大事なことばが生まれた気がする。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
1日について考えてると、なんとなく1日がありがたくなる。


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