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ほぼ日刊イトイ新聞

2019-11-14

おしらせ

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・「丸い卵も切りようで四角」と言われるが、
 卵を四角く切った人は、世のたのしみを少し増やした。
 そして、世のめんどうな手間も少し増やした。

 歌手がマイクの前に直立不動で立って歌う時代から、
 踊りながら歌う時代になってきたけれど、
 それは、そんなふうに変わったというだけでなく、
 どっちもアリになったわけである。
 歌うということのたのしみは少しずつ増えていった。

 甘いキウイを食べながら、この原稿を書いているのだが、
 こんなに甘いキウイも、世のたのしみを少し増やした。
 マスクメロンだけが果実の女王とか言われていたが、
 夕張メロンも、後から追いかけて別の個性を認めさせ、
 世の果物好きのたのしみを少し増やした。
 ちょっと遡って考えていけば、巨峰だって、
 シャインマスカットだって、たのしみを少し増やした。

 街のあちこちにある点字ブロックや、
 車椅子で通りやすいスロープは、
 身体の不自由な人のたのしみを少し増やした。
 そして、そのことは身体の不自由でない人の
 居心地のよさも少し増やすことになったと思う。

 遊園地がひとつできることで、
 そこに出かけてたのしい時間をすごす人が少し増える。
 そこでお金をつかう人たちが増えることで、
 その遊園地でのはたらく場所が増えることになる。
 ずいぶんたくさんのおたのしみが増えるわけだ。

 もっと厳密に考えていくと、
 世のおたのしみが少し増えることは、
 そのことでの反作用もなにかしら生んでいるわけだが、
 それでも、丸い卵を四角くしてみることは、
 人がとてもやりたがることでもあったりするので、
 なんでも止めるよりも、やってみたほうがいいと思う。

 満員の競技場をながめていると、
 人びとのたのしみそのものがエネルギーになって、
 他の人たちのたのしみを生んでいるのも、よくわかる。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
経済を回すというのは、たのしみと仕事を増やすことだ。


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