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ほぼ日刊イトイ新聞

2020-01-22

おしらせ

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・「わかったような気になってばかにする」
 そういうことってないかい?

 ぼくは、たくさんあったよ、たとえばね…。
 若いときに、アメリカやイギリスの音楽を聴いていると、
 なんだか新しい時代の主人公になったような気がして、
 おじさんおばさんがよく聴いているような
 歌謡曲をはじめとする日本の歌をばかにしていたんだ。

 恥ずかしいから、あんまりいちいちは言わないけれど、
 いまのパナソニックの創業者の松下幸之助さんのことも、
 「どうせ、偉そうなこと言ってるおじさんだろう」
 くらいに、なんにも知りもしないくせに決めつけていた。

 詩人で書家の相田みつをさんのことなんかも、
 「適当なこと言って、最後にみつをって言えばいいんだ」
 と冗談のたねのように片付けていたよ。
 ぜんぶ正直には言わないよ、恥ずかしすぎるからね。

 じぶんがまちがっていた、ということの前に、
 なんにもわかってないし、知りもしないくせに、
 「あんなものはたいしたことない」と決めていたことが、
 あまりにもダメなことだと思うし、それが恥ずかしい。
 おそらく、こんなふうに、知りもしないのに
 「わかったような気になってばかにする」というのは、
 じぶんがなにもないから、まわりをばかにしないと、
 生きてく自信が持てなくなっちゃうからなのだろうね。
 たぶん、ぼくの場合はそうだったと、いまは思う。

 やがて、ひとつずつわかっていくわけだ。
 現実的に、ものごとを知っていくと、
 「それぞれに、たいしたものだ」とわかってくる。
 そして、じぶんにないものについては、
 それまでばかにしていたものに教わる必要がある、と。
 このことに気づくのが、何歳くらいのときか。
 人それぞれだと思うんだけれど、
 あんまり遅くならないほうがいいような気がする。
 それができるようになると、敵からも学べるし、
 花や虫や電車やチョコレートからも学べるようになる。
 それがいやなら、ま、そのままでいなさい、ということ。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
糸井重里?なにあれ?最悪だよね…も、当然あるだろうさ。


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