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ほぼ日刊イトイ新聞

2021-12-04

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・東京を離れて用事も予定もない旅をしていると、
 いい感じでずっと「受け身」で過ごすことになる。
 空模様がどうかしたら、それに対処する。
 道に迷ってもそのときその場で一所懸命に考える。
 目的があるわけではないので、失敗はないし不満もない。

 「いつでも意思や目的のある生き方をしなさい」とかね、
 さんざん教育されてきたような気がするんだけど、
 ほんとのところ受け身の状況のほうが圧倒的に多いのさ。
 極端に言えば、8割とか9割が受け身かもしれないよ。
 どんなに目標やらのはっきりしている人だって、
 流行の感染症に対しては受け身でしかいられないだろう。
 「ぼくが退治しに行きます!」って、
 鬼ヶ島に向かう桃太郎みたいなことはできないんだから。
 大谷翔平だってワクチン接種してマスクしてるくらいしか、
 やりようがないじゃないですか。
 「受け身」であり、「当事者」であるけれど
 なんでも知ってるわけじゃない、それがほとんどの人だ。
 コロナウイルスの話題でも、どっかで仕入れた知識を
 じぶんなりに編集して、学者や政治家みたいに
 「こういうことだから、こうするべきなんだ!」とか、
 たくさんの人が力説しているんだけどさ、
 あんたができることはほとんどなにもないんだ、
 と、ぼく自身にも言ってやりたいと思ったよ、この旅で。
 岡目八目を気取ってあれこれ言ってるもんなぁ。
 前にも書いたことがあるけど松下幸之助さんが言ったよ、
 「雨が降ったら傘をさすんです」ってね。
 知ったかぶりして天気を語るより、傘をさすことなんだ。

 世界中のすべての人間が、
 全世界の専門知識を研究したり論じたりしていたら、
 コメもムギも自動車も道路もお好み焼きもつくれない。
 どうしても考えたいことがあるなら、
 じぶんがだれかのお役に立つ仕事をする合間の時間に、
 少しだけ混ぜる程度でいいんだぞ、俺よ。

 いやいや、そんな反省みたいなことを
 書くつもりもなかったんだけどね。
 旅の空の下にいると、こういうとてもシンプルなことを、
 あらためて思ったりするんだよなー。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
じぶんのすることをしっかりやりなさい、とじぶんが言った。


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