糸井重里
・ちょっと無理にでも、という気持ちがあります。
なんのこっちゃとお思いでしょうが、
つまりその「AI対策」です。
AI、ほんとにある意味、人間より仕事してくれます。
ほんとに、事細かに、網羅的に、いかにも必要十分に、
いろんなことを答えてくれます。
いわゆる調べ物をするときなんて、もう、すごいです。
そういう角度からも資料を漁ってくれたのか、と、
抱きしめたくなります、よろこばれないだろうけど。
しかも、仕事の速度もすごいですからね、
さらに、「もっとこういうことしましょうか?」とかね、
こっちの「ものにしたい方向」の提案もしてくれるから、
「ではお願いします」と続けていくと、
そこでも素早く解答を出してくるわけですよ。
ただ、「広告コピーにしましょうか?」みたいなのは、
じぶんで提案したくせに、あんまり得意じゃないんです。
ぐだぐだと説明する必要のないものは苦手みたい。
そう、逆に言えば、ぐだぐだ説明するのは大得意ですね。
ある意味、見当違いのことでも、
「だから当然こういうことになりますよね」みたいに、
どんどんAIなりの論旨を展開していきます。
土足でずかずか踏み込んでいくという感じ。
中学入試の算数の図形の問題なんか解いてもらうと、
もう大変なくらい嘘をつきますからね。
「おいおい、なんだよ、唐突に加えた四角形は!」と、
あきれちゃうようなことをしているくせに、
「ですから、当然」みたいに進めていきます。
「あなた、さっき平然とうそをつきましたね」とか、
やんわり厳しくつっこむと、
「はい。そうでしたね、鋭いご指摘です」なんて、
また調子のいいことを言ってくれたりもします。
ま、そういうことにはいったん目をつぶるとして。
とにかく、みんなが「正しくAIに訊く」のが
当たり前の世の中に、もう、すぐになるでしょうよ。
そうなりきってしまう前に、ぼくは、できる限り、
「でたらめの方に重心をかけて」判断するようにします。
つまらなかったら別ですが、できるだけデタラメの方に。
あえて、AIが選ばない側に肩入れして考えるようにします。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
「つまらない正解」がインフレした世界に、なにが有効か?
-
- 場所
- Googleマップで地図を見る
- 開催日
-
- 場所
- Googleマップで地図を見る
- 開催日
-
- 場所
- Googleマップで地図を見る
- 開催日