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ほぼ日刊イトイ新聞

2021-03-07

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・映画『すばらしき世界』の二度目を見た。
 役所広司さん演じる主人公が、
 別れた奥さんの新しい家庭をこっそり訪ねるシーンがある。
 学校帰りの娘さん(新しい家庭の)に出会ってしまい、
 ことばを交わす場面で、女の子のシャツの胸にある文字が、
 「Bon Voyage(よい旅を)」なんだよね。
 その誰のセリフでもないことばに、またじーんとした。
 その文字のある、そのシャツが、
 制作の過程でどんなふうに選ばれたのか、
 ちょっと聞いてみたいような気がした。
 映画って、ただ偶然そうなりました、ということは、
 ほぼひとつもないからなぁ、自然が映り込むにしても、
 それが映って画面になるまでには「意思」がある。
 時間の経過ごとに挿絵のように挟まる季節の景色が、
 この映画の性格をとてもよく表していたしね。

・コロナ禍で、高級レストランだとか、料亭だとかでも、
 高級食材の消費ができにくくなっているらしい。
 例えば、マスクメロンを食べる状況が減っているだろう。
 しかし、マスクメロンを栽培している農家は、
 それを見越して少なくつくるというわけにもいなない。
 というわけで、ネット通販でマスクメロンが
 それなりに安く流通している。
 「投げ売り」という印象ではない、それなりに安くだ。
 頂きもの以外で、マスクメロンを食べる機会は、
 そうそうあるものではない。
 「ありゃぁうまいもんだ」という気持ちを、
 ぼくもこの年齢になるまでずっと保っているのは、
 つまり「憧れに飽きてない」からであろう。
 あんな宝石のような果物を栽培している人にも、
 「買う人はいるよ」と間接的に伝えたいし、
 じぶんでも身銭で「うまいなぁ」と言いたいので、
 えいやっと、買って食べるわけですよ
 (やや小ぶりの買いやすいのだけどね)。
 で、おいしくいただいて、ついつい貧乏性が出ちゃう。
 甘くておいしいところで食べるのを止められずに、
 あんまり甘くない、皮に近いところまで削って
 無理に食べようとしているじぶんに気づくわけだ。
 おいしくなくなるまでメロンを食べるつもりか? 
 おれは、メロンのなにを食べようとしているのだ?!

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
スイカでもやっていたんだけどね、皮まで削りすぎ食べ。


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