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ほぼ日刊イトイ新聞

2020-10-30

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・ソース焼きそばは、大好物である。
 なにせ、「地球が滅亡する前に食べたい最後の食事」に、
 麻布十番浪花屋の「(鯛焼きも食べたいけど)焼きそば」
 と答えたくらいの好物なんだからね。
 そばの弾力ある歯ざわり、キャベツの名脇役ぶり、
 青のりや紅しょうがを加えたハーモニー。
 全体をまとめあげるウスターソースの名指揮者ぶり。
 食べる前から最後まで響き続けているのが、
 すべてを炒めてくれたラードやごま油の通奏低音。
 揚げ玉やマヨネーズでアクセントをつけるのもいいね。
 ソース焼きそばは、いいよなぁ。

 それはそうなんだけど、インスタントの焼きそばも、
 まったく別のおいしさがあって、嫌いじゃないんだよな。
 これ思えば、全然、焼いてないんだよね。
 茹でて、水気を飛ばして、粉末ソースをからめて、
 フライパンだったら少しは炒めるかな、少しはね。
 それでもおいしいからいいんだ、これはこれで。
 ということをふと思い出して、
 インスタントの袋入りの焼きそばをつくって食べた。
 千切りキャベツをちょっと加えさせていただいたけど、
 まぁ、基本はプレーンなインスタント焼きそばだった。

 思えば、材料さえ揃っていたら、
 ほんとのソース焼きそばをつくる時間を10分だとしても、
 インスタント焼きそばをつくる時間も5分以上はかかる。
 「即席=インスタント」の食品というやつは、
 時間が短縮できるというふうに思い込んでいたけれど、
 ほんとは、そこで短縮できた「ほんの数分」なんて、
 人々は、ありがたいと思っていたわけじゃないんだよね。
 じゃ、なに? インスタント食品はなにを買ってたのか? 
 即席というのは、時間を買っていたのではなくて、
 「めんどくさくない」を買ってたんじゃないだろうか。
 別々の材料を買い揃えたり、切ったり下拵えをしたり、
 だから、5分かかる「カップうどん」もオッケーだし、
 仮に「1分に短縮!」というインスタントめんが出ても、
 おそらくそれほどよろこばれないと思うんだ。
 「インスタントめん」の発売当初は、
 3分という時間がニュースになっていたけれど、
 いつのまにか、そっちじゃなくなってたんだよな。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
毎日100分プレゼントされたら、みんなどう使うだろうな?


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