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ほぼ日刊イトイ新聞

2023-01-28

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・そう大げさに語るものではないのだろうが、
 じぶんよりずっと年下の人を応援しようという気持ちが、
 「人類」には、あるんじゃないだろうか。

 そのときそのときには、それほど意識してなかったけれど、
 ぼくも、ずいぶんと応援してもらってきた。
 何度かここでも書いている小学校のときのI先生のことは、
 「とても大切にしてもらっていた」といまさら気づく。
 高校時代のK先生は、なかまたちみんなが応援されていた。
 迷惑だったろうなというくらい、友人たちと、
 先生のところに「遊び」に行っていた。
 話をしてくれることもだったけれど、
 とてもたのしそうに話を聞いてくれた。
 広告業界に入門したくらいのところでは、
 Y先生がいろんなところに連れて行ってくれた、
 仕事仲間たちに酒場で「イトイくんです、天才です」と
 冗談めかして言ってくれたことで、勝手な希望を持てた。
 仕事をしはじめてからは(つぶれちゃった会社だけど)、
 そこの社長のOさんには、たいへんお世話になった。
 ご家族みんなで親切にしてくれた。
 その後、フリーになってからも、何人もの先輩たちが、
 ぼくを「大きくしよう」と手入れをしてくれたと思う。
 NHKで番組をやっているときなんかだと、
 チーフプロデューサーのHさんが、
 生意気だったぼくへの風当たりを防いでくれていたらしい。
 大人になってしまってからの吉本隆明さんの存在は、
 ほんとうにありがたかったなぁと、いまでもよく思う。

 いま、ここで思い出した方々は、全員が、もう鬼籍にある。
 「いまごろあらためて思います、ありがとうございました」
 と言いに行こうとしても、それはかなわない。
 どの方も、なにか得があるから応援してくれたのではない。
 じぶんが年を取ってからわかるようになったのだが、
 おもしろそうに生きている若い人に水やりをするのは、
 それがひとつの「たのしみ」だからなのだと思う。
 だから、すくすく育てば、それだけでお礼になるのだ。
 身勝手な言い方に聞こえるかもしれないけれど、
 恩返しなんて、たぶん、ほんとうに要らないのだ。
 こんなふうに、いまさら思い出したりしていることが、
 なによりのお礼で、恩返しなんだと本気で思っている。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
おそらくそれは親についても同じ。子らよ、のびのび生きろ。


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