糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの

02月19日の「今日のダーリン」

・この「今日のダーリン」を休んでしまおうか
 という誘惑にかられることは、まだ、何度もなかった。
 それでも、実際に休むことはなかった。
 休む大ごとと、休まないでなんとかする手間と、
 両方を天秤にかけて、休まないを選んできたのだった。
 えらいわけでもなんでもない。
 ひと度休んだら、もう歯止めが利かなくなって、
 毎日書くなんてことが無理になってしまうだろうことを、
 じぶんでわかっているというだけである。

 この書き出しから想像はついたと思うが、
 実は、この2月19日の「今日のダーリン」は、
 書かないで済んだらなぁとしみじみ思った一回分である。

 ベトナムの山のなかから、地方の空港に向かい、
 そこから大都市の空港に移動して、
 しばらく待ち時間があって東京に向かう飛行機に乗る。
 東京に到着するのは、おそらく19日の午前10時過ぎだ。
 こういう日程を前にして、「原稿をいつ書けばいい?」と
 真剣に悩まざるを得なかった。
 手元にあるスケジュール表をじいっと見ると、
 東京に向かう飛行機を待つ時間がけっこう長い。
 この間に、マックブックを取り出して、
 空港のどこかで、うんうん唸ればいいのかもしれない。
 でもなぁ、洗濯物やらなんかといっしょにして、
 いったん仕舞い込んだ道具を出して仕事をはじめるって、
 なんとも面倒に思えて気が重いのだ。
 「イトイさんは?」「空港のどこかで原稿書いてる」
 というような会話は、ぼくには似合わない。
 その仕事ができあがってないかぎり、落ち着けない。

 もう、いっそ、今回ばかりは書くのやめようかな。
 ほんとに久しぶりに、そういうことも考えた。
 でもなぁ、満を持して世に問うということでもないけど、
 せっかくの「初めての休み」の実現が、
 こんなことで終わっちゃうのもなぁとぐずぐずする。
 二度と使えない「はじめてのおやすみ券」だからね。
 と思ったら、おそろしくなって、もうホテルを出る前に、
 なんとかこの言い訳じみた原稿を書いて、
 1日早く送っておこうということになったのでした。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
内容のなさには、ちょっと特筆すべきものがありますが‥‥。