バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「イヌの落とし物に
罰金の効果なし?!」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「イヌの落とし物に罰金の効果なし?!」

バブー

お食事中の方は、ご注意!

今日の写真はちょっと汚いパリの写真で
申し訳ないのだけど、
パリの道路を占領してる
イヌの落とし物たちの写真です。

ボクたちイヌが
人間と暮らしやすい国フランス。

(いい子にできるならという条件付きだけど)
カフェもレストランも一緒に入れるし、
バスも電車も当たり前のようにイヌがいるし、
「ペット不可」という物件はないし、
ホテルだって多くがペット宿泊OK。
少なくとも、ホテルの予約のサイトなどには
「ペットはOK・NG」という表記があるのが
当たり前で、つまりイヌが人間と一緒に
暮らしていることが前提で
世の中も成り立っている感じなんだよね。

イヌたちが愛されいて暮らしやすいのは
とても素晴らしいことなんだけどね、
悪名高き(?!)パリの街を歩いていたら
気をつけなくてはいけない
「イヌの落とし物」に関しては、
まだまだため息がつくほどの状態。
「街を歩けば落とし物に当たる」なんだよね‥‥。


▲キャンペーンなどやるものの、まだまだパリの街からなくならないボクたちイヌの落とし物。
まったく困ったもんだよね‥‥。

とのまりこ
常に落とし物に注意しながら歩く癖がついている
パリ暮らし。
そうそう失敗はしない注意力は持っているはずだけど、
先日数年ぶりに、落とし物を踏んでしまった私‥‥。
芝生広場横の並木道だったので、
舗装された道路ではなくて土の道。
色が同化していたのですっかり見落としてしまい、
見事に落とし物に
足を突っ込んでしまったのでした‥‥。
ずるりと滑って危うく転びそうになりました。


▲大きなものから小さなものまで本当にそこら中に放置されているイヌの落とし物。
そして右の写真のように誰かが踏んでしまってこすり付けて行ったりするから
それはどんどん汚く広がる‥‥。

そして先週は、スイスからやってきた友人と
「いかにパリの街の地面が汚いか。
イヌの落とし物を拾う・拾わないのマナーが
スイスとフランス真逆か」
という議論で盛り上がり、
改めてこのパリのイヌの落とし物の多さ、
どうにかならないものかなあ‥‥と
考えている今日この頃です。


▲どこでも一緒に行けて、イヌとの旅もしやすくてイヌを愛する国フランス。
なのに落とし物は片付けられない‥‥。
(ちなみにこの写真のわんこちゃんと飼い主さんは
落とし物を片付けない人とは全く関係ありません。)

バブー
パリでは年間約650人の人が
イヌの落とし物のために滑って転んで
病院に行っているんだって。
年間650人だよ!
イヌの落とし物のせいで!


▲赤ちゃんが転んだり子どもがキックボードで走ったりする道路の至る所に落とし物があって
安心して歩けない‥‥。
ちなみにこれはバブーの散歩道の途中130mの通りの中で撮った写真。
130mのなかに全部で20箇所の落とし物が‥‥。

とのまりこ
世界的に悪名高い
パリのイヌの落とし物に関しては、
当然国内でもたびたび問題になっていて、
「犬の糞をちゃんと拾って片付けよう」
という大々的なキャンペーンが行われ、
街中にキャンペーンポスターがはられたり
拾わなかったら罰金だよということが
ニュースになったりと。
私がパリに来た20年前に比べたら
少しずつ改善されてきて
パリの街に落ちているイヌの落とし物も
だいぶ減ったかなあ‥‥、
という印象はあるのですが、
それでもまだまだひどい!

来年のパリ・オリンピックに向けて、
そこら中で道路工事やメトロの工事が
行われているけれど、
まずこのイヌの落とし物たちを
徹底的になくして、街をきれいにする方が
よっぽど大切なんじゃないかと思うくらい、
パリはまだまだイヌの落とし物に
注意しながら歩かなくてはならぬ場所なのです。


▲落とし物だけではなく、至る所にこんな風におしっこのあとも。
せっかく美しい街なのに本当に残念!
ペットボトルの水で流すという日本の飼い主さんたちの習慣を真似できたら
もっときれいなパリになるのになあ‥‥と。

バブー
あまりにもあちこちに落とし物があるから、
罰金制度も、昔のキャンペーンの時に
やっていただけなのかなと思って調べてみたら。

フランスでイヌの落とし物を拾わなかった場合に
設定されている罰金は一般的に35ユーロ
(2023年2月6日20時頃のレートでは
日本円で約4,983)。
ただ、各市町村が自由に価格を設定することができ、
パリは68ユーロ(最高450ユーロ)。
オルレアンは135ユーロ、
アヴェヴィルは335ユーロなど
地方都市によって価格が違うんだって。
ちゃんと今でも罰金制度は残っていた。

ドルドーニュ地方のベルジュラックという街では
2022年の4月から750ユーロという金額が
設定されているんだって!

こうなったらどんどん罰金をとって、
「上も下もどこを見ても美しいパリ」
って言われるようになってほしいなあと
心から願うボクたちです。


▲ゴミを捨てたいと思ってキョロキョロしたら必ずゴミ箱が目に入るほど、
あちこちにゴミ箱が設置されている街なのに、なぜみな落とし物を拾わない!
と思ってしまう‥‥。

 

 

 

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「シンプルシックで心地よい暮らし
パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」
出版社 : 世界文化社
発売日 : 2021/5/29

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

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2023-02-07-TUE

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illustration:Jérôme Cointre