イタリアンマンマというのは、 イタリアのごはんのこと、じゃなく イタリアのお母さんのことですよ。 1982年、宝飾デザインを学ぶため、 イタリアへ留学した木戸愛さんは、 現地で日本人画家のご主人と出会い、結婚。 3人のお子さんを育てながら、 イタリア各地を転々とされました。 ペルージャに1年半、リエティに6年、 その後ミラノに20年以上‥‥。 イタリアでふつうの主婦になった木戸さんが、 ご近所のマンマたちに教わった イタリアの家庭料理のレシピを、 「ほぼ日」のみなさんにお分けします。 なんか味のあるイラストも、ね。 |
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イタリアの3月19日はいわゆる父の日。 イエスの養父ジュセッペ(聖ヨセフ)の 「サン・ジュセッペ」です。 こちらの暦には、 毎日、守護聖人の名前がついていて カレンダーにも記されています。 3月19日のサン・ジュセッペの日は、 国際女性デーと復活祭のあいだに挟まれていて 母の日より少し地味に感じますが、 父親の存在も大きいものです。 そして、父親を尊敬している人が とても多いと感じます。 友達の家で 「マンマが選んだ素敵な彼がパパなの」 と言うのを聞いて、 微笑ましく思ったことがあります。 そういえば、私の子どもたちが幼稚園の頃、 園児たちのパパへのプレゼントは、 絵と暗記した長い詩を それぞれのお父さんの前で披露することでした。 その長い詩の内容と 一生懸命に披露するかわいい姿に、 親は涙しながらたたえたものです。 いったい、幼稚園の先生は、 こんなに小さな子どもたちに、 どうやって長い詩を覚えさせたのだろう? 気になって、お教室を覗いたことがあります。 園児たちが壁一面の大きな紙に、 アルファベットと絵を組み合わせて詩を描き、 それを何回も言ってました。 詩を通して、 親の大切さと感謝を伝えていたと思いますが、 その努力と忍耐力は、 いかほどのものだったのでしょう。 さて、今回は父の日に食べるドルチェ、 ゼッポレ・ディ・サン・ジュセッペです。 レシピ239でご紹介したゼッポレは、 エトナ地方のもので、 今回はそれとは異なる南の地方のものです。 シューは少しかため目に練り上げて、 クリームもかために作ります。 友人の作るものはシュー生地のあいだに クリームを挟むものでした。 クリーム好きの私にはぴったりです。 食べやすいように少し小さめに作りました。 どうぞお楽しみくださいね。
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