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最新の記事 2006/01/17
 
レシピその7
リエティ風ミートソース 〜リエティの精肉店〜

バッバと行く毎朝の買い物。
歩いて5分以内のところある
パン屋、青果店、精肉店、
その他の食材屋をまわります。
私などこの距離感ですと
ちょっとツッカケで出かけたいのですが、
バッバは身支度を整え、服を着替え、
ヒールに履き替えてのお買い物です。
あ〜。
その毎朝の買い物に費やすエネルギーは、
計り知れないものがありました。
でも、今、考えると、
その毎朝の複雑な人間のコミュニケーションが
私をどんなに成長させてくれたか!

今回ご紹介するのは、
リエティ風ミートソースですので、
我が家の近くにあった精肉店の
ご紹介をいたしましょう。
一間の間口の入り口には、顔にビニールをかぶされ、
逆さに吊るされた子羊。
卒倒しそうな気持ちを押さえ、
横をするっと通り過ぎ、長い列に付きます。
ケースには、肉魂ばかり。
先ずは肉の種類を指定します。
それから部分、切り方、
そして私は特に脂肪の分量を指定します。
脂肪に関してはっきりと言わないと、
全てを取り除かれます。
一度そこの脂肪を残しておいてくれ
とお願いしたら、
「そんなこと初めてだ」なんて言われました。
ミートソース用の肉もミンチにしてもらうのですが、
どこの部分で、どのくらいの挽き方かを指示します。
ミートソースの場合、肉の挽き方が
大きなポイントになります。
家庭によっては肉魂で買って来て、
自分で挽いたりしていました。
買い物に出る前に
必ずメニューを考えて行くようにして、
自分なりのビジョンを持ってのお客にならないと、
主導権が売り手にまわって、
彼の好みの物が出て来てしまいますので注意!
好みをはっきりとテキパキと指示し
それに対応する‥‥
お客と売り手のリスペクトが、
はっきりとしているところに、
こだわりの食の文化を感じました。
お客ひとりひとりに
このような対応をしているので、
もちろん出来る長い列。
待たされることを社交場にしてしまう、
主婦の知恵と柔軟さ。
おしゃべりに華が咲きます。
も〜うるさいのなんのって、
それを感じたくないのなら自分も話さなくっちゃ。
スーパーのパックされたお肉を買うことでは、
味わえない田舎独特の時間の流れでした。

我が家は大きめに挽いた肉が好きです。
今ミラノではフードプロセッサーを使って
自分で挽きます。
リエティの時のように手回しの肉挽きで挽いた方が
より美味しいのですが。
それではリエティ風ミートソースの作り方です。

リエティ風ミートソース


■材料

牛挽き肉:500g
ニンニク:1欠片(つぶして中のしんを取る)
タマネギ:1個
人参:1本
セロリ:1本
トマト缶:3缶(1000g位)

オリーブオイル:大さじ4
ローリエ:1枚
イタリアパセリ:少々
塩、胡椒、ワイン:適量




■作り方

(1)オイルを鍋に入れ、ニンニクの香りをだす。
(2)肉を入れ炒める。
   少し弱火でそのままにして、
   肉から油が出て来たらワインを入れる。
(3)ワインが全てなくなった時に
   タマネギの丸ごと筋きりを入れて、
   人参を丸ごと、セロリ丸ごとを入れ少し煮る。
   野菜がしんなりしんなりして来た時、
   トマト水煮を入れ、
   イタリアンパセリの軸とローリエを入れ、
   塩・胡椒で味付けをし、
   弱火でことこと1時間〜1時間半位煮る。
(4)表面に油の層ができたら出来上がり。
   中に入れた野菜等は取り除く。

茹で上がったタリアッテレに
ミートソースをかけていただきます。
パセリのみじん切りの飾りをかけ、
パルメジャンチーズをたっぷりかけて、
美味しいリエティ風タリアッテレミートソースの
出来上がりです。



万が一、余ってしまった時は
次の日にオイルをひいたフライパンで、
焼きそば感覚で炒めて食べてみて下さい。
これもまた美味しいですよ。
 
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