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アーカイブ 2009/02/01
 
レシピその85
エビとクルミのパスタ
〜イタリアに住んでいて困ること〜


「イタリアに住んでいて困ることはなんですか?」と
よく訊かれます。
イタリアに住んでいて困ること‥‥
それはなんといっても医療のことだと思います。
日本とは医療保険のしくみが違う上、
法律がかわるたびに手続きの仕方もかわり、
常に解らないことがあるため、
いつもくわしい友人を頼って、
その時々に対処しています。

20数年前にイタリアに来て、
一番最初の入院は、出産入院でした。
このイタリアの医療の始めの一歩から、
自力だけでなんとかすることはできず、
すっかりバッバ家族に助けられました。

出産入院そのものは無料でしたが、
妊娠から出産までの間の診察は同じドクターでも、
国民健康保険を使う場合と
使わずに患者が治療費を全額支払って
プライベートドクターとしてみてもらう場合とでは、
全く診察内容が変わりました。

そう、イタリアでは
国民健康保険を使うか使わないかで
診察開始までのスピードはもちろん、
治療方法そのものがかわります。
日本の医療で育った私にとって
このことには、かなり抵抗がありましたが、
イタリアで暮らすには
受け入れるしかありませんでした。

医療のしくみについて受け入れた後も
不安感は去りませんでした。
子どもが病気をしたときは、なおさらです。
小児科の先生は、信頼できる方でしたので
その判断には安心はしていたものの、
薬の摂取量については不安が残りました。
大人の私達でも、イタリアの薬を飲むときは、
指示された分量より少し減らして飲みます。
子どもにも少なめに与えるべきか悩みましたが、
結局、子どもたちは、
ここで産まれ、ここの産物を食べて育つのだから
両親の体質とはちょっとは変わっていくだろうと、
処方されたとおりに飲ますことにしました。

そういったふうに、ひとつひとつに迷いながら、
その都度判断してやってきました。
医療は、イタリアに住んで何年たっても
とまどったり悩むことが多い「困ること」です。

さて、今回のお料理はエビとクルミのパスタです。
ぜひ、おためしになってくださいね。

エビとクルミのパスタ

■材料(4〜6人分)

生パスタ:400g
エビ:250g
クルミの実(殻から外して):60g、(飾り用)20g
生クリーム:250cc
バルサミコ酢:大さじ1
ブランデー:100cc
エシャロット:1個
オリーブオイル:大さじ4
ブロッコリー:好みの分量
トマト:好みの分量
イタリアンパセリ:適量
塩:小さじ1
粗塩:軽くひとつかみ
※ パスタは今回、
 手打ちのパッパデッラを使いましたが、
 生パスタがない場合には乾燥パスタでもよいです。





☆下準備
・エビは殻と背わたを取り除く。
・イタリアンパセリは微塵切りにする。
・トマトは細かく切る。
・ブロッコリーは茹でる。
・エシャロットはスライスする。
・生クリームとブランデーを計量しておく。
・パスタ用に鍋にお湯をわかし粗塩を入れておく。
・クルミの実をとりだす。
 殻は飾り用にとっておいてください。



・飾り用のクルミを残して、
 クルミを細か目に刻む。
 クルミのサイズが小さい時は
 小さいすり鉢に入れて、
 トントンと叩いてもよいです。
 私は離乳食用のすり鉢を使ったりしています。



・残しておいた飾り用のクルミを
 すりおろし器などでする。
 クルミのサイズが小さいときは
 すらずに砕いて細かくしてください。



全ての下準備がととのいました。




■作り方

(1)オリーブオイルと
エシャロットをフライパンに入れて火にかけ、
焦げないように弱火でいためる



(2)中火にしてエビを入れる。



(3)エビの片面を軽く焼いてから、
エビに塩をふり、全体的に味をなじませ、
もう片面も軽く焼き、
ブランデーを入れてアルコール分を飛ばす。



(4)クルミを入れて、なじませる。



(5)生クリームを入れて、全体を混ぜる。



(6)火を弱めてバルサミコ酢を入れ
ひと煮立たちさせてから火を止める。



(7)パスタをゆでる。



(8)できあがったソースを火にかけ、
ゆで上がったパスタを入れて
塩加減をととのえる。



(9)素早く全体に味をなじませて、火を止める。



できあがりです。
春のきざしを感じさせる彩りの
ブロッコリーとトマトを添えてみました。
飾り用にとっておいたクルミの殻の中に
クルミの実を入れて添えました。
お好みでクルミをすったものをかけてみてください。
クルミの香りに冬のなごりが漂います。

BUON APETTITO!


 
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