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アーカイブ 2007/02/27
 
レシピその36
Frittelle(フリテッレ)
〜イタリアのカーニバルのお菓子〜


ドルチェを焼くときに家中にたちこめる
卵、バター、お砂糖が織りなす魅惑的な香り。
私はその香りをからだの中に取り込むと
幸せ感が溢れだしてきます。
私は本当にドルチェ(甘いもの全般)が好きです。
お腹がはち切れんばかりの食後にも
ドルチェは別腹です。
リエティの各家庭には、
マンマのドルチェが必ずといってよいほどありました。
クロスタータ(タルトの生地にジャムをはさんだ物)、
チャンベッラ(リング型に焼いたスポンジケーキと
バターケーキの間の味わいの物)など、
素朴ですが手作りの味が伝わってくる物ばかりでした。

バッバの家にもいつも手作りのドルチェがありました。
朝食用にはちょっと甘さを控えたチャンベッラ、
コーヒータイムにはクロスターターや、
ズッパイングレーゼ、オレンジトルテ、
リンゴトルテ‥‥。
彼女がドルチェを作るときは必ず呼んでもらい、
作り方を教えてもらいました。
そのとき口頭で教えてもらった作り方は、
・小麦粉は少しずつ加えて、
 生地のかたさをみて調整する。
・お砂糖は好みの甘さで(バッバのお砂糖の量は多く、
 日本人の私にはその量には脱帽でした)。
・オイルは目分量で様子をみながら。
・リキュールはたっぷり
‥‥といったアバウトな感じで、初心者の私にとって、
あまりにも大胆すぎる説明で想像を絶する作り方でした。

バッバの作るチャンベッラは天下一品でした。
卵を泡立てるときは、泡立て器で手を使って、
始めから最後までゆっくりとしっかりと混ぜます。
その結果、泡立てた卵はあくまでも細かく、
しっとりとしながらもかたくなく、
一般のイタリアの物とは違い
とても繊細で上品な美味しさです。

ある日、バッバの娘たちが私に
電動式の泡立て器をプレゼントしてくれました。
でも、どんなに工夫しても
バッバのような仕上がりになりません。
お料理への情熱や食べる人たちに対する想い、
そして、お料理にたっぷりかける時間があってこそ、
あの仕上がりになるのではないかと思いました。
彼女の作る物には「心」がありました。

さて、ミラノは路上が紙吹雪でいっぱい。
カーニバルです。
今回は、カーニバルのときにいただく
揚げ菓子をご紹介します。
揚げ菓子の中に入れる具に
干しレーズン、リンゴ、粒チョコを用意しました。
3つのお味を楽しんでいただけます。

Frittelle(フリテッレ)


■材料(4〜6人分)

小麦粉:250g
牛乳:200cc
砂糖:30g
卵:2個
生イースト:15g
レモン:半分
ラム酒:10cc
塩:少々
干しレーズン:20g
リンゴ:4分の1個
粒チョコ:20g
揚げ用の油(ピーナッツ油など):適量
グラニュー糖:お好みで




☆下準備
・小麦粉は一度ふるう。
・干しレーズンはお湯で戻す。
・リンゴは小さく切る。
・生イーストは常温の牛乳大さじ2で混ぜる。
・レモンは皮の部分をすりおろす。
・卵はといておく。




■作り方

(1)容器に小麦粉を入れ、真ん中をくぼませ、
イースト・とき卵・砂糖・レモンの皮・ラム酒・塩を
入れ混ぜ合わせる。



(2)牛乳を少しずつ入れ、
全体的に柔らかくまとまったら
ふきんをかけて1時間くらい休ませる。



(3)1時間たつと(2)は、
下記の写真のような感じになります。
これを干しレーズン用、リンゴ用、
粒チョコ用に3等分し、3つの容器に分けます。



(4)干しレーズンとリンゴに
それぞれに小麦粉を少々振る。



(5)(3)に干しレーズンを入れて、かき混ぜる。



(6)同様にリンゴと粒チョコを入れてかき混ぜる。



(7)たっぷりの揚げ用の油を中火で熱し
(5)(6)を揚げる。
数秒で上に上がってくるので
ひっくり返す。



(8)揚がったものから
キッチンペーパーの上にのせ、余分な油をおとす。






出来上がりです。
お好みでグラニュー糖をかけてください。
 
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