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アーカイブ 2011/01/23
 
レシピその135
アーティチョークとイカのパスタ
〜子どものぐずりと大人の発散〜


子どもがぐずって
大声で騒いでいる場面に出くわすと
人目かまわず
大声で泣いたり騒いだりできる
彼らが可愛いなと感じますし、
ときには、
この素直な表現がうらやましいと思い、
思わず足をとめて見入ってしまいます。

さて、それを大人がする場面に出会うと、
どうでしょう?

先日のこと。
バスを待っていると
停留所はたくさんの人で埋もれていました。
私が乗ろうとしたバスはなかなか来ず、
電光パネルにも時間の表示がありません。
逆方向に行く同じ路線のバスが4台通過して、
皆の文句がマックスに達した20分後に、
やっとバスが来ました。

いっせいにバスに乗り込んだところで、
一人の初老の婦人が大声で運転手に向かって
「あんた達は仲間でコーヒーを飲んでいたんでしょう。
 私はちゃんと知っているんですからね!」
と大声をあげました。
他の客から
「運転手に安全運転をさせてあげろよ」
とたしなめられられると、
「乗る前までは、あんなに文句を言っていたのに
 今は言えないあんた達は羊よね!」
と冷ややかな目で一瞥して、大声で応答。

「羊」か。なるほどイタリア的発想だ
‥‥なんて、ぼんやり思っていたら、
彼女の口から続いて、
数々の罵倒の言葉があふれ出しました。
その凄いエネルギーに驚いていると、
応援して参加するご夫人まで出てきてしまい、
ダブルでの罵声が、
数個先の停留所まで続きました。

まあ!

そして、停留所で別の老人が降りるときに、
彼女の身体に少し触れたところで、
罵倒はマックスに炸裂しました。
「あんた降りるんなら先に言いなさいよ。
 寝てんの?
 寝るんだったら家のベットで寝なさいよ!」

しばらく罵倒が続いた後、最後に
「こんなこと、言ったって
 ミラノの状況は変わらないわ!
 でも、言えただけでもすっきりしたわ!」
で終わりました。
私は、彼女の発散(?)が終わったのを見て
ほっとしました。
「子どものぐずりと大人の発散」
どうも私は大人の発散は苦手です。

マンマが一番忙しい年末年始の話ですから
きっと気もたっていたのでしょう。
皆さん、頑張っているマンマに
やさしい愛情のこもった言葉で
接してあげてくださいね。
そうすればきっと、
今回ご紹介するレシピの
アーティチョークのように
一枚ずつ固い皮がとれて、
真のやわらかい心に戻ると思います。

さて、
今回は鉄分たっぷりのアーティチョークを
使ったパスタです。
イカと組み合わせをしましたが
もちろん、アーティチョークだけでも
おいしく作れます。
そのときは、味に深みを出すために、
最後に粉チーズをかけてくださいね。

アーティチョークとイカのパスタ

■材料(2〜4人分)

イカ:350g
アーティチョーク:3個
生パスタ:220g
トマトペースト:220cc
オリーブオイル:大さじ1
白ワイン:100cc
ニンニク:1欠片
ペペロンチーノ:少々
ミント、イタリアンパセリ:適量
レモン:半分
塩:適量
※写真ではアーティチョークの数が
 4個になっていますが、
 パスタに使ったのは3個です。
 1個は薄切りにして生のまま
 オイルをかけていただきました。




☆下準備
・アーティチョークを掃除する。
まず、茎を切る。



次に、茎のやわらかい部分や
葉の太い芯の外の皮をはぐ。
掃除をしたものから、
レモンを入れた水に入れて行く。



外の固い皮を取り除き、
とちゅうからは葉の先を持って
下の部分の上皮の薄皮だけを取り除く。



先を切り取る。



底の固い部分を取る。



4つに切り分け、白い部分のひげを取る。



レモン汁を絞る。
(このとき、あくの付いた指先を、
 レモンにこすりつけると
 指についたあくの色も落ちます。)



水気を切ったアーティチョークのうち、
1つを飾り用に4つ切りし、
残りは薄く切る。芯も半分に切る。
これでアーティチョークの準備ができました。

・イカを飾り用に適量を輪切りし、
 残りは拍子切りにする。
・ニンニクは芯を取ってつぶす。
・パセリは微塵切りにする。



■作り方

(1)フライパンにオリーブオイルとニンニク、
ペペロンチーノを入れて火にかける。



(2)ニンニクの香りを出したら、
イカを入れて軽く炒める。



(3)アーティチョークを入れて軽く炒める。



(4)白ワインを入れる。



(5)塩を入れる。



(6)トマトペーストとパセリを入れる。



(7)(6)をよく混ぜる。
同時に、フタをして30分弱火で煮る。
パスタをゆでる塩入りの水をわかし始める。



(8)飾り用のアーティチョークとイカを取り除く。



(9)パスタを少しかためにゆでる。



(10)ソースにゆでたパスタを入れて、
さらに、ゆで汁をお玉1杯分入れ、
火にかけながら味をなじませる。



はい、でき上がりです。
味の軽いエキストラバージンオイルを
かけていただくと、さらにおいしいです。


 
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