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アーカイブ 2013/05/12
 
レシピその194
グロンゴのオレンジソース
〜金魚と鯉〜


もう20数年前の話です。
長男が小学生だった頃、
学校の遠足で自然水族公園に行ったお土産に
1匹の赤金魚をもらってきました。
そこで水槽を買いに行ったところ、
1匹だと可哀想だから2匹飼おう
ということになり、白い金魚も買ってきました。
それが、家に帰ってよく見ると
金魚ではなく鯉でした。

この鯉の成長は、我が子の成長よりはやく、
鯉に合わせて3回も水槽をボリュームアップし、
ついにその水槽の大きさに合わせて、
玄関の模様替えをしたほどです。

この鯉を「こいちゃん」と命名。
友人たちからは
「いつオーブンに入れるんだい? 」
と冗談をいわれるほどの大きさになりました。
夫が帰ってくる「ただいまー」の声を聞くと
頭を出してきて、なでてもらうほど、
人間との接触を喜ぶかわいい鯉でした。
でも、バカンスのときに亡くなってしまいました。
面倒を頼んだ友人から、
「皆の声が聞こえない寂しさで死んだのでは? 」
といわれましたが、
それが納得できるような鯉でした。

空になってしまった水槽に、
友人が管理している金魚の養殖所に
金魚をもらいに行くことにしました。
養殖所に着き、
たくさん並ぶ金魚水槽をのぞいたそこには
なんと! 金魚ではなく、
チョウザメが悠々と泳いでいるではありませんか。
なんでこんなところにチョウザメが!
その驚きといったら、
水槽から急降下して深海に入り込み、
冷たい水温差を感じるようでした。
とりあえず、金魚水槽から
金魚だけ4匹をもらい、
再び我が家の水槽がにぎやかになりました。

また時は流れ、
金魚が2匹だけになってしまったので
養殖所にまた金魚をもらいに行きました。
小さい金魚を10匹もらって来ました。
でも帰ってからよく見てみると、
この10匹はなんと全て鯉でした。
頭なぜなぜを10匹分する日は
そう遠くないと想像しますし、
それに今度はどんな大きさの水槽で
どこに置くかが問題になってきそうです。


▲金魚と一緒に悠々と泳ぐ鯉の子供達。


▲屋内のチョウザメ水槽。


▲ここで作るキャビアは
 ロシアにも輸出されています。



▲うなぎやマスの養殖から始まり、
 90年代から本格的にチョウザメの養殖をはじめ、
 キャビア作りもしています。



▲屋外養殖場。
 我が家から車で15分ほどのところにあるとは
 思えない光景です。
 伝承によるとローマ時代に
 ポー川の流域で生息していた
 チョウザメのキャビアが食べられ、
 19世紀には貴族の間では
 イタリアのキャビアが高級食品として定着し、
 食べられてきたそうです。


さて、今回は
このチョウザメに姿が似ていますが、
庶民的なお魚グロンゴ(ヨーロッパアナゴ)の
オレンジ味ソース仕上げです。
日本ではタラをお使いになるのはいかがでしょうか。


グロンゴのオレンジソース

■材料(2人分)

グロンゴ(ヨーロッパアナゴ):230〜250g
オレンジ果汁:60cc
無農薬オレンジ皮:半分
レモン汁:15cc
ワイン(白かロゼ):50cc
バター:30g
小麦粉:適量
コショウ・塩(香辛料入り):適量




☆下準備



・魚の骨と皮を取り、好みの大きさに切り、
 塩・コショウをふって少し休める。
・オレンジとレモンを絞る。
・オレンジの皮を薄く切り、細く切る。
 (ワックス付きの場合は表面に塩や重曹をつけてよく洗う)
・魚に軽く小麦粉をつけ、余分な粉を払う。




■作り方

(1)フライパンにバターを入れて温める。



(2)バターが溶けたら、魚を入れて中火で焼く。



(3)ひっくり返して、もう片面も焼く。



(4)ワインを入れてアルコールを飛ばす。



(5)オレンジの皮を入れる。



(6)オレンジ果汁を入れる。



(7)レモン汁を入れる。



(8)10分ほどフライパンを
大きく動かしながら味を全体になじませる。
その後、魚を取り出す。



(9)残った汁を煮詰めてソースにする。



(10)魚を戻して、ソースをさっと絡める。



はい、出来上がりました。
ゆでアスパラをつけ合わせました。
お好みでコショウやバルサミコ酢をかけて
お召し上がりくださいね。

BUON APPETITO!


 
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