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アーカイブ 2011/05/15
 
レシピその143
パッパアルポモドーロ(トマトのパン粥)
〜一日をすてきにしてくれる出来事〜


ある朝のことでした。
バスに乗ろうと歩いていたところ、
停留所にバスがとまっているのが見えました。
停留所まで100mほどでしょうか。
私は必死に全力で走りました。
乗客の乗り降りが終わってしまい、
今にも出発しそうです。
私はあきらめず、速度も落とさず、
まっしぐらに走りました。

運転手さんは、
バスの後ろに連なる車を待たせて、
ドアを開けて、私を待っていてくれました。
息を切らしながらお礼を言うと、
片方の眉をひょいと上げ、
ほほをゆるませながら口角も15度上げて
ほほえみながら、無言で返答。
そう、昔の銀幕で観た
石原裕次郎さんや宍戸錠さんを彷彿させる、
男気あるシャイなほほえみ方です。

ぱっとハートに火が灯りました。
あ〜、なんて幸せな日だろう!
そのちいさな出来事がその日一日を
すてきなものにしてくれました。

そしてまた、自分はどこまで
相手のペースにあわせて行動したり、
相手の気持ちを
思いやってあげられるだろう‥‥と
考えてしまいました。
まだまだ私にはその余裕が足りません。
まずは、ほほをゆるませながら
口角を上げてみよう。
そうすればいつか、
私もすてきな一日を
誰かにあげることができるかも。

さて、日差しが強くなって来たら
真っ赤になったトマトや
香りの強いバジリコが市場に出てきました。
待っていました! ということで、
トスカーナ地方の郷土料理のひとつ、
パン粥を作りましょう。

私は今回、トスカーナの塩抜きパンを使って作り、
仕上げにトスカーナ産のしっかりとした味の
エキストラバージンオリーブオイルを
かけていただきましたが、
塩加減や煮る時間を調整すれば、
かたいパンならどんなものでも
おいしく作れますので試してみてくださいね。
トマトの酸味とバジリコの香りを楽しみましょう。

パッパアルポモドーロ
(トマトのパン粥)


■材料(2人分)

かたくなったパン:150g
トマト:350g(掃除後の重量)
ニンニク:2かけ
鷹の爪:小1個
バジリコ:適量
野菜ストックスープ:適量
オリーブオイル:大さじ2
塩・コショウ:適量
エキストラバージンオリーブオイル:適量




☆下準備

・トマトは湯むきして皮と種をとり、
 おおまかに切る。
・パンは割っておく。
・バジリコはちぎる。
・ニンニクは芯を取り除いてつぶす。




■作り方

(1)鍋にオリーブオイルとニンニク、
鷹の爪を入れて火にかける。



(2)ニンニクの香りが出たら
弱火にしてトマトを入れる。
ニンニク、鷹の爪は
お好みでここで取り出してもよい。



(3)パンとバジリコを入れる。



(4)全体を混ぜ合わせる。



(5)野菜ストックスープを
パンがかるくひたるくらい入れ、
フタをしてしばらく煮込む。



(6)こげないようにかき混ぜる。
水分が足りない場合はスープをたしていく。



(7)15分たったところ。
パンのかたいところが残っている場合は、
しゃもじなどでつぶしながらゆっくりと煮る。



(8)塩を入れる。



(9)コショウを入れる。



(10)フタをして30分煮込む。
※煮込む時間は、パンのかたさを確認しながら
 お好みで調整してください。



はい、出来上がりです。
バジリコを飾り、
エキストラバージンオリーブオイルを
たっぷりかけて召し上がってください。
このパン粥は冷たくしてもおいしいので、
それもお試しくださいね。

BUON APPETITO!


 
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