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アーカイブ 2017/03/26
 
レシピその290
ムースタイプのチーズケーキ〜料理の効能。〜


日本に帰国して同じ年代の友人たちに会うと、
日常的な会話の中でも学ぶことがたくさんあります。
私の友人たちは介護をしている人が多く、
その経験談をきくと、
一緒に過ごす母への理解が深まり、
寛容になって、再び心に灯火をともすことができます。
一人の友人は老人がする料理と、
火の効能について話してくれました。
素材に触れ、切り方を考え、火を使って調理する。
その火の色を見て、温度を感じ、音を聞くことが、
安心感や満足感を与えてくれます。
香りが醸し出してくれる幸せを感じて、
それを共有できる喜びがあります。
母と一緒に料理するときは、
もどかしさを感じることもありましたが、
もっと重視しなければいけない
大切なことを思い出させてくれました。
それは私が子どもたちと一緒に
料理していた頃と同じ想いです。

もう一人の友人は我が家で食事をしたときに
90歳になる彼女の御母様が作った
ケーキを持ってきてくれました。
両膝を手術した御母様が、
キッチンに立って料理なさったことは、
さぞかし大変だったろうと、労をねぎらうと、
「母に自信を持たせてくれた」とこたえました。
その御母様はケーキ作りの先生をしていた方で、
ケーキを作るということは
「いまだできる」という自信と、
生きるモチベーションに繋がったと、
逆にお礼をいわれましたが、
御母様が作ったということは、
彼女がどのくらいアテンドをしたかは、
容易に想像できます。
母と暮らすということ‥‥
母の自尊心を保ちながら
これからも一緒に生きる喜びを
たっぷり味わっていきたいと思います。

今回は友人の御母様のチーズケーキです。
今まで作っていたのとは違い、手数が多いですが、
その分、とても優しい味のムースケーキです。
どうぞお楽しみくださいね。


ムースタイプのチーズケーキ

■材料(縦19x横24x高さ7cmの型、1個分)

・土台
ビスケット:120g
(甘みがないものには砂糖大さじ2を加える)
溶かしバター:大さじ6

・中身
クリームチーズ:220g
サワークリーム:80cc
(生クリーム80ccにレモン汁大1で代用可)
レモン汁:大さじ1と半分
レモンの表皮すりおろし:少々
卵黄:2個
卵黄に入れる砂糖:50g
卵白:2個
卵白に入れる砂糖:大さじ2
生クリーム:100cc
生クリームに入れる砂糖:大さじ2と半分
片栗粉:小さじ1
ミルク:200cc
粉ゼラチン:15g
粉ゼラチンに入れる水:大さじ3



☆下準備

・土台を作る。
ビスケットを袋の中で潰して、
粗目のふるいに通してボールに入れる。



・溶かしバターを入れて全体をかき混ぜる。
(ここまでフードプロセッサーを使ってもOK)



・それをクッキングペーパーを敷いた型に入れて、
スプーンの背でギュウギュウと押して平らにし、
冷蔵庫で休ませる。



・中身に使う材料を計量する。
・クリームチーズは常温でやわらかくする。
・ゼラチンは大さじ3の水でふやかす。




■作り方

(1)小鍋に砂糖と片栗粉小さじ1を入れて、
そこに卵黄を入れ、かき混ぜる。



(2)温めたミルクを少しずつ入れる。



(3)弱火にかけて、
ふやかしたゼラチンを入れて溶かし、
火から下ろして冷ます。



(4)やわらかくしたクリームチーズに
サワークリームを少しずつ入れて
かき混ぜる。



(5)レモンの皮と汁を入れてかき混ぜる。



(6)卵白を泡だてて砂糖を加えて、
かたくたてる(写真左)。
生クリームに砂糖を加えて、
とろっとなるまでたてる(写真中央)。



(7)(6)を(5)に合わせてかき混ぜる。



(8)(3)を少しずつ入れる。



(9)そこに卵白を泡だてたものを
ひとさじ入れる。



(10)(9)を卵白を泡だてた方に入れる。



(11)そっと全体をかき混ぜる。



(12)型に流す。



(13)冷蔵庫で冷やす。
急ぐときは冷凍庫に入れる。



(14)冷えたら、型からはずして
サイドのペーパーを切る。
※冷凍庫に入れていたときに、
 上からなにかが落ちてきたようです。
 みなさんはフタを必ずしましょう。




(15)表面に好みのジャムを塗る。
ジャムがかたいときはシロップで割る。
好みのフルーツで飾り付けをする。
※今回はオレンジとびわのジャムを使いました。



爽やかなチーズの味をお楽しみください。
Buon appetito!


 
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