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アーカイブ 2008/02/03
 
レシピその59
サルシッチャ(生ソーセージ)とキャベツの蒸し煮
〜みんなでサラミ作り〜


冬の年中行事にサラミ作りがあります。
日本では「サラミ」と言いますが、
こちらでは「サラメ」に近い音になります。
リエティにいたときは、
住人の3家族が共同で1頭の豚を買い、
地下の共同スペースで解体して、
生ハム、パンチェッタ(塩漬けした豚バラ肉)、
サルシッチャ(生ソーセージ)を作っていました。
私は、豚の解体を見たら
気絶すること間違いなしでしたので、
子どもが小さいことを理由に、
一度も作ることには参加しませんでした。
ミラノに引っ越ししてきたときは、
ミラノでそんなことをしている家族は、
絶対にいないと思っていたところ、
なんと夏のトマトペースト作りのメンバー
冬は協力しあってサラミを作っていました。
それも大きいとはいえない
アパートのキッチンで作ります。

できることをできる範囲でする‥‥
毎年作る楽しさを分かち合いながら、
それはそれはおいしいサラミができあがります。
そしてそのおいしさを味わえる健康を喜び、
みんなで分かち合います。

私の冬の年中行事になった
このサラミ作りをみなさんにご紹介しますね。

まず前日に豚肉を解体場まで買いに行きます。
翌日の早朝からサラミ作りが始まります。
‥‥私はなんと今年は、遅刻しました。
着いたときには、もう肉の掃除が終わっていて
(ここが一番、手間がかかるところです)
みんなから「もう終わったのよ。何をしに来たの」
と言われましたが、めげないで仲間に入りました。

豚肉を小さく切って、
肉引き機にかけて、粗挽きにします



フィノッキオ(ウイキョウ)の種を加えます。



フィロメーナが、夏のバカンス中に作った
ペペロンチーノのペースト2種類と塩を入れます。



よく混ぜ合わせます。



サルシッチャの袋には、牛の腸を使います。
あらかじめ掃除をして
レモンの皮を入れた水に浸しておき、
使う前に、もう一度よく洗います。



肉をよく混ぜ合わせてまとめます。



このタイミングで、塩加減の味見をします。
フライパンで炒めた肉を、
パンに穴を開けて、
そこにたっぷりと入れていただきます。
味見のときには、ワインも欠かせません。
このワインが入る頃から、
サラミ作りのリズムもかわり、
新たに担当が分担され、
わいわいと楽しくサラミ作りの佳境に入っていきます。



腸に肉を詰めるのは、
先生役のフィロメーナ。
肉を押し出して行くのは、
フィロメーナのご主人のテオドーロ。
夫婦ならではの息の合いかたです。



50年も使っている名前入りのへらです。
肉を押し出す機械に
肉をお団子状にして入れる前に
板の上で肉を分けたり、
板についた肉をとるために使います。



腸に肉を詰めた後、
両端を結んで、全体に小さい穴を開けます。



こんな具合に、つり下げられるように
紐を結びます。



最後に腸を破らないように紐で結んで、
ひとつひとつの大きさを
均一にしていきます。



天気がよいときは外のガレージに吊るします。



1ヵ月間、干した後、
オイルに漬けて保存します。
今年は真空パックで保存する方法も
試してみる予定です。

さて、今回ご紹介する料理は、
サルシッチャとキャベツの蒸し煮です。
サルシッチャの形がサラミに似てるので
このメニューにしてみました。
サルシッチャは生ソーセージのことで、
サラミと見た目はよく似ていますが味は違います。
キャベツの原生種は、古代ローマ時代からあって、
当時からよく食べられていたそうです。

サルシッチャとキャベツの蒸し煮


■材料(4人分)

サルシッチャ(生ソーセージ):4本
キャベツ:中1個
ニンニク:1かけら
玉ねぎ:中1個
ローズマリー:1本
オリーブオイル:大さじ3
白ワイン:コップ1杯ちょっと
水:コップ1杯ちょっと
塩・コショウ:適量



■作り方

(1)キャベツの固い部分の葉を取り除き、
あらく刻む。



(2)浅鍋にオリーブオイルと、
潰したニンニク、玉ねぎをスライスしたものと、
ローズマリーを入れて、ゆっくりと炒める。



(3)ローズマリーを取り出し
刻んだキャベツを入れる。



(4)塩・コショウをして、
フタをして蒸し焼きにする。



(5)キャベツがしんなりとしたら
サルシッチャを入れて、
白ワインと水を各コップ1杯ずつ入れる。



(6)サルシッチャの上にキャベツをかぶせる。



(7)フタをして、弱火で20〜30分蒸し煮をする。
水分が足りなくなったときは、
白ワインと水を1:1の割合で加える。






でき上がりです。
我が家はサルシッチャにマスタードや、
フルーツや蜂蜜とマスタードを混ぜた
モスタルダと呼ばれるジャムをつけていただきます。

BUON APPETITO!

 
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