なんでしょう、恋そのもの、というよりは、
恋の入口、みたいな気持ち。
ひょっとしたら、そこにたどり着いてさえ
いないのかもしれません。

けど、そういった区分はどうでもよくて、
いまがうれしいという実感が
文字と文字のあいだから
あふれてくるようです。

これが恋へと一歩歩みを進めたら、
きっとこの素敵な軽さは
なくなってしまうのかもしれませんが、
こういうふうに「前向きに思ってる」時間って、
なんというか、万能ですよね。

恋そのものはちっとも自由じゃないけれど、
「恋かも？」っていう前向きな気持ちには
どこにでも行けるし、どこへでも帰れるっていう、
たいへん心地よい「自由」があるように思います。

尊敬する気持ちの中に
恋をするということがあると
私は思っています。

まず、尊敬できるということがあって
そのなかで好きになっちゃう、という感じ。
どうしようもない人でも、
そのどうしようもなさが尊敬できるから、
好きになっていく。
とても尊敬はするけど恋愛はまったくない、
ということもありますよね。

こっちが「ほぉーー！！」と思うくらい
思いっきり手ばなしで尊敬させてくれる人って
たのもしいです。なかなかいませんよ。
恋のようであったり、そんな感じでもなかったり、
という毎日だと思いますが、
キラキラ輝いた日々があるということで
とてもすばらしいんじゃないかな。
いいと思います！

おとうさん、おかあさん、おとうと、犬、
先生、近所のおともだち。
それらがすべてだった自分の毎日に、
「社会」みたいなものが
はじめてやってきた感じがしたのは中学時代。
かっこいい先輩に出会ったときでした。
胸が高鳴りました。
「初あこがれ」とでも言うのでしょうか。
ぱーっと目の前が広がった感覚をよく覚えています。
それ以降、恋でも友情でも、まずはまずは、
「センスいい、すごい、おもしろい」
そういう敬意がなにかしらある相手じゃないと！
と思うようになりました（自分は棚に上げてます）。
だからスガノさんが言う、
「尊敬する気持ちの中に
　恋をするということがある」
という言葉に、深くうなづく自分がいます。
「尊敬」と「恋」は、
限りなくイコールで結ばれるものじゃないかとさえ、
年齢を重ねるにつれ思うようになっています。

最後の１行、
「でも恋って呼んでもいいかなぁ、この恋。」
が微笑ましいです。
だって、答えが出てるんですもの、その文末に！

空気みたいなふわふわの恋と、
とろりと水分のある蜜のような恋。
「淡い」って形容されるのは前者。
憧れの中に入り込む、恋の気配。
手の届かない人に向かって背伸びをする感じ。
「恋みたいなもの」というギリギリのところで
うみだされる仕事への原動力、生きていくたのしみ。
いきものがかりの『笑ってたいんだ』、
まさしくそういう歌詞にも読めます。

そして後者はいわゆる、現実的な恋で、
もっと、ややこしいもの。
本気になったらたぶん仕事が手に付かないタイプの。
このふたつの恋をつなぐ道は、たぶん一方通行で、
後者にすすむと戻れません。
もし（営業ウーマン、30歳）さんが
ぼくのともだちだったら、
全力でお節介を焼いちゃうだろうなあ‥‥。
ここまでわかりやすいと、まわりも気づくし
本人にも伝わっちゃうよって。
そっち、行かないようにね、って。

ところで４４歳って「いわゆるおじさん」かあ！
ま、そりゃそうだよなあ。
来年、干支の年にあたるぼくは、
ちょっとしみじみしたりもしました。

それではまた次回！
みなさまよい連休をー。