いつもくちびるに、季節の風とラブソングを。
こんにちは、恋歌くちずさみ委員会です。

あまずっぱい企画は、とっても好評!
たーくさんの、おたよりがとどいています。
みなさんの、
たいせつなたいせつな思い出の「恋歌」、
どんどん紹介していきますね。
なのでどしどし、おたより(メール)くださーい!

ひねくれた私とお付き合いしてくれていた
天真爛漫で素直な彼女との帰り道を思い出します。
(投稿者・TYPE-R)

『Lovin' you』
 歌/渡辺美里

 1986年(昭和61年)

My恋歌ポイント

 ぼくの中のRock’n Roll
 口ずさむMelody
 帰り道はいつも華やいで

しっかりグレて
物事を斜めからしか見れなかった学生時代。
音楽といえばPUNK。
仲間とバイクが命よりも大事。
歌謡曲やアイドルなんぞ見向きもしない。
流行のガンバレソングを聴くと、
『お前には励まされたくない』と思っていました。

当時デビューしたて? の渡辺美里さんは、
大阪でヤングタウンという
大人気ラジオ番組に出演されていました。
「GROWIN'UP」が初めて聴いた曲かなあ、
なんか歌声が私の琴線に
触れたような感覚はあったんですよね。
で仲間にアルバムを借りて聞いたんですよ。
2枚組みのアルバムの最後の曲が「Lovin' you」。
イントロの歌いだしでガツーン。
これには降参。
ゴメンナサイ。

この曲を聴くと、
ひねくれた私とお付き合いしてくれていた
天真爛漫で素直な彼女との帰り道を思い出します。

アスファルトににじむ夕日、
田舎町をはしる電車の音、
子供じみた自分の行動、
堅実だった彼女の思考。
高校卒業と同時に
当然のようにやってきたお別れの時。

そして、人を変える事が十分な23年経った現在。
故郷を離れ、家庭と仕事でがんじがらめの自分。
故郷で目標に向かって戦い、
独身を貫いている彼女。(友人情報)

この曲はパンクとヘビメタだらけのXperiaで、
淡く輝いています。
プレイリストには入れてません。
だってシャッフルで不意に聴くと危険ですから(笑)。
今日も火気厳禁のXperiaとともに暮らしています。

ああ、じわ〜んと、いいメールです。
ありがとうございます。

中学のころの
「不良っぽい」クラスメートって
ちょっとオトナっぽい音楽や
あたらしい音楽にけっこう敏感だった、
というような記憶があります。
ぼくのときは、デビュー当時のYMOや
プラスチックスなんかの初期のテクノが
ラジオとともに「不良っぽい」ともだちから
入ってきてました。
(あ、音楽の趣味は合ったけど
 ぼくは不良じゃなかったですよ。)
そうそう、やったらtulipが好きな
ギターのうまい、ワルの同級生がいたなー。
(彼はのちに“いか天”からデビューした!)
フォークギターを練習してるのを横目に
いちはやくエレキギターに進むのも
ワルっぽい連中でした。
そんなことを想い出しました。

デビュー当時の渡辺美里さん。
(TYPE-R)さんは、ふだんパンクだったというから、
そうとうなギャップだったんじゃないでしょうか。
でも「仲間」から借りたってことは
きっと界隈で流行ってたんですね。
このアルバムジャケットの写真もいいなあ。
(TYPE-R)さんのものがたりに、
ぴったりです。

恋歌くちずさみ委員会においては、
渡辺美里さんは、若手に入りますね。
発売は1986年ですが、
つまり、新しめの曲です。

大きな構成を持つバラードですが、
何気なくデータを見て驚きました、
この曲、作詞は渡辺美里さんで
作曲が岡村靖幸さんなんですね。

十代の恋愛の
リアルにねじれたもどかしさを
メロディーで表現することにかけては
天賦の才を持つ岡村さん。
まっすぐな渡辺さんの歌詞との対比が
印象的な曲です。

存じ上げませんでした、この曲。
たったいま聴いてきました。
なんてきれいで、おおきなバラード。
「イントロの歌いだしでガツーン」
とおっしゃるのがよぉくわかります。

「ガツーン」とくる曲との出会い、ありますよねー。
自分がこだわっているスタイルなんか、
もう、そんなものは軽々ととびこえて、
もう、もう、いきなり心をわしづかみにしてくる楽曲。
ほんとにそれこそ、
「これは降参、ゴメンナサイ」ってなっちゃう曲。
まったく思いがけない音楽のジャンルから、
そういう曲がやってきたりしてね、えてして。
しかもそこに、
パーソナルな淡い想い出が重なったりすると、
もう、もう、もっともう、たいへん!
そりゃあプレイリストの特別な場所行きですよ。
不意に聴いたら、去来です。
(※去来‥‥くちずさみ委員会用語
 ふとしたきっかけで
 ずるずるいろんなことを思い出し
 予期せぬ涙がこみあげること。また、
 そのせいでたのしい会合を中座するさま)

あなたの去来ソングはなんですか?

私も、中学高校と、
わりとひねくれた音楽人生を送っていて
あまりポップス系の曲を
聴かなかったタイプです。
(小学生で歌謡曲にハマりすぎたのかな)
軽音楽部で同じく火気厳禁してました。
いまになってこういう曲のすばらしさが
身にしみます。

「故郷で目標に向かって戦い、
 独身を貫いている彼女。(友人情報)」

(友人情報)が、泣かせるなぁ。

遠くから思ったり思われたりって
ほんとにすてきです。
遠くから思ったり思われたりするために
近くにいないんだ、とも言える!
恋歌くちずさみ世代の友情(+思い出)、
永遠なれ。

2011-10-01-SAT
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