いつもくちびるに、季節の風とラブソングを。
こんにちは、恋歌くちずさみ委員会です。

あまずっぱい企画は、とっても好評!
たーくさんの、おたよりがとどいています。
みなさんの、
たいせつなたいせつな思い出の「恋歌」、
どんどん紹介していきますね。
なのでどしどし、おたより(メール)くださーい!

鏡の中の私は
うっすらとお化粧を重ねられて‥‥。
(投稿者・みかん)

『不思議なピーチパイ』
 歌/
 竹内まりや
 
1980年(昭和55年)
 

My恋歌ポイント

 わたしの気持は 七色に溶けて 
 いい事ありそな気分は ピーチパイ

みなさんのおたよりのように
キュン! となるお話ではありませんし、
そもそも恋歌とは言えないのかもしれませんが‥‥。

高校卒業を前にして、
初めてお化粧品を買いに出かけたお店で
ずっと流れていた
竹内まりやさんの「不思議なピーチパイ」。
当時、パイといえば アップルパイかピザパイ、
ピーチといったら 不二家のネクターでした。

ピーチパイって何ですか?
かくしきれない不思議な気分の
ピーチパイって何なのですか??
そんなことを思いながら、
まりやさんの甘い歌声をくりかえし聞いている間に、
鏡の中の私は
うっすらとお化粧を重ねられていきました。

そして、やがてお店を出る頃には
なんとなく実感したような気がしていました。
七色に溶けて、いい事ありそうな、
ピーチパイの気分を。
これから始まる恋を思い描いて
ちょっとまぶしい大人の世界を夢みて
ふうわり光にゆれる気分を。

少しくすぐったい気持ちで
ときどき思い出してみたくなります、
光にゆれる気分だった私のことを。
この、くすぐったい気持ちが
なんとも心地よくて‥‥。

いやいやこれは、
キュンとなるお話ですよ。
初めてお化粧品を買いに出かけるって、
女子はきっとドキドキなんでしょうねー。
お化粧かぁ‥‥。
男子にとってそういうのってなんだろう?

ぼくは、あれだ、
初めて美容院で髪を切ったこと。
高3の春でした。
それまではずっと散髪屋さん。
忘れもしない『サチコ』という名の美容院で。
ドキドキしたなー。
あお向けになって髪を洗うの?! とかね。
なんだか急におしゃれになった気がしました。

当時化粧品のCMソングって
もう、出る曲出る曲大ヒット!
みたいな感じだったよねー。
「不思議なピーチパイ」はもちろん、
「燃えろいい女」
「唇よ熱く君を語れ」
「サクセス、サクセス」
「君の瞳は1万ボルト」
「Mr.サマータイム」
「時間よ止まれ」
「夢一夜」
「How Many いい顔」
さあ歌えるだろう、
歌恋世代よ歌うがいい!
そしてぼくの音楽人生を変えた
「い・け・な・い ルージュマジック」
「春咲小紅」もね!

それにしてもお化粧という行為自体に
そんなドキドキがあるとは‥‥
ぼくは、なんだろう?
制服のワイシャツを
ボタンダウンに替えたことだな。
たしか中3。

うわー、武井さん、
ぜんぶ歌えるよ。
そうかー、あのころの化粧品まわりは
くちずさみ天国だ。

いったいぼくは
なにを言っているのでしょうか。
しかし、あえてくり返しましょう。

あのころの化粧品まわりには
くちずさみ天国だ。

くちずさみ天国の歌、
ぜんぶ並べて歌いたいです。
そうか、「ピーチパイ」は
資生堂のキャンペーンソングだったから
お店でずっと流れてたんですね。

わたしははじめてパーマをかけた日、
とっても不思議な気分でしたよ。
髪がふわふわして
春のざわめきが手のひらに舞ってましたよ。
ワウワウワウグッタイミング。
あれぞ「ピーチパイ」の気分ですね!

いっぽう、はじめてのお化粧は、
バンドで舞台に立つときだったので
超ヘビメタメイクでした。
プロレスの悪役みたいなやつです。
そこから出発だったので
いまだにお化粧がうまくありません。

くちずさみ天国!
すごいね、
「化粧品のCMソングしばり」で、
1回カラオケに行けちゃうね。

あとあれ、
「私のハートはストップモーション」も、
お化粧品まわりだ。
それとあれも、
「マイ・ピュア・レディ」!
この曲が流れる資生堂のCMに出てた
小林麻美さんは印象的だったなー。
きれいだったなー。
タイプ。

えっ! 山下さん、
小林麻美さんが好きなんだ?
意外!

タイプって、
もしかして死語じゃない?

え?
そうなの?
じゃ、いまはなんて言うんだろう。
「好み」とか??

そうだねえ‥‥
「好み」?
そこにいる
訊いてみよう。若い人代表で。
タイプ、って言う?


「言わなーい」
好み、は言う?


「うーん、言わないこともない‥‥」
じゃあ、なんて言ったりする?
ともだちと。


「‥‥『いい』‥‥」

いい! なるほど!
それは、なんていうの、
みずみずしいね!
おじさん使っちゃおうかな?

ていうか、40代になると
なかなかそういう会話、しなくなるのかも。
どうよ山下さん。

うーーーーーむ‥‥。
「いい」っていうのは、たしかに、
よく伝わる言い方だと思います。
でもぼくにはやっぱり、
「タイプ」がしっくりくるんです。
『‥‥タイプ』
とちいさくときめいては、あきらめる。
いまだにその繰り返しですよ。
(ええ?! いまだにぃ?!)

(みかん)さんの投稿が
あまりにこころときめく内容だったので、
ついこんな告白をしてしまいました。

恋歌くちずさみ委員会は、
これからも「正直」をモットーに
たのしく雑談を続けてまいります。
引き続き、おたよりおまちしていますね。
次は土曜日にお会いしましょーーー!

2011-07-27-WED
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