Ｍｙ恋歌ポイント

　どうしてあなたは　そんなに手を振るのだろう
　ぼくの手は　ポケットの中なのに

当時小６のわたくしのハートをわしづかみした名曲。
別れのシーンなのに、一見どこか乾いた手触りの
でも絶対それだけじゃない、と思わせる
このオトナの世界にただただ憧れたものでした。

この曲を聴くと
ちょっとモスグリーンがかった白黒の映像で
ステンカラーコートにブラックジーンズ、
黒縁のめがねをかけた元春的な男の子が
空港で立ちすくんでいる画が浮かびます。
（「モリスンは朝、空港で」とちょっと混ざっている）

ＮＨＫ-ＦＭの「サウンドストリート」、
月曜日が佐野元春で、
火曜日が坂本龍一でした。
ちなみに水曜日が甲斐よしひろ、
木曜日が山下達郎、金曜日が渋谷陽一。
ぼくはだんぜん火曜日派だったんだけど、
クラスには「だんぜん月曜日派」もいて、
話が合うようで合わなかったっけなあ。

つるつると歌詞が出てくるくせに、
自分のPCに曲が入っていない。
それが「恋歌」と思っていましたが、
入っています！　これは。
佐野元春さんの『No Damage』は、
最も繰り返して聴いたアルバムのひとつです。
いまでもときどき聴きながら
仕事をしたりしています。

このアルバム、レコードのころは
Ａ面Ｂ面ではなくて、
「Boy's Life Side」と「Girl's Life Side」
という言い方で面がわかれていたのでした。
それもなんだか、かっこよくて。
『グッドバイからはじめよう』は
「Boy's Life Side」の最後の曲。
しっとりとした、すてきな恋歌です。

この曲、なにかの
マンガのテーマになってませんでした？
それがきっかけで聴いた曲だと思うんだけどなぁ。
何のマンガだったんだろ？
しかし、改めて、いい曲だなぁ。

佐野元春さんの曲は意外に
「恋歌」には向いてないのかもな、
と思ってましたが、この曲があったか！

弦からはじまるイントロの美しさ、
エンディングのスキャット。
ああ、うっとりです。

実際、歩きながら、
しばしば口ずさむ曲です。
『モリスン‥‥』も
くちずさむのにいい曲ですね。

じゃ、ちょっと失礼して、
『No Damage』聴いてきます。