いつもくちびるに、季節の風とラブソングを。
こんにちは、恋歌くちずさみ委員会です。

あまずっぱい企画は、とっても好評!
たーくさんの、おたよりがとどいています。
みなさんの、
たいせつなたいせつな思い出の「恋歌」、
どんどん紹介していきますね。
なのでどしどし、おたより(メール)くださーい!

「今度会うときにね」
心に残る1ページ。

(投稿者・achi)

『翳りゆく部屋』
 歌/荒井由実
 
1976年(昭和51年)

My恋歌ポイント

 どんな〜運命が〜
 愛を〜遠ざけたの〜
 輝きはもどらない
 私が今死んでも〜

28年前、20歳にやっとなったばかりのころ
勉強にかこつけて、
実は好きだった人を追いかけて
ジュネーブに行ってました。

彼は画廊の仕事をしていました。
15歳くらい年上で
バツいちだったと思います。

携帯もPCもない時代、
日本への電話も1分数百円した頃、
彼がいない部屋で(ほとんどいないのですが)
ぽつんとひとり、
ユーミンばかり聞いていました。

多分そのときはこの
『翳りゆく部屋』は知らなくて、
あとで日本に帰ってきて
何かの拍子にこの歌をきいて
涙がとめどもなく流れて
体の水分がなくなっちゃうくらい
悲しかった気持ちを覚えています。

歌い出しが、
「窓辺に置いた椅子にもたれ
 あなたは夕陽見てた」
なのですが
彼は本当に同じようなポーズで
疲れた顔をして私の部屋で座っていました。

ずっと年下の女の子との結婚を
考えてくれていたのか、
別れをどうやって切りだそうと思っていたのか、
今となってはわかりません。
ただ「今度会うときにね」という言葉を残して、
日本に帰って、事故で亡くなりました。

私と付き合っていたことを
誰も知らなかったせいで、
私に知らせはありませんでした。

私はぷっつり連絡のとれなくなった彼を、
あきらめていました。

日本に帰って画廊近くのバーを
訪ねて初めて知りました。

『翳りゆく部屋』は、
ちょっと黄ばんだ写真の一ページになって
ずっと心の中に残っています。

うわぁ、なんていう投稿だろう。
ドラマティックなエピソードなのに
べたべたしてなくて、
距離感があって、洗練されている。

ていうかさ、それってさ、
荒井由美サウンドそのものじゃない?
歌詞はドラマティックで
アレンジは洗練されていて。

この曲はどちらかというと
アレンジもドラマティックですが。

こういう「大きな歌」も、
くちずさむのには、なかなかよいです。

パイプオルガンの前奏と
コーラスがすごかったですよね。
私もここの歌詞がいちばん好きです。
よくくちずさんでいます。

この曲、シングルだったんですね!
しかもかなり衝撃的なジャケット写真。
3Dめがねつきのアルバム
「YUMING BRAND」に入ってたので知ってたけど‥‥。

いろいろ調べてみたら「都はるみ」さんも
カバーしてるんですよ。聴いてみたい!

どんな「恋歌」を聴いてきたか、
これには当然ながら個人差があります。
微妙に、守備範囲がちがうんですよ。

で、ぼくの場合、
なぜかユーミンを通ってきていないのです。
だから、ユーミンについては
つるつる歌詞が出ることはすくないです。

このあたり、正直に書いておかないとね。

ユーミンについては、
ほぼ日にも読者にも、
熱く語りたい人がたくさんいるはずなので
ここはひとつ、控えめに。
(最近、ベスト盤を購入。
 これから勉強します!)

2011-05-06-FRI
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