『はじまりはいつも雨』
　ＡＳＫＡ

　1991年（平成３年）

この歌はCMかドラマに
使われた歌だったのか、
ヒットして、よく耳にしました。
いまも、いい歌だなぁ。
私は雨女とよく言われましてね、
出かけようとするとたいてい雨なので
このように思ってくれる人、いいなぁ。

（saqua）さんの彼は
きっとどうしようもないところにいて
その時期は動けなかったんですね。
身を切るような別れって‥‥
気が遠くなります。
つらかったでしょう。
でも、がんばって、やりきりました。

恋ってふしぎです。
最初はドキドキしたり興味があったりで
好きになっていくだけなのに、
どんどん相手の人生にかかわるようになる。
そこからどすんと逃げない感じ、
こういう恋、いい。

ああ、こういう恋の思い出もいいなあ、
というのが第一印象でした。
運命のように出会うわけでもなく、
わくわくして眠れないわけでもなく、
幸せな結末に落ち着くわけでもないのに。

なんていうんでしょう、
ふだんの投稿が飛行機のなかで上映されるような
ラブロマンスの映画だとすると、
これは、有名監督が若い頃に低予算で撮った
やるせなくもリアルな青春映画、みたいな。
キネマ旬報ベストテン年間第３位、みたいな。
ちょっとお色気シーンもあり、みたいな。

きっと、この『はじまりはいつも雨』は、
彼にとっても、同じように
当時のやるせない場面を思い出す
印象深い歌なんじゃないかなぁと思います。

大学に行って、中退者が多いことに
ビックリしたのを思い出しました。
仲良くなった同級生が、じつにあっさりと、
「別の道を見つけた」というような理由で
退学届を出しちゃってたり、
「８年目だからもうすぐクビになるんだよ」
なんてやけに老けた先輩がいたり、
あるいは残されるものには悲しすぎるかたちで
人生に決別をしてしまったやつもいました。

まったくもってコドモだった自分からは
彼らのことが、なんていうんだろうなあ、
そんなに早く、自分の人生を決められるなんて、
なんだかすごいよな、って、
（その当時は）思ってました。
なんだか映画や小説の中の世界のようで。
いまとなっては、
そうとも言いきれない気もするんだけれど。

（saqua）さんの彼も、人よりはやく、
「おれはこうするんだ」と決めちゃった。
社会とかかわるなかで、何かを見つけちゃった。
（saqua）さんには、後ろ向きな決断に
思えたかもしれないけど、たぶん彼は前に進みたかった。
けれどもとても肝心なこと、つまり（saqua）さんに
きちんと話すこと、向き合うことが、できずにいた。
そういうことなのかな‥‥。

その後の彼の人生はわかりませんが、
あいかわらず勝手で
そばにいる人に迷惑かけつつも
たっぷり愛されているといいなあと思います。
そういうやつって、友人としても、
なんというか憎めないんですよねえ。
このときもこれだけ世話焼かれてさ！

ところで大学のときに
「携帯電話は一部の人」だったんだ。
ぼくは社会人になってから携帯を買いました。
仕事上じゃなくて恋が理由です。連絡とりたくて。
先日まさしくそんな話をしたんですが、
「おれは寮に１台だけのピンク電話だった」
「たばこ屋の公衆電話に
　10円玉いっぱい持って行ったんだ」
「下宿についてた黒電話、ダイヤル式でさあ」
なんてもりあがりました。
そう、もちろん当時はプッシュホン導入前。
チケットぴあに電話するのたいへんだったんだから。

もう夏休みの人もいるかな。
恋の歌を思い出したらぜひ投稿ください！
みなさまよい週末を。