みなさんこんにちは、歌ってますか?
恋歌くちずさみ委員会です。

前回に引き続き、
ほぼ日乗組員の投稿例をお届けいたします。

「投稿ってなんのこと?」というかたは、
ぜひこちらの、
あまずっぱいイントロダクションをお読みください。

♪まるで青っ春ンの
思い出そのもの~~(涙)♪

(投稿者・シェフ武井)

『微笑がえし』
 歌/キャンディーズ
 
1978年(昭和53年)
My恋歌ポイント

 タンスの陰で心細げに迷子になった
 ハートのエースが出てきましたよ
 おかしなものね忘れた頃に見つかるなんて
 まるで青春の思い出そのもの

 おかしくって涙が出そう

キャンディーズの解散は
ぼくの小学校卒業の年でした。
「8時だョ! 全員集合」
「みごろ! たべごろ! 笑いごろ!」とかに
お笑いも達者なアイドルとして出てたキャンディーズ。
ほんとに好きで、部屋にポスターとか貼ってました。
怪しい(そう見えた)お色気のピンク・レディーよりも、
コケティッシュだけどかわいいキャンディーズが好きで。

いきなりの解散宣言。そのあとのシングルが
『アン・ドゥ・トロワ』『わな』そしてこの
『微笑がえし』(事実上ラストシングル)。
これ、ザ・ベストテンで一位を獲ったんだよねー。

この曲はキャンディーズ解散へのはなむけの歌で、
阿木燿子さんがもうほんとにすさまじいテクニックで
キャンディーズの歌のタイトルを織り込んで
「いっしょに住んでたふたりが別れて
 引っ越しする日の歌」にしたんです。
歌詞にシングルタイトルが入ってるから
それだけでもうファンとしてはじーんと来てたんだけど、
肝心の物語の部分もすごいと思ったなあ。
でもやっぱりオトナの歌だから
ちゃんとは理解できてなかったと思います。
さよなら、だけど明るくね、っていう感じ。
笑って別れるって、そんなことってあるのかなー。
でも、なんだかこの歌には
うそはない、ような気がする。
ませた小学生はそんなふうに感じてたように思います。

この歌の先輩に当たるのは
アン・ルイスの『グッド・バイ・マイ・ラブ』かなあ。
でもあれは感謝しながらもはっきり泣いてるもんね。

「感謝して別れるのは小説だけ」
って歌ったのはユーミン(『ハートブレイク』)だけど、
それは強気すぎるよねえ。
笑って別れましょう。あ、『ふたりでお酒を』がそうか。
あれはもっとずっとずっとオトナだ。

ともあれ──そういうこともあるんだ、とわかったのは、
40代になってからです。
いま聴き返すと、なんだかたまらないものがあります。
走馬灯が回り過ぎて火を吹きそうです。

ちょっと歌いはじめると、
歌詞が自動的に
つるつると口から出てくる我々40代は、
このように、記憶や思い出も、
どんどん勝手にあふれ出てくるのです。
そして、このコンテンツの完成直前に
田中好子さんの訃報が届きました。
武井さんがキャンディーズの原稿を
書いたのはまったくの偶然でした。
スーちゃんのご冥福をおいのりいたします。

キャンディーズ解散のときに出た本の
衣装プレゼントに応募した記憶があります。
まだ幼かったけど、あこがれでした。
「微笑がえし」はホントにカッコよかったな。
そういえば、阿木燿子さんの、百恵ちゃん引退のときの
「さよならの向う側」もいい! 歌おう!
わぁ~、この曲はちょうど、
ぼくが中学卒業の春に発売されたものでした。
卒業と同時に遠くへ引っ越す
自分の身の上とかさなる歌詞がたくさんあって、
当時はほんとうに切なかったー。
もちろんキャンディーズのファンでもありました。
歌いたい! いますぐ歌いたい!!
スーちゃん、死んじゃったね‥‥。
うわーん!
しーえーえぬでぃーあいいーえす!
2011-04-27-TUE
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