いつもくちびるに、季節の風とラブソングを。
こんにちは、恋歌くちずさみ委員会です。

あまずっぱい企画は、とっても好評!
たーくさんの、おたよりがとどいています。
みなさんの、
たいせつなたいせつな思い出の「恋歌」、
どんどん紹介していきますね。
なのでどしどし、おたより(メール)くださーい!

手もしびれたけど、
耳も痛かったな

(投稿者・DNK)


『君は天然色』
 歌/大滝詠一
 
1981年(昭和56年)

My恋歌ポイント

 夜明けまで長電話して
 受話器持つ手がしびれたね
 耳もとに触れた
 ささやきは今も忘れない

携帯電話のなかった時代、
家族が寝静まった真夜中に電話の約束。
こっそり寝床から出て
居間の電話で
明け方まで長電話。

静まり返った真夜中、
ひそひそ声のおしゃべり。
手もしびれたけど、耳も痛かったな。

ある晩ふと気がついたら
灯りを消した居間の中から、
窓ごしに見えていた満月が
大移動していてびっくりしたことも。

別々の離れたところに居るのに
同じ月を見ながら話していることの不思議。

眠いんだけど・・・
どっちが先に電話を切るかを決めるのに
更に続く長電話。
一体何をそんなに話したかったのか・・・
はるか昔高校生の頃の想い出です。

どうしてるかな、大介。

どうして
「恋歌くちずさみ世代」が
40代あたりの限られた年齢の
人たちにかぎられるのか。

このコンテンツがはじまってから
雑談まじりによく話すのですが、
ひとつの要因に、
「携帯電話とメールの普及」を
挙げてもいいと思う。

つまりその、便利すぎ。
携帯電話とメールってば。

で、ぼくらより上の、
「電話で友だちと
 おしゃべりなんてとんでもない!
 いつまでしゃべってるの!」
っていう世代になると、また別で。

いや、ほんと、ぼくらにとってね、
恋というものの入り口は
たしかに電話にあったんだよ。

つってもあれね、子機とかない時代ね。
ワイヤレスとかもってのほかね。
あと、「電話の権利」ってどうなったの。

あ、いかん。これじゃ恋歌じゃなくて
ただの電話の話だわ。

ほんとだよ、電話の権利。
学生時代バイトを重ねて手に入れたのに。

ともあれ、そうやって
必死にバイトをしてまで
手に入れたいアイテム、
それが「自分の電話」でした。
はじめて所有できたのは
たしか大学3年のときでしたよ。

さあ、これでやっとあの娘とお話が‥‥
と思ったら大まちがい。

「親の壁」

思えばたいへんな壁でした。

よみがえる、あの緊張感!
電話をかけるまでの、葛藤!
ふるえる指でダイヤルを、回す!
たのむ、出てくれ、本人!

「も、もしもし‥‥
 ○○子さんをお願いします。
 え? いや、あの、友だちです‥‥」

くちずさみ世代は、
電話で異性と話すだけでも一苦労。
それだけに、つながったときはうれしくて
つい長電話になったものです。
痛くなりましたよ、耳。

「8時にベル鳴らすから
 必ず取って」
と言われたときに限って
兄貴が長電話。トホホです。

好きだとわかる前の、
なんでもない話の長電話も
むっちゃくちゃたのしかったなぁ。

耳元からね、
相手の男の子が
パジャマの上にどてら着て
廊下に座り込んで
ひそひそ話している情景が
どんどんひろがって、
隣にいるみたいに思えるんです。

でもさ、じっさい、
黒電話をにぎりしめて
ドキドキトーク、って、
経験ないんですぼく。
なんかねー、友人と
馬鹿な話ばっかりしてたからねー。
あと、うち商売してて、
その電話と家の電話が
同じだったからなー。

逆に携帯電話を持ったきっかけは
完全に恋愛ですよ。
どうよ、若い世代ぽくない?

どうよって言われても‥‥。

ぽくない? とか言われても‥‥。

逆にって言われても‥‥。

だからさー、そのあたりは
すっきり流してよ!

それより、曲は?

♪くちびるつんと尖らせて〜

だよね。

♪何かたくらむ表情は〜

まで、ご機嫌な恋歌かと思いきや、

♪別れの気配をポケットに匿していたから〜

なんだよねー。
だから思い出はモノクロームで
タイトルが「君は天然色」なんだよねー。

どなたの作詞かと思ったら
これまた松本隆さん!

ナイアガラファンとして
多少マニアックなことを
述べさせていただくと、
この曲はサウンドもすばらしい。
『ナイアガラカレンダー』
からの流れを汲む
ドリーミーポップアレンジの粋。
お若いみなさん、
この曲が冒頭に収められた
日本ポップ史に燦然と輝く
名盤『ロングバケーション』を
いいから、とにかく、なにしろ、
買っておきなさい。

あ、投稿内容に触れてなかった。
「長電話の最中に月が大移動」
っていうのが、
「当時のリアル」だなあ、と。

どうしてるかな、大介。

というすばらしい一行!
この曲のことを
ぴったりあらわしている気がして。

じゃあぼくも、
この投稿の好きなフレーズを。

 どっちが先に電話を切るかを決めるのに
 更に続く長電話。

そういうものですよねぇー。
‥‥あらためて見るとこの投稿、
ぜんたいがラブソングの歌詞のよう。
すばらしいです。

さあ、委員会のみなさん、
今回はたっぷり語りましたねえ。
ぼちぼち、締めてもいいですか?

ではまた、
来週の火曜日にお会いしましょう。
恋歌くちずさみ委員会でした〜。

2011-05-27-FRI
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