かわいいの代わり
羽佐田
「かわいい」という
言葉以外でその良さを伝える方法を、
しばらく模索しています。

撮影や取材など
心ときめくものに触れると、
ついぞ出てしまう「かわいい」。
あるときの撮影で、
「かわいいを言いすぎじゃないか」
という話題になり、
私たちのチームはその状況に
まったく気がついていなくて、
言われてびっくりしました。
たしかに、20秒に1回くらい‥‥
いや、もっと言っていたかもしれない。
4人くらいが声をハミングさせて
言うこともあります。

誰一人として、その言葉にウソはありません。
心の底から「かわいい!」と思っているから、
「かわいい!」と言ってしまう。
それ以上の褒め言葉が見つからないし、
言わないのも相手に本当は伝えたい気持ちを
隠しているような気がして落ち着かない。
素直な気持ちで気持ちよく仕事をしたい、
相手にこの興奮を伝えたいと思うと、
言わない、という選択はできないのです。

ただ、最近考えてしまうようになりました。
心の底から「かわいい」と思っていたとしても、
あまりにも連呼していると、
ありがたみが薄れてしまうのではないか。
あと、あまりにも言いすぎな自分に
ふと気がついたときに、
あきれてしまったのです。
言葉を生業にしている身として、
言語表現は豊かでありたい、のに、
「かわいい」以外が出てこない。
他の人はいいんです。
すごく前向きなテンションで、
気持ちよく言葉を投げかけている。
ただ、言葉を仕事にしている私は
それでいいのだろうか、と。

ほんとのほんとの、本気で「かわいい」と
思ったときだけ言うようにしようか
調整を試みたのですが、
考えすぎてしまって言えなくなってしまいました。
「かわいい」以外の褒め言葉を見つけようと、
「素敵!」「いいね」など言ってみたのですが、
正直いちばん伝えたい気持ちは
「かわいい!」なので、
言ったあとにしっくりきていない自分がいます。

思えば、子どもに
「ヤバい、以外の言葉で
自分の気持ちを伝えようね」とよく話します。
ヤバい、という言葉のなかに、
どんな感情を持っているのか。
すごい、うれしい、失敗した、など
シンプルな表現でも
自分の感情をつぶさに見つめてくれるように
なった気がしています。

「かわいい」は他にどんないい表現が、
あるのだろう。
猫を見て、思わず「かわいい」と言ってしまう、
それ以外にどう言えばいいのでしょうか。
正直、まだ答えが出ていないので、
ぐるぐるとしばらく考えています。
今日の一枚
馬に会ってきました。このときは「か、かわいい‥‥!」と溜めるように言い方を変えることで表現してみました。

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