
ほぼ日に「雑草部」ができました。
糸井重里が雑草に興味を持ち始めたことを
きっかけに、雑草好きのメンバーが集まり、
雑草にまつわるいろんなことを、
みんなで自由にやってみることにしました。
屋上のプランターで雑草を育ててみたり、
各地で観察したり、ときには実験をしたり。
いろんなかたちで雑草とつき合いながら、
雑草に学んでいけたらと思っています。
みなさんは雑草、お好きですか?
いっしょに楽しんでいただけたらうれしいです。
ほぼ日雑草部、部長の
です。
「雑草部やろう!」
雑草の魅力を知った糸井重里のひと言から、
ほぼ日雑草部がはじまりました。
きっかけは、ほぼ日の學校に来てくださった雑草の先生、
静岡大学・農学博士の稲垣栄洋さんのお話。
雑草の生き方を知ると、
「あぁ、こういう生き方もあるんだな」
とはげまされました。
自分が生きやすい環境になるまで、
何年でも発芽のタイミングを待ちつづける。
環境が自分と合うときを見計らって
一気に成長する。
ふまれる場所にいるならば、
ふまれてもいいようにわざと背を低くする。
自分をだれかと比べるのではなくて、
自分らしさが活きる場所や過ごし方を
探しつづけ、その場所でオンリーワンの
輝きを放っている。
そんな雑草の生き方に、 わたしたちが
学べることは山ほどありそうです。
部員は、ほぼ日乗組員の![]()
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そしてわたし、
。
稲垣先生に糸井重里、そして樹木医の瀬尾一樹さんにも
相談をさせていただきつつすすめていく予定です。
本業や雑草に関する知識の深さはそれぞれですが、
それもまた雑草部らしいところです。
発足記念には、おそろいのパーカーをつくりました。
雑草のように、気負わず、
のんびり楽しめる部活にしていきますので、
どうぞ、よろしくおねがいします!

こんにちは。雑草部の
です。
今回は桜が芽吹いた4月から
暑さが厳しくなってきた7月上旬までに
雑草部に届いたお便りをご紹介します。
お便りをくださったみなさま、
本当にありがとうございます。
雑草部のみんなで、ホクホクしながら読んでいます。
今回は、雑草部の助っ人的存在としておなじみ(?)
樹木医・植物ガイドの
をゲストに迎えて、
6通のお便りをご紹介していきますね。
▲顔出しNGなのでアレですが、右端が瀬尾さんです
- なっつ
- 最初はこちらのお便りです。

去年11月、駐車場の片隅で撮りました。
苔の上に雑草(カタバミ、ハコベ、タネツケバナ?)の
小さな芽が星のように散りばめられて、
大げさですが宇宙を感じました。
そう思う一方で、実家の畑の手伝いでは
野菜の敵として思いっきり雑草を抜きまくっています。
せめて名前を覚えようと
図鑑やネットを駆使していますが、これがなかなか。
記憶力の低下とも戦わなければなりません。
(新潟県 ぱす太朗)

- なっつ
- ぱす太朗さん、新潟県からありがとうございます。
たしかに宇宙を感じる写真です!
- せお
- 苔が生えていると水が保たれているので、
雑草が生えることがあります。
カタバミと、オランダミミナグサ、
あとはたぶんタネツケバナですね。
- なっつ
- あと、個人的にとっても共感したのが
雑草の名前を覚えられないことです。
- せお
- ぼくも最初はそうでしたよ。
でもどこかのタイミングで、くるっと変わります。
- なっつ
- くるっとですか!
どうすれば変わりますか?
- せお
- いまはただカタカナの羅列だと思うんですけど、
調べたり、ひたすら反芻するうちに、
言葉と見た目のイメージが紐づけられるようになって
すっと入るようになりますよ。
「ヒメ」とか「イヌ」とか
草の名前によくある傾向も分かるようになるので、
はじめて聞く草の名前も覚えやすくなります。
- なっつ
- そんなタイミングがくるのがまちどおしいです。
ぱす太朗さん、いっしょにがんばりましょうね。
それでは次のお便りです!

長年、仕事前に職場の周りの草取りをしてきました。
しかし、この頃は、
「コンクリートの隙間で、一生懸命生えているな」
「小さな花を咲かせているなあ」
と思うようになりました。
少し困ったのは、今までのように
草取りができなくなってしまったことです。
どうしたもんか、と悩ましい今日この頃です。
(五十海G3)
- なっつ
- こちらも、非常に共感しました!
一度意識すると抜けなくなるんですよね。
おなじようなお悩みの方からのお便りを
つづけてご紹介しますね。

昨年の秋から古い一軒家に住み始めました。
3月ごろから庭に雑草が生え始めています。
気合いをいれて草取り道具を購入し、
出始めの小さな草たちを
ぼちぼち引っこ抜いてきたのですが…。
よくよく見ると、
かわいい花が咲いているものもあったりして、
抜くべきか抜かざるべきか悩ましい日々を送っています。
ちなみに、隣に住むお義父さんは、
きちっとした性格なので、
半ば放置しているように見える庭の様子に、
若干ヤキモキしているかもしれません。
(acco)



- なっつ
- これは、抜けないのもわかるかわいらしさ!
- せお
- 上からマツバウンランとニワゼキショウ、
ツボミオオバコですね。
- なっつ
- かわいい雑草は抜かないでおきたい気持ち、
わかります。
- せお
- ぼくもその気持ちはわかりますけど、
雑草を抜けば抜くほど、
雑草に適した環境ができあがるんですよ。
- なっつ
- ん? それはどういうことでしょうか?
- せお
- 放置しておくといろんな雑草がどんどん生えて、
生存競争が激しくなるので、
新しい雑草は生えにくい環境になります。
でも雑草を抜けば、場所もあくし、土も耕せるので、
次の雑草が生えやすくなります。
「雑草は抜くと増える」というのは
そういうことなんです。
- なっつ
- ではお気に入りの雑草がある人は、
どうすればいいですか?
- せお
- そのまま放置でもいいと思いますけど、
抜いたら抜いたで次の雑草が生えてくるので
おもしろいと思いますよ。
「抜いたらもっとかわいい草が生えてくるかも」
と考えれば、抜いても残念な気持ちにならないですし。
だからぼくは、雑草はめっちゃ抜きます(笑)。
- なっつ
- 雑草部イチ植物好きの
は
観察したい雑草だけとっておいて、
周りの植物を圧迫しそうな雑草だけ抜いているそうです。
accoさんはそのやり方でもいいかもしれませんね。
他の草を抜いておけばスッキリ見えるので、
お義父さまもヤキモキしないかも(笑)。
- せお
- ちょっと注意点があるとすれば、
抜かないでおきすぎると
手がつけられないほど増えることですね。
たまに間引いたりして
バランスをとるのが大事だと思います。
- なっつ
- 雑草のたのしみ方にもコツがあるんですね〜。
それでは、次のお便りに行きましょうか。

会社の社員通用口までの通路に
たくさん雑草が生えています。
写真のこの子はひときわ目立ってました!
カラーコーンの先っちょ、
壊れて穴になってて良かったね。
顔を出すためにがんばったのかなあ。
(石川県 あさこ)

- なっつ
- テレビ番組の『ナニコレ珍百景』にでてきそう(笑)。
- せお
- これは、ヒメムカシヨモギだと思います。
- なっつ
- コーンの中は日当たりが悪そうなのにすごいな〜。
- せお
- 意外とコーンの中は光が通るんですよ。
これは上があいているので、
そこからも日光が来ると思いますし。
湿気も温度も保たれるので、
春先にはコーンの中だけめっちゃ育つこともあります。
- なっつ
- へえ〜、意外と良い環境!
「ど根性」雑草ではないんですね。
- せお
- はい。
どちらかというと「箱入り娘」雑草です(笑)。
- なっつ
- コーンがとられたら、
社会の荒波に揉まれることになりますね‥‥!
それでは次のお便りを紹介します。

私はカナダのトロントに住んでいるのですが、
ここ数年でこちらでも「森林浴」が
「Shinrin-yoku」と日本語そのままの言葉で
使われるようになってきましたよ。
(日常会話ではなく、植物関係のサイトにおいてですが)
こちらでは今、
シロツメクサがよく咲いていまーす。
ムラサキツメクサも混ざっています。
在来種の木がたくさん
植えられてるところですが、
木を植えるときも周りの雑草を刈ったりせず、
こういう風にそのままにして植えているところが
なんかカナダらしい気がします。
(カナダ・トロント hana)

- なっつ
- まず、わんちゃんがかわいい!
ついつい雑草より目がいってしまう。
- せお
- 写真に写っているのは、
ムラサキツメクサとシロツメクサ、
ヘラオオバコと思われる雑草ですね。
日本と似ている景色です。
- なっつ
- 日本で木を植える時は、周りの雑草は刈るものですか?
- せお
- そうですね、ここまでは残さないことが多いです。
まわりに土を盛って、水の流出を防ぐ
「水鉢」というものをつくることもあります。
このまま植えているのはおもしろいですね。
- なっつ
- 「Shinrin-yoku」がカナダで
そのまま使われていることも驚きです!
ラストは雑草とはちょっと違うけれど、
めずらしい植物の写真を送ってくださったこちら。

「黒松内」というブナ林で、
銀竜草と銀竜草モドキを見つけました。
ブナの栄養を貰って育つキノコ🍄に
寄生しているという変わり者の植物です。
ついでに本編らしくいうと、都会のカタバミは
酷暑に打ち勝つために自らの葉🍀を
通常の緑色から赤色に変化させているとの事デス😁


- なっつ
- これはきのこに見えるけど、草なんですか!?
- せお
- ギンリョウソウ(銀竜草)という、
光合成をしない草ですね。
菌から栄養をもらって育ちます。
ちなみにツツジ科です。
- なっつ
- ツツジ!? 全然似てないです!
ギンリョウソウはめずらしい草ですか?
- せお
- 比較的めずらしいと思います。
お便りに「黒松内」とありますので、
この方は北海道で見つけたんですね。
東京なら高尾山にいくと見られますよ。
- なっつ
- 後半のカタバミの話も気になりました。
- せお
- カタバミの品種で、赤っぽいものがいるんです。
「アカカタバミ」とか「ウスアカカタバミ」とか
言われているんですけど、
世界的にみても赤いやつほど
都市部に多いと言われています。
- なっつ
- それはなぜでしょうか?
- せお
- 赤いほうが日差しと高温に強いからですね。
サングラスとおなじ効果です。
少し日陰があったり、暑くならない場所なら
緑色のカタバミが生き残れるんですけど、
都会のコンクリートに生えているカタバミは
直射日光もあたるし、温度も高くなるので
赤いほうが生き残れるんです。
- なっつ
- 都会で生き残るための戦略なんですね。
- * * *
- 今回のお便り紹介はここまで。
- すべてのお便りをご紹介しきれなくて、すみません!
おどろいたり、共感したり、学びになったりと
気持ちを忙しくしながら読ませていただいています。
「草のことはよく知らないんですけど、
なんかおもしろいのがありました」
といったお便りも大歓迎ですので、
これからもお気軽に送ってくださいね。 - 雑草部一同、お待ちしていまーす!
(おわります)
2025-08-16-SAT


