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つづきを読む。
── 立春でございますね。
戻りました、第一候に。
あずま女 スタートから、
ちょうど半年経ったんですね。
── はい。寒さも峠を越えましたと。
今日から春でございます。
旧暦はここがお正月でございます。


京おとこ そうですね。
あずま女 旧正月ですね。中国文化圏ではこの時期、
バチバチ爆竹が鳴っていそうですね。
── われわれは静かに、「旬のさかな」のお話を。
「伊勢海老」でございますよ。
これもおうちでは‥‥。


あずま女 おうちで食べないですよね。
京都はいかがですか。まさか‥‥。
京おとこ 伊勢海老は食べないですね。
あずま女 ほっ。
── まるごと一尾を食べたことは
いまだににないかもしれません。
あずま女 伊勢海老って殻の大きさのわりに。
食べる部分が少ないんじゃないかしら?
京おとこ 身は少ないでしょうね。
── 『めがね』でしたっけ、
映画で伊勢海老を食べる
シーンがあって。
あれ、うまそうでしたねえ。
そういえばどこかで食べたお刺身は
確かにおいしかった記憶があります。
あずま女 伊勢海老の刺身ですか。
それはおいしそう。
京おとこ ぼくもどっかで食べた思い出があります。
── ちゃんと食べたことがないと、
われわれの会話もすすみませんね‥‥。
「蕗の薹」はいかがですか。
京おとこ これはわかる! 春ですねえ!
── おいしいですよね。
天ぷらにしたり。
あずま女 そう!
── この頃から苦い野菜が出てきますね。
あずま女 冬の毒をデトックスですね。
── 『飲食事典』によりますと、
「心肺を潤し、五臓をえきし、
 患いを除き、痰を消し、
 咳を治す、とされている」と。
あずま女 いろいろ効くんですね。
悪いことなし。すばらしい。
京おとこ でもこの苦みをおいしいと感じるには
なかなか年をとらないとむずかしいですよね。
── 大人になってよかった!
そういえばあずま女さんは
蕗味噌をつくるとおっしゃってましたが、
『飲食事典』には
「焼いて練り味噌をつける。
 刻んで味噌汁の薬味。
 刻んだのを焼き味噌にすり混ぜる」
などとありますね。
京おとこ すごいですね。なんにでも。
── ちなみに「生長したものは
茶席の生け花などに」とありました。
あずま女 へえ! きれいなんですね、きっと。蕗の花。
── わびさびがある感じなんですかね。
そして季節の行事は「初午」ですよ。
あずま女 初午って、わたし、あんまり馴染みがないんです。
京おとこ あ、そうですか?
あずま女 あら。京都はあります?
京おとこ 「ハツうま」って言ってましたね。
── 発音がまたむずかしい。
ハツにアクセントがあるんですね。
京おとこ 伏見稲荷ですよ。
── 「火防(ひぶせ)の神」だそうですね。
あずま女 東京だと王子稲荷なのかな。
── 王子稲荷です。北区ですね。
商売繁盛っていわれると
行きたくなっちゃいますね。
‥‥ということで、次回は
「黄鶯睍睆(うぐいす なく)」
2月9日にお会いしましょう。
2013-02-04-MON
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