── 「処暑」になりました。
暑さが止むとという意味ですね。
文字通り、暑さのピークが過ぎて。
台風シーズン到来ですね。
── そんななか、「綿柎開」。
綿の実がポンッと開くところですね。
はじける。
 
── 旬の野菜が「パプリカ」!
一年中ある野菜なので
今が旬だとはついぞ知らず。
これまた、幼少期にはなかった野菜です。
一般家庭の食卓にのぼるようになって
まだ二十年足らずだそうです。
日本で出回っているものは
大型肉厚のピーマンですね。
そもそも‥‥を言えば、
唐辛子の種類ですよね。
── ハンガリーが名産のスパイスにも
パプリカがありますが、
辛くないんですよね。
色づけなんでしょうね、これ。
わるいですけど(笑)。
── や! それが、
ハンガリーのグヤーシュもそうですし、
スペインのバスク地方とかでも使うんですが、
料理にコクが出るので
おいしくなるんですよ!
ちゃんと味に貢献してるんですね。
── しかしピーマンがなんでこんなに
人気の野菜になったのかが
不思議でしかたないのです。
子どもの嫌いな野菜の
代表でしたからね。
セロリ、ピーマンっていったら。
── じゃあ、大人はそんなに好きか!
嫌いじゃないんですが、
それほどでもない。
サンドイッチのサブウェイで
必ず抜く大人もよく見ます。
冷静に考えると、
そんなに日本中に広まるほどの
実力者とは思えない。
ピーマン業界のロビイングっていうか
政治活動があったのかもしれない。
── 婦人雑誌の家庭料理ページで、
ピーマンの肉詰めを扇動したんです、きっと。
母はミートソースに必ず刻んで入れてました。
野菜は賽の目にして、
それに必ず椎茸とピーマンが入ってて
苦手なものもそうやって食べさせた。
ミンチ化することによって
ようやく食べさせてたんだと思う。
── これまた南蛮渡来物件ですね。
日本へは1544年
九州へ来たポルトガル人によって
もたらされたそうです。
あ、「万願寺」とか
それこそ京野菜じゃないですか。
万願寺はおいしいですよ!
── ほかに、この季節の風物詩というと。
「風の盆」ですね。
 
富山の。
富山のですね。
行ったことないんですよね。
なんか興味ありますよね。
── それはそれはきれいなものらしいですね。
日本の仮面舞踏会的なものかと
想像しているんですけど。
おっしゃるとおり。
以前友人とカーニバルの両極性について
語ったことがあって(笑)。
まさに風の盆とか盆踊りは
ベネチアのカーニバルに
近いんじゃないかと。
ベネチアのって、
死者のふり、っていうか仮面をして、
この世の人じゃないような
感じで歩き回るわけですよね。
リオのカーニバルは行進型じゃないですか。
ずんずんずんずん。
だから日本の盆踊りは
どちらかというとベネチアの方に
近いんじゃないかと(笑)。
なるほどね。
どう考えても盆踊りの動きって
死者と同化して踊ってる感じ。
地方によっては
白い布とかかぶって、
自分たちも死者に
なりきったような感じで。
で、ちょっとエロいですよね。
お盆の時は無礼講っていうのが
もう一方でくっつくんですよ。
民俗学の赤松啓介さんが
そのあたりの詳しい研究をなさっています。
── へえー!
ところでメキシコにも死者の祭りが
ありますよね。
ガイコツ祭り。
街中、ガイコツだらけで。
そういう時って、
それこそ死者が出てきて混じっても
わからないっていうふうにするのかも。
── お墓の前で酒盛りするそうですよ。
死者と生者が
あたかも一緒のようなっていうのが、
なかなかおもしろい話ですよね。
しかも世界的にやるんですね。
── ありがとうございました。
次回は「天地始粛(てんちはじめてさむし)」。
8月28日にお会いしましょう。
2012-08-23-THU

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