── まったく本題と関係ないのですが
こんなメールをいただきました。


あずま女さんに
お伝えしていただきたいことがございます。
ハゼドンの主題歌に
「ハーゼ、ドンドン」というフレーズは出てきません。
「ハゼハゼ ハゼドン ハゼハゼドン」や
「どどんと ハゼドン ハゼハゼドン」という
フレーズならありますが。
たぶん天才バカボンの「バーカ、ボンボン」と
混同されているのではないでしょうか。
すいません、内容とは全く関係ないことで。
どうしても気になって
メールせずにはいられませんでした。(哉期)



あら! ほんとうですね。
混同しておりました!
哉期さま、御指摘ありがとうございました。
── 担当編集も気づきませんでした。
失礼いたしました。
ハゼドン、見てたのになあ。
さて! あっという間に次の季節。
1年を72で割ると、こんなに早いんですね。
1週間より早いですね。
あたりまえですけどね。
「禾乃登」でございます。
「こくもの・すなわち・みのる」
ということは‥‥。
ついに収穫間近でございます。
── 「禾乃登」は刈り入れる時期っていうより
刈り入れを間近にした時期ってことですね。
稲の収穫時期というのも、
あまりに違いますよね、全国で。
── 今や、北海道でもお米が収穫できますものね。
旬のお魚は「鰯」。
鰯っていうと、
江戸っていうより千葉ですよ、
わたしのイメージは。
千葉・房総の味。
いまは休館中なんですが
「いわし博物館」に行ったことがあります。
── 鰯はうまい!


庶民のお魚ですよね。
── いっぱい捕れるから。
うちは鰯と梅の炊いたんとか
食べてましたね。
── 「炊いたん」という言い方が
すばらしく京都です。
煮ることを「炊く」っていうのは
古語なんですが、
京都に残ってるんですよね。
そう言われて初めて気づきました。
「煮物」とは言わないですよね。
確かに言いませんね。
鰯の梅肉煮って、
なんとなく京都風な感じがしますよね。
「なめろう」っぽいのは
やらないんですよね(笑)?
やらないですね。
ぜったいやらないだろうなって
思いました(笑)。
味噌とネギと、みたいな、
ああいうのって、関東な感じがします。
「なめろう」を食べたとき、
感激しましたよ。
ああ、こういうものがあるんだと。
生魚ってほとんど食べないですからね。
やっぱり鯊(はぜ)があれだけ
もてはやされるのもそういうことですね。
内陸だから。
いわゆる昔ながらの
京都料理のレシピに
生魚を使うものがないんでしょうね。
── 鰯はポルトガルの人も大好物で。
炭火焼きを食べておいしかったですよ。
ぜんぶ食べられるの。
頭からしっぽまで。
骨もぜんぶ食べられちゃう。
めちゃくちゃおいしかった。
いいですねえ。
それからこの時期は
「酢橘(すだち)」も旬ですね。
酢橘と臭橙(かぼす)と柚子、違いが、
なじみがないものには、
けっこうわからないですよね(笑)。


ブラインドテストとかしても
あんまりわからないかもしれません。
── 未だにわかんないです。
調べたことがあるんですけど
大きさがまず違うらしいですよ。
酢橘はちっちゃい。
確か臭橙と柚子って同じぐらい。
── じぶんの育った地域や家の
食文化にないと、わからないことって
ありますよね。
でも酢橘はよく出てきましたよ。
うちも。魚にかけました。
── なかった‥‥。
だいこんおろしだけだった。
「茄子」も旬ですよ。


「茄子」はやっぱり
「賀茂茄子」ですね。
あ、そうですか!
やっぱりわたしは
丸いのは印象ないんです。
京野菜はほんとうに
出回らなかった。
ごく最近かもしれません。
── 茄子にいろんなものがあるって
知ったのは、大人になってからです。
水茄子だとか。
生で食べられるって驚きましたね。
せいぜいあとは米茄子。
賀茂茄子はねえ、なかったです。
味噌田楽で食べるんですよ。
うちは焼き茄子が多かったですかね。
あとはピーマンと味噌で炒めるのが夏の定番。
── 茄子は、油と相性がいいですよね。
そして「秋の七草」がこの時期です。
── 萩、尾花(すすき)、葛、撫子、
女郎花、藤袴、桔梗。
これはおかゆには入れない七草ですね。
春とちがって、入れませんね!(笑)
このへんは平安文化な感じで。
「向島百花園」って
行かれたことあります?
文化文政期に向島に開かれた花園で、
梅や秋草で親しまれたんですよ。
── 東京も、意外とそういう場所が
残っているんですよね。
次回は二十四節気も替わり「白露」に。
そして七十二候は「草露白(くさのつゆしろし)」。
9月7日の更新予定です。
ありがとうございました。
2012-09-02-SUN

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