未分類カテゴリー記事の一覧です
重ね着せずとも
男の人のおしゃれについて、
あれこれ語る昼下がり。
「クルーネックのニットから、
さりげなくTシャツをのぞかせている男の人にグッとくる」
そんなことを言った友人がいました。
へー、そうなんだ! と思って以来、
街を歩いては、電車に乗っては、
キョロキョロ。
重ねている人はいるけれど、
「さりげなく」なんて人、
そうそういないじゃないの!
あ、でもあんまりいないから、
グッとくるのかしらね。
なんて思ったのでした。
ニットとTシャツの素材感、
大きさ、色合いがピタッと合わなければ、
かっこよくはならない。
ともすれば、
ちょっとだらしなく見えてしまう場合もあるから、
要注意。
バランスって大事です。
今週のweeksdaysは、
TICCAのニット。
重ね着せずとも重ねた風に見える。
一枚さらりと着ればたちまちいい感じ。
襟元のこの感じ、
グッとくるという友人の言葉に深く納得です。
冒険は必要
ずいぶん長いこと、
メイクは必要最低限。
下地を塗ったらパウダーを軽く重ねて、
ベースはおしまい。
それからアイブロウで眉毛を整えて完成です。
その間、5分くらいかな。
メイクはめんどう。
そんな気持ちもあったけれど、
じつはなにをどうすればいいか、
分からなかったんです。
ところがweeksdaysの撮影で、
ヘアメイクアップアーティストの草場妙子さんと、
仕事をするうちに、
メイクってすごいと思うようになってきた。
同じファンデーションでも塗り方を変えたら、
肌が生き生きしてくる。
ちょっとコンシーラーを足すだけで、
今まで気になっていた部分が好きになる。
苦手意識があったリップカラーも、
探せばちゃんと似合う色が見つかるんだ。
‥‥とあげればキリがないほどの発見が。
だから最近、毎日のメイクがたのしくて仕方がない。
まずは先生(草場さん)に教えてもらった通り忠実に。
そこから先はちょっと冒険してこの冬は、
色のあるメイクに挑戦したいと思っています。
今週のweeksdaysは、
Le pivotのレースキャミワンピース。
去年の私だったら、ひるんでいたにちがいない、
大人っぽいレースがついたキャミワンピースを、
いつものアイテムにプラスしてみたい。
メイクも、おしゃれも、
冒険は必要なのですよ。
再入荷のおしらせ
完売しておりましたアイテムの、再入荷のおしらせです。
11月12日(木)午前11時より、以下の商品について、
「weeksdays」にて追加販売をおこないます。
余[yo]
余韻 トリートメント
余韻のトリートメントも、
シャンプー同様、
「気になる(いやな)ものがなにもない」んです。
シャンプー後に馴染ませ、
洗い流すと「新しい髪」に生まれ変わる
(ような気になる)。
シャンプー後、
髪を乾かすたび、それを実感しています。
「浸透感」は、ユーカリやティーツリーなどの香りに、
ラベンダーがプラスされているとか。
おかげか、髪を乾かす時、
また眠る時もとても気分がいい。
また、「濃厚感」は、
カラー後や日焼けをした後や、
週に1、2度の集中ケアに。
浸透感も濃厚感も、
どちらももちろん合わせるのは余のシャンプーと。
頭皮や髪、また肌も。
今のヘアケアアイテムがしっくりきていないな‥‥
と感じている方に、
ぜひ一度使っていただきたいアイテムです。
(伊藤まさこさん)
気温にあわせて、着こなしにあわせて
- 伊藤
- 原型になった「M-65」もですが、
昔の軍ものって、すごく重かったりしますよね。
素材の面での進歩もあるんでしょうか。
- 林
- まさにそうなんです。
ヴィンテージのものは強度のためなのか、
本体もファスナーもかなり重量がありますよね。
これはファスナーも軽いですし、
ライナーの中綿には
「シンサレート」(3M™ シンサレート™)を
使っているので、
軽くて保温性もあります。
- 伊藤
- 「シンサレート」。
どんな素材なんでしょう?
- 畠山
- 3M社(「Post-it」などで知られる
アメリカの大手化学・素材メーカー)が
作っている中綿素材なんですけれど、
暖かいのにすごく軽くて薄いという、
機能性にすぐれた素材です。
- 伊藤
- すごい!
現代版にアップデートされていますね。
- 畠山
- そうですね。
あと細かいところなんですが、
ウエストをキュッと絞っても
バランスがいいように、
腰紐の高さは細かく調整しました。
裾も紐で調整することで、
バルーンシルエットを楽しめます。
オリジナルから踏襲している
フィッシュテールもかわいいですよね。
- 伊藤
- なるほど。
ウエストを絞ると、また印象が変わるでしょうね。
裾が絞れるようになっているのは、
風が入りにくくする、とかでしょうか。
- 畠山
- はい。
本来軍で使用するときには
防寒のために裾が絞れるようになっています。
袖口にもゴムを入れているので、
キュッと絞るとポケットに手を入れたり
出したりもしやすいです。
肘の上下にタックをいれて
動きやすくしているのも、
原型の作りを踏襲しているところですね。
- 伊藤
- いろんなところに工夫があって、
よく考えられた形ですね。
オリジナルの「M-65」は、
何年くらい前に作られたものなんでしょうか。
- 林
- 「M-65」の「M」はModel、
「65」は65年に採用されたことに
由来する名前なので、
軍に登場したのは約60年前になります。
実際に生産・使用されたのは
60年代後半~90年代まで、
かなり長い期間です。
作られた年代によって、
仕様やディテールが少しずつ変わっています。
- 伊藤
- じゃあ、今はつくられていない?
- 畠山
- はい。
軍用の「M-65」の生産は90年代で終了していて、
現在つくられているのは
私たちが今回つくらせていただいたような
ファッションとして着るためのもの。
- 伊藤
- まさか、
60年後にこうして着られているなんて、
最初につくった人たちは
思いもよらないでしょうね。
- 林
- ほんとですよね(笑)。
世界中で長く愛されている形です。
- 伊藤
- 色もすごくいいですね。
「weeksdays」限定のカラーで
作っていただいてよかったです!
ありがとうございます。
- 林
- ね。
2色とも、本当にいい色だと思います。
- 伊藤
- ライナーの色も素敵だし、
ボタンの色の組み合わせも
とてもいいですねぇ。
どちらにしようか迷ってしまいます。
- 林
- ブラックにはブラウンのライナー、
グレーにはグレーのライナーというのが、
いい組み合わせですよね。
うちがオリジナルで作っている「M-65」は、
ライナーの色は全てオリーブなんですよ。
- 伊藤
- あ、そうなんですね。
お話をうかがったときに、
ライナーの色も選べるときいて、
それはうれしいなと思ったんです。
- 林
- 僕たちがつくるのは
良くも悪くもヴィンテージっぽい色、
古着のミリタリーにあるような色になるので、
こういう色味はすごく新鮮でした。
- 伊藤
- それにしてもライナーだけでも着られるって
すごくないですか?
とくにブラックはライナーの色が全然違うから、
外側のアウターを着るのと、
ライナーだけで着るのと、
全く印象が変わりますよね。
- 畠山
- ほんと、別の服として着られるような感じなので
着こなしにあわせて選べるのもいいですよね。
ライナーだけで着るとき、
袖が長ければ折っていただいてもいいと思います。
- 伊藤
- たしかに。
1日のうちでも、
車にのったら暑いからライナーを取ろうとか、
ライナーだけ着てたけど
寒いからアウターも重ねようとか、
気温に合わせて調整できますよね。
横着してライナーのボタンを留めずに、
重ねるだけの人もいるかな‥‥
私かも(笑)。
- 林
- あはは。
重ねるだけでももちろん、
簡単に着られていいと思います。
ただ、ライナーのポケットが
内ポケットとしては使えなくなるかな。
- 伊藤
- あ、そうか。
ライナーとして使うときには、
裏表をひっくり返してアウターにつける、
ということですものね。
- 林
- そうです、そうです。
だから、ライナーを取り付けるときには
ちょっと手間ではあるんですが‥‥
このボタンの仕様は
ヴィンテージならではのデザインとして
残しているところなんですよ。
よかったら、取り付けしやすい順番を
お伝えしますね。
- 伊藤
- とってもありがたいです!
それはじゃあ、
動画で紹介していただくことにしましょうか。
これで冬も快適に過ごせそうです。
どうもありがとうございました。
- 畠山&林
- ありがとうございました。
M-65ってどんな服?
- 伊藤
- JOHNBULLのアイテムは
これまで何度か取り扱わせてもらいましたが、
今回はブランドがJOHNBULLではなく
「TOP KHAKI(トップカーキ)」というんですよね。
どんなブランドなんでしょう?
- 畠山
- 「TOP KHAKI」は、
JOHNBULLが自社で開発・展開している
ミリタリーに特化したブランドです。
最初に企画を立ち上げたのは
うちの代表(塚田裕介氏)なんですが、
自身でも軍もののヴィンテージ服を
いろいろ持っている、
ミリタリーマニアなんです。
- 伊藤
- デニムだけじゃなく、ミリタリーの服も
お好きなんですね。
- 畠山
- はい。
中でもマニアに人気の
「M-65(エムロクゴー/1960年代に
アメリカ軍が採用したフィッシュテールパーカー)」
というコートがあるんですが、
それを参考にあたらしいものを作ろう、
ということでできたのが、
今回のアイテムになります。
今日はオリジナルの「M-65」も持ってきたので、
見比べてもらえたらと思います。
- 伊藤
- あ、もしかして『踊る大捜査線』(1997年に
フジテレビで放送された刑事ドラマ)の、
青島さんが着ているジャケットですか?
- 林
- そうそう、
あれは似ているんですけど、
フードが本体についているので
「M-51 フィッシュテールパーカー」、
いわゆるモッズコートと呼ばれるものです。
- 伊藤
- 惜しい(笑)!
あれは「51」なんですね。
- 畠山
- ふふふ。
私もそこまでミリタリーマニア
というわけではないので、
代表があの年代のものがこうだとか、
ここのディテールが違うとか
熱く話されるのを聞きながら勉強しているんです。
「M-65」はもともとジャケットの上から
着ることを想定して作られたもので、
つくりが大きいのが特徴です。
- 伊藤
- ジャケットの上から着るということは、
寒いときに着るもの‥‥?
- 畠山
- そうです。
軍で防寒着として作られたもので、
今回お作りしたのと同じように
もともと、取り外せるライナーがついています。
そういった特徴的なところはある程度忠実に再現しながら、
今の私たちに必要のない部分は取り除いて、
より着やすい形に作ったのが
「TOP KHAKI」の「M-65」です。
たとえば、
古着屋さんでミリタリーの服を買おうとすると
サイズがすごく大きかったり
丈が長すぎたりするんですが、
これは着やすいサイズ感や丈、
シルエットを考えて作りました。
- 伊藤
- うん、すごく着やすそうです。
男女問わない形ですよね。
- 畠山
- はい。
ユニセックス仕様で、
ショート丈バージョンのSサイズのみで
お作りしました。
Sといっても、結構大きいです。
私が身長158cmなんですけど、
オーバーサイズめに着られます。
- 伊藤
- 男性だと、丈が変わるくらいでしょうか。
- 林
- 僕は身長171cmなので
ふだんはMを選びますが、
Sでも違和感はないですね。
身長が高めの女性でも、
こちらで大丈夫だと思います。
- 伊藤
- じゃあ、一着を
パートナーと一緒に着るとかも、
できますね。
- 畠山
- あ、とっても素敵ですね!
- 伊藤
- それに大きめだと、
中に厚手のものも着られるから
安心感がありますね。
- 畠山
- ライナーをつけた状態でも
着ぶくれないように、
内側も余裕のある作りにしています。
ライナーなしで、スプリングコートとしても
着ていただきたいなと思っています。
- 伊藤
- スプリングコート、なるほど。
- 林
- 春だけでなく、
薄手のアウターとして着たいときは
ライナーを取り外せばいいし、
ライナー自体をアウターとして
1枚で着てもいいし。
寒くなってきたら
ライナーを取り付けて着ると暖かい。
つまり、3WAYで着られるんです。
- 伊藤
- 3WAY、いろいろなスタイリングで着られるって、
みなさんがよろこぶポイントですね。
- 畠山
- そうですね。
もちろんそれも大きな魅力なんですが、
やはり着ただけで決まる形、というのが
「M-65」が人気の理由だと思います。
- 伊藤
- たしかに!
原型の「M-65」から、
具体的にどんなところを変えられたんでしょう。
- 畠山
- 大きく変えたのは
ポケットの仕様です。
もとは内側がモコモコした素材なんですが、
今の私たちにはそこまでの防寒は必要ないかな、
というところで、
通常素材のポケットにしました。
あと、オリジナルのM-65は
ライナー単体で着ることは想定されていないので、
ライナーにポケットはついていないんです。
- 伊藤
- なるほど、
本来、ポケットがあるのは外側部分だけ。
- 畠山
- はい。
でも、私たちが作ったものは
ライナー1枚でも着ていただきたいので、
ポケットをつけ加えています。
- 伊藤
- アウターとして着るなら、
ポケットは絶対あったほうがいいですものね。
ありがたいです。
- 畠山
- それから、
実は「M-65」のオリジナルは、
取り外しできるフードが付いているんです。
でも、最近の冬はそれほど寒くはないので
思い切ってフードをなくして、
見た目はスタンドカラーのような印象に仕上げました。
より合わせやすく、
さらっと着られるような作りになっています。
- 伊藤
- なるほど。
フードがないぶん、
より街着として着やすいイメージですよね。
社内でも着てる方いらっしゃいますか?
- 林
- そうですね、秋冬はやっぱり多いです。
- 畠山
- 今日私も着ているんですが、
うちはジーンズメーカーということもあって
Gジャンを着る人が多いんですね。
その上に「M-65」重ねると
すごく合うんですよ。
あえて重くなりすぎないようにつくってるので、
いろいろな服に重ねやすいと思います。
- 伊藤
- 暖かすぎないしライナーも取り外せるから、
着られる機会が多そうです。
秋から真冬、そして春にかけて
服をどれだけ持ち、
それをどんな風にしまうか?
大げさかもしれないけれど、
一生考え続けねばならない問題のような気がします。
「一度買った服は一生好き」。
だから、クローゼットの服は、
どんどん増えていくけれど気にしない、という人。
一部屋衣装部屋にしているという人。
壁一面の棚にほとんどの服を畳んで収納しているという人。
目から鱗だったのは、
手持ちの服はハンガーラックに一本だけと決めて、
シーズンオフの服はトランクに入れるという方法。
ものをたくさん持つには体力がいるから、
これからはなるべく少なくしていきたい‥‥と思ってる。
ベーシックで着回しが効き、
着ていてうれしくなる、
そんな服をえらんでいけたらいいなぁ。
今週のweeksdaysは、
TOP KHAKIのコート。
一枚でさっと羽織って。
寒い日はライナーを重ねて。
ライナーだけで着ることもできる。
秋から真冬、そして春にかけて。
長い間楽しめる、そんな一枚です。
旅するように暮らしたい
- 吉川
- 今回、カラーは別注をいただいて。
大丈夫でしたか。
- 伊藤
- はい、とてもよかったですよ。
最初、もともとつくられている赤を拝見して、
形は安心してお任せできるから、
オレンジとブルーグリーンをお願いしました。
撮影のハンガーにこの3色がかかってるのが、
すごくかわいくて。
それこそ部屋の中で差し色になるんじゃないかな。
自分が差し色になる。
- 吉川
- ありがとうございます。
ブランドとしては、
選びたくても選べない色っていうのがあって、
今回の2つの色は、まさしくそれ。
- 伊藤
- インラインでは赤と‥‥。
- 吉川
- 全部で8種類があるんですけれど。
オフ白、シルバー、キャメル、ピンク、
赤、ライトグリーン、濃紺、チャコールグレーですね。
伊藤さんが別注色を考えた時のポイントは
どんなことだったんですか。
- 伊藤
- ベーシックな色のニットは、
みなさん、すでにお持ちかなあと思ったんです。
- 吉川
- ほんとに冬だからこそ、
こういう明るい色は素敵ですね。
伊藤さんは、色選びのときに、
服そのものというよりも、
そこにいる自分を含めた風景として考えられる。
そういう感覚があるように思います。
- 伊藤
- そうかもしれないですね。
冬は、こういうの、すごくいいですよね。
ダークな色も好きですが外が暗いと
気分が落ちる時もありますし。
首元がピタッとしてるのは苦手という方でも、
これはゆったりリラックスできますし。
ところで、
丈の長さはどうやって決めたんですか。
- 吉川
- どっちかっていうと
パンツに合わせる丈として作りました。
- 伊藤
- なるほど、長すぎず短すぎずって感じなのかな。
- 吉川
- とはいえ、スカート、たとえばロング丈も合いますし、
ワンピースを重ね着してもいいと思いますし。
- 伊藤
- お客様、オンラインで購入なさる方も
おおぜいいらっしゃいますか。
- 吉川
- そうですね。オンラインは今、
お客さま、増えてきています。
ずっとオンラインは手つかずで、
卸し主体にしていたんですけど、
ブランドもまあもう15年となって、
直販もがんばってみようということになりました。
始めて6年半ほどですが、
おかげさまで、成長をしています。
- 伊藤
- webでは読み物のコンテンツもなさっていますよね。
ブランドの世界観を広げるためのものだと思いますが、
あの企画はどうして始めようと思われたんですか。
- 吉川
- 独立するとき、鞄ひとつで始める、
という思いがあったんですよ。
小っちゃい事務所に入るものって
そんなないじゃないですか。
だからトランク1個で部屋に入った。
独立っていうのはイチかバチかで、
それはちょっと旅に出る感じに近かった。
STAMPSっていう会社名も、
イミグレーション(入出国審査)で
パスポートに捺されるスタンプをイメージしたんです。
旅に持って行く服をつくりたいと思ったんですよ。
トランクに入る少ない中に選ばれる服を作ろう、って。
それはオンもオフも兼ねた服で。
どっちも対応しなきゃいけない。
そういうふうに旅というキーワードと
服が繋がったんです。
以前、「ほぼ日」で生活のたのしみ展の
インタビューを受けたとき、
「一番好きなものはなんですか」と訊かれて、
「旅」って答えました。
旅の話になると自分が止まらなくなるし、
人が行って来たときの話もすっごく聞きたい。
そんなことを職権乱用でできないかな、
と思って始めたのが、あのコンテンツなんです。
- 伊藤
- 人に会うと刺激がもらえて、
それは旅も同じで。
それが次のインスピレーションに
繋がっていきますよね。
- 吉川
- そうですね。
オンラインのお客様で、
検索キーワードが「旅」で来てくださったかたが
すごく多いと聞いておどろきました。
旅先でも日常でいたいし、
日常でも旅でいたいみたいな感覚を
持ってるかたがいらっしゃるんだ、
って嬉しくなりました。
ぼくが旅先で一番羨ましいなと思うのは
その街の住人ですからね。
- 伊藤
- わかります。
私、海外ではまず歯磨き粉を買います。
歯ブラシだけは自分用の小さいのを
日本から持って行きますが、
歯磨き粉は現地調達。
- 吉川
- まずスーパーに行って、
住人みたいな気分で日用品を買う。
そんな気分ですよね。
- 伊藤
- 旅っていえば、私は家をホテルのようにしたいし、
ホテルを家のようにしたいんですよ。ほんとに。
- 吉川
- 一緒です!
- 伊藤
- ですよね。
- 伊藤
- だから服も最近は減らして、
下着やTシャツも引き出し1段に入る量になりました。
全部スーツケースで持ち運べるくらいになって。
気持ちいいです。
だって10日とか2週間とかちょっとの旅でも、
スーツケースに入る荷物で
どうにかなるじゃないですか。
- 吉川
- ありゃ、それは無理ですね、僕は!
でも素晴らしいと思います。
伊藤さんは執着がないんですよね。
ほんと伊藤さんみたいな生活に憧れるんですけど、
できないっていうのは本音です。
- 伊藤
- 写真とかどうしてます?
- 吉川
- めっちゃ撮ってます。
プリントも、
ちゃんと整理はしてるのとしてないのとあって、
大切なものは箱に入れて。
デジタルはそのままかな。
- 伊藤
- わたしの知り合いは自分のアルバムは1冊だけ、
家族1人につき1冊ずつにしたっていう人がいて。
デジタルは、パソコンを買い替えるときに
中に入っている写真を全部捨てるんです。
- 吉川
- 絶対無理です~!
デジタルだからかさばらないですよ?
- 伊藤
- メールも、いっぱい溜まってると嫌になっちゃって、
読んだら消すようにしています。
気持ちの問題なんですよね。
- 吉川
- でも憧れます。僕も、気持ちとしては
なんにもない空間の方が好きなんです。
箱根はひとりの世界なので、
もう常におんなじ場所に物を置いてあるみたいな。
ちょっと曲がってたりすると正しちゃう。
- 伊藤
- 気持ちの持っていき方とか、
飽きる飽きないとか、
面白いテーマですよね。
- 吉川
- 面白いですね。
‥‥永遠にしゃべれちゃいますね。
- 伊藤
- 永遠にしゃべれます。
ぜひ、また、お話ししましょう。
- 吉川
- ありがとうございます。
物欲がなくなってきたという話をしましたが、
ほんとにちょっと、
トンネルの中に入っちゃった気分だったのが、
元気になってきました。
- 伊藤
- そうですよ、吉川さん!
- 吉川
- ありがとうございます。
ほんと、楽しかったです。
- 伊藤
- たまにでも、会わないとだめですね!
『アニー・ホール』みたいに
- 伊藤
- さて、今回のこのニットについて
お話を聞かせてください。
これはどういう経緯でつくられたんですか。
- 吉川
- ぼくらがニットに使う素材は、
STAMPSと強い信頼関係のある
ニッターさんからの提案から選ぶことが多いんですが、
たまたまこの糸を教えてもらって、
糸を触った瞬間、もうこの形が半分見えて。
- 伊藤
- 糸を触った瞬間に?
- 吉川
- はい、そうなんです。
「あ、これはすごい糸だ」って。
よくよく調べたら、この糸、
メリノウールじゃなくて
ウルトラファイン・メリノウールと
カシミヤをブレンドした上質な糸だったんです。
そもそもメリノにも何種類もあって、
細くなればなるほど高級になります。
なかでもウルトラファイン・メリノはとても滑らかで、
肌ざわりもやわらかいのが特長。
それ以上を求めるなら
カシミヤを使うことになるんですけど、
この糸、カシミヤをブレンドしているんですね。
メリノとカシミヤの混紡っていうのは新しい。
ちなみにメリノウールって今すごく見直されてて、
保温性、調湿性、消臭性が高いので、
例えば山を登る方とか、スポーツ系の方にも人気ですし、
ぼくも旅の相棒にメリノウールが重宝しています。
そんなメリノウールにカシミヤを混ぜたんだ! と思って。
- 伊藤
- カシミヤは何パーセントですか。
- 吉川
- 10%です。
ほんの少しではあるんですけど、
やっぱりカシミヤが入ってるのと
入っていないのでは違うんです。
ぼくがこの糸を触ったときに思ったのは、
「あ、これはもう『リラックス』だ」。
リラックスっていうのは
STAMP AND DIARYがずっと提案していることで、
「リラックスしながらおしゃれもできる」
という服のコンセプトです。
じゃあこのニットは
どこでおしゃれをするためか、っていったら、
家とかホテルの部屋の中とか、
そういう「ホーム」なワードが浮かびました。
このニット、全体的にリラックスするけれど、
ちゃんと落ち感が出るので、
締めるところをちゃんと締めれば
すごくいいんじゃないかと思ってデザインしたんです。
- 伊藤
- 締めるところっていうのは、袖口とか?
- 吉川
- そうですね。
じつは、このパターンに行き着くまで、
最初、ポンチョみたいな、
すごく大きいものを考えていて。
リラックスっていうことを考えて、
そうなっていたんですけど、
いや、これはやっぱり1枚で着て
まとまった方がいいなと思って、
最終的にこの形になったんです。
- 伊藤
- 四角いですよね。
- 吉川
- そうです。真四角。
身幅を広くとることで動きも楽になるし、
意外に、そこまで大きなシルエットにはなりません。
- 伊藤
- 手を広げると四角いけど、
下ろすとその四角い部分がちゃんと下に落ちて、
体に馴染む感じがしました。
- 吉川
- はい。ドレープもきちんと出ます。
身幅で言うと80.5センチあるんです。
そして、デザインのポイントとして、
1枚で着たとき手が寒いときを想定して、
親指が出るフィンガーホールを入れました。
これはもともとフィッシャーマンズセーターで
よく使われているテクニックです。
漁師さんがニットの長めの袖先から親指を出して
甲や手のひらの寒さを防ぐデザインですね。
それをあえて取り入れました。
- 伊藤
- 襟もすてきです。
- 吉川
- 襟は、けっこう考えました。
絶妙なくしゃ感、というんですかね、
折らなくても、さまになるデザイン。
- 伊藤
- そうそう、わたしたち、
折って撮影をしてないです。
全部、くしゃ、って。
- 吉川
- イメージは、アメリカ映画です。
たとえばウディ・アレンの『アニー・ホール』で
主演のダイアン・キートンが着ている服は、
ラルフ・ローレンのメンズウェアで、
彼女はプライベートでも
そういうスタイルが好きだったんですって。
映画ではこういうニットは着ていないと思うんですが、
その感覚で、女性が、大きなセーターを
着ちゃったときのたるみ感がいいなあ、と。
『アニー・ホール』の公開当時に
日本でその感覚を出せる人が少なかったけれど、
ぼくはずっと「いいな、いいな」と思ってて。
- 伊藤
- なるほど。
- 吉川
- 裾の、クルっとなる切りっ放しっぽい始末も
あえてそういうふうにしています。
自然なリラックス感みたいなのを演出したかった。
そういうところが、このニットの
デザインのポイントになりました。
- 伊藤
- スカーフを下に巻いたときに、
ちゃんとおしゃれっぽくなってます。
- 吉川
- そうですね。
部屋の中でも、外でも大丈夫ですよね。
部屋の中にいてぬくぬくしてて、
「あ、そうだ。買い物行かなきゃ」っていうときに
スカーフ1枚とかアクセサリー1個つけて、
ボトムスだけちゃんと選んでいただければ
もうそのままおしゃれ着として行けちゃうみたいな。
- 伊藤
- 吉川さんは、糸を触った瞬間に
そういうシーンが見えたんですね。
- 吉川
- そうですね。出ましたね、これは。
- 伊藤
- へえー。すごい。
アイデア、ちゃんと出てるじゃないですか。
- 吉川
- ほんとですね。
何言ってんだよさっき、みたいな。
- 伊藤
- 安心しました。
吉川さん、最近、いかがですか?
- 伊藤
- 吉川さん、こんにちは。
きょうは、取材がてら、
吉川さんの近況もおききしたくて
お伺いしました。
どうぞ、よろしくおねがいします。
- 吉川
- こちらこそよろしくおねがいします。
そういえば最近は、ゆっくりおしゃべりする時間が
あまりありませんでしたね。
- 伊藤
- そうですよね!
吉川さん、なにか暮らしの変化や、
お気持ちの変化など、なにかありましたか。
- 吉川
- そうですね‥‥、今は、物欲が少し薄くなったかな。
たとえば、仕事では服づくりに一所懸命でも、
じぶんの服はあまり買わなくなってきちゃった。
- 伊藤
- そうなんですか。
- 吉川
- といっても、以前ほどは、です。
買うにしても量を買わないというか。
ずっと好きな北欧やフランスのヴィンテージ家具も同じ。
長いこと夢中になって調べたり揃えたりしたから、
だいたい、ほしいもので買えるものは手元にあって、
手に入らないまでも「もうじゅうぶん知ってる」という
状態になったんでしょうね。
そんなに「ほしい!」ということがなくなって。
- 伊藤
- ちょっと落ち着いた、
という感じなのかもしれないですね。
- 吉川
- はい、そうとう落ち着きましたね。
逆に言うと、刺激を感じることがなくなったのかな? と、
危機感を感じてもいるんです。
来年62歳になるんですけど、
会社(STAMPS)も15期目を迎えて、
子どもたちも全部かたづいちゃった。
旅も、これまで、仕事を兼ねて、
どうにかして海外に行きたい気持ちが
すごく強い人間だったんですけど、
いまは義務感で行くみたいになってるんですよ。
だから、自分でちゃんと探さないと、
興奮したり感動したりっていうのが薄れてきちゃう、って。
- 伊藤
- そうなんですね。それで、
自分で探してみたことは、何か、あるんですか。
- 吉川
- 最近ね、海外の不動産サイトを見てるんですよ。
- 伊藤
- あら! なるほど。
吉川さんも私も、古い建築物が好きで、
国内でも「こんな集合住宅がありますよ!」なんて、
よく、情報交換をしていましたね。
いま、海外にまで興味が?
- 吉川
- もう、探して、見て、分析して、なんてやってたら、
国内の物件はほとんど見尽くしちゃって。
あんまり感動しなくなっちゃったなあ、というある日、
SNSでフランスの不動産サイトが流れてきたんです。
それを「何これ?! かっこいい!」って。
サイトによっては、建築様式や年代で
テーマ別になってて、
モダニズムにフォーカスした物件とか、見つかるんです。
それで「フランスにあるなら、
他の国にもあるんじゃないかな」と、
ChatGPTに訊いてみたら、
バーッて各国のかっこいい物件を扱っている
サイトのURLが出てきて。
これはダメでしょ~~~っ! って、
それからずーっと見てるんですよ。
- 伊藤
- あはは。ダメって、
嬉しいほうの「ダメ」ですよね。
- 吉川
- はい、すごく嬉しい「ダメ」です。
夢ですから、あくまでも。だから楽しい。
- 伊藤
- あら、本気じゃないんですか。
- 吉川
- えーっと‥‥、あくまでも夢ではありますけど、
将来的にEUの圏内に
拠点ができたらいいなって思ってます。
- 伊藤
- わぁ。
- 吉川
- パリの展示会に行きがてら、
ヘルシンキやロンドンなど
取引先を回ることが増えたので、
ひと部屋、自分たちの居場所があったらなぁ、って。
- 伊藤
- 素敵ですよ。そんなふうに吉川さんがのびのびと
次のことを考えられるということは、
10年、ブランドを続けてこられて、
スタッフのみなさんに安心して任せられている、
ということでもありますよね。
- 吉川
- そうですね。ありがたいことです。
リモートワークも一般的になって、
ぼくも毎日出社しなくても大丈夫になって。
もちろん商談には出ますけれど。
- 伊藤
- 普段はおうちにいらっしゃるんですか。
- 吉川
- そうですね。都内の家にいたり、
箱根(セカンドハウス)に行ったり。
徐々に「自分がいつも会社にいなくても、
ぼくも、スタッフも仕事ができる」という
環境の準備をしているという感じです。
- 伊藤
- (人生の)第二ステージみたいな感じなんじゃないですか。
- 吉川
- そうですね。ステージって言うと
ちょっと大げさかなあと思うんですけど、
自分に刺激を与える夢を持ってもいい、
ということに現実味が出て来ました。
「もしかしたら?」みたいな気持ち。
現実的に、EUに拠点があると
どんなメリットがあるのかということも
しっかり考えているんですよ。
とはいえ僕は日本食が好きなので、
完全な移住っていうのは難しいのかなと思っていて、
行ったり来たりっていうのが
性に合っているんじゃないかなあと思って。
- 伊藤
- もしEUに拠点を持つなら、どこに?
- 吉川
- やっぱりパリなのかな。
でも中心地にいる必要はないと思うんです。
パリの街から1時間圏内はどうかな、とか。
- 伊藤
- お仕事の拠点ということは、
おひとりで行かれる前提で?
- 吉川
- ひとりですね。
ぼく、ひとりでも時間、全然、過ごせるんです。
箱根もひとりですし、旅はだいたいひとりです。
「その年齢でひとり旅って、何やってるの?」と、
まわりは不思議がるんですけど、
ひとりっ子だからかもしれないですね、
ひとり遊びが普通というか。
退屈って何? って。
- 伊藤
- わたしもひとりは好きだけど、
ずっとひとりでいたいわけではないんですよ。
でもうちの娘もひとりが大好きです。
ずうっとひとりでいられるって。
たしかに娘はひとりっ子ですね。
- 吉川
- 誰にも浸食されない時間と空間が、やっぱり必要。
なので、いまは長期戦で、EUに拠点計画です。
- 伊藤
- 楽しい遊びを見つけられたようなお顔。
- 吉川
- EUに限らず。海外の不動産って見るのも面白いですよ。
例えばこの間もタイに行って何戸か見たんですけど、
商習慣の違いなんでしょうかね、
不動産屋さんを通さなくても、
集合住宅の管理人室で
「空室があったら見たい」って言うと
案内してくれるんです。
そこはリゾート地だったので、
じっさいに暮らすイメージはわかず、
仕事が絡んでる方がいいんだなあって感じましたが、
そうやって部屋を見るのはすごく面白いです。
- 伊藤
- 仕事をするイメージ‥‥。
わたし、仕事はずっとしていよう、と思って。
ずっとしてたいですよね。
- 吉川
- 素晴らしいと思います!
- 伊藤
- あんまり迷惑になったらやめようかなあとも思うけれど、
そうしたら迷惑にならない仕事もあるかなあと。
- 吉川
- ファッションの業界には、ずっと仕事をなさっている
すごい先輩がたがいっぱいいらっしゃいます。
でも自分にはそんな大先輩たちのように
ずっと生み出していくことを続けるのは、
体力的にはつらいことかもしれないと感じます。
「あ、これかわいい」とか
「売れそうだ」とかっていうのは
感覚的にわかるし、鈍っていないと思いますが、
その感覚は残しておいて、
具体的なデザインの提案を若い人に託すのも
ひとつの選択肢かな、と思ったり。
よくあるのが代表をやめて、
クリエイティブディレクターとして、
ブランドの方向性を見るやりかた。
そういう人もけっこういらっしゃいますよね。
だったら自分は今の環境とは全く別のところに行って、
刺激を受けながら続けるっていうのもあるなあと。
STAMPSを立ち上げた当初は、
もうアイディアしか出て来ないみたいな時期があったから、
まさか自分にそんな変化がやってくるなんて、
驚いちゃいますけど。
- 伊藤
- わたしはweeksdaysが再来年で10年になります。
そしてあと3年半ぐらいで60歳になるから、
なにかちょっと新しいことをしたいなあと
思っているところです。
- 吉川
- それはそれでまた楽しみです!
再入荷のおしらせ
完売しておりましたアイテムの、再入荷のおしらせです。
10月29日(木)午前11時より、以下の商品について、
「weeksdays」にて追加販売をおこないます。
Fatima Morocco
シンプルバブーシュ
家の顔とも言える玄関なのだから、
そこに並ぶ室内ばきは、
気に入ったものを揃えたい。
履き心地がよく、
たたずまいの美しいものを。
値段も飛び抜けて高くなく、
一年中履けるものがいい。
ファティマ モロッコのバブーシュは、
どれもが合格点。
ことに、かかと部分に入ったクッションがふかふかで、
足に負担がかからないところがいいんです。
今回、
weeksdaysでご紹介するのは、
無地のロゴ無しタイプ。
すっきりした見た目は、
さまざまなインテリアに馴染みます。
履いてうれしく、
置いて美しい、
そうそうこんな室内ばきが欲しかったんです。
色は、
ブラック、ホワイト、グレーの3色。
インテリアに合わせてお好きな色をどうぞ。
(伊藤まさこさん)
SLOANE
ウール天竺 ニットTシャツ
去年、このTシャツとの出会いがあり、
なんとよい素材なのだろう‥‥と感激。
無くなってしまったら困ると思い、
グレーを5枚ほど買っておきました。
着ていると、よく聞かれるんです。
「どこの?」と。
シンプルだからこそ引き立つ素材のよさ。
いつものデニムも、いつものジャケットも、
このTシャツと合わせると、
なんだか上質に見えるのです。
裾に切り替えのあるこちらのデザインは、
自然にブラウジングが生まれて、
ウエストまわりもすっきり。
実はこのディテール、以前にも展開していた形で、
今回はそのリバイバルなんです。
そのあたりの話は、
代表の大貫さんがくわしく説明してくださっていますので、
コンテンツをぜひご覧ください。
カラーは、
ミディアムグレー、ネイビー、ブラックの3色です。
(伊藤まさこさん)
これからの季節に
週末、久しぶりに山の家に行ったら、
辺りの景色が一変していた。
春から夏にかけての森の勢いとはうって変わって、
静かに閉じていくよう。
ひっそりと寂しげなその様子が好きで、
小さなリビングの窓からずっと眺めてる。
この家用に絵を何枚か持ってきたけれど、
飾らずにただ重ねて壁に立てかけているだけ。
3年目を迎えてもまだそのままなのは、
訪れるたびに変化する、
窓の外の景色があるからなのだなぁなんて思うのでした。
散歩に出てみると、
枝ぶりがあらわになった木の下に、
落ち葉が積もりはじめてる。
一歩一歩踏みしめるたびに感じる、
秋の森の匂いはなんともいえないふくよかさがあって、
ついクンクンと鼻を動かしてしまう。
その様子はあやしさ極まりないのだけれど、
森しか見ていないからいいのだ。
今週のweeksdaysは、
STAMP AND DIARYのハイネックニット。
色の少なくなるこれからの季節に映える、
カラフルな3色をえらびました。
外でも、もちろん家でも。
服は生きものだから
- 伊藤
- フィッティングも何度もしましたよね。
前沢さんは、1日穿いてみてどうか、
試してくださって。
- 前沢
- いつもすることなんですけれど、
1日着用すれば、
ラックにかかっているだけではわからない
着心地の悪いところとか、
日常の動きの中での発見があるんですよ。
お客さまの、リアルな着心地ですよね。
- 伊藤
- 脱いだり着たりもそうだし、
座ったときに突っ張るところがないかとか、
座ったあとのシワ具合とか。
- 前沢
- そうそう。
そして時間をかけて検証したのは、
洗濯を繰り返したらどう変わっていくか。
- 伊藤
- それも大事ですよね。
お洋服って、着ていくと変化するし、
その日の天気や湿度によっても
着心地がちがう気がします。
生きものみたいだなって。
- 前沢
- ほんとほんと!
「生地」って生きものですよね。
そうやって変わっていくことも考えて、
服づくりをしたいなと思います。
- 伊藤
- 後ろのポケットも効いているなと感じました。
あるのとないのとで、
後ろ姿が大ちがいです。
- 前沢
- そうそう、後ろにアクセントとして
飾りポケットをつけたんですけど、
最初のサンプルは口布(ポケットの開口部に
取り付ける飾り布)が本体から浮いていたんですよ。
誰も気づかないところなんですけど‥‥。
- 伊藤
- 前沢さん、気にされていましたよね。
- 前沢
- いくら飾りポケットだとはいっても、
ペラペラ浮くのはかっこよくないなぁと思ったんです。
工場の方に相談したら、
「先に口布を縫えば浮かないですよ」
って考えてくださって。
そのおかげで、ピシッときれいに仕上がりました。
ベルト部分と同じサテン地を使っているから、
光沢感もポイントになっていると思います。
- 伊藤
- ほんと、
サテンなんだけど、ピカピカしすぎないですよね。
上品な高級感が出て、締まって見えます。
- 前沢
- 口布の幅はほんの1cmですけれど、
これ、質のいいサテン生地なんですよ。
本体のポンチローマ生地に伸縮性をもたせたので、
サテンもストレッチ性のあるものを採用しました。
かといってサテン生地に
ポリウレタンが入ってるわけじゃないんです。
- 伊藤
- すごいですね。
バイアステープ(生地を斜めに裁断することで
伸びやすくしたテープ状の布)
を使ってるわけでもなく?
- 前沢
- 使ってないです。
生地の力ですね。
ちょこっとしか見えないけれど、
アクセントになるところだからこそ
きれいなものを選びました。
穿く人が気持ちいいようにと。
- 伊藤
- 裾のダーツもですけれど、
「ほんのちょっと」の手が
いろいろ施されているんですね。
- 伊藤
- 今回作っていただいたのはワンサイズですけど、
不思議なことに身長156cmの私が穿いても、
167cmの「weeksdays」チームメンバーが穿いても、
全然平気なんですよ。
他にも何人か試してもらったんですけど、
誰にでもしっくりくる。
どうしてでしょう?
- 前沢
- その人の体形になじむ形だから、かな。
カーヴィーなフォルムで、
とにかく気持ちのいい素材だし、
しなやかな落ち感で陰影がきれいに出る。
アウトラインはしっかり出るんだけれど、
動けば身体についてきてくれるパンツなんですよね。
- 伊藤
- あらためて、すごくいい生地ですね。
裾が少し余っても、ラインがきれいで
寄り添ってくれる感じがしました。
- 前沢
- それぞれお好みはありますけど、
その方が穿いたままのバランスや
雰囲気をたのしんでもらえたら、
作り手としてはうれしいですね。
でも、もしもですよ、
すごく背の低い方で
どうしても丈上げが必要なときは、
工場の方から「いいこと」を教えてもらったんです。
通常はピンタックが入っていると、
一度外してから丈上げして、
あらためてピンタックを入れ直すことが多いんですけど、
このパンツの場合は
生地の特性と陰影がきれいに出ることから、
ピンタックを入れたあとで丈上げしているんですね。
- 伊藤
- あ、そうなんですね。
ということは‥‥丈が直しやすい?
- 前沢
- そういうことです。
- 伊藤
- 工場の方の知識と技術、
すばらしいですね!
- 前沢
- ほんとうに。
「カットソーでシャキッとしたパンツを作りたい」
というビジョンをよく汲み取ってくださって、
いろんな提案もいただけて。
こうして完成できて、
工場の方々に感謝です。
- 伊藤
- お洗濯は家でできますか。
- 前沢
- できます。やさしく手洗いをしてください。
カットソーは伸縮性があるぶん縮みやすいので、
中性洗剤で洗っていただくのがおすすめです。
そして濡れたまま置くと水の重さで伸びてしまうので
平干しするのがいいですね。
シワにもなりにくい生地ですし、
ピリング(毛玉)もそんなにできやすい感じではないかな。
- 伊藤
- それはうれしいです。
ピリングって、できたら悲しくなりますものね。
- 前沢
- うっかりカゴバッグを持ってたら
摩擦でできちゃったりね(笑)。
日々着ていればいろいろありますけど、
生地は生きものなので、
大切にお付きあいしてもらえたらうれしいです。
- 伊藤
- 長くお付き合いしたいですね。
クルーネックのニットにスニーカーでもいいし、
ジャケットにもぴったりだし。
カジュアルからきれいめまで幅広く合わせられて、
本当にすごいなあと思いました。
真夏以外はずっと穿けますよね?
- 前沢
- 穿けます。
いろいろ活躍してくれるので、
ご自身のスタイルにあわせて
たのしんでもらえたらと思います。
- 伊藤
- これは1枚あると絶対にいい。
みなさんに穿いてほしいパンツです。
- 前沢
- やったー!
1年かけた甲斐あって、
いいものができちゃいましたね。
- 伊藤
- ほんとうに。
素敵なものができてうれしいです。
どうもありがとうございました。
- 前沢
- こちらこそたのしかったです。
またご一緒しましょうね。
ドレッシー、でも穿きやすく
- 伊藤
- 今回はパンツを扱わせていただくんですが、
実はかなり前からパリ在住のチャコさん
(「weeksdays」でも登場いただいた
スタイリスト、ライターの鈴木ひろこさん)から、
「L’UNEのパンツはすごくいいのよ」と聞いて、
昨年、私も購入させていただいたんです。
- 前沢
- ありがとうございます。
そう、チャコちゃんも何本か購入してくださっていて。
- 伊藤
- 以前お話を伺ったときにも、
L’UNEのファーストプロダクトは
パンツだとおっしゃっていましたよね。
もしかして、今日前沢さんが穿いていらっしゃるのも‥‥?
- 前沢
- そうです、これです。
- 伊藤
- やっぱり。
もう、毎日のように穿くこともあります。
なんか、選んでしまうんですよね。
- 前沢
- あら、本当に?
うれしいです。
- 伊藤
- 「weeksdays」でもぜひ取り扱わせていただきたい
と思ったんですが、
ウェブストアなので実際に生地に触れたり
フィッティングができないことを考えると、
お客さまには値段が少し高く感じられるかも、
と思ったんです。
それで前沢さんに、
「L’UNEのパンツの雰囲気を残しながら、
もうすこしお手頃で日常で履きやすいパンツを
作っていただけないですか」
と、ご相談したんですよね。
- 前沢
- はい。
元のパンツはトリアセテートの二重織
という生地で、
特別に取り寄せて仕立てていたので
値も張ってしまうんですけれど、
伊藤さんからそのお話を伺って、
どんな生地なら元のパンツと同等のものを
実現できるか考えました。
一緒に生地を選び始めたのが、
ちょうど1年ほど前かしら。
- 伊藤
- そのくらいになりますね。
生地選びに、
かなり時間をかけていただきました。
- 前沢
- 伊藤さんから、
たとえばカットソー生地(編んだ生地を
裁断し、縫製するニット地)はどうか、
とご提案いただいて、
「どれが素敵かしら」って言いながら選んでいって、
最終的にこの「ポンチローマ生地」に決まりました。
裏と表の両面を同じように編んだ
ダブルジャージー生地で、
目が詰まっているので厚みとハリがあって、
上品さも感じられる生地です。
通常のポンチローマは横方向の伸縮性が弱いので、
ポリウレタンを加えることで、
縦横両方に伸縮性をもたせることができました。
これなら元のパンツと同じような印象で、
やわらかさと着やすさも出るなと思ったんですけど、
同時にあの形をカットソー生地で作るには
それなりの技術がいるなと思って。
実はちゃんと再現できるか、
心配だったんです。
- 伊藤
- そうでしたか。
生地が変わると、
縫い方も変わりますものね。
- 前沢
- はい。でも、
ちょうどうちのトップスをお願いした工場さんが
すごく腕がよくて。
見えないところで
生地が伸びすぎない工夫を施してくれたり、
「ここはこうするといいですよ」って
提案もしてくれるところなんです。
今回のパンツをつくる前に、
春夏用のパンツをジャージー生地
(糸をループ状に編んで作られたニット生地)
でお願いしたんですけど、
とてもきれいに仕上げてくださった。
だから、
「この工場さんなら、今回のパンツも
きれいに仕上げられるはず」
と思ったんです。
- 伊藤
- そうでしたか。
いい機会にお願いできてラッキーでした。
じゃあ、元のパンツと
形はほとんど一緒ですか。
- 前沢
- ほとんど一緒ですが、
元のパンツからファスナーをなくして、
ウエストゴムのパンツにしたこと、
元のパンツにはなかったピンタック
(タックを細くつまんで縫い留め
立体感を出す縫製)
を加えたことが違いですね。
- 伊藤
- そうだ、ウエストがゴムなんですよね!
すごく楽なのに、
不思議と「ゴムのパンツを穿いてる」って感じが
全然しないんですよ。
撮影のときにモデルさんも、
「スッと穿けました」って言ってました。
- 前沢
- ああ、それはとってもうれしいです。
ゴムを入れて穿きやすくしながら、
元のパンツのきれいめの印象を損なわないように、
前側はフラットにして、
ギャザーはサイドから後ろだけに入れました。
- 伊藤
- うん、見た目は
ファスナー付きのかっちりした前開きパンツ、
という感じですよね。
でも実は、ウエストゴムのパンツ。
- 前沢
- そう。
「穿きやすいパンツ」で終わらないで、
ドレッシーにもちょっとカジュアルにも
着てもらえたらと思って作りました。
ゴムは後ろで縫い留めしているので、
ねじれにくいと思います。
- 伊藤
- ピンタックも、足が長く見えるから、
入れていただいてすごくよかったです。
- 前沢
- シャキっと見えて素敵ですよね。
ポンチローマ生地にピンタックを入れたのは
実は初めてだったんですけど、
うまくいってよかったです。
伊藤さんと打合せの段階では、
センタープレスのアイロン仕上げはどうか、
でも洗ったらとれちゃうし、
って言っていて、
私がいろいろ実験して試作品を工場に送ったり、
工場の方でも縫い方を検討してくださったりして
調整していきました。
- 伊藤
- 手間と時間をかけていただいたおかげで、
形もすごくきれいです。
- 前沢
- 形は「カーヴィーパンツ」なので、
正面から見るとアウトラインが
曲線になっているんですけど、
それだけではなくて、
裾の後ろ側にダーツ(つまみ縫いすることで
体のラインにフィットさせる技法)をとって、
ほんの少し内側にラインを入れてあるんです。
- 伊藤
- そうだったんだ!
撮影ではショートブーツと合わせて、
中に入れたりもしたんですよ。
それでももたつかなかった理由が、
今わかりました。
- 前沢
- あ、ショートブーツ、すごくかわいい!
もたつかなかったのは、
ダーツが入っているのに加えて、
ポンチローマという生地の重みもあると思います。
レーヨンを使っているので、
落ち感もきれいですよね。
驚くばかりの‥‥
ものづくりとは果てしなく、
一度「いい!」と思ったものができあがっても、
「いや、まだまだ」とねばる気持ちが起き上がってくる。
よりよいものを作りたい。
それがだれに認められるとか、
認めてもらえないとか関係なくて、
すべては作る側の気持ちひとつ。
できあがっても、使ってみて、着てみて、
何度も考察する。
たとえば器だったら、
見た感じのよさ、どんな料理が合うか、
テーブルでの使い心地、
洗った時は?
または乾かす時は。
収納にだって気を配らないといけない。
「よし」となって、
世に送り出す時にはきっと、
我が子のように愛着が湧いているんだろうな。
今まで、そんな方たちと一緒に、
ものづくりをしてきたけれど、
毎回、驚くばかりのしつこさ(いい意味で!)で、
だからよいものが作れるんだろうなと思う。
きっとみんな「これでいいや」と思う日が来たら、
今の仕事をやめるに違いない。
そんな意気込みさえも感じるのです。
今週のweeksdaysは、
BOUQUET de L’UNE(ブーケ・ド・リュンヌ)の
カーヴィーパンツ。
デザイナーの前沢さんにお願いして、
weeksdaysだけのとびきりな一枚が仕上がりました。
コンテンツは前沢さんに、
できあがるまでのあれこれをインタビュー。
これ読んだら、きっと欲しくなっちゃうと思う。
そんなパンツなんです。
再入荷のおしらせ
完売しておりましたアイテムの、再入荷のおしらせです。
10月22日(木)午前11時より、以下の商品について、
「weeksdays」にて追加販売をおこないます。
Le pivot
C/Pe ZIPパーカー
(チャコール・ブラック)
以前、ご紹介したジップパーカーの形がとても好きで、
同じものが欲しい‥‥とお願いし、
weeksdaysのために作っていただいたのがこちら。
軽くてあったか、着心地抜群。
袖(とくに二の腕部分)がすっきり見えるし、
身頃のサイズ感も絶妙なんです。
またダブルジップになっているので、
調整がきくのもうれしい。
開けたり、閉じたり。
着こなしによってジップを調整してくださいね。
そうそう、
フードですが、
じつはかぶれません。
デザインの要素のひとつとなっていて、
これがあるのとないのとではシルエットがぜんぜん違う。
この「ちょっとした違い」が、
Le pivotの服の特徴。
パールの似合うパーカーなんて、
他のどこにもないのです。
カラーはオフ白、チャコール、ブラックの3色です。
(伊藤まさこさん)
細部に宿るフィロソフィー
- 伊藤
- 「ARISA」は、
サイズも大きすぎず、小さすぎずというのが
すごくいいです。
私、一泊の旅行ならこれで行きます。
- 小栗
- えっ。それはすごくないですか(笑)?
全部入ります?
- 伊藤
- 下着は小さくなるし、
トップスだけ替えられるように
かさばらないものを選べば全然大丈夫。
それに、このバッグを持つだけでポイントになって
全身のコーディネートが決まる気がします。
買ってよかったです。
- 小栗
- ああ、うれしいです。
それはやっぱり革の魅力もあると思います。
今回選んでいただいたうち、
グレーは上質なカーフレザーを使用した
「フルグレインレザー」という革を使っています。
フルグレインというのは、
「銀面付きの革」ですね。
- 伊藤
- 「銀面」、はじめて聞きました。
- 小栗
- 革の表側にあたる表面部分を「銀面」と呼びます。
その銀面を削って下の層を使うつくり方もあるんですが、
「フルグレイン」は銀面を残して加工する方法です。
カーフレザー自体、
仔牛の革なので
もともときれいなんですが、
メーカーによっては細かい傷などを目立たせないように
上から塗料で加工するというところも
一般的にあります。
でも、SALCEの場合はあえて銀面を残して、
染料も革の質感を覆い隠してしまわないようにし、
上質な革の自然な風合いを生かしているんですね。
- 伊藤
- だからか。
どこか透明感がありますよね。
たとえば人の肌に対しては感じたことがありますけど、
バッグで透明感を感じたのははじめてです。
- 小栗
- きっと、革も肌と一緒だと思います。
きれいな人ほど、
「あんまりお化粧はしないです」
って言うじゃないですか。
地がいいと、
あまり手を加えないほうが映えるんでしょうね。
- 伊藤
- 素材のよさ、大事ですよねぇ。
- 小栗
- たとえば、革は表面の仕上げによって、
傷や色ムラなどを目立ちにくくし、
見た目をきれいに整えることもできますが、
実際に使うとなると、
やっぱり触ったときの感覚は違いますね。
質がいいバッグは、気持ちがいいです。
使い込んでいってもいい感じに艶が出てきたり、
シワもきれいに入っていく。
SALCEはそういった「素材」のよさを
ちゃんと引き出して作っているブランドだと思います。
- 伊藤
- じゃあ、すごくきれいだなと感じるのは、
素材のよさと染色の仕方と丁寧なつくり方、
あらゆるものの総合点なんですね。
もう、美人の中の美人ですよね。
- 小栗
- いや、そうなんですよ。
- 伊藤
- こちらもかっこいいんですよね。
型押しですか。
- 小栗
- はい。
カーフレザーにエンボスで
クロコの型押しをしています。
今シーズン出たものですが、
デザイナーのピエラの話では、
エキゾチックレザーのモチーフを
ファッションに取り入れたいと思ったんだそうです。
それと、今季のAW(Autumn / Winter)は
「OUR LAND」というのをテーマにしているんですね。
「母なる大地」というような意味ですが、
彼女にとって生きものであるクロコ(クロコダイル)
特有の模様は、
大地の割れ目や海の波紋といった、
地球の表面から生まれる表情にも
リンクするイメージらしいんです。
それで、クロコの中でも
あえて均一ではない柄を選んだそうです。
- 伊藤
- なるほど。
グレーとはまた違う美人で、
すごくかっこいいですよね。
- 小栗
- ちょっと艶っぽさもありますね。
型押しって、少し硬さを感じるので
メンズっぽさも出てきてしまうんですけど、
これは一度革を揉む加工‥‥、
僕も詳しくは教えてもらっていないんですが、
特別な加工を施すことによって
しなやかな印象に仕上げています。
- 伊藤
- うん、クロコってもっと
カチッとするイメージでしたけど、
これはやわらかさを感じますね。
気軽に持てる気がします。
- 小栗
- そうですよね。
ギラッとした感じがないのが、
SALCEの素敵なところだなと思います。
NEED(BLACK)
- 伊藤
- こちらのバッグもいいですよね。
このまま持ってもいいし、
バッグインバッグとしても使えるし。
- 小栗
- はい。
こちらも「ARISA」と同じ
カーフレザーを使っていて、
名前は「NEED」といいます。
海外では女性がよくいいものを見つけたときに
「I need it(ほしい)!」
って言うそうですが、
デザイナーのピエラが
まさにそう思ったことから名付けたそうです。
- 伊藤
- ほんと、これはほしいです。
コンパクトだけど
ぺらぺらじゃないのが好きです。
- 小栗
- そうですね。
厚みのある立体的なフォルムなので、
これも持ったときに気持ちよさが感じられる
デザインだと思います。
NEED(BURGUNDY)
- 伊藤
- 真四角ではなくて
少し長方形のシルエットも素敵だし、
お財布とスマートフォン、
必要最低限のものがちゃんと入るから、
色ちがいも欲しくなります。
- 小栗
- 今回選んでいただいた
「BURGUNDY」も「ROPE」も、
どちらもいい色ですよね。
NEED(ROPE)
- 伊藤
- 革の質がとてもいいのに、
高級ブランドのバッグより
ぐんとリーズナブルなのもうれしいです。
- 小栗
- そうですよね。
SALCEの親会社のカフィエログループが
長年ものづくりを続けてきて、
アイウェアアクセサリーメーカーとして培ってきた
取引会社との信頼関係があるからこそ、
上質な素材を安定して調達できる基盤があるんだと想像します。
そうでないと、このクオリティを
この価格では作れないだろうなと。
- 伊藤
- そういう背景があるんですね。
いいものはいい関係の中で作られてるんだ。
- 小栗
- 気前がいいなと思ったのは、
SALCEには「GRETE」という
トートバッグがあって、
付属品として眼鏡ケースがついているんです。
ブランドのエッセンスですよね。
- 伊藤
- それは素敵ですね!
ブランドのルーツを今も大切にされていて。
- 小栗
- SALCEのバッグに使われている金具も
実はオリジナルで作っていて、
0.3ミクロンという厚みの
コーティングがされているんです。
- 伊藤
- 0.3ミクロンというのは、
どういったコーティングなんですか?
- 小栗
- 美しいメッキの状態を長く保つための、
質の高い仕様なんです。
だから使い続けても美しさが保たれる。
- 伊藤
- ほんとうに細部まで大切に‥‥。
すごいですね。
- 小栗
- SALCEのフィロソフィーですね。
ショルダーベルトを通す金具にも
ブランドロゴが入っていたりして、
こういった細かいところから
エレガンスさを感じていただけると思います。
- 伊藤
- 服やバッグで、
「これがなければいいのに」
って感じることがあるんですけど、
SALCEのバッグには一つもないですね。
すごくいい。
- 小栗
- ありがとうございます。
ぜひたくさん使ってください。
- 伊藤
- そうさせていただきます。
どうもありがとうございました!
はじまりは、眼鏡ケース
- 伊藤
- 今回取り扱わせていただくバッグ、
私はSALCEを持つのがはじめてだったんですが、
とても気に入って、さっそく愛用しています。
今日はブランドについて教えていただきたくて。
- 小栗
- ありがとうございます。
ぜひお話しさせてください。
- 伊藤
- SALCEはイタリアのブランドですよね。
小栗さんたちが、フラッパーズとして
お付き合いをはじめられたのは
いつ頃からでしょう。
- 小栗
- 日本で展開をはじめたのは
昨年(2025年)のSS(Spring/Summer)からです。
- 伊藤
- あら、はじめられたばかり。
- 小栗
- はい。本国のイタリアでは2017年に
設立者のアルド・カフィエロが
バッグブランドとしてスタートしました。
親会社のカフィエログループは
1980年に設立された、
イタリアの主要産業の一つである
アイウェアアクセサリーをはじめ、
ジュエリーケースなどの製造を
40年以上にわたって担ってきたファクトリーなんです。
- 伊藤
- アイウェアアクセサリーというと、
眼鏡チェーンとか?
- 小栗
- そうです。
革製のグラスコードや
マイクロファイバークロス。
でもカフィエロで最も有名なのは、眼鏡ケースです。
長いあいだ作ってきて、
今も百貨店に並ぶようなアイウェアブランドに
供給し続けています。
- 伊藤
- どうしてそこから
バッグを作ろうと思われたんでしょうね。
- 小栗
- 眼鏡ケースづくりの技術をいかしてのことでした。
バッグにはいろんな作り方があって、
多くのものは革などの素材を縫い合わせることで
形を作りますよね。
でも、眼鏡ケースは、
眼鏡を守れるものでないといけないですから、
つぶれないための立体構造を考えたり
芯を入れたりして、フォルムを形成しています。
そのつくり方をバッグに活かしたのがSALCEです。
アイウェアアクセサリーづくりで培ってきた
立体構造への理解と高い縫製技術、
上質な革という素材を、
ラグジュアリー感のあるデザインで、
バッグに反映したんですね。
- 伊藤
- なるほど。
たしかに革の質感、すごく素敵です。
- 小栗
- そうですよね。
長島(フラッパーズの社長)が
イタリアの展示会ではじめてSALCEを知り、
すぐに惚れ込んでしまって、
日本で展開をさせてほしいと話をしたそうです。
でも、あまり多売をしたいとは
思っていないブランドで、
2年かけて説得して、
やっと契約ができたそうです。
- 伊藤
- あら。契約までにそんな時間が。
- 小栗
- 先方が言うには、
買ってくれるのはもちろんうれしいけれど、
売れるならどこでもいいというわけじゃなく、
自分たちの価値感やフィロソフィーを
理解してくれる卸先、お客さまと一緒に
ブランドを大切に育てていきたい、と。
そういう気持ちが大きかったようですね。
その点は僕らフラッパーズの考え方にも合っていたので、
ちゃんと話して、受け入れてもらえたようです。
- 伊藤
- そんなドラマがあったんですね。
デザイナーさんは、イタリアの方ですよね?
- 小栗
- はい。
ピエラさんという、
とても美的感覚にすぐれた女性が
デザインを担当しています。
彼女は日本のマーケット事情にも精通していて、
今回オーダーいただいた「ARISA」というバッグも、
実は日本人が使うことを主に意識して
つくられたものなんです。
- 伊藤
- そうなんですか。
「ARISA」って、名前もかわいいですね。
- 小栗
- 名付け親のピエラさんに名前の由来を聞いたら、
「日本の女性の名前にもある、
響きがきれいな言葉を選びました。
ヨーロッパでも女性名に使われていて、
その語源を調べると、
「たのしみ」「高貴な」などの意味もあり、
とても素敵だと思って」
と言っていました。
たしかに聡明な感じがありますよね。
- 伊藤
- そうなんですね。
外国の方の名前でもよく聞くから、
日本を意識してつけられたとは思わなかったです。
なんだかうれしいです。
- 小栗
- ピエラさん自身もバッグを使う女性として、
ちょうどいいサイズ感や強度、
使いやすさなどがすべて備わっていないと
バッグとして機能しないということを
よく理解しているので、
妥協せず、8回くらいつくり直したそうです。
- 伊藤
- 少し前に、御社の長島社長にお会いしたんですが、
SALCEはステッチがすごくきれいだ、
とおっしゃってました。
こうして見ると、ほんとうにきれいですね。
- 小栗
- でしょう!
ついこの前、僕も長島と2人で
このバッグを見ながら言ってたんですよ。
おじさん2人して「きれい、きれい」って、
ちょっと気持ち悪いよなって言いながら(笑)、
それでも「きれいだよねー」って。
- 伊藤
- いやいや、これは言ってしまいますよ。
「作品」という感じがしますもの。
- 小栗
- 仕事が本当に丁寧で、
ステッチのピッチも均一なんです。
コバの処理(革の断面に溶剤を塗って、
毛羽立ちや凹凸をきれいにする工程)を
見てもらっても
ものすごくきれいなんですけど、
これ、手塗りでしてるんです。
- 伊藤
- えっ。手作業ですか。
- 小栗
- SALCEではコバの部分も
職人が一つひとつ手作業で仕上げていて、
職人の技術が表れる部分でもあります。
これはイタリアの職人文化が培ってきた
お家芸の一つだと思います。
下手な職人さんだとはみ出ちゃうので、
ベテランの高い技術ですよね。
- 伊藤
- 熟練の業なんですね。
あと、ファスナーの開け閉めも、
すごく滑らかだなって。
- 小栗
- そうなんです。
ファスナーが滑らかなのって、
当たり前のようですが、
すべりがよすぎても使いにくい。
その点、SALCEは絶妙なんですよね。
ファスナーがまっすぐなバッグに比べて、
「ARISA」のようなラウンド型は、
カーブの部分で多少引っかかりを感じることもあります。
でも「ARISA」は、それをほとんど感じさせないんですよね。
- 伊藤
- 全く感じないですね。
気持ちよく開け閉めできて、
これだけでもすごいなって。
- 小栗
- これは真鍮製のファスナーですが、
かみ合わせがしっかりした
密度の高い上質なものを使っているのはもちろん、
特殊な機械でポリシング(研磨)を
2回ほどかけることによって、
よりスムーズに動くようにしています。
- 伊藤
- しかも、このファスナーが
デザインのポイントにもなっていますよね。
- 小栗
- そうなんですよ。
SALCEはこういう細かいところでも
エレガンスさ、上質さを忘れない仕上げをしてます。
眼鏡ケース作りの発想が生きているという
ポイントでいうと、
実はこのパイピング(生地の端に
細長いひも状の芯材を包んだテープを挟み込んで
縁取りする処理)を見てください。
- 伊藤
- 面と面のつなぎ目が
縫われてるところですよね。
- 小栗
- はい。
ここはどうしても厚みが出るところで、
通常は縫い代を裏側に隠して処理することも
あるんですが、
SALCEの場合はパイピングにして、
デザインの一部としてあえて見せています。
バッグの角にあたる部分なので、
全体のフォルムを保つための
強化剤にもなっているんですよ。
- 伊藤
- ここで眼鏡ケースづくりの技術が
生かされているんだ。
ほんと、デザインのポイントにもなっていますね。
- 小栗
- パイピングがない場合を想像してみると、
もっとぺたっとした
存在感のない印象になっちゃうんですけど、
そうさせないのはデザインの力ですよね。
赤ワインを思わせる
夏の間はさっぱりとした白ワインばかり欲していたのに、
今は、軽めの赤がいい。
もう少し寒くなってきたら、
こっくりした赤が飲みたくなるんだろうな。
‥‥そんなことを思っていたら、
イタリアを旅している友人から、
ワイン畑に来た! と連絡が。
なんでもバルバレスコにほど近いぶどう畑で、
収穫の手伝いをしている最中とか。
「わー、いい景色!」なんて呑気に写真を撮っていたら、
太鼓腹の現場監督がやってきて、
「とっとと収穫しろ~」と怒号が‥‥。
慣れない中腰でせっせとぶどうを摘み、
コンテナいっぱいになったら畝の端へ。
「無心になってぶどうを摘み続けるのは、
なかなかにメディテーション効果があるよ」とその友人。
怒号を浴びたり、無心になったり。
珍道中の旅はまだまだ続くよう。
次回の報告をたのしみに待っているよ。
秋もすっかり深まって、
目につくのは(胃袋だけじゃない)、
赤ワインを思わせるこっくりしたバーガンディー色の小物。
イタリアからやってきたSALCEのバッグは、
やわらかくて上質、すみずみまで美しい。
大人が持つにふさわしいバッグなのです。
再入荷のおしらせ
完売しておりましたアイテムの、再入荷のおしらせです。
10月15日(木)午前11時より、以下の商品について、
「weeksdays」にて追加販売をおこないます。
t.yamai paris
トリコットサッカージャケット
私のまわりのすてきな女性たちが、
こぞって着ているのが、このジャケット。
軽くて、家でも洗えて、
きちんとした場所にも着ていけて、
かつ、カーディガンのように気軽にも着られる!
シワにもなりにくいし‥‥と
いいところを挙げるとキリがない。
旅にも重宝するとあって、
私のワードローブに欠かせない存在になっています。
同系色でまとめたり、
柄や色を利かせたり。
ベーシックな分、着こなしは無限。
一枚持っているととても助かるアイテムです。
(伊藤まさこさん)
t.yamai paris
トリコットサッカーワイドパンツ
シワになりにくく、
さらっとしていて着心地も抜群。
一枚持っているととても重宝する、
トリコットサッカージャケット。
今回は同じ生地を使ったパンツが登場しました。
セットアップで着られるとあって、
重宝さもさらに倍増しそうな予感。
ウェストはゴムなのでとても楽。
長時間座っても膝が出ないので、
飛行機や車の移動が多い方にもおすすめです。
(伊藤まさこさん)
ピンクのかごをつくりました
- 伊藤
- さて、今回の新色のピンクです。
- 田中
- あの色、かわいいですよね。
すでに持っている人には、
差し色になって、いいですね。
- 伊藤
- かわいいですよね。
ああいう大きさのかごでピンクって、
あんまり見たことがないから。
このピンクが、あたらしい工場と組んだ
最初の製品になりますが、
田中さん、大変なことはありましたか?
- 田中
- まず、サンプルの色を間違えるという
トラブルがありましたけれど、
なんとかなってホッとしています。
テープをつくる工場では、
たとえばグレーだと、もともとグレーの色のついた
ポリプロピレンが粒々になったものに
顔料を足してあの色にしていくんですね。
でもピンクはその色そのものの顔料がないので、
色を組み合わせてつくるんです。
それがなかなかたいへんなんですよ。
色をつくるのに立ちあうときは、工場に行って、
ホヤホヤのあったかい出来たてをチェックして、
GOサインを出すんです。
- 伊藤
- ぜんぜん想像がつかない!
テープをつくるところと
編むところは別なんですよね。
- 田中
- 別なんです。
編むところはそれぞれ、
家内制手工業みたいな感じです。
おおもとは、すごくちっちゃい会社で、
家族経営とまでは小さくはないのだけれど、
基本、数人しかいないんですよ。
それがみんなすっごくいい人たちで!
前は会社が大きすぎて、
職人さんたちには派閥があるし、
それぞれの派閥からいろいろ言われて、
間に入った私は
わけのわからない状態になったりしましたから。
- 伊藤
- そうでしたか。
- 田中
- 今は、そういうのは一切ないんです。
検品の日は一日仕事になるんですが、
お弁当を持っていこうと思っていたら、
「つくってあげるから持ってこなくていいわよ」と。
社員さんが現地でみんなの分をつくってくれて、
それが毎日おいしくて!
- 伊藤
- へぇー、どんなものをつくってくれるんですか。
- 田中
- ほんとに普通なんですよ、
ご飯とスープと野菜の和え物とか、
魚の煮つけとか、魚を焼いたものとか、お肉とか。
- 伊藤
- わぁ、素敵。
- 田中
- 検品で来てくれる人たちも、
前のときよりもたのしかったみたいです。
敷地内にものすごい大きいマンゴーの木があって、
鈴なりでマンゴーが実っているのを、
自由に取っていいよと言われてて。
検品で来てくれた子たちは、
昼休み、ご飯が終わった後、
自分たちで高枝切りばさみみたいな道具で
いっぱい採って、いっぱいもらって帰っていきました。
- 伊藤
- いいなぁ!
マンゴーは日本だとすごく高いんです。
- 田中
- 私も今年は一番マンゴーを食べた年だったかも?
スターフルーツもいっぱい実っていて、
「2、3個もらっていいですか」と言ったら、
10個以上いただいちゃいました(笑)。
ココナッツの木もあって、
「今、上って取ってきたから、はーい」
みたいな感じで割って飲ませてくれましたよ。
- 伊藤
- なんか‥‥すごい。夢みたい。
- 田中
- そうなんです。食べ物に困らない場所でした。
- 伊藤
- でも、それってすごく大事ですよね。
みんなでたのしく食べられる仕事場って
すごくいいなって思います。
その工場では、かごのほかに、
何かつくっているものがあるんですか。
- 田中
- 郊外で肥料を作っているそうです。
プラスチック製品を生産しながら、
社長さんがオーガニック製品にも熱心なんです。
「みんな、お米持って帰りなさい」って、
オーガニックのお米を分けてくれたりも。
- 伊藤
- すごーい。
なんかたのしそう、ほんとに。
- 田中
- 一昨日、かごの出荷だったんですけど、
すっごく朝が早くて、朝6時から仕事だったんです。
それは涼しい時間にやらないと、
運び出すのが大変だから。
「じゃあ、終わったらご飯にしましょう」と、
地鶏のいいのを買ってきてくれて、
炊いた鶏をほぐして和え物にして、
鶏の出汁でおかゆをつくってくれました。
とてもおいしかったですよ。
- 伊藤
- ベトナムに行きたくなってきました。
- 田中
- 来てください、ぜひ!
- 伊藤
- 日本が夏休みのとき、
ベトナムはそんなに暑くない、
っていうのがうれしいですね。
その新しい工場のみなさんと、
お付き合いが続けられるといいですね。
- 田中
- 心配はあります、やっぱり。
なにしろ戦争が終わらないことには。
- 伊藤
- そうですよね。
そういえば私、むかーし、30何年前に買った、
「ヌクチャム」でしたっけ、春巻きのタレ。
あれを入れるちっちゃい小皿を買ったんですが、
どうやら、最近のものは
ずいぶん雰囲気が違うようですね。
- 田中
- そうなんです。
- 伊藤
- そのとき一緒に買ったアルミのへらも、
今はつくってないと聞いて、
- 田中
- どんな形かな。
- 伊藤
- 持ち手のとこにちょっとうすーく、
レリーフがあるんです。
10本で何十円みたいな価格でした。
- 田中
- 持ってらっしゃいますか、まだ。
- 伊藤
- 持ってます。
- 田中
- よかったら今度見せてください。探してみたいです。
そして、そう、そういう値段でしたね。
今はもう何でも値上げで、びっくりしますよ。
コーヒーとか、東京と一緒ですよ。
- 伊藤
- そうなんですか。
そういう生活のための工芸品というか、
道具の移り変わりは感じますか。
- 田中
- すごく感じますよ。
売ってるものがすっかり変わりました。
みんな、高級志向にもなってきているし。
- 伊藤
- いただくお土産のチョコレートやお菓子が、
とってもオシャレになっているのを感じますよ。
- 田中
- つくり手が、代がわりしてるんです。
20代から30代前半の若い子たち、すごいですよ。
とくに、留学して、海外でデザイン勉強をして
帰ってきた子たち。
- 伊藤
- 外の文化がどんどんどんどん入ってきて、
それを自分の中に入れて、
ベトナムを拠点に、さらに外に出すみたいな。
田中さん自身は、お仕事で扱うものが変わったな、
ということはありますか。
- 田中
- 仕事で求められるものは、変わらないです。
水牛の角のカトラリーとか、
木製品なら靴べらとか。
「SONOMITSU」という
オーダー靴をつくる友だちが谷中にいるんですけど、
靴べらを頼まれていて、1年から1年半にいちど
ベトナムからお届けしています。
水牛の角では、まさこさんもご存知の
沼津の「hal」の後藤由紀子さんが
とりわけのサーバーを定期的にオーダーくださいます。
- 伊藤
- 「hal」に行けば買えますか。
- 田中
- はい、「hal」に行ったらあるはずですよ。
- 伊藤
- 田中さん、どれぐらいの割合で日本にいらしてる?
- 田中
- 半年にいっぺんですね。
こんどは秋に。
- 伊藤
- 今度、いらした時はぜひお逢いしましょう、絶対!
- 田中
- はい。ありがとうございます!
- 伊藤
- ありがとうございました。
かわいらしさと実用性
- 伊藤
- 日本向けにかごをつくってくださいという依頼に、
ベトナムの人も驚いたんじゃないですか、
「これ、日本で売れるの?」って。
- 田中
- そうなんです。なんでこれが、って、
不思議に感じていると思いますよ(笑)。
「weeksdays」ではこんなふうに使うことを
勧めているんですよなんて説明するんだけれど、
たぶんよくわかってないというか、
「ふーん」ぐらいな感じです。
- 伊藤
- ほんとに、私たちは重宝してます。
- 田中
- 私の日本の友人も何人か買ってくれました。
はじめの頃に買った友だちは、
毎日モノを詰めて仕事に持ってってるみたいで、
角がこすれて穴が開いてきたとか。
- 伊藤
- わぁ、嬉しいです。
どんなお仕事をされている方なんですか。
- 田中
- ベトナム料理教室の主催者なんですよ。
大阪を中心に色々なところに教えに行っているので、
スーツケース、プラス、
大きいベトナムのかごに食材や道具を入れて、
いろんなとこに教えに行っています。
- 伊藤
- ちなみに何色を?
- 田中
- 白と赤だったかな。
大阪の人なんですけど、
以前、ホーチミンに住んでいたのがご縁で、
今も仲良くしてます。
- 伊藤
- すごくうれしいです。
- 田中
- 「京都のTOBICHIまで買いに行きました」
って連絡くれた人もいますよ。深緑のバージョン。
- 伊藤
- あれは、すぐ売り切れましたね。
- 田中
- あっという間だったんですよね。
- 伊藤
- かわいかったです。
さて、今回はピンクをつくっていただいて。
- 田中
- ピンク、かわいいですよね。
- 伊藤
- 昨日ちょうど撮影だったですけど、
すごくよかったですよ、ピンク。
- 田中
- どんなふうになりましたか。
- 伊藤
- 花やフルーツを入れたり、
PCと合わせて仕事の風景っぽくしてみたり。
使ってる様子を写真で見ると、
「あ!」って思う人もいらっしゃるから、
モノとしてのかわいらしさと実用性、
両方を撮りました。
- 田中
- なにしろ伊藤さんがヘビーユーザーですものね。
- 伊藤
- 軽井沢の家に行くのにも便利なんです。
- 田中
- それはどんなふうに?
- 伊藤
- 私の家、車を下りてから
玄関まで階段をのぼらなきゃいけないので、
スーツケースだとちょっと大変なんです。
ベトナムのかごは、そのもの自体が軽いし、
引き出しみたいに用途別に使えるから、
小分けにして運ぶことができる。
そんな移動と旅に、とても重宝するんです。
- 田中
- そうそう、私、コロナ中に引っ越したんですが、
割れ物はあれで運びました。
いっぱい入れても、けっこう重さに耐えられる。
- 伊藤
- そうなんですよね。
「ほぼ日」のみんなは、
自分専用のデスクがないフリーアドレスなので、
ロッカーにこのかごを置いて、
出社したら業務に必要な小物を入れて
その日の席に運ぶんですって。
「ほぼ日」に行くと持ってる人に会います。
Mサイズが多いかな?
- 田中
- ありがとうございます。
東京で行く料理屋さんのかたも
使ってくださっているんです。
伊藤さんもご存知の。
- 伊藤
- はい! よくお目にかかります。
ファーマーズマーケットで、
先日はとうもろこしをたくさん買っていて。
- 田中
- あのかご、また出さないの?
って訊かれませんでした?
- 伊藤
- そうなんですよ。
料理のプロのかたも便利にしてくださっていて。
やっぱり、絶対必要だよねって思いますよね。
ほかにも、中国茶のお仕事をなさっているかたにも
「発売はいつですか?」と訊かれたり。
こんなにみんなが好きっていうもの、
ないんじゃないかなと思います。
しかも、ひと揃え持ってる人も、
使い勝手とか手入れとかがわかってるから、
もう1個欲しいとおっしゃってくださる。
市場でおばあちゃんに
「それ、いいわねー」とか声をかけられましたよ。
「どこで売ってるの?」と言われて、説明したり。
このかごにまつわる話、すごくいっぱいあって、
田中さんのお陰です、ほんとに。
ありがとうございます。
- 田中
- いえいえ!
お水に浸しちゃっても大丈夫ですしね。
- 伊藤
- 持ち手のチューブのとこだけ水が入らないよう
ちょっと気をつければ、ジャージャー洗って大丈夫。
- 田中
- チューブの中の部分が濡れちゃっても、
ちょっと外に置いとけば乾きますよ。
ぶんぶん振って水を切るんです。
そうするとすぐ乾きます。
- 伊藤
- 最初、これをつくったとき、
ベトナムは高温多湿だから
天然素材のかごはカビちゃうので、
この素材がいいんですよ、って
おっしゃっていましたね。
なるほどな、と思いました。
- 田中
- そうなんですよ。
日本も、夏は湿気が多くて暑いですよね。
- 伊藤
- そうなんです。
ベトナムの気候も変化がありますか。
- 田中
- 今年、去年より暑くって、雨が少ないんです。
たまにちょっと降るぐらいで、
大丈夫かなっていうぐらい降らないんです。
暑さのピークは4月から5月で、
日本が暑いときは、
もうエアコンいらないかなっていう感じなんですよ。
- 伊藤
- じゃあ夏休み、こっちから遊びに行くのに
ちょうどいい感じですね。
- 田中
- 日本からのお客さま、
意外とこっちの方が涼しいとおっしゃいますよ。
- 伊藤
- ずっと暑いイメージでした。
- 田中
- 以前、刺繍の服の取材にいらしたときは、
5月だったから暑かったと思います。
そこから雨季になって涼しくなるんです。
- 伊藤
- じゃあ、今は雨季?
- 田中
- そうなんですけど、でも今年は降らない。
- 伊藤
- 今回、工場閉鎖から、
新工場で厚いテープでの慣れない手仕事が、
というほかに、なにかありましたか。
- 田中
- 戦争が始まったことが影響していますね。
原材料が入ってこなくなっちゃって。
たとえば、色むらがあるのに気づいて、
やり直しの色が出たとき、
もう卸先には材料がなくって、
輸入の目処が立たなかったり。
その時は、国内にある在庫を
手あたり次第みんなで探しました。
工場の社長が車でいろんな他の工場を訪ねて、
残ってるのを集めてどうにかなりました。
- 伊藤
- そっか。原材料価格も上がったり。
- 田中
- 確実に、最初に始めたときより上がってますね。
- 伊藤
- じゃ、今回のが売り切れたら、
簡単には増産できないかも?
- 田中
- 原材料を、たとえばタイ産に代えることはできそうです。
ただ、値段がどうなるかわからないんですよね。
かご編みは手作業で
- 伊藤
- 田中さん、今回もかごをつくってくださって、
ありがとうございました。
待望の発売です。
いろんな方からお問い合わせをいただいていて。
- 田中
- お待たせしちゃって、すみません。
- 伊藤
- いえいえ。ベトナムでこうした製品をつくるのは
とてもたいへんなことだとわかります。
工場の稼働が止まったりもしたんですよね。
- 田中
- 以前、製作をお願いしていたところは
工場を畳んでしまったんです。
コロナ禍で負債を抱え、土地を売り、
工員さんもいなくなって。
- 伊藤
- そういうことって、かごの工場だけじゃなく、
けっこうあることなんですか、ベトナムでは。
- 田中
- いろんな業種で同じことを聞きます。
- 伊藤
- それを今回、一から、
できるところを探してくださった。
いったいどうやって探されたんですか。
- 田中
- まず最初にしたことは、
こういう業種が残っている北部地方に行ったこと。
ところがお願いしようと思っていた工場の
価格がぜんぜん見合わなくて。
それでホーチミンに戻って、
あらためて工場を探しました。
ネット検索では、なかなか出てこないなかで、
いつもの検索ウインドウに
もうひとこと足して探してみたら、
ホーチミンの郊外にある
今回の工場を見つけることができたんです。
- 伊藤
- うん、うん。
- 田中
- パソコンの前にいたのは夕方だったんですが、
すぐに電話をかけて
「今から行っていいですか?」と言ったら、
「あ、どうぞ」みたいな感じで受け入れてくれました。
そういうところが、ベトナムらしいと思いますね。
- 伊藤
- それはホーチミンの市内だったんですか。
- 田中
- いちおう市内なんですけど、
すっごく端っこの方なんです。
その工場では、かごづくりも35年ぐらいやって、
経験があるというので、
「weeksdays」の仕様を見てもらい、
さっそくサンプルをつくってもらったんです。
- 伊藤
- 最初から大丈夫でした?
- 田中
- かたちは大丈夫だったんですが、
最初のサンプルは、
工場が持っている薄いテープでつくったもの。
「weeksdays」で使うのはもっと厚手なんです。
なのでそこから「このテープじゃない」という話を
何度も何度もお願いをして。
- 伊藤
- その薄いテープでつくったかごって、
普通にベトナムの人たちが
使っているものなんですか。
- 田中
- それは台湾に出してるみたいですね。
「weeksdays」のものとちがい、
重ねると形がくずれそうなくらいのやわらかさ。
大量の出荷のようでしたから、
コストをおさえて、たぶん台湾でも、
販売価格を低くしているんでしょうね。
- 伊藤
- それは日本には入っていないんですか。
- 田中
- 日本向けのかごもありましたが、小さいもので、
それもフォーやベトナムのコーヒー、
調味料を組み合わせにしてそのかごに入れて
ベトナムフェアみたいなところで
販売する際のパッケージに使われているみたいです。
ちょっと、おまけ感覚の製品ですね。
その工場では、こういうカッチリしたものを
つくったことがなかったみたいで、
そこが、相当苦労しました。
- 伊藤
- じゃあ、まずテープの厚さから、
こうじゃないんだよって何回も言って?
- 田中
- そうです。もちろん、最初にものすごく
言っていたんですよ。ところが制作を始めたら、
慣れない厚さのテープを扱うのに、
みなさんの手がボロボロになっちゃって。
- 伊藤
- あら‥‥!
- 田中
- 私も、ちょっと手伝ったりするんですけど、
かごを編む作業には引っ張る力がけっこういるんです。
数をたくさんつくると手や指が痛くなって、
「もうこれはできない」と
キャンセルしたチームもありました。
- 伊藤
- 素手でなさっているんですね。
- 田中
- そうなんですよ。
申し訳ないなって思って、
ゴムの指サックみたいなものを
提供しますよと言ったら、
「そんなのつけてたら、できません」
と言われて。
- 伊藤
- 作業をする手先の感覚が
変わっちゃうのかもしれませんね。
何人くらいのかたが
このかごづくりに携わっているんですか。
- 田中
- 全部で26人くらいの人が働いてくださっています。
その工場は、大きな自社工場があるわけではなく、
いつもお願いしている職人さんグループに
振り分けるんですよ。
このかごは、5カ所のチームに委託し、
それぞれのかたが自宅で作業をするんです。
年齢的には20歳から62歳まで幅広く、
男女両方いる感じ。
場所はもうてんでバラバラなんですよ。
ホーチミン市内もあれば、郊外もあったり、
もっと遠くの人もいたり。
でも共通して問題だったのが、
一番大きいXLサイズのかごを編める人が
ほとんどいなかったことです。
むずかしいんですよね、やっぱり。
- 伊藤
- そうなんですね、大きさ。
- 田中
- それであっさり「できません」って言われ、
「いやいやいや、そう言わずにがんばってください」
と励ましてつくってもらいました。
- 伊藤
- じゃあ、結果、
とてもがんばってくださったんだ。
- 田中
- そうなんです。
- 伊藤
- さきほど、薄いテープのものは
台湾への輸出用とおっしゃいましたが、
この、厚めのテープのものはおなじみで、
いまもベトナムの人たちの
生活必需品なんですよね。
- 田中
- はい。もっと厚いものもあるんですよ。
すっごいゴツゴツのものも。
- 伊藤
- え! じゃあ、もっと編むのが
大変なんじゃないですか。
- 田中
- ‥‥だとは思うんですが、
じつは国内流通品って
あまり品質管理がされてないので、
きっちり編み込んではいないんです。
でも、市場や工事現場から
モノを大量に運んだりとかするのに
すごくいいみたいですよ。
ガス用のゴムホースで持ち手を通してあります。
- 伊藤
- うん? ゴムホースで?
- 田中
- そうなんです。緑や青のガスホースの持ち手のかご。
ごっついんですよ、すごく。
それはそれで、ベトナムの人が使ってると、
かっこいいんです。
バイクの後輪を挟んで左右に、
2つ、バランスを取って吊り下げて
ものを運んだりしていますよ。
- 伊藤
- ほんとに生活必需品、
仕事の道具なんですね。
SLOANEのニット、こんなコーディネートで 伊藤まさこ
02 ダークグレーでトラッド風、あるいは男の子のように
秋も深まると着たくなるのがダークなグレー。
コットン×ウール クルーネック(ダークグレー)/SLOANE
パンツ ¥56,100/LE BOUQUET(SLOANE)
靴 ¥46,200/CASTELLANO(FLAPPERS)
ここで合わせたのは、
チェックのパンツ。
大胆な柄がニットのシンプルさを引き立てます。
ダッフルコートやPコート、
ニットと同色のマフラーなどと合わせて、
ちょっとトラッドな着こなしにしてもすてきです。
コットン×ウール クルーネック(ダークグレー)/SLOANE
靴下 ¥4950/Atelier St Eustache(FLAPPERS)
その他 伊藤まさこ私物
下にTシャツを着て、
デニムと合わせるととたんにカジュアルに。
襟ぐりと裾からほんの少し出た白がポイントなのですが、
出しすぎると、さりげなさが消えてしまうのでご注意を。
無造作にくしゃっとさせるくらいが、
ちょうどいいのです。
白いスニーカーに合わせたのは、
こんなソックス。
一見、男の子のようなコーディネートですが、
座ったりしゃがんだ時に
ちらりとのぞくソックスが効いている。
自分だけのたのしみだけれど、
気づいた人は
ちょっとドキッとしてくれるのではないかしら。
SLOANEのニット、こんなコーディネートで 伊藤まさこ
01 ミディアムグレーは、合わせるものを選ばない!
今季のSLOANE。
weeksdaysは、
ミディアムグレーとダークグレーをチョイス。
サイズは大きすぎず小さすぎずのほどよいサイズ3。
私がこの前の秋冬、一番よく着たサイズです。
グレーにもいろいろあって、
こちらはやさしい色合いのミディアムグレー。
肩にさりげなく入った切り替えが
デザインのポイントになっています。
コットン×ウール クルーネック(ミディアムグレー)/SLOANE
パンツ/LE BOUQUET(SLOANE)(参考商品)
シルクマフラー ¥30,800/manipuri(FLAPPERS)
靴 ¥42,900/SPELTA(FLAPPERS)
シンプルなクルーネックのニットは、
合わせるものをえらばない。
デニムやコットン、ウールなどのパンツはもちろん、
こんなやわらかな素材のワイドパンツとの相性もよし。
コットン×ウール クルーネック(ミディアムグレー)/SLOANE
スカート ¥57,200/LE BOUQUET(SLOANE)
靴 ¥75,900/NEBULONI E.(FLAPPERS)
ボリューミーなスカートとも合うのは、
トップスがシンプルだからこそ。
シューズはスカートと同色のファーにして、
全体的にやわらかな色合いにしました。
思わずほおずりしたくなる、
着心地のよさ。
きっとこの秋冬
「つい手に取る」アイテムになること間違いなしです。
耳はバロックパールのイヤカフを。
アクセサリーはたくさんつけず、
ほんの少し。
このくらいの匙加減が今の気分です。
とうとう、いよいよ!
「お茶の道具を入れています」
というのは、中国茶の先生。
茶葉を入れた茶筒や急須、やかんなど、
かさばるものなんのその、なんだって。
「撮影の時に大助かり」
というのは、スタイリストの友人。
小道具を入れたら車に積み込んで。
撮影現場ではそこから必要なものを取り出す。
引き出しのように使えるからすごく重宝しているとか。
「お客さまがこのかごを持って買いに来てくれたらな」
というのはパン屋を営む姉妹。
エコバッグもいいけれど、
パンを平らに入れることができるし、
なにより頑丈。
繰り返し使えるからいいですよね、って。
「次回の販売の時は、ぜったいに買うから!」
と(もういくつも持っているはずなのに)鼻息荒めの友人。
挙げるとキリがないくらい、
各方面から熱いラブコールが寄せられている、
ベトナムのかご。
私自身、仕事に、旅に、いつもの買いものにと、
もはや、ない生活が考えられなくなっている、
weeksdaysの人気商品です。
お待たせしました。
3年ぶりにとうとう、いよいよ!
販売です。
コンテンツは、
現地ベトナムで、この販売における
一切合切を取り仕切ってくださっている、
田中博子さんにインタビュー。
ベトナムの話を聞いていたら、
今すぐ飛んで行きたくなりました。
ともだちに似ている
久しぶりに懐かしい友人に会い、
昔話しに花を咲かせる。
もう何年、会っていなかったんだっけ。
3年? いや4年かも。
ちがうよ、5年じゃない?
どちらもよく覚えていなかったんだけれど、
まぁそれはどうでもいい。
子育てや仕事、それから親のこと。
それぞれ忙しくバタバタと過ぎていく毎日。
あっという間の数年間だったけれど、
会えなかった時間はあっという間にうまって、
いつもの私たちに元通り。
おたがいの近況にはじまり、
夏に行った旅の話し、気になっているおいしい店、
はじめたばかりの健康法などなど、
話しは尽きない。
じゃあね、また近いうちにと言い合って、
反対方向に歩く。
しばらくして振り返ると、
ニコニコ笑って見送ってくれていた。
そうだ。
この人と会うといつも後味がいいんだ。
私もこんな人になりたいものだと思いながら、
帰途に着いた秋の夜なのでした。
今週のweeksdaysは、
SLOANEのニット。
着ていて楽で、
気分がいい。
この感じ、ちょっと友人に似ている気がするなぁ。
zattuらしさ
- 伊藤
- 色は2つの型で3色を選ばせてもらいました。
BUFFYはオフブラック、
POLCOはグレーという
あわせやすい定番カラーに、
それぞれシーズンカラーの
ブラウンをお願いしました。
いずれも、秋らしくて新鮮ですね。
- zattu
- ブラウンは実は、
今年デビューさせた色なんです。
ブラウン自体は以前からずっと流行っていたんですけど、
zattuではあえて出さずに、
パープルとか違う色を出してたんですよね。
- 伊藤
- じゃあ、満を持してのブラウンなんですね。
- zattu
- まさにそんな感じです。
ブラウンの中でも、
もう少し濃いブラウンとモカっぽい色、
3種類くらいからこの色に絞りました。
- 伊藤
- うん。
ぱっと目をひく、
きれいなブラウンだなと思います。
- zattu
- 2人で作っていると
自分たちがほしい色になっちゃうので、
zattuのプレスを担当している鳥海に
客観的な意見を聞いたんです。
すると、こっちのブラウンはちょっと難しいから
これがいいんじゃない? と言ってくれて。
- 伊藤
- 鳥海さん、さすが。
いいチームですね。
- zattu
- 今回のトートバッグも、
最初に作ったときは
実はこのカラビナとコードはなかったんですよ。
私たちはシンプルなデザインが好きなので、
これでいいかと思いつつ、
「なんか足りないね」って言ってたんです。
そしたら鳥海が
最近はバッグに大きめのキーホルダーやチャームを
つける人が多いし、
カラビナがあるといいんじゃないかって。
- 伊藤
- なるほど。
コードも、もともとなかった?
- zattu
- なかったです。
私たち作り手の2人は、
コードは、「HENRIK」のような
ナイロン素材のアイテムに使うものだと
思い込んでいたんですよ。
でも鳥海が、「これがある」って言ってくれて。
- 伊藤
- そうか、たしかに
「マイクロファイバースエード」のアイテムには
このコードはついていなかったですね!
でもすごく馴染んでいて、
zattuらしいです。
- zattu
- バッグを作るときに、
この形にはナイロンの方が絶対合うなとか、
マイクロファイバースエードで作った方が
おもしろいかも、
と考えて材料を選んでいます。
素材が違うと、
選ばれるお客さまも変わってくるんです。
- 伊藤
- お客さまは、どんな方が多いですか?
- zattu
- ちょっと意外なんですけど、
展示会では女性の方が
「MAC TO-TO」のような
大きいバッグを買われるんですよ。
男性のバイヤーさんは、
小さい方を選ばれる。
- 伊藤
- 女性は、荷物が多いときにバッグも重いと
気まで重くなるんだけれど、
zattuのバッグを持ったら
「あ、こんな軽いんだ!」って
うれしくなるんだと思います。
- zattu
- そうですよね。
バッグの容量はある程度必要だといわれますが、
バイヤーの方から聞いたのは
「会社員の方だと通勤電車で座ったときに
膝の上に収まるコンパクトなサイズがいい」
ということでした。
- 伊藤
- なるほど、それもあるでしょうね。
- zattu
- 普通はそうなんです。ところが、
zattuをよく買ってくださるバイヤーさんやお客さまは、
なぜか小さいより大きいほうを好まれる。
大きい方がかっこよく見えたり、
zattuらしさを感じられるのかもしれません。
東京のお客さまはとくにその傾向があります。
- 伊藤
- そうなんですね。
おもしろい!
- zattu
- 一方で、地方在住の方には小さいサイズが人気です。
- 伊藤
- 電車通勤より車移動が多い、とか、ありますよね。
ほぼ日のweeksdaysチームのみんなも、
いつもパソコンを持ち歩いているから、
荷物が多いんですよ。
zattuを気に入って持っているメンバーもいます。


- 伊藤
- あと、このコードに鍵をつけたりして
中に入れておいたりもできるなと思って。
- zattu
- そうそう、それも便利なところです。
コード自体、取り外せますしね。
- 伊藤
- うれしいポイント。
ほんとうに他にないようなバッグですね。
- zattu
- バッグって、
突き詰めると「ものを運ぶためのツール」ですよね。
洋服は着ないと外に出られないし、
靴も履かないと外を歩けないですけど、
バッグは極端な話、
一番必要がないものかもしれません。
ものを入れて運ぶためならどれでもいいんだけれど、
zattuなら少し気分が上がったり、
ドレスアップができるならうれしいなと思ってます。
- 伊藤
- 私は、旅行にどれだけ荷物を少なく行けるかを
いつも考えてるんです。
zattuのバッグはぺたんこにして
スーツケースに入れられるから最高です。
今日はこれ、明日はこっち、
みたいにできるのがうれしくて。
ほんと気分が上がります。
- zattu
- weeksdaysには、
それぞれのスタイルに取り入れて楽しめる
アイテムが揃っていますよね。
- 伊藤
- え、ほんとうですか。
私が持っている服は
さっと着られるようなものばかりだから、
最後に持てばコーディネートが仕上がるような
バッグを選ばせてもらっている感じです。
また旅に持っていけるバッグが増えて
うれしいです。
どうもありがとうございました。
- zattu
- そう言っていただけてうれしいです。
こちらこそありがとうございました。
軽くて、洗えて、匂いを吸わない
- 伊藤
- 素材は今回も、
zattuでおなじみの
「マイクロファイバースエード」でしょうか。
- zattu
- はい、同じです。
なんといっても軽いし、洗えるのがいいですね。
- 伊藤
- ほんとうに。
車のシートにも使われていると聞きました。
- zattu
- そうです、そうです。
車や飛行機って、軽量化が重要なので、
軽い素材が重宝されるんですよね。
zattuで使っている素材は、
航空機の内装にも一部使われています。
- 伊藤
- そうなんですね!
車や飛行機に使われているということは
何度も座れる耐久性があるということだから、
信頼できる気がしますね。
- zattu
- おそらく車や飛行機用には
摩耗防止のために加工されていると思いますが、
zattuで使っているものは
そういった加工はしていません。
でも軽量で見た目にも高級感があるというのは
魅力ですよね。
- 伊藤
- 高級感、感じます。
今回扱わせていただくバスケットトートが
もしキャンバス地だったら、
また全然印象が変わりますものね。
- zattu
- そうですね。
「マイクロファイバースエード」は
カジュアルすぎるのが苦手な方や、
レザーが好きな方にも選ばれます。
でも、私たちはカジュアルなものも好きで、
今日は2人ともナイロン素材のバッグを
色違いで持ってます。

布袋さんはチャコールグレーを。

赤澤さんはブラックをお持ちでした。
- 伊藤
- あら、色違いだったんですね。
おそろい感がないのが、すごく不思議。
素材っておもしろいですねぇ。
- zattu
- 「マイクロファイバースエード」はその名のとおり、
スエード調の生地なんですけど、
見た目からメルトン(ウールの生地を、熱・水・摩擦
などを加えて縮ませ、フェルトのように仕上げた生地)
だと思われる方もいらっしゃいます。
一見、冬らしい素材なんですけど、
手触りはサラッとしているので
実は夏にも快適に使えるんですよ。
- 伊藤
- えっ。そうなんですか。
じゃあ、一年中持てますね。
- zattu
- 持てます、持てます。
ショルダーに汗がついても洗えるし、
匂いもつきにくいと思います。
- 伊藤
- あ、ほんとうだ!
飛行機に持ち込んだ後とか、
キャンバス地のバッグだと
匂いが気になることもあるんですけど、
そういえば感じたことないですね。
どうしてでしょう?
- zattu
- 天然素材って、
水や湿気を吸収したり、
匂いが染み込んだりしやすいんです。
天然素材には天然素材のよさがありますが、
お手入れや天候を気にせず使えることも、
バッグにとっては大事なことですよね。
「マイクロファイバースエード」は
湿気を吸収しにくく、濡れても重くなりにくい。
天然素材とは違った
日常での扱いやすさが魅力の素材です。
- 伊藤
- 確かに。
雨のときも気にせず使えるのは
うれしいですね。
- zattu
- ただ、これを使ってバッグを作るときに
私たちがすごく気をつけていることが一つあります。
たとえば、
本革で作ったトートバッグと、
革ではない別の素材で
同じ形のトートバッグを作ることがありますよね。
それだと、お客さまにとっては
革の「代わり」の素材として見られてしまう。
zattuではそういうことはしないようにしています。
- 伊藤
- たしかに、同じ形で並んでいたら
そんな意識で見えてしまうかも。
でも、そういうことではないですものね。
- zattu
- はい。私たちが
「マイクロファイバースエード」を使っているのは
この素材ならではのよさを活かしたいからなんです。
「革じゃないけどいいね」ではなくて、
「革じゃなくて、これがいい」
って思えるデザインを作るというのは、
徹底してるかもしれないですね。
「マイクロファイバースエード」自体に
さまざまなよさがありますし、
この素材を立たせて、
全く違うものに見えるように作っています。
- 伊藤
- すごく納得しました。
この少しスポーティーな雰囲気も
あまり見たことがないですし、
ほんとに「これがいい」です。
- 伊藤
- zattuのバッグは、
たたむとコンパクトになるのもすごくいいですよね。
たくさん持ってる方がいらっしゃるのもわかります。
- zattu
- ありがとうございます。
このブランドを作ったときに、
「マイクロファイバースエード」の利点として、
たたんでもシワにならず、
形が戻るというのを伝えたかったんですね。
そこで、卸すときに、
たたんで納品することにしたんです。
- 伊藤
- バッグをたたんで‥‥?
- zattu
- そうなんです。
バッグ業界では革以外の素材を総称して
「雑材」と呼ばれていて、
zattuというブランド名も
ラフに扱えるという意味の「雑(ラフ)」と
「雑材を用いたバッグ」という意味から
名付けています。
「マイクロファイバースエード」は
雑材であっても高いんですね。
高価なバッグは
中に緩衝材を入れてシワにならないように
箱で納品することが多いので、
たたんで納品するのは、
一般的な方法ではないんです。
でもたたんで納品することで、
この素材ならではの
シワになりにくさや形の戻りやすさを
実際に感じてもらえると思ったんです。
- 伊藤
- すごいですね!
だって、たたんだらこんなに薄くなるでしょう。
- zattu
- そうなんです。
マチもしっかりあって箱型のシルエットだから、
「こんなに小さくなるの?」
って驚かれます。。
一つ一つ箱に入れるよりも、
輸送や保管の負担も少なくできますし、
たたむことを考慮したパターンや縫製、
デザインの組み立て方を工夫して、
ブランドのロゴを入れた
ナイロンの袋で納品しています。
このままお店でストックしても
邪魔にならないし、
見た目にもすっきりしていて、
いいかなと思います。
- 伊藤
- かっこいいし、お店の人にも一目瞭然だし。
私たちにとっては収納もしやすい。
お客さまの手元に届くまでに
いろんなことが考えられているんですね。
- zattu
- ありがとうございます。
素材の特性も活かしながら、
まずはデザインをしっかり考えたバッグです。
「このくらいのボリュームが雰囲気がいいかも?」
「柱っぽいシルエットだと少し固く見えるかな」
と、試行錯誤しました。
- 伊藤
- 素敵なデザインのうえ、
機能も備えているなんて、理想ですよ。
快適なワンハンドル
- 伊藤
- 前回のトートバッグ、
私の周りの友人にもすごく人気でした。
- zattu
- ありがとうございます。
私たちも、街でおしゃれな方が
持ってくださっているのを見かけるとうれしいです。
この間、ちょっと高級なスーパーに行ったとき、
すごくシンプルな着こなしの方が、
zattuのバッグを持ってくださってたんですよ。
お洋服は日本のモード系のブランドのもので、
「ああ、こういうコーディネートも素敵だなあ」
なんて思いながら拝見してました。
- 伊藤
- そうそう、
おしゃれな人が持つバッグ、
という気がします。
シンプルな服にも合うし、
でも持っていると自分の気持ちが上がる。
軽くて、手入れも大変じゃない素材なのが、
私たちの年代が求めるようなものだなと感じます。
- zattu
- 小さいお子さんがいらっしゃる方も、
送迎のときなんかに
自転車のかごにボンって入れて、
ガシガシ使ってくださってる。
そういう姿を見て
「かっこいいなあ」って思ったりします。
- 伊藤
- zattuのバッグは
気兼ねなく使えるのもいいところですよね。
上から物を乗せても型が崩れにくいし、
汚れたら洗えるし。
1つ使ったら、2つ目、3つ目と
欲しくなる方、多いんじゃないですか。
- zattu
- 形違いでたくさん持たれる方、
いらっしゃいますね。
先日、ケアはどうしたらいいかと
お問い合わせいただいたんですけど。
- 伊藤
- わぁ、大事にされているんですね。
- zattu
- こっちを使ってる間に別の方を洗って、
きれいになったらあっちを洗う、
みたいに順番に使ってくださっているそうです。
壊れた場合は、修理やハンドルなどの交換も可能です。
- 伊藤
- あ、修理もできるんですね。
うれしい。
- 伊藤
- 制作は、お二人で
どうやって進めていらっしゃるんですか。
- zattu
- 例えば、
ちょうど今日プレスの鳥海がつけている
ウェストポーチがあるんですけど、
「こういうのが欲しいんだよね」
「わかる。展示会のとき便利かもね」
なんて2人で相談しながら
作ってみたりしています。
実際に販売したら、
ベルトの上をスライドできて便利なので
評判はよかったです。
この日、PRの鳥海さんのお持ちだったzattuのウェストポーチ
- 伊藤
- すごいなぁ。
次はどんなバッグができるんだろうって、
いつもたのしみに見ています。
今回の「POLCO」と「BUFFY」は、
どんなきっかけで生まれたんでしょう。
- zattu
- このバスケットトートは、
以前取り扱っていただいた
大きめのトート「TOVA」と、
ショルダーのついた
「KINAX」を組み合わせた、新型のデザインです。
「TOVA」のようにハンドルを肩にかけて持つことができ、
「KINAX」のようにショルダーもついています。
ただ、今回はショルダーを斜めがけではなく、
肩にかけて持つ長さにしています。
なので、みなさん肩にかけて持たれることが多いですね。
とくにせっかちな方に向いている形だと思います。
- 伊藤
- せっかちな人、確かに(笑)。
ワンハンドルだから、
さっと持てますものね。
長さも、肩にかけたまま中のものが探せて
すごくいい塩梅です。
- zattu
- バッグの定義として、
片手で持ったときに
もう片方の手が中身に届くようなものが
いいんですよね。
これだと、手で持っても肩にかけたままでも
すぐにケータイが取り出せます。
- 伊藤
- うん、すごく便利です!
- zattu
- あと、袖にボリュームのある服も
多いと思うんですけど、
そういう服の上から肩にかけるには、
バッグのショルダーはこのくらい長めでないと
肩にかけるときにひっかかるんですよね。
- 伊藤
- さすがです。
ショルダーって、
長すぎてもまた垢抜けないから、
この長さ、絶妙ですね。
ところで、
小さいほうが「POLCO(ポルコ)」で、
大きいほうが「BUFFY(バフィー)」。
名前がそれぞれ違うんですね。
- zattu
- これは、Instagramで見かけた
2頭の犬の名前からいただきました。
- 伊藤
- あ、やっぱり!
そんな気がしたんです。
かわいいですね。
- zattu
- ほかにも、
映画監督の奥さまだったり
オリンピックのアルペンスキーチームの
監督の名前をヒントに
つけさせてもらったバッグもあります。
- 伊藤
- そうなんだ。
おもしろいですね。
- zattu
- 名前をつけるのは、
いつも時間かかるんです。
だから、完成予定の半年ほど前から
いいなと思った名前をノートに書きこんでおいて、
最終的にバッグと合うかどうかで決めています。
- 伊藤
- でも、このバッグが世に出るために
名付け親として送る名前ですから、
それは大事ですよね。
名前を聞いたら、
生きものみたいにかわいく思えてきました。
- zattu
- ですよね。
バッグに名前がついているのは、
やっぱりそのほうが愛着が湧くからだと思うんです。
- 伊藤
- 名前があると
関わった人全員が大事にできますものね。
私たち使う人にとっても同じだと思います。
小さな旅は軽い荷物で
明日から、東北方面に行くので、
2、3日前から準備を進めています。
‥‥と言っても1泊2日の小さな旅なので、
頭の中で、これは必要、
これは持っていかないでいいかも?
などと考えているだけ。
じっさい荷づくりをするのは当日の朝です。
スマートフォンに充電器、
それからお財布は必ず。
3時間ほどの移動中に読む文庫本を1冊。
着替えは下着とトップスをそれぞれ1枚。
朝晩1枚ずつのパック
(これで化粧水のボトルを持っていく必要無し)と、
最小限のメイク道具をジップロックに入れて。
電車移動の旅は、
とにかく軽く、そして小さく、
を頭に置いて荷づくりします。
着いたらすぐに街歩き開始。
ホテルに荷物を預けるという手もあるけれど、
これくらいの小荷物なら持ち歩けるはず。
今週のweeksdaysは、
zattuのバケツ型トート。
軽く、小さく。
旅にも、ふだんにも。
私にちょうどいいバッグなのです。


