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生活のたのしみ展2026 「weeksdays ちいさいもの」に並ぶ31のアイテム、ぜんぶ紹介します 10 MIZ WATER BOTTLE

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深澤直人さんがデザインしたボトルです

ウォーターボトルは、
外出する時の必需品。
ことに水をごくごく飲みたくなる今の季節、
持って出るのを忘れてしまうと、
あーあ‥‥と残念な気持ちになるくらい。

深澤直人さんのデザインするこのボトルは、
カラフルなのですが、
水の透明感が伝わるところがいい。

出かける時はもちろん、
夜眠る時は小さいサイズに水を入れて枕元に。
どんなシーンで使っても、
さりげなく寄り添ってくれるデザインです。

(伊藤まさこ)


世界的に活躍するプロダクトデザイナーの
深澤直人さんがデザインした、
シンプルでカラフルなHAYのMIZ WATER BOTTLE。
スリムな形状とすっきりとしたラインが特徴です。
冷蔵庫で飲み物を冷やすのにも、
持ち歩き用にもお使いいただけます。

今回のお取り扱いは、540miと720mlの2サイズ。
540mlのカラーは、
アイスブルー、パーブル、キャメルの3色、
720mlのカラーは、
アイスブルー、ダークグリーン、モーブの3色のです。


MIZ WATER BOTTLE 0.54L 販売価格:2,640円(税込)
MIZ WATER BOTTLE 0.72L 販売価格:3,190円(税込)


生活のたのしみ展2026 「weeksdays ちいさいもの」に並ぶ31のアイテム、ぜんぶ紹介します 08 ステンレストング(穴無し)

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このトング、
手の延長として使っています

柳宗理のプロダクトのファンです。

様々な素材のものがありますが、
どれもどこかやさしげな表情をしている。
柳先生のお人柄が出ているといいましょうか‥‥。

このトングもその例に漏れず、
いい表情。
そしていい使い心地。

私の手の延長になってくれる、
そんなたのもしい道具です。

(伊藤まさこ)


1915年に生まれ、20世紀に活躍した、
日本を代表するインダストリアルデザイナーの
柳宗理(やなぎ・そうり)さん。
家具、自動車、建造物、おもちゃ、
そしてフライパンなどの台所用具や、
スプーン・フォークなどのカトラリーなど、
昭和のくらしに欠かせない
さまざまな「もの」を手がけてきたかたです。

丸みを帯びたフォルムが特徴のステンレストングは、
料理の盛り付けなどにちょうど良いサイズ感。
汚れや傷が目立たないマットな艶消し仕上げで、
耐久性に優れています。
シンプルで機能的なデザインで、
使うたび心地よさを感じることができそうです。


ステンレストング(穴無し) 販売価格:1,980円(税込)


生活のたのしみ展2026 「weeksdays ちいさいもの」に並ぶ31のアイテム、ぜんぶ紹介します 09 シャープナー

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小さなシャープナーは、
毎日の調理に欠かせない存在に

毎日、砥石を使って
包丁を研ぎたい気持ちはあるけれど、
そうも言ってはいられない。
どうしたものか‥‥、
と思っている時に出会ったのがこのシャープナー。

台所の引き出しに収まる大きさ。
ちょっとかわいらしいデザイン。
使う前に、前後に4、5回動かせば
準備は完了という手軽さも手伝って、
今やすっかり毎日使う道具のひとつになりました。

ふつうのナイフはもちろん、
波型のナイフも使えますよ。

(伊藤まさこ)


「taylor’s eye witness
(テイラーズ・アイ・ウィットネス)」は
ステンレス発祥の地であり刃物の町として知られる、
イギリス、シェフィールドで1838年創業の老舗。
同地の自社工場で包丁、ハサミのみならず
クラシカルなポケットナイフや
シャープナーなどを作り続けています。
特にシャープナーは同社の代名詞といえる
ロングセラー商品です。

取っ手を握り、V字に重なった2本のスティールの上に
ナイフの刃を乗せて、前後に4~5回スライドさせるだけ。

ナイフの先端に細かい糸のこ状の加工を施しており、
一般的なステンレス製の包丁やナイフの他、
ブレッドナイフのような波刃のナイフにも、
バターナイフやペティナイフなどの
小型ナイフでもご使用いただけます。

本体はABS樹脂で軽量、
ハンドル部分はフック掛けもでき、
場所を取らないコンパクトサイズ。

シルバーとブラックのお取り扱いです。


シャープナー 販売価格:4,950円(税込)


生活のたのしみ展2026 「weeksdays ちいさいもの」に並ぶ31のアイテム、ぜんぶ紹介します 07 段ボールカッター

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今や、玄関の常連のダンボールカッター

毎日のように届く宅配便。
この段ボールカッターを使う前は、
大きめのカッターを棚から出して、
使ったらしまっていたのですが、
どうにも面倒で。

それが今や、鍵や靴べらと並んで
すっかり玄関の常連に。

切れ味よし。
まあるい形よし。
色も黒であまくないところも好きです。

(伊藤まさこ)


1950年に便箋・封筒の生産から始まった
日本の文房具ブランド「ミドリ」の
ダンボールカッターです。

ダンボールの開梱作業はもちろん、
雑誌や新聞の一枚切りまで幅広く使えます。

カッターの刃は錆びにくく耐久性に優れたセラミック製。
スムーズに180度開閉し、
広げた時に握りやすいサイズ・形状です。
使用していないときは丸型に閉じて、
カバンやポケットに収納できます。

強力なネオジムマグネットを内蔵しているので、
冷蔵庫や金属製の机、
ドアなど良く使う場所につけて保管することもできます。

ブラックのみのお取り扱いです。


ダンボールカッター  価格:1,320円 (税込)


生活のたのしみ展2026 「weeksdays ちいさいもの」に並ぶ31のアイテム、ぜんぶ紹介します 06 万能バサミ

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料理のプロに教わった万能バサミです

友人の料理家やシェフが、
「欠かせない」というアイテムがこれ。
そこまで言うなら‥‥と使ってみたのですが、
これが大正解。

インゲンの先っぽや万能ネギを切ったり、
鶏肉の皮やエビの処理をしたり。
今や、キッチンに
なくてはならないアイテムになりました。

手に馴染むほどよい大きさと、
シンプルな見た目も気に入っている理由のひとつです。

(伊藤まさこ)


「SILKY(シルキー)」は、
岐阜県関市に本社を置く丸章工業がつくる
はさみブランドです。
高級ハサミや包丁の製造で高い評価を得ている
老舗刃物メーカーで、1974年頃に誕生。
絹(SILK)が擦れ合う時に出る
シャリシャリとした軽く上品な音のように、
滑らかにしかも良く切れるはさみでありたい
という思いから名づけられています。

高精度に仕上げたステンレス製万能はさみは、
ハンドルがやわらかくて大きいので、
手にやさしく硬いものもスムーズに切れます。
事務から手工芸、料理用として幅広くお使いいただけます。


シルキー 万能はさみ 販売価格:2,343円(税込)


生活のたのしみ展2026 「weeksdays ちいさいもの」に並ぶ31のアイテム、ぜんぶ紹介します 05 竹俣勇壱ブレッドナイフ

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佇まいよし、機能よし。
竹俣勇壱さんのブレッドナイフ

パンやカッティングボードと一緒にテーブルに出しても、
雰囲気をそこなわない佇まいがいい。
それでいながら、
道具としての機能も抜群。

食パンなどやわらかいパンも、
きれいに切ることができて、
今までのストレスが
このナイフの出現によって一気に解決。

娘が一人暮らしをはじめる時に、
「自分の家にも欲しい」
と言った数少ないアイテムの一つでもあります。

(伊藤まさこ)


金沢を拠点に、
彫金師としてオーダージュエリーを手掛けながら、
カトラリーなどの日用品の制作にも取り組む竹俣勇壱さん。
以前、伊藤まさこさんの「白いお店。」では
アクセサリーをいっしょにつくってくださいました。

ブレッドナイフの刃部分は鏡面仕上げ。
摩擦を抑えていることで切れ味がとてもよくなっています。
持ち手部分は古色仕上げで、アンティークのような風合い。
ステンレスなので、
サビや変色の心配が少ないのも魅力のひとつ。
実用と美しさを兼ね備えたアイテムです。


ブレッドナイフ 販売価格:12,100円(税込)


生活のたのしみ展2026 「weeksdays ちいさいもの」に並ぶ31のアイテム、ぜんぶ紹介します 04 ワイヤースタンド

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写真やCDを飾って、
部屋の景色をかえよう

樹脂で覆われた折りたたみのスタンドは、
本やプレート(小さなものに限りますが)、
CDや写真などを飾るのにいい。

気に入りのものをただそこにポン、
と置くのも好きだけれど、
こうして立てると、景色が変わって見えて新鮮。
そして何より特別感が生まれます。

(伊藤まさこ)


「Gibson Holders(ギブソンホルダー)」は、
アメリカ・オレゴン州で約半世紀の歴史を持つ、
ワイヤーやアクリル製のディスプレイスタンド
専門メーカーです。

業務用としてプロに愛用されていましたが、
そのデザイン性からミュージアムショップや
セレクトショップでも
取り扱いされるようになりました。

樹脂で覆われたワイヤーは、
重量感のあるものもしっかり支えます。
無駄のないシンプルなデザインは、
複数並べても統一感がでます。
本やタブレットを立てるのはもちろん、
お皿などを飾るのにも良さそうです。

ホワイトのみのお取り扱いです。


スリーワイヤースタンド DCW 販売価格:770円(税込)


生活のたのしみ展2026 「weeksdays ちいさいもの」に並ぶ31のアイテム、ぜんぶ紹介します 03 LEDランタン

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夜、部屋のかたすみにLEDランタンを

ふだんはこんな風に、
スツールやチェストの上に置いて。

山荘ではスキップフロアの足元に。

夜、部屋のかたすみに小さな灯りがあるだけで、
安心感があります。

飾り気のないデザインは、
インテリアのじゃまをしないので、
様々なタイプの部屋にどうぞ。

(伊藤まさこ)


このLEDランタンは、
調光(6段階)・調色(3色)機能で
使用シーンに合わせて明かりを調整。
明るさ記憶機能で、
設定した明かりでON/OFF切替ができます。
小雨の中でも使用可能な防滴構造。
単3形乾電池3個がついています。(エボルタNEO)

ホワイトのみの取り扱いです。

つくったのは、「パナソニック(Panasonic)」。
日本を代表する総合電機メーカーで、
生活に密着した幅広い製品を提供しています。


LEDランタン(調光球ランタン)(調光・調色タイプ) 
販売価格:3,630円(税込)


生活のたのしみ展2026 「weeksdays ちいさいもの」に並ぶ31のアイテム、ぜんぶ紹介します 02 fog linen work + weeksdaysのキーホルダー

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使ううちに味わいが増す
真鍮のキーホルダー

シンプルなキーホルダーって、
探すと案外ないもの。

取り外しがラクで、
見た目にすっきり。
玄関に置いてあっても感じのよいものが欲しい。

そこでfogにお願い。
こんなのあったらいいのにな、
そんな思いを形にしてもらったキーホルダーが2種類、
サイズはそれぞれ3種類。

使ううちに味わいが増していく真鍮製です。

(伊藤まさこ)


このキーホルダーは、ブラス(真鍮)製。
余計な装飾のないシンプルなかたちです。

サークル型とピン型の2種類、
それぞれ、S、M、Lの3サイズを揃えました。
用途やシーンに合わせて
使い分けていただくのも良さそうです。

「foglinenwork(フォグリネンワーク)」と
「weeksdays」が一緒につくった、
生活のたのしみ展2026会場の限定アイテムです。


キーホルダー(S)販売価格:1,320円(税込)
キーホルダー(M)販売価格:1,540円(税込)
キーホルダー(L)販売価格:1,760円(税込)


「生活のたのしみ展」出店のお知らせ

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weeksdaysは
「生活のたのしみ展2026」に出店します。

[開催日]
2026年6月1日(月)~ 6月7日(日)
[場 所]
東京・新宿住友ビル 三角広場

今回は2ブース出店しています。


weeksdays ちいさいもの

エリア:すいかグリーン

日常的に使う小さなアイテムを集めたお店をつくります。

このお店に並ぶアイテムは、
伊藤まさこさんが実際に愛用しているものや、
おすすめしたいと思ったもの、31種類。

セレクト品のなかに、特別企画として、
生活のたのしみ展会場限定商品である
「fog linen work(フォグリネンワーク)」
と一緒につくったポーチとキーホルダーも登場します。

「ほぼ日」でしか買えなかったアイテムのいくつかも、
実物を見てご検討いただけます。

詳細はこちらもご覧ください。


バロックパールのお店

エリア;シャイニーアイランド

スタイリストの伊藤まさこさんプロデュースの、
伊勢志摩のパールをつかった
バロックパールのアクセサリー。
三重県のリゾート施設「VISON(ヴィソン)」にある
陶芸作家の内田鋼一さんの
「白」をテーマにしたギャラリー「泛白(uhaku)」の
イベントにあわせて製作されたものです。

「weeksdays(ウィークスデイズ)」では、
2025年2月に販売を行ない、大好評をいただきました。

今回は、その時に販売したラインナップに1型プラス。
全9型を揃えています。

ブランド名の「branc branc(ブラン ブラン)」は、
「身に着けて嬉しい自分のための白」を
コンセプトにしています。

詳細はこちらもご覧ください。

生活のたのしみ展2026 「weeksdays ちいさいもの」に並ぶ31のアイテム、ぜんぶ紹介します 01 fog linen work + weeksdaysのポーチ

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バッグの中の散らかりストレス
解消ポーチ

ハンカチ、ティッシュ、
老眼鏡に常備薬。
リップクリームにハンドクリーム、
これからの季節は日焼け止めも持たないと。

バッグの中で散らかりやすい、
あんなものやこんなもの。
「あれ? どこいったっけ」
必要な時に、がさごそ探して大慌て。
そんな経験ありませんか? 

fogのポーチが
そのストレスを一挙に解決してくれます。

表側にロゴは無し。
デザインは潔いほどすっきり、シンプル。
それがリネンの素材感を引き立たせていて、
見て、使って気持ちいい。
おかげでバッグの中も美しく、
ものを取り出す時の所作まで美しくなったような、
そんな気にさせてくれるポーチです。

(伊藤まさこ)


「fog linen work(フォグリネンワーク)」と
「weeksdays」が一緒につくった、
生活のたのしみ展2026会場の限定アイテムです。

fog linen workで展開している
セヴァンポーチをベースにした特別仕様で、
ナチュラルとブラックの2色展開です。

素材にはクタッと感がかわいい、
すこし薄手のリネン生地をセレクト。
やわらかめなので、
ポーチ自体があまりかさばることがなく
持ち歩きもしやすそうです。

SとMサイズに加えて、
weeksdaysオリジナルの
「Mサイズ(横長)」を加えた3サイズ展開。

Sサイズは、キューブ型のコロンとしたフォルム、
Mサイズは、長方形型の使いやすいサイズ感。
しっかりとマチがあって、
3辺がぐるっとファスナーで開くので、
物の出し入れがしやすく、
使いたいものが見つけやすそうです。
Mサイズ(横長)は、
fog linen workで展開しているMサイズをベースに、
天地の長さを低くした横長サイズ。
ペンケースにもピッタリですし、
サングラスやメガネなどをいれるのにも良さそうです。


ポーチ S 販売価格:2,860(税込)
ポーチ M、M(横長) 販売価格:3,630円(税込)


メンズの素材をフェミニンに

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伊藤
今回は、weeksdaysのために
黒のスカートもつくっていただきました。
平山
はい、別注で。ありがとうございます。
伊藤
「weeksdays」のスタッフが、
黒のグラフスカートを
黒のシェイドシャツとセットアップにしたら、
学校行事にも着て行けると言っていましたよ。

シェイドシャツ(black)/nooy
グラフスカート(black)/nooy
クロスストラップサンダル(シルバー)/BARI(2026年6月発売予定)

平山
たしかに“フォーマルの感じ”でも使えますね。
黒のセットアップ、すごくいいなと思います。
伊藤
セットアップのほかに
どんなものがおススメですか? 
平山
Tシャツもおススメです。
これ「クラウドTee」っていうんですけど。

グラフスカート(black)/nooy
クラウドtee ¥20,900/nooy
トングサンダル(クラックブラック)/BARI(2026年6月発売予定)

伊藤
あ! かわいい。
ウエストから裾にかけて
立体的にふんわりとしているんですね。
組み合わせると、雰囲気がガラッと変わりますね。
伊藤
このシャツ地4枚のグラフスカート、
どんな構造になっているんでしょう。
若山
4柄、4種類の生地を使っています。
生地の目や縦横バイアスを見て、
ちょっと斜めにしたりしながら
組み合わせているんですよ。
ほんとはまっすぐにするところを
バイアスにすることによって、
ちょっとフワッとした、
硬くならない印象になります。
別注の黒も、生地の目が違うだけで、
シルエットの雰囲気がかなり違う、
そんな印象が生まれるんです。
伊藤
そうなんですね。
平山
これ、ふつうのギャザースカートに見えるんですけど、
じつはタックが入ってたり、
ギャザーを入れて、縮めていたり。
伊藤
こまかな工夫をなさっているんですよね。
だから使っている生地が多いのに、
腰回りがモタモタしないんですね。
これだけの分量をウエストでギュッてすると、
ボリュームが出るところを、おさえていて。
若山
はい、お腹が出っ張って見えないように。
伊藤
丈を長い感じにしたのにも
きっと理由がありますよね。
若山
はい。この柄を生かすために、
少し長くしました。
伊藤
なるほど。
ストライプを使われたのは、
今年の気分だったということでしょうか。
若山
元々、紳士物のシャツ地や裏地が大好きなんです。
それをスカートや、
カッターシャツじゃなくてブラウスなど、
女性のものに落とし込むのは、
以前からやっていることなんですよ。
平山
あえてメンズの生地を使って、
レディースのちょっと
ふわりとしたものを作っていますね。
伊藤
たしかにこの素材が違うとまったく別のものになる。
若山
変わりますね。
これが麻になったら、全然違うなあって。
伊藤
おもしろいですね。
使う生地って、どうやって見つけるんですか。
この世にいっぱいありすぎるでしょう?
平山
いろんな生地屋さんに、まず、
「シャツ地を探しています」と突撃。
若山
アタック!(笑)
伊藤
そうなんだ。
若山
「これぐらいの番手の、
おもしろいストライプありますか?」
伊藤
じゃあお付き合いがある生地屋さんで?
若山
そうです。
伊藤
そしたら、わかってくださるんでしょうね。
平山
いろいろ送られてきたり、
見に行ったりした中から
「これがいいね」っていうのを組み合わせてます。
伊藤
これに関しては、
「シャツ地を何枚か組み合わせたい」が先で
生地を探したのか、
それともいいシャツ生地があったから
組み合わせてみようとなったのか。
いつもどうやって決めてるのかなぁ?
若山・平山
ふふふ。
平山
どうなんだろう?
若山
どうなんだろうね。
平山
ものによって違うんですけど、
この生地じたいは
何シーズンか前から使っていて。
若山
新しいものを入れようと思っても、
やっぱり好きなものって、大体似ているんです。
このスカートの場合もそうで、
以前使ったけれどやっぱり使いたい生地があり、
でも全部ブルーじゃつまらないからグレーを入れて、
みたいな感じで出来上がっていきましたね。
伊藤
展示会のとき、お客さんの反応はいかがでしたか。
「わー!」みたいな嬉しい声が聞こえそう。
若山
ほんとに「わー!」でした(笑)。
「どれにする?」
「私には違うと思うけど、着てみていい?」
そんなふうに試していただくのが、すごく嬉しいです。
そして着たら「しっくりきた、不思議!」とか
「サイズが気になったけど、大丈夫だった」って
おっしゃるんですよ。
伊藤
おもしろいものですよね。
若山
ポケットが片方あることに
気づいてくださったり。
平山
片方だけなんです。
若山
ここに。
伊藤
中もストライプなんですね。
とてもきれい! 
若山
よかった。
伊藤
お二人はアクセサリーを
あんまりしないほうですか? 
結構、アパレル関係の人って‥‥。
若山
ジャラジャラつける印象? ふふふ。
伊藤
そうなんです。
若山
みなさん、かっこよくされてますよね。
平山
私もしたいなあって思ってます。
でも‥‥。
若山
細いのばっかりだよね(笑)。
伊藤
今回のアイテムに合わせるとしたら
どんなものがいいだろうって思ったんです。
若山
私は、よくストールやスカーフを合わせますよ。
伊藤
なるほど。スカーフはどうやって?
若山
スカーフは‥‥、
こんな感じで、ネクタイ風とか。

シェイドシャツ(black)/nooy
グラフスカート(black)/nooy
ネクタイ 若山さん私物

伊藤
かわいい!
若山
首にこうしてクルクル巻いてみたり。
伊藤
うわぁ、イメージが全然変わりますね。
若山
これ、綿の、大判のメンズハンカチなんです。
シルクのスカーフって
昔は夏もよくしてたんですけど、
いまは暑くてできないし、
クリーニングどうするの? って思うので、
最近、もう、大判のメンズハンカチばっかり。
伊藤
へー! メンズハンカチ。
全然チェックしたことなかったです。
夏にハンカチ、いいですね。
若山
うん、ぜひとも。
すぐに洗えますし。
伊藤
ちょっと肌寒いときにも、
首に布があるだけで、いいですものね。
若山
ストールとかスカーフだったら、
食事のときとかに取らなきゃいけないけれど、
これはアクセサリー感覚で、したままでいいので。
伊藤
なるほどね!
若山
百貨店のメンズフロアやメンズ館、
おススメですよ。
ハマります、いろいろ。
伊藤
え、ほんと? どんなものを見るんですか。
若山
アクセサリーとか。
いっそ工具? っていうぐらい
シンプルなものがあったりして。
伊藤
あ、ピアスとか。
若山
ピアス、それから靴下、バッグ、
お財布、キーケースも!
伊藤
そうなんだ、チェックしてみますね。
ところでお二人は、
nooyは最新作を着ている印象が
あんまりないんですけれど、
作るのと着るのはすこし違うのかな。
平山
フフフ。そうなんです。
若山
作ってる最中から、終わった後くらいまでは、
コレクションのための
仕事をしているというイメージです。
それが1年後とか2年後になって、
やっと、自分が着るものとして、客観的に見られる。
平山
そう。寝かせないと着られないかな。
伊藤
ええ?!!
若山
客観的に見られるようになって、そのときに
「ああ、改めてこれ、好きだな」と思ったり。
あるいはまたちょっと違うデザインに変えて
出したいなと考えることもあります。
伊藤
なぜなんでしょうね。
製作中は集中をしてるから?
若山
そうかもしれないですね。
伊藤
お二人のこれからの服づくりも
たのしみにしていますね。
今回も、ありがとうございました。
若山・平山
ありがとうございました!

袖の工夫が涼しさをうむ

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シェイドシャツ(black)/nooy
グラフスカート(black)/nooy

平山
このシェイドシャツ、夏に涼しくて、
でもちょっとした“きちんと感”があるものが
作りたかったんです。
若山
着たときに、体の中、風がフワッと通るような。
伊藤
たしかに、裾とこの脇から風が通りそう。
そしてかわいいです、とても。
平山
ありがとうございます。
若山
脇から風が入る余裕があるのに、
すっきり見えて、ちゃんと二の腕も隠して。

シェイドシャツ(multi stripe)/nooy
グラフスカート(multi stripe)/nooy

伊藤
やっぱりお二人も
二の腕をいかに隠すかは、
服づくりのポイントなんですね。
若山
はい、大事にしているポイントです。
思いっきり出すか、隠すか。
これは、デイリーにも着られて、
ちゃんとしたところにも
着て行けるようにデザインしています。
フレンチスリーブっぽく袖が斜めのものは、
上にカーディガンを
羽織りたいなと思ってしまうので、
いかにも隠してます、
っていうデザインにならないように。
伊藤
たしかにきちんと見えますね。
平山
開きが、ほんとにシンプルに、
前のボタンだけで。
伊藤
ほんとだ!
平山
下まで開きがないんですよ。
かぶるタイプ。
伊藤
なるほど。
平山
ギャザーでその開きを隠すような、
珍しい仕様です。
ちょっと変わったデザイン。
伊藤
この形、この方法は
nooyでは初めて?
平山
はい、初めてつくってみました。
そして、アクセサリーをしなくても映えるように、
首元にギャザーを寄せているんです。
男性のネクタイみたいに、
ちょっとハンサムな印象にしたくって。
伊藤
第一ボタンは、外しても?
若山
留めても、外してもいいですよ。
平山
肩線もなくて、
背中側は、ヨークから袖が
つながっています。
伊藤
ほんとだー! 
そして、前は袖から身ごろがひと続き。
平山
ストライプで見るとわかりやすいんですけど。
若山
肩線がなく
生地が前から後ろにつながっているので、
肩にフワッときれいに寄り添うんです。
平山
肩に乗ってフワッと空気が入ってくるのは、
このパターンゆえ、でもあるんです。
伊藤
縫いしろがない分、涼しく感じるのかも?
若山
そうですね!
縫いしろがない分ごわつかないので、
それ、ありますね。
伊藤
それも、このシャツの
デザインのポイントになってる感じがします。
若山
型紙の状態で見ていただくと
「おもしろい」っていうのがわかりやすいですよ。
伊藤
すごーい! こんな型紙だったなんて。
かなり、たっぷりと生地を使っているんですね。
若山
そうなんです、面積が大きいでしょう? 
紙で見るとわかりやすいですよね。
平山
製品はコンパクトに見えるんですけどね。
伊藤
nooyには専属のパタンナーさんが
いらっしゃる‥‥わけではない、ですよね?
平山
2人でやってます。
伊藤
えっ、それってすごいことですよ。
デザインもパターンも、って。
何回ぐらい試行錯誤があるんですか。
若山
ハマってしまうものは永遠にハマって、
いつまでたっても出来上がらないんですよ。
平山
そうなんです。
伊藤
最初はシーチング(*)で?
(*)薄手の綿の平織り生地で服の形をつくっていく手法。
若山
シーチングで3回、4回、5回縫って、
サンプルを作って、やっぱ違うとなって、
もう1回再サンプルを‥‥、とかやってます。
伊藤
立体裁断で?
平山
立体のものもありますし、
平面からのほうがやりやすいものもあります。
ものによって違うんですよ。
若山
このシャツ、肌にはりつかないのがいいんです。
夏、シャツがピトッてはりついて、
汗が見えるのが苦手で。
伊藤
汗、そうですよね。
若山
生地や素材の厚さも関係するんですけど、
そもそも、パターンによって
空気が入るか入らないかで、
涼しさの感じ方が変わると思いますね。
伊藤
やっぱり「涼しい」っていうのは
夏の服のポイント? 
若山
そうですね、涼しいこと、
そして、ジャバジャバ洗えること。
平山
見た目の涼しさもね。
ヘムのラインも、裾がカーブしてるので、
横から見ても前から見てもすっきりしてます。
伊藤
さて、このシャツ、
どういうもの合わせたらいいでしょう。
平山
ボトムスの合わせ方しだいで
印象が変わるんですよ。
伊藤
たしかに、黒いパンツとか、合うと思います。

シェイドシャツ(black)/nooy
クロスストラップサンダル(ゴールド)/BARI(2026年6月発売予定)
パンツ 伊藤まさこ私物

若山
パンツもスカートもなんでも合いますね。
涼し気な薄手のデニムもかわいいです。
相手を選ばないシャツです。
平山
うん、絶対合います。
伊藤
たしかに! 
もちろん今回のグラフスカートとも合いますよね。

シェイドシャツ(multi stripe)/nooy
グラフスカート(multi stripe)/nooy
トングサンダル(クラックブラック)/BARI(2026年6月発売予定)

若山
セットアップ風にしてもかわいいですよ。
平山
ワンピース風になって。
伊藤
スカートを穿くときは、
このシャツの裾はインするもの? 
それとも上に出すもの?
若山
インしないほうがかわいいかもしれないです。
伊藤
そうですよね。
そしてグラフスカート。
使っている生地の透け感がちょうどいいですね。
ここには何枚の生地を使っているんでしたっけ。
平山
ストライプは4種類ですね。
ストライプも単色のブラックも
シャツ生地をあえてスカートにしたんです。
伊藤
今回のシャツに合うのはもちろんですが、
ふだんなら、Tシャツとかでも?
平山
Tシャツはもちろんいいですよ。

グラフスカート(black)/nooy
クラウドtee ¥20,900/nooy
トングサンダル(クラックブラック)/BARI(2026年6月発売予定)

若山
シャツなら、フードのついたタイプも
いいんじゃないかな。
カーディガンっぽく前を開けて着るとか。

グラフスカート(multi stripe)/nooy
クルージンシャツ ¥30,800/nooy
フラットシューズ(ホワイト)/Stilmoda

伊藤
フードのついたシャツ。なるほど! 
シャツ素材のパーカみたいな。
平山
あと、ワンピースの下に、
このスカートを合わせる、
という組み合わせもいいですよ。
裾からチラリとのぞかせて。

グラフスカート(multi stripe)/nooy
スカーフドレス ¥42,900/nooy
フラットシューズ(シルバー)/Stilmoda

若山
ペチコート代わりのような使い方。
伊藤
なるほど、それもかわいいですね。

ガラスの向こうに

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時々、訪れる街には、
いくつか気になる場所があって、
そのひとつがバーバー。

木枠のドアの向こうは、
古びたレースのカーテンがかかっていて、
中を覗くと、
お客さん(たいていおじいちゃん)が、
気持ちよさそうに髪を切ったり、
髭を剃ってもらっている。
店主も同年代くらいかな、
もうずっと長いこと
ここでこうして商売をしているんだろうなぁ。
サインポールの年季の入り方が違うもの。

もうひとつは、
その2軒ほどとなりの民家。
色とりどりのあじさいがそれは見事で、
今の季節はわざわざ遠まわりしてでも
見に行く価値があると思ってる。

その斜向かいが昔ながらのテーラー。
ガラス窓の向こうはいつも人けがなく、
店主を見たためしがない。

それをいいことに、
店内をそっと覗いてみると、
あるある、今日も。
木の棚に整然と並んだシャツ生地が。

白、ブルー、白地にブルーのピンストライプ、
白と水色のストライプ。
あれ、あのチェックは前からあったっけ。

塵ひとつ落ちていなさそうなその店内は、
なんとも潔く、
見ているだけで清々しい。
いつか勇気を出して入ってみたいのだけれど、
入り口に「紳士服のオーダー」と書かれているので、
その「いつか」はないんだろうな。

今週のweeksdaysは、
nooyのブラウスとスカート。

いくつものシャツ生地を組み合わせた、
ブラウスとスカート。
かわいいんだけどちょっとボーイッシュ。
なんともnooyっぽい服なんです。

華やか、でも甘すぎない

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伊藤
花柄ではじめて作ったという上着についても
きかせてください。
裕亮
はい、「BLOUSE JACKET(FLOWER)」ですね。
めぐみ
Tシャツやタンクトップの上にサラッと羽織って、
日よけ対策、冷房対策として気軽に着られます。
ビーチや旅行にいくときなんかにも。

BLOUSE JACKET(FLOWER)と同型のCOTTON SILK JACKETはこちら

伊藤
あ、いいですね。
旅先は、外は暑いけど屋内が寒かったりするから、
体温管理に役立ってくれそうです。
花柄のアイテムは1つ入れるだけで
コーディネートの印象が全然変わるから、
旅の少ないアイテムでも
いろいろたのしめそうな感じがします。
裕亮
身幅をたっぷり取っていて
丈がそれほど長くないので、
いろんな体型の方に
バランスがとりやすい形かなと思います。
実は最初に作ったサンプルでは
リボンも身頃と同じ素材にしていたんですけど、
花柄がぼやけた印象になったので、
リボンだけベロアにしたらグッと引き締まったんです。
伊藤
ほんとうだ! 
リボンが際立って、大人っぽく見えます。
ラフに結んでもよさそう。
めぐみ
そうですね。
上をひとつだけ結んでもかわいいですし、
結ばずに垂らしておくと
より甘くない印象になります。
伊藤
うんうん。
それもいいですねぇ。
めぐみ
暑いときは脱いで、
Tシャツの上から肩にかけても
ポイントになります。
伊藤
ストール代わり、
みたいな感じですか?
めぐみ
そうです、そうです。
店頭では
「かわいいイメージだと思っていたけど
私にも着られますね」
と手に取ってくださる方もいて、
意外と甘すぎないアイテムなんです。
一度着ると色違いも欲しくなる、
とお客さまが言ってくださいました。
伊藤
たしかに、
「大人に似合う花柄」ですね。
単体で見たときより、
着るとまたイメージが変わりますね。
こうやって見ていると、
どのアイテムも年中着られそうな気がします。
めぐみ
中に着るものを調整してもらえれば
通年着ていただけます。
パンツも、中にタイツを穿いて
ニットに合わせると素敵かも。
伊藤
それは絶対かわいいですね! 
私はコーディネートが無地になりがちなんですけど、
数年に1回、小花柄ブームが来るんですよ。
めぐみ
えっ。伊藤さんが? 
ごめんなさい、あまり印象になくって。
本当ですか(笑)?
伊藤
そうなんです。
今、ちょうどそのタイミングかもしれません。
ちょうど今日、皇居の横のお花を見て
「うわ~、かわいいな」って思いながら
歩いてきたんですよ。
伊藤
めぐみさんは、このスカーフ、
どんなふうに使われてますか。
めぐみ
頭に巻いたり、
バッグにつけたりしています。
大判というほど大きすぎず、
でも頭にも巻けるサイズなので
使い勝手がいいかなと思います。
伊藤
たしかに。
私、いつも旅に出るときは
このくらいのスカーフに
着替えをまとめて包んでおくんです。
寒かったら包みをといて首に巻けるし、
フェイスカバー代わりにもなるから
一枚あるとすごく便利ですよね。
めぐみ
そうなんですよね。
この花柄は、
首に巻いてもかわいいと思います。
伊藤
カゴの目隠しにしてもいいかも。
この花柄がクローゼットにかかってると、
気持ちが上がりますね。
伊藤
サンダルも、すごくかわいいですね。
めぐみ
ありがとうございます。
伊藤
私、ふだん手にはネイルをしないんですけど、
足には塗ることもあるんです。
赤とか、はっきりしたカラーのネイルでも
自分の目から遠くにあると意外と大丈夫というか。
それと同じように、
花柄はちょっと‥‥という方も、
足元にこのサンダルなら
身につけやすいかなと思いました。
めぐみ
そうですね。
このサンダルは形もシンプルなので
いろんな方に合わせやすいと思います。
コーディネートのポイントにしたり。
伊藤
たしかに。
全体が黒っぽくなりがちなときとかに
色味が足せていいですね。
あと、室内ばきにしてもよさそう! 
ちょっともったいないですけど、
玄関でこれが待ち構えていたら
すごいかわいいなと思うんです。
めぐみ
あ、いいかもしれないですね。
帰ってきたときに
うれしい気持ちになりそうです。
裕亮
ペタッとした形ですけど、
底にクッションが入っているので
履き心地はいいですよ。
パカパカ浮いて歩きづらくならないように、
幅は細すぎず太すぎず、調整しながら作りました。
甲の高さが一番難しかったです。
伊藤
そうですよね。
いろんな足の方がいらっしゃるから‥‥。
裕亮
すべての方に合うものは難しいかもしれないですけれど、
うちの社員の女性には全員履いてもらい、
卸先さんにも履いてもらったりして意見を聞きながら
3回ほど試作をし直しました。
歩いたときにちゃんと足についてきてくれて、
かといってきつくないバランスにしたことが
力を入れたポイントです。
めぐみ
履いていても
疲れにくいサンダルだと思います。
裕亮
これは高齢のおじいさんが、
一人で作ってくださってるんですよ。
伊藤
え?! 
靴職人さんのおじいさんですか? 
裕亮
はい。神戸の職人さんで、
「ここは、もうちょっとこうしたい」
みたいな要望にも応えてくださいます。
黒いアウトソールは上から見えると格好悪いので、
丁寧に削ってもらったり。
伊藤
ほんとだ! 
切りっぱなしではないんですね。
たしかに、上から見ると
花柄の部分だけがきれいに見えます。
裕亮
服だけを作ってきた僕たちにとって
初めての靴となるので、
「どうせ服屋が作った靴でしょう?」なんて
クオリティが低いと思われるものは作らないぞ、
と思っていたんです。
だから見た目のかわいさだけでなく、
サンダルとしてちゃんと履き心地がいいものを
目指して作りました。
伊藤
かわいいだけだと履かなくなりますものね。
これはそういう気になるところがないからか、
履いてみるとすなおに「わぁ、かわいい!」
と思えて気分が上がります。 
花柄に合う格好をしようと思わなくても、
いつもの服に合わせればいいですよね。
めぐみ
ほんとうにそうです。
伊藤さん、お似合いですよ。
伊藤
ありがとうございます。
今シーズン、花柄をたのしみます。
「weeksdays」の読者のみなさんにも
きっと喜んでいただけると思います。
かわいいものをたくさん作ってくださって
ありがとうございます。
めぐみ&裕亮
ありがとうございました!

花柄のシーズンがやってきた

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伊藤
今回は花柄のアイテムをいくつか
取り扱わせていただくんですが、
このシリーズの服は、
どんな経緯で生まれたんでしょう。
めぐみ
これは、ブランドをはじめて2年後くらいから
ずっと使っている柄なんです。
裕亮
前回お会いしたときに、
コロナ禍が僕たちのターニングポイントになって
「COTTON KNIT TEE」が生まれたというお話を
させていただいたんですが、
この花柄も同じタイミングで作った柄です。
それまでは明るい色や柄は使っていなかったんですけど、
気分だけでも明るくしたいという想いで、
2021年の春に出したコレクションです。
めぐみ
明るいといっても
かわいらしい花柄を着る歳ではなくなってきたので、
大人っぽい花柄はないかなと探していたんです。
それで。これを見つけたときには、
今の気分にぴったり! 
と思ってうれしかったです。
伊藤
どうやって見つけられたんでしょう。
めぐみ
プリント生地を豊富に取り揃えている会社へ行って
いろいろ見せてもらいました。
ベースが黒のものを探していたんですけど、
その中でも柄の色味がすごくきれいに出ていて
華やかだったものを見つけて、2人で「これだ!」と。
それからいろんなアイテムに展開していきました。
伊藤
ほんと、きれいな花柄ですよね。
このコバルトっぽいブルーも鮮やかで。
めぐみ
そうなんです。
ここまで細かい花柄なのに、
きれいにプリントされていて
発色もいい生地ってなかなかないと思うんです。
それに、着たときにかわいくなりすぎないのが
私が気に入ったポイントです。
裕亮
たくさん色は入ってるけど派手すぎず、
でも明るい雰囲気の柄なんですよね。
最初に出したときに好評だったので、
23年の春に同じ花柄で白バージョンも作ってみました。
伊藤
お客さまの反応はどうでしたか?
裕亮
卸先さんにも、お客さまにも好印象でした。
伊藤
世の中の女性たちが、花柄を着たくなる
タイミングだったのかもしれませんね。
めぐみ
そうだと思います。
コロナ禍が明ける少し前のタイミングだったので、
明るいものを着たい気持ちは、
作る側の私たちにもありました。
伊藤
最初はどんなアイテムを作られたんですか。
裕亮
初めは「BEAUTIFUL SKIRT」というスカート
一点だけだったんです。
そうしたらお客さまの反応がよかったので、
パンツ、そして他のアイテムに展開していきました。
この柄は今は僕たちしか使っていないので、
「オリジナルペイント」という形で
扱わせていただいています。
今年で6年目になるので、
「この花柄といえばMEYAME」
と思ってくださるお客さまも
増えてきたかなぁと感じます。
伊藤
たしかに。
この前、吉祥寺を歩いていたら、
店先でこの柄が見えたんです。
「あ、MEYAMEだ」と思って。
めぐみ
ああ、うれしいです!
裕亮
最初のスカートを作って、
次にパンツを作ったんですが、
なんとなくこの柄はボトムで使うという固定観念が
僕たちの中にあったみたいで、
あるときふと、
「どうしてトップスは作ってないんだろう?」
と2人で話したんですよ。
試しに上着を作ってみたらすごくよかったので、
他のアイテムも拡げていこうと、
このスカーフが出来上がりました。
伊藤
あら、スカーフは今季初めて登場したんですか。
裕亮
初めてです。
パンツも花柄では作っていたんですけど
今回の形は初めてですから、
スカート以外の花柄アイテムは、
今季が初登場なんです。
伊藤
わぁ。
じゃあ、花柄のシーズンですね。
裕亮
はい。
26年の春は花柄を打ち出そう! 
ということで、いろいろ作らせてもらいました。
めぐみ
この花柄の生地は、
デザインがいいだけでなく
生地の肌触りがよく、ケアがしやすいのも
いいところなんです。
伊藤
どんな素材なんでしょう?
裕亮
ポリエステル100%で非常にしなやかで着心地がよく、
繰り返し洗っても
劣化があまり気にならない生地なんです。
伊藤
そうなんですね! 
たしかに、ポリエステル独特の
シャカシャカした感じがしないです。
めぐみ
すごくやわらかいですよね。
今日の私のパンツも
かなり穿き込んでるんですけど、
ヘタるというよりむしろ
いい具合に肌になじんでくれています。
ネットに入れれば家でも洗濯していただけます。
伊藤
洗濯を気を遣わなくていいのは
ありがたいです。
裕亮
パンツは、
前回のものは太めのワイドで
ベルトを通す形だったんですが、
今季はもうちょっと
気軽に穿いてもらえるものにしたいなということで、
ウエストをゴム紐に変えて
「COZY PANTS」という名前で作りました。
伊藤
リラックスして穿けるパンツ、ということでしょうか。
裕亮
そうです。
ベルトもいらないので、
サッと穿いていただけます。
幅は広すぎないように調整したのと、
丈も、幅広い身長の方に合うと思います。
伊藤
長すぎず、短すぎないですね。
シワもできにくそうだから、
旅に持っていくのよさそうかも。
裕亮
あ、そうなんです。
畳めばかさばらないですし、
僕らもよくお客さまに
「旅行にもいいですよ」
とお伝えしています。

ひさしぶりに花柄を

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映画やドラマを観ようかなとなった時に、
ラブストーリーをえらぶことはほとんどない。
ホラーは苦手だし、
そういえばSFもあんまり観ないなぁ。

好んで観るのはマフィアやギャングもの、
日本の任侠も大好物。

それと「スパイ」と聞くとなぜだかワクワク。

最近の私のヒットはイギリスのドラマシリーズ、
「Slow Horses」(邦題は「窓際のスパイ」)。

英国情報保安部の落ちこぼれたちが、
古びた建物に集められ、
本部からの難題を押しつけられて‥‥
と、ここから先は観た人のおたのしみにしておきますね。

その中の登場人物の一人、
ボスの秘書のキャサリンが身につける、
小花柄の服がとにかくかわいらしい。

白髪混じりで化粧っけもなく、
おしゃれかと聞かれたら、
けしてそうではないのだけれど、
小花柄が好きみたい。

全体的にダークな色合いが、
いかにもイギリスらしいのだけれど、
その暗い画面に
小花柄のワンピースを着たキャサリンが現れると、
ハッとする。

無地の服が多い私ですが、
久しぶりに小花柄を身につけたくなったのは、
キャサリンのおかげかもしれないなぁ。

今週のweeksdaysは、
MEYAMEの花柄。
スカーフ、パンツ、ブラウスジャケット、サンダル。
いろんな花柄アイテムが登場ですよ。

再入荷のおしらせ

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完売しておりましたアイテムの、再入荷のおしらせです。
5月21日(木)午前11時より、以下の商品について、
「weeksdays」にて追加販売をおこないます。

岡澤悦子
ピッチャー

▶︎商品詳細ページへ

ピッチャーに茶葉を入れお湯を注いで、
茶漉しで急須やカップへ。
これが私のふだんの使い方。
急須を使うこともあるけれど、
洗いづらかったり、乾きづらいのがどうにも気になって。
その点、このピッチャーなら手が中まで入るので、
洗いやすく拭きやすい。
毎日使う暮らしの道具って、
手入れが楽、というところも重要なのだと思うのです。

また、コーヒードリッパーもぴったりなので、
コーヒーを入れる時も。

今は、茶葉と水を入れて冷蔵庫に入れて、
水出しの真最中。

‥‥はたと気がつくと毎日、
それどころか1日に何度も使っている、
岡澤さんのピッチャー。

汁切れがよく、
お茶を入れても重くない。
持った時に手にスッと馴染む。
そしてなにより見た目がかわいい!(ここすごく重要) 

また、花を生けたり、
何も入れずにテーブルや棚に置いておくだけでも、
そこに景色が生まれます。

構想からできあがりまでに4年。
岡澤さんとの対談もどうぞ。
(伊藤まさこさん)


杉工場
杉工場の鏡

▶︎商品詳細ページへ

大きすぎず、小さすぎず。
ちょっと鏡が見たいな、という時に
自分の顔が頃合いよく収まるサイズです。

今、我が家は
玄関にかけていますが、
出かける前の最終チェックができてすごくいい。
こういう鏡が欲しかったんです。

作ってくださったのは、
小引き出しでお馴染みの杉工場。
今回も表から見ても横から見ても(裏の部分まで!)
美しく、そしてていねいに仕上げてくれました。

素材は、
オークとウォールナット。
家の家具や、壁の質感、色合いなどを考えて、
合う方をえらんでくださいね。

引越し祝いなど、
贈り物にしても喜んでいただけそうです。
(伊藤まさこさん)

※杉工場の鏡は今回の入荷から価格改定をおこなっています。


Stilmoda
フラットシューズ

▶︎商品詳細ページへ

むだな装飾は一切なし。
すっと履きやすく、どの角度から見てもきれい。
これぞ靴のスタンダード、
という形が人気のStimoda フラットシューズ。

カジュアルにも、
またちょっとおしゃれをしたい時にも、
コーディネートしやすいのはシンプルな形だからこそ。

久しぶりの販売となる今回のカラーは、
シルバー、ゴールド、ホワイト、ブラックの4色。
どれにしようか迷うところですが、
いっそのこと数色揃えてしまおうかな。
そんな気分にさせてくれる、
求めやすい価格も魅力です。
(伊藤まさこさん)

今季のアイテムのおすすめポイントは

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伊藤
今シーズンの新作も魅力的ですよね。
カーゴパンツは、
前回から素材がちょっと変わったんでしたっけ。
藤井
はい。
「リラックスシルクカーゴパンツ」といって
シルクベースの素材と形は前回とほぼ同じで、
すごく着心地がいいんです。
たためばコンパクトになってシワにならないし、
家で洗えるのもいいですよね。
冨田
カーゴパンツ
毎年夏にヘビロテしてます。
伊藤
たしかにこのパンツは
一度穿くとずっと穿いちゃう。
シルクだから、風をはらむ感じで涼しいですよね。
冨田
汗をかいてもまとわりつかないです。
友達が「穿きすぎて破れそうだから、
もう一枚買った」って言ってました。
伊藤
知り合いにも
「あれ、また入荷する?」
って聞かれますよ。
寒い季節は中にレギンスやタイツを合わせればいいから、
年中着られますしね。
冨田
今回のも生地感がすごくいいですね! 
太田
そうなんです。
「リラックスシルクパンツ」、
私は買うって決めてます。
藤井
私ももちろん買います。
伊藤
ふふふ。
これぞファンクラブ。
太田
同じ素材の「リラックスシルクドルマンシャツ」は、
うしろのギャザーがかわいいんですよ。
伊藤
パンツとあわせて、
セットアップで着るのもすごく素敵ですよ。
「weeksdays」のヘアメイクをしてくださっている
草場妙子さんは、
ブラックの上下を買いたいっておっしゃてました。
シャツをインすると、
オールインワンみたいにも見えるんですよね。
冨田
ほんとだ。
これはセットアップで欲しくなりますね~! 
トップスは袖丈が長めのショート? 
藤井
はい。
五分袖だから、
上品な印象で着られます。
冨田
yamaiのデザインって、
普通そうに見えて
普通じゃないんですよね。
「トリコットサッカーワイドパンツ」も、
欲しいなあ。
藤井
それ、私が今穿いてます。
冨田
出た(笑)。
藤井さんが今日着てるトップスも
「t.yamai paris」ですか? 
藤井
そうです。
裾にフリルがついていて素敵なんです。
これと似た形で素材がシアーなのが
「ソフトクレープシアーシャツ」。
これもすごく涼しいですよ! 
太田
名前はシャツだけど、
羽織ってカーディガン風にも着られますよね。
藤井
そうそう。
ボタンを全部開けるか、閉めるかで、
だいぶ印象が変わります。
伊藤
透け感はあるけど、
セクシーになりすぎない。
着回しが利くアイテムだと思います。
太田
「t.yamai paris」の夏の服って、
涼しいけど、だらしなくはないんですよね。
キリッとした印象で着られます。
冨田
たしかに。
yamaiさんが暑がりだから
涼しいアイテムばかりなんでしょうか。
伊藤
選んでる私が暑がりなの(笑)。
太田
暑がりの伊藤さんが選ばれてるから、
「weeksdays」で扱うものは絶対に涼しいという
お墨付きだと私は思ってます。
伊藤
そうなんですよ。
とくに最近の夏の暑さって耐えられないほどでしょう。
でも、だらしないのは嫌だし、
シワや汗染みも気にしたくないし。
そういうのをうまくかわしてくれそうな気がします。
太田
着心地がいいのに、
「楽してる服」に見えないのが
すごくいいですよね。
冨田
どうしよう。
欲しいものがありすぎて選べない‥‥。
太田
そうでしょう、そうでしょう。
藤井
見てると全部欲しくなりますよね。
伊藤
売り切れちゃったけど、もう一回着たい! 
みたいなものも作ってもらえるといいですね。
「この形で、別の素材でお願いします」
とか、できるかしら? 
藤井
別注、したいですね。
ファンクラブがよろこびます! 
太田
ね。ご相談してみましょう。
今後もyamaiに注目していきます。
伊藤
たのしみですね。
ありがとうございました。
一同
ありがとうございました。

上:リラックスシルクドルマンシャツ
下:リラックスシルクカーゴパンツ

それぞれの着こなしができる服

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太田
藤井さんもyamaiの服、
すごくたくさん持ってますよね。 
藤井
すっごく持ってます。
私も「weeksdays」で知って、
最初に買ったのが今日も着ている
「トリコットサッカージャケット」
これでもう大好きになってしまいました。
「トリコットサッカーワンピース」なんて、
ブラックとネイビーとブラウン、全色着てます。
太田
全色揃えてたんだ(笑)! 
ジャケットはほぼ日の中でも
持ってる人がすごく多いアイテムですね。
伊藤
パリにいる私の知り合いも
持ってる方が多いです。
長時間着ていても、脱いで畳んでも
クシャクシャにならないから、
飛行機の移動なんかも楽なんですよね。
カメラマンの有賀傑さん、男性だけど、
すごくお似合いで、気に入って着てくださっているし。
藤井
そうなんです。
だから色違いで揃えました。
太田
実は私もブラックとブラウンを持ってます。
冨田
そうなんだ! ジャケットって、
あんまり着ていくところがないなぁ、
と思っちゃって‥‥。
伊藤&太田
これはカーディガンです!
冨田
声がそろった(笑)。
え、カーディガン感覚で着ればよい、
っていうことですか。
太田
そうなの。ジャケットだけど襟がないので、
ほんとにカーディガン感覚で着られますよ。
今日は私、デザイナーの自子さんの着こなしを真似して
このジャケットの下にセーラーカラーのシャツを着てます。
セーラーカラーって初めて買ったんですけど、
こういうチャレンジングな形も
yamaiのなら着られるって思えるんですよね。
藤井
私も、フリルつきの服に挑戦したのは
「t.yamai paris」がきっかけでした。
太田
ね。
ほかのだと似合わないかもしれないって
不安になるけど、
挑戦させてくれる何かを持っている気がします。
伊藤
たしかに。
「トリコットサッカーワンピース」も
胸や背中の開きが広めだったりするんだけど、
なぜか大丈夫なんですよね。
藤井
袖の広がり方もふわっとしてるので
かわいすぎるかなって思ったんですけど、
着ると全然そんなことなくて。
涼しいしシワにならないし、すぐ乾くので
気づけば全色持っていました。
太田
好きな形だと絶対着るから、
色違いで欲しくなっちゃうんですよね。
あと、サイズ感もすごくいいなと感じます。
私は身長が163cmで少し高めなので
他のブランドだとサイズによっては
小さく感じるものもあるんです。
でもyamaiの服はワンサイズ展開だけど
合うかどうか気にしなくていいというか。
その人にちょうどいい感じで着られる気がします。
冨田
たしかに。
私も背が高いけど、
サイズや丈は気にしたことないかも。
太田
ジャケットも、
少し大きめのつくりに見えるけれど、
社内の小柄な人たちも違和感なく着てますもんね。
いろんな人に似合う形になってるのが
すごいなと思います。
伊藤
そうか。
「t.yamai paris」が他の服と違うところは、
服のほうからその人に合わせてくれる、
ってことなのかな。
太田
たしかに! 
「weeksdays」のチームメンバーでも、
同じ服を着ているのにあまり気づかないんですよ。
服の趣味がまったく違う人が
yamaiの同じ服を着ていても、
その人の着こなしになってる。
冨田
そうだ、そうだ。
個性的な組み合わせもできるし、
シンプルな着こなしもできるのがすごいですよね。
伊藤
そこはパリのエッセンスなのかな。
「その人に合う」。
藤井
そうですね。
だから、緊張感がなく着られるのかも。
太田
でも、見た目はリラックスしすぎず、
「おしゃれな服を着てる」
っていう気持ちになれるからうれしいんです。
お取引やインタビューで自子さんにお会いすると、
yamaiの服をさりげなく着こなしてらっしゃるのが
すごく素敵で、
見ているといつも欲しくなるんですよね。
伊藤
奥さまの自子さん、
本当にお似合いですものね。
シーズンごとに展示会に行くけど、
すごくアイテム数が多いというわけではないのは、
自子さんが本当に着たいものだけを
作ってらっしゃるからなんだなと思って。
藤井
そうですね。
それを孝さんとお二人で
形にされているんでしょうね。
伊藤
自子さんは私より少し年上だと思うんだけど、
その年代の方が考える服だから心地よく着られる
というのもある気がします。
腰まわりやお尻を隠したいとか、
30代の人が着たい服とはやっぱり違うから。
太田
でも、
「隠してます」という感じのシルエットじゃないのが
いいですよね。
伊藤
そうそう、そうなの。
あくまで形はきれいなんです。
太田
山井さんと自子さんからは、
どこかパリっぽい雰囲気を感じません? 
藤井
そうそう。
佇まいがパリっぽくて素敵ですよね。
伊藤
私が出会ったのは
山井さんのパリのお宅に伺ったときでした。
20年以上前になるんだけど、
その頃は山井さんのお子さんも小さくて、
子ども服も作ってらして、
すごくかわいかったです。
しばらく経って東京に帰っていらして、
展示会があるというので伺ったら、
もう全部欲しいくらい素敵だったんです。
それで、「weeksdays」のみんなに
このブランドを取り扱いたいって伝えて、ね。
太田
はい。みんなで
「あれもこれも、かわいい!」
って盛り上がりました。
冨田
こういう服、他にあまりないですよね。
私はワードローブの中身をわりと入れ替える方で、
また欲しくなったら買えるなと思うものは
姪っ子にあげたりして手放すんです。
でも、yamaiの服はずっと置いてます。
太田
また次のシーズンで同じようなものが買えるか
わからないし、みたいな。
冨田
飽きずにずっと着たいなと思えて
長く残っているのが
「t.yamai paris」の服なんですよね。

上:シアークレープペプラムシャツ

「この私にも着られる」不思議

未分類

伊藤
今日はほぼ日の乗組員の中で、
とくに「t.yamai paris」の服が大好き! 
という方に集まってもらいました。
太田
はい。
私たち「yamaiファンクラブ」を自認しております。
伊藤
太田さんと藤井さんは
「weeksdays」チームだから
yamaiの服はよく知ってますものね。
冨田さんはどうやって知りました? 
冨田
私も「weeksdays」のwebページを見て
このブランドを知りました。
最初、2020年に販売されていた
リバティプリントのワンピースを見たときに
「なんだ、この素敵なリバティは!」
ってびっくりしました。
リバティプリントって
すごくかわいくて好きなんですけど、
ずっと、着るのをためらっていたんです。
伊藤
わかります。
リバティプリントは素敵だけれど、
服になったときに、
自分が選べるものと選べないものってありますよね。
私も、あれは“着られる”リバティでした。
冨田
そうなんです。
「私でも着られそう!」と思って、
初めて「t.yamai paris」の服を買いました。
実際に着てみたら、
柄がかわいいだけでなく
形がすごくきれいだし着やすかったので
すっかりファンになってしまって。
これを着ていると、よく褒められます。
伊藤
そうそう、見た目だけじゃなく、
yamaiの服って、
着てみてはじめてわかることがあるんですよね。
冨田
このワンピースを買ったあとに、
ちょうどコロナ禍に突入したんですね。
断捨離をする人が増えた時期で、
私もほぼ全て捨てるつもりで整理したら、
クローゼットの中がものすごくシンプルになったんです。
着回しのきくベーシックな服ばかりが残ったあとで、
それを目指してしたはずなのに、
「なんだか退屈だな」って気づいて。
伊藤
その気持ち、わかります。
これだけでいいと思ったのに、
あれ? やっぱりよくなかったな、
って気づいちゃう。
冨田
そうなんですよね。
そこで太田さんに相談したんです。
「おーちゃん、私のワードローブが退屈なんだけど、
どうすればいいと思う?」って。
そしたら「t.yamai parisの服がいいと思いますよ」
って言ってくれて。
太田
えっ。そんなことありましたっけ? 
記憶が‥‥(笑)。
伊藤
でも、すごく的確なアドバイス。
冨田
それで、あのワンピースのyamaiか!
と思って、さっそくネットで
「t.yamai paris」のオンラインストアを訪れて、
今日穿いているスカートを買いました。
他にはブルーのチェックのシャツも持っています。
私、ふだんは柄物はすぐ飽きてしまって
あまり長く着られないんですね。
でも、yamaiのデザインは
柄でもコーディネートの中にすっと溶け込んでくれて、
着やすくて飽きないんです。
伊藤
そうなの。
シンプルなだけじゃないんですよね。
冨田
柄やデザインがちゃんとあるけど、
悪目立ちもしない。
ブルーのギンガムチェックのトップスも
持っているんですけど、
これもさすがだなって思いました。
ギンガムチェック柄は好きなので
これまで何度も挑戦したんですけど、
いざ着てみると似合わなくて何度も失敗しました。
yamaiのは胸元にフリルまでついているのに、
違和感なく着られたし、飽きないんです。
伊藤
ギンガムはギンガムなのにね。
ほんと、何が違うんでしょうね。
太田
Vネックのフリルブラウス
ギンガム柄がありましたよね。
売り切れるのが早かったです。
伊藤
これ、かわいかった! 
フリルでも甘くならないのが不思議でした。
冨田
ほんとに。
フリルもリバティと一緒で、
着たい気持ちはあるんですけど‥‥。
太田
私には無理かも、って思っちゃうんですよね。
私も他のリバティは難しくても、
yamaiの服なら着られます。
伊藤
それって、なんでだと思う? 
藤井
形とか色、ディテールのバランスですかね。
フリルやギャザーがたくさん入っていても、
かわいくなりすぎない。
伊藤
冨田さんが着てる開襟シャツも、
うしろにギャザーがたっぷり入ってますものね。
太田
前から見るとシンプルで、
後ろだけフワッて広がるんですよね。
伊藤
こういうところが、
絶妙なんだよねぇ。
冨田
はい。
ただの無地じゃないんです。
形が本当にきれいだし、素材もすごくいい。
太田
柄や素材の落とし込み方が
他の服とは違うというか、
「t.yamai paris」ならではの形になっている気がします。
冨田さんの買われたリバティのワンピースも、
わりと腕が出る形だから
「weeksdays」のお客さまに
欲しいと思っていただけるか不安だったんですけど、
発売してすぐ売り切れちゃたんです。
だから、腕が出ていても、
素敵なものだったらいいんだ! 
って思いました。
伊藤
たしかに。
素敵に見えるのが一番うれしいですものね。
冨田
どれも重宝するものばかりなので、
気がついたら一枚、また一枚と
増えていっています。

上:リラックスシルクドルマンシャツ
下:リラックスシルクカーゴパンツ

再入荷のおしらせ

未分類

完売しておりましたアイテムの、再入荷のおしらせです。
5月14日(木)午前11時より、以下の商品について、
「weeksdays」にて追加販売をおこないます。

SLOANE
ウール天竺 ニットTシャツ

▶︎商品詳細ページへ

去年、このTシャツとの出会いがあり、
なんとよい素材なのだろう‥‥と感激。
無くなってしまったら困ると思い、
グレーを5枚ほど買っておきました。

着ていると、よく聞かれるんです。
「どこの?」と。
シンプルだからこそ引き立つ素材のよさ。
いつものデニムも、いつものジャケットも、
このTシャツと合わせると、
なんだか上質に見えるのです。

裾に切り替えのあるこちらのデザインは、
自然にブラウジングが生まれて、ウエストまわりもすっきり。
実はこのディテール、以前にも展開していた形で、
今回はそのリバイバルなんです。

そのあたりの話は、
代表の大貫さんがくわしく説明してくださっていますので、
コンテンツをぜひご覧ください。

カラーは、
ミディアムグレー、ネイビー、ブラックの3色です。
(伊藤まさこさん)

急ぎ足で夏が

未分類

日を追うごとに増していく日差しに、
気持ちがついていけない。
夏に向かう速度が、
年々早まっているような気がします。

つい昨日は、
約束の時間ぎりぎりになってしまったので、
早足で向かっていたら、
到着する頃には汗ばんでいてびっくり。

汗!? 

ちょうどその日、ニュースを見ていたら、
40度以上は「酷暑日」と呼ぶことになったとか。

「猛」もすごいけれど、
「酷」もすごいよね。
その先がないことを祈るばかりです。

仕事のペースをゆるめたり、
避暑に出かけたり。
暑いのが苦手な私にとっては、
どうやって夏を乗り切るかを、
真剣に考える毎日です。

今週のweeksdaysは、
t.yamai paris の初夏の服。

暑い。
でもおしゃれはしたい。
そんな方にぴったりの服をたくさん揃えましたよ。

自分の中にいる先輩たちのこと

未分類

小林
買い物をすぐに決められるか、迷うかで言うと、
店に仕入れるものに関しては、
けっこう判断が早いかもしれないですね。
「あ、これは店に合わない」
っていうのはすぐ決められます。
けれども、自分の買い物だとちょっと迷う部分はあります。
伊藤
そうなんだ?!
小林
自分のお店の場合はトンマナ(*)が
決まってるから、それに沿うかどうかだけで
いいと思うんですけど、
自分の買い物って「逆に」がありうるじゃないですか。
自分の店に置かないだろうけど惹かれるな、
っていうものがたまにあるんです。
だから自分のテイストであり、
かつ惹かれているものを選ぶか、
普段の自分のテイストじゃないけど、
なんか惹かれちゃうこっちにするか、
っていうとこで迷うことはたまにあるんです。
(*)トーン&マナー。
トーンは色調や雰囲気のこと、マナーは様式や作法のこと。
ブランドやショップにおいては、世界観を統一し、
まっすぐにイメージを伝えるための指針となる。
伊藤
それは、でも、買う?
小林
買っちゃうこともありますね。
たとえばこんな馬の置物があって。
伊藤
へえー! これは小林さんのテイストとは
違うものなんですか。
小林
そうです。こういう具象的なモチーフがあるものって、
自分の店では選ばないんです。
これは数年前に知り合った、
元々アンティークディーラーをやってる
ブラジル出身でヘルシンキ在住の
デイビッド・ダ・シルバ(David da Silva)さん
っていう方が数年前に陶芸を始めて、作ったものなんです。
最近はけっこうこの馬の置物を作ってるんですけど。
伊藤
陶なんですね。
小林
そうなんですよ。これは何年か前に
東京で初めての個展があって、
ただ見に行くつもりだったんですけど、
このおぼこい(あどけない、幼い)感じに惹かれて。
伊藤
なるほど。
小林
たぶん次回の展示のときはもうちょっと上達して、
この素朴な感じは戻らないかもしれないなと思って、
それで買っちゃったんです。
見るとちょっと和むというか、気に入っているんですよね。
伊藤
知り合いの画家さんが、
以前から見てくださっている人に、
「上手くなっちゃったね」って言われたそうです。
「上手くなると面白くない」って。
小林
そう! それって物づくりをする人の
ジレンマだと思うんですけれどもね。
伊藤
続けていれば、上手くなっちゃいますからね。
小林
智慧の実を齧っちゃう。
でもそれも一つのプロセスだと思うので、
またそこから離れるかもしれないし。
伊藤
それにしても‥‥私たち、きりがないですね。
ずっとしゃべっていられますね。
小林
そうですね。
伊藤さんとお話しをして、
いろいろと思い出すことができました。
伊藤
いろいろとたいへんな部分はありますけれど、
お店作りって面白いですね。
小林
やっぱり面白いですね。
そりゃ、店があることによって物理的に拘束されますし、
移動したいのに持ち場に戻んなきゃいけないっていう
ジレンマがありますけれども、
移動しなくても居ながらにいろんな人が来てくれて
お話をすることによって自分が旅した気分になるというか、
そんな面白さもありますね。
伊藤
お客さまから教えてもらうこととかもありますか。
小林
もう、ほとんどお客さまからですよ。
伊藤
そうなんですね。
小林
もうそればっかりです。
僕、お店の修行とかいっさいしていませんし、
物については自分よりも詳しい方だらけだと思うので、
お客さまから教わる立場です。
27年続けてるわけなので、
いつまでもそんなこと言ってたら
あんまりよくないかもしれないですけど。
でも知ったかぶりしないで、
知らないことは教わるっていうスタンスが
大事かなと思ってます。
伊藤
(ファイルを見返して)それにしても、
こういうの、ちゃんと残ってるってすごいです。
小林
そうですね、これは原点として。
いろんな影響を受けているんですよ、
予備校の先輩が澁澤龍彦(*)が好きだったりとかして。
(*)澁澤龍彦(1928-1987)は小説家、翻訳家、
フランス文学者、評論家。日本の幻想文学の第一人者。
伊藤
そして人生を決めるとき図書館が大きな役割を。
小林
そうですね、図書館で見る本が効いてましたね。
『別冊太陽』の瀧口修造(*)特集では、
瀧口が生前オブジェの店を夢想していたと知り、
OUTBOUNDの構想の中には
そのエピソードもちょっと色濃く
影響していたかもしれないです。
(*)瀧口修造(1903-1979)は
美術評論家、詩人、画家。
収集した美術品は1万点に及び、多摩美術大学、
富山県美術館、慶應義塾大学に収蔵されている。
伊藤
そうなんだ。
小林
そういえば、予備校時代に池袋の西武百貨店で
12階にあったロフトフォーラムで
澁澤龍彦展(*)をやってたんですよ。
デパートなのに、さすが、すごいなと思って見てみたら、
そのインパクトがもう! 
ヴンダーカンマー(**)っていうんですかね、
ああいう影響もあると思いますし。あとセゾン美術館で98年にあったバウハウス展もちょうど予備校生のときに見に行ったんですけど。あ、違う、95年だ。95年がバウハウス展で。
(*)1994年開催の「世紀末の水先案内人
澁澤龍彦展 ドラコニア・ワンダーランド」。
自らの幻想的な世界観を象徴する物を展示。
「ドラコニア」は「龍の国」の意味。
(**)Wunderkammer=驚異の部屋。
15~18世紀のヨーロッパで貴族や学者が収集した
自然物や人工物を並べた部屋のこと。
のちの「博物館」の原型となった。
伊藤
柳宗理展(*)とかもやってましたよね。
(*)1998年に開かれた「柳宗理 デザイン」展。
柳宗理(1915-2011)はインダストリアルデザイナー。
家電、生活道具、オーディオ、家具などの家庭用品から、
東京や札幌冬季オリンピックの聖火コンテナや
つり橋、地下鉄駅の設備、高速道路の防音壁に至るまで
大小さまざまな工業デザインを手がけ、
戦後日本のインダストリアルデザインにおける
最大の功労者と言われている。
小林
ありましたね。それが98年でした。
大学3年生のときに見に行きました。
伊藤
よく覚えてますね!
小林
あれがいつだったかっていうのを
あとになって調べたんですよ。それで覚えているんです。
95年がバウハウス(*)で98年が柳宗理展。
その2つは影響を受けました。
あとで知ったのが92年にセゾン美術館で
シェイカー展(**)をやってたそうなんですよ。
それは見たかったなあと思うんですけどね。
(*)「バウハウス 1919-1933」展。
バウハウスはにかつてドイツに設立されていた
建築・デザイン・美術・工芸の教育機関。
モダンデザインの基礎となった。
(**)「シェイカー・デザイン 祈り・労働・生活の美・
19世紀アメリカにシェーカー教徒たちの残したもの」展。
家具・木工・家庭用品・道具・
衣服・テキスタイルなどを多数展示した。
伊藤
それ、知らなかったです。
小林
92年だと僕は高2ぐらいだったので、
当時は知りませんでした。
シェイカー展とバウハウス展と柳展は
新見隆(にいみ・りゅう)さんという
同じキュレーターの方が手掛けたそうなんですよ。
僕の中で「セゾン美術館機能美三部作」って
勝手に呼んでるんですけど。
伊藤
当時の西武美術館、セゾン美術館はすごかったですね。
小林
そうですね。やっぱりアール・ヴィヴァン(*)とか、
当時のセゾン文化の影響は強かったですし、
残り香かもしれないけど、
ほんのり今も影響を受けてる立場ではありますね。
(*)アール・ヴィヴァン(Arr Vivant)は
西武美術館に併設されていた美術書専門店。
同名の機関誌も発行していた。
系列店に渋谷西武には「カンカンポア(Quincampoix)」
という洋書店があった。

あと、ごく初期の無印良品にも衝撃を受けました。
81年から83年、小学校1、2、3年生の時、
僕はシンガポールにいたんですけど、
日本人クラブっていう文化会館みたいなのがあって、
そこの売店で無印良品のテスト販売をしてたんですよ。
文房具が好きだった僕は、
そこでクリア塗装だけの鉛筆を見て、
小さい衝撃を受けたのを覚えてます。
それが後々、僕がシンプルなものに惹かれる
源流の一つになってるかもしれないです。
長く、機能的なものに惹かれてたんですけど、
OUTBOUNDをオープンしてからは
どんどんプリミティブな方向になっています。
そのきっかけのひとつが、2010年に、
ラオスで布づくりをされてた
谷由起子さん(*)を訪ねたこと。
谷さんの仕事場がラオスのルアンナムターというところに
あったんですけど、そこでレンテンや
クロタイの人たちの村に行ったとき、
素朴さが残るたくましい暮らしぶりに
けっこうな衝撃を受けたのがあとからじわじわきいてきて。
最初、OUTBOUNDをオープンしたときは、
かなりすっきりした店だったんですけどね。
(*)谷由起子さんは長くラオスに暮らし、
生活に必要なものを自らの手で生み出している
少数民族の人々と一緒にものづくりをしてきた。
「ほぼ日」ではコンテンツ「布のきもち。」シリーズ
その活動を追っている。

伊藤
そうですよね、最初と今では、
お店のイメージが変わったような気がします。
小林
やっぱりそうですか。2010年、ラオスショック。
どんどん土っぽい感じのものが増えてきているのは、
あの時ラオスで受けた静かな衝撃が
尾を引いてるんだと思うんですよね。
そこから「土から生えてきたようなたくましいもの」に
惹かれているんです。
いろんな背景を持った物や人が行き交う場所っていう
意味を込めて最初の店を
Roundaboutって名付けたわけですが、
ふだんも「それはどこから来ているのか」を考えます。
自分自身、親が転勤族で、転校をしていたので、
いろんなところに身を置いたから、
そういう根無し草的な部分が影響しているんでしょうね。
あとヒップホップが好きということも
関係しているかもしれません。
伊藤
へえー。意外!
小林
あの文化の根幹ってサンプリングにあると思うんです。
僕がやってることも、
物をいろんな文脈から引っ張って、それを再構築している。
そういうコラージュ的な部分って、
ヒップホップのサンプリング的なところと
かなりリンクしてるんじゃないかなあと思っていて。
伊藤
小林さんのことをお聞きすると、
興味が尽きません。
またあたらめてお話しさせてくださいね。
今日は、ほんとうにありがとうございました。
小林
いやいや、こちらこそです。
たのしみ展でお目にかかりましょう。
伊藤
はい、ぜひ!

セレクトショップは「編集」です

未分類


▲展示・販売されている服は「ほぼ日」でもおなじみのMITTANのものがたくさん。
小林さんとMITTANのことについては、こちらのコンテンツもどうぞ。

小林
一昨年、中国の杭州の美術館で
古道具坂田の坂田和實さんの回顧展(*)が
あったんですけど、
その会期後半に合わせて美術館のエントランスで
ポップアップをやらせていただいたんですよ。
(*)坂田和實は1945年生れの美術評論家、
骨董収集鑑定家、随筆家、骨董商。2022年没。
「古道具坂田」は2020年まで東京・目白で営業。
展覧会は2024年3月21日から7月21日まで、
中国・杭州の天目里美術館BY ART MATTERSで
「古道具坂田 僕たちの選択」として、
青柳龍太さんのキュレーションのもとに開かれた。
伊藤
日本から商品を持っていったんですか。
小林
持っていったんですよ。
そのときは、坂田展をご覧になる前だったり、
ご覧になったあとだったりのお客さんが
お店に立ち寄ることを前提として、
ハレーションが起きないような構成にしました。
自分なりの坂田さんへの応答として
何がふさわしいかと考えた上での陳列でした。
伊藤
じゃあどこに行くときでも
OUTBOUNDとRoundaboutを
いつでもそのまま店ごと持って行けるような
パッケージにしているんじゃなくて、
その場所に合うように、セレクトし直して?
小林
そうですね。
「編集」ということを意識してるんです。
伊藤
セレクトショップって「編集」ってことですものね。
小林
ほんとにまさに、そうです。
これが坂田展のときのポップアップの写真です。
伊藤
素敵ですねえ。
小林
大きい空間の中なので、
そのままだと訪れる人の意識が分散してしまうため、
陳列する空間を仕切る必要があると考えました。
これぐらいのサイズ感でお願いしますってことを
寸法入りのスケッチで伝え、
壁も展示台も特注で作ってもらいました。
伊藤
物がいっぱいありますね。
小林
右からRoundaboutのものからOUTBOUNDのものに
グラデーションになるように陳列したんです。
右から左に行くにつれて抽象度が上がってくみたいな。
その後ろで坂田さんの展示をやってたんですよ。
伊藤
このポップアップをやってくださいと
声をかけられたときどう思いました? 
嬉しかった? 緊張しましたか。
小林
嬉しいのと、当然緊張もありました。
僕は坂田さんにお会いする機会はあったにしても、
「古道具坂田」には行けずじまいだったんです。
松本市美術館の「素と形展」(*)ですとか、
「museum as it is」(**)には
お邪魔してたんですけど。
(*)2004年に開かれた、坂田和實・建築家の中村好文・
グラフィックデザイナーの山口信博による道具の展覧会。
(**)千葉県長生郡にある、
坂田和實が創設した小さな美術館。
アフリカ,ヨーロッパ、東洋の国々の日用品を展示。
伊藤
そうなんですね。でも古道具坂田には行ってなかった。
小林
行きそびれちゃったんです。
「素と形展」のときに、坂田さんの著書
『ひとりよがりのものさし』が出たじゃないですか。
あれを当時買ったんですけど、
スリーブから出さないで大切にしまってたんですよ。
だけど杭州でポップアップをやらせていただくにあたって、
自分なりの応答をする上で『ひとりよがりのものさし』は
数少ない手がかりの一つになると思って、
20年近く越しに開きました。
それにしても、今まさこさんがおっしゃった
「セレクトショップは編集」って、
ほんとまさにおっしゃる通りです。
伊藤
まさにそうですよね。
小林
さっき、IDÉEを記念受験したって言ったじゃないですか。
そのとき、当時代表だった黒崎輝男さんが
志願者に向けてお話をされたんですけど、
「我々は家具を売ってるけど家具屋ではなく
編集をしている集団なんだ」ってことをおっしゃって。
「あ、編集ってこういうときにも使われるんだ」って
そのとき初めて思ったんです。
それがほんとに編集っていう言葉を
再認識、再定義された瞬間で。
だからやっぱり陳列は、イコール、編集です。
伊藤
ただ物を並べるだけじゃないんですよね。
小林
そうですよね。なのでどういう場なのかで、
どういう陳列をしたらいいかは変わっていく。
杭州の美術館のエントランスのような
大きい空間の中での展示は、
まずは空間を仕切ることで
視界をフレーミングする必要があると思って、
壁と展示台を作ったんです。
そして物の具体的な機能から抽象的な働きに
グラデーション的に移行する
というふうに見せたかったので、
什器はなるべく存在感を消した方がいいと考え、
真っ白にしました。
そんなふうに、その場所場所によって変えているんです。
伊藤
前にみんなが金沢に集まったとき、
車何台かで富山の骨董市に行ったことがありましたよね。
小林
面白かったですね、あれ。
伊藤
みんな、てんでバラバラに物を見てるのに、
帰る前に「何を買ったの?」と見せ合ったら、
それぞれ、ちゃんと、その人っぽいのを選んでいるんです。
小林
そうでしたね。
伊藤
それを考えるとスタイリストってほんと不思議な職業で。
自分で物を作ってないじゃないですか。
でも、その人ごとにいろんなテイストがある。
つまりセレクトショップもそうなんですね。
小林
「何を選ぶか」っていうのはその人なんです。
河井寛次郎も「もの買ってくる 自分買って来る」(*)
って言ってたと思うんですけれども。
陳列については柳宗悦が
「陳列はそれ自身一つの技藝であり創作であって、
出来得るなら民藝館全体が一つの作物となるように
育てたいと思う。」(**)と書いています。
だから、ゼロから作ることだけが
作るっていうことではないと思うんですよね。
(*)河井寛次郎(1890-1966)は陶芸家。
民藝運動の中心的な人物で、この言葉は著書
『いのちの窓』に書かれている。
(**)柳宗悦(1889年-1961)は
美術評論家、宗教哲学者、思想家で、
民藝運動の主唱者。
この言葉は『民藝四十年』に記されている。
伊藤
そうなんですよね。
小林
物を作っている人も、
ほんとの意味でゼロから作っているわけじゃなくって、
やっぱり今までの物づくりのベースがあって、
そこから生まれて来る、っていうのはあるでしょうし。
伊藤
それこそインターネットでなんでも調べられるけれど、
わざわざ「ほぼ日」や「weeksdays」を見てくれたり、
足を運んでOUTBOUNDに来てくれるってことは、
やっぱりその人のセレクトが見たいっていうことですよね。
小林
はい、そうだといいなあと思います。
伊藤
ちょっと迷ってるものがあったとき、
例えば小林さんがいいって言ってくれたら、
急に自信が持てることもありますよね。
小林
僕にとっては、伊藤さんが勧めてくださった野田琺瑯が
まさにそのいい例ですよ。
ほんとにいいきっかけになりました。
だから人に伝える時は
「伊藤まさこさんが」と言ってるんです。
筋を通すって大事だと思ってて、
誰かからもらったものを自分の手柄にするのって、
一番ダサいじゃないですか。
だからそれはちゃんと伝えるべきだって、
自分の中で思っているんです。
伊藤
それはありますよね。
「これは友達からもらって知ったんです」みたいに、
私もそう原稿に書きます。
小林
だいじなことですよね。
伊藤
好きなものをお客様に買ってもらう方に導く、
私たち、そういう仕事であって、
「私が」ではないので。
小林
そうですね。迷ってたら
絶対買った方がいいって思うんです。
やっぱり迷ってるっていうことは‥‥。
伊藤
おっしゃりたいこと、わかります! 
小林
迷い方の質によるかもしれないですけれど。
ほんとはめちゃめちゃ惹かれるけど、
例えば後々これも買わなきゃいけないからというような、
予算的な意味で迷ってるんだったら、
そのめちゃめちゃ惹かれるものを
まずは買った方がいいと思うんですよ。
だけど、こういうカテゴリーのものが必要で、
目の前にそれに該当するものがあり、
必要ではあるけど、自分の中で決定打がない、
っていう意味で迷ってるんだったら、
無理して買わない方がいいって思うんですよね。
伊藤
買い物って面白いですよね。
その人がすごく出る。
小林
そうそう、そうそう。で、面白いのが、
パッと決められる人はパッと決めるんですよ。
伊藤
小林さんはどちらですか。決められる方ですか。
小林
僕は決められる方だと思ってるんですけど、
一度でも迷いの方に入っちゃうと
決められなかったりもします。
伊藤
でも人の意見を参考にしないですよね。
小林
そうですね。自分の好きで決めちゃう。

スクラップブックを抱えて

未分類

伊藤
お店の設計を依頼するにあたって
当時、小林さんが用意したファイル、
とても興味があります。
今もお持ちだったら拝見したかったな。
小林
ありますよ。持ってきますね。
‥‥こういうものなんです。
伊藤
わぁ! ‥‥すごい。いろんな絵やシーンが‥‥。


▲資料には、詩人・写真家・デザイナーの北園克衛、現代美術家のヨーゼフ・ボイスやマルセル・デュシャン、そして第1回シュルレアリスム展の写真などがモノクロコピーでファイルされています。ほかにも画家のフェルメール、ワイエス、バルテュスの作品も。

伊藤
どれも、印刷物からコピーしたものなんですね。
カラーコピーではないゆえに、
伝わるものがある気がします。
小林さんが、部屋の中で、
窓からの光が物にどう影響を与えるか、
その具合を気になさっていることも、
このモノクロ資料だと、とてもわかりやすいですね。
小林
そうなんです! 嬉しいです。
こういうものを、打合せのときにお見せして。
伊藤
このファイルには
いろいろなテーマの美術作品があるけれど、
だからといってバラバラじゃなくて、
とても小林さん的なまとまりを感じますね。
そしてこのファイルがあったからこうなったんだ、
ということも、この店舗にいると感じます。
たとえばこのお店の光の美しさは、
壁の厚みゆえに生まれているんだなあ、とか。
そういうことはきっと設計士のかたが
実現してくださったんですよね。
小林
そうなんですよ! まさにそう。
そういうことを新関さんが読み解いてくださいました。
新関さんいわく、ある厚みを通過することによって、
外界と内界の意識が切り替わるって。
これは自分では思いつかなかったことでした。
伊藤
思いついてはいないけれど、
きっと、気づいてはいたんですね。
小林
無意識的には、そうだったんでしょうね。
新関さんはそれを言語化、具体化してくださった。
伊藤
プロってすごいですよね。
小林
それまでは、誰かに何かをお願いすると、
自分のやりたいことが薄まっちゃうんじゃないか。
そういうふうに恐れてたんですけれども、
新関さんのような建築家や
グラフィックデザイナーの方と組んで、
自分が思い描いてる尺以上に
イメージの着地点の射程距離が
グンと伸びるんだなっていうことを
痛感したんです。
伊藤
このファイルには
小林さんの経験が詰まっているんですよ。
だから通じるんです。
小林
嬉しいですね。
イメージ的な共有はこういうファイルで、
さらに「ここでどういうことをしたいのか」という思いは、
キーワードをスケッチブックに書いて伝えました。
たとえばRoundaboutは「日常の装備」で、
新しい店(OUTBOUND)は
「非日常への導入」だと伝えたんです。
日常と非日常という構造において、
この場所を非日常に完全に振っちゃうわけじゃなくて、
非日常からちょっと手前のあたり。
非日常にちょっとだけ針の振れた温度帯です、と。
あと、Roundaboutが「質実剛健」だったら
OUTBOUNDは「詩情と肌理(きめ)」とか。
ほかにも「日記」に対しての「手紙」とか、
「本文」に対しての「行間」ですね。
伊藤
すごいです。
そういう言葉はいつごろに?
小林
OUTBOUNDができたのが2008年なので、
その前の年、2007年ぐらいですね。
ほかにも「収納」に対して「陳列」とか、
「具体」に対して「抽象」とか、
「探す楽しみ」に対して「眺める楽しみ」とか、
そういうようなことを書いていますね。
伊藤
Roundaboutがあってこその、
OUTBOUNDなんですね。
小林
そうなんですよ。
ほかにも、演奏会をやりたいなとか、
ちょっと展覧会が開けたらいいなとか、
思い描いたことをいろいろ書きつけて。
伊藤
なんとなく「お店をやりたいんです、
かっこいい店を作ってください」じゃなくて、
設計された方もわかりやすかったでしょうね。
書くことによって小林さんの頭の整理にもなりますよね。
小林
そうですね。
あの頃は吉祥寺にも3万ぐらいのアパートがあって、
そこを準備室的な感じで借りて篭って書いてました。
自分が思い描いていることをイメージ化したり、
言語化するような時間ってやっぱり大事だなあって、
今、思い出しました。


▲この竹細工は、高知県南国市にて竹籠製作に取り組む山崎大造さんの作品。自然の摂理に則ったタイミングを見極め、自ら山で竹を伐り、青々とした状態のまま捌き、その性質を生かした形に編み上げていくのだそう。

伊藤
今もこういうことをなさっていますか?
小林
そうですね。今はキーワードというよりも、
ちゃんと自分の考えを文章にすることを
やらなきゃいけないなって。
最近、「物の役割」っていうことをよく考えるんです。
日常の装備っていうのが機能だとしたら、
非日常への導入っていうまた違う働きが
物にはあると思っていて。
ちょっとわかりやすい言い方をすると
例えばそこにある土器の壷を眺めてたら、
眺めてる間だけ、ちょっとぼーっとできるじゃないですか。
その間だけは月末の支払いのことを
忘れられると思うんですよ。
この壷のテクスチャーを仲立ちとして
“ぼーっとしてる時間・空間”に飛べてると思うんですよ。
僕らの生きている世界は、
いろんな「しなくてはいけない」や、
約束事によって動いてるんだと思うんです。
そういう約束事を共有してないと
社会生活自体が成り立たないので、
それは酸素と同じように必要不可欠なものです。
でもそれが行き過ぎると息苦しくなる。
そういうときに気に入ったものを眺めていると、
ぼーっとできるんです。
伊藤
小林さんにとって、それは景色じゃなくて物なんですか。
小林
景色も同じです。山とか森ってずっと眺めていられる。
僕らを別の領域にスイッチさせてくれるとき、
その景色や物は作用していると言えるんじゃないかなあ、
ってことを考えてるんです。
「機能」って、ある目的に対しての
物理的な補助としての働きだと思っていて、
そうじゃない作用っていうのは、
物と目的的じゃない関わり方をしたときに
立ち上がってくる、別の働きなのかなあと。
18年前、OUTBOUNDを作るときに考えてた
「非日常への導入」っていうのは
文章化するとそういうことだったのかもしれないなと
思うんです。
伊藤
なるほど。
小林
OUTBOUNDでも実道具、
器だったり竹籠だったり、衣服も絨毯もそうですけど、
そういう道具を紹介してるんですけれども、
その力点の置かれ具合っていうのが
Roundaboutとちょっと違っていて。
もちろん機能してくれる道具ではあるんですけれども、
それを愛でているうちに
別の領域に身を移すことができるものになりうる。
ここにある物たちは、そういう余白を
持ってるんじゃないかと思うんですよね。
RoundaboutとOUTBOUND、
2つのお店がありますけれども、
どういう違いがあるんですかって聞かれたとき、
Roundaboutではある目的に対して
補助となりうる機能を提供してくれる物、
OUTBOUNDではそこからちょっと離れて、
物自体が別の領域に繋げてくれるような窓たりうる
余白を持ってる物を扱っています、
という説明になるのかもしれません。
伊藤
お客さんはそれぞれ違う感じですか。
それとも両方とも訪ねてくださるかたが多い?
小林
もちろん両方来てくださる方もいらっしゃいます。
でもRoundaboutはよく来てくださるけど
OUTBOUNDの存在は知らなかったっていう方も
もちろん一定数いらっしゃいます。
逆に主にOUTBOUNDにいらっしゃる方も。
伊藤
小林さんっていろんなところで
ポップアップイベントをしていらっしゃるじゃないですか。
そういうときでも自分の空間にする、
あれはどうやって作り上げるんですか。
小林
それは全て「陳列」だと思うんです。
そして基本的に反復練習のたまものだと言いたいです。
伊藤
場所によって変えますか。
小林
そうですね。その物をどう見せたいか、
っていうことによって、
どういう陳列がいいかっていうのは決まりますから。
例えば「生活のたのしみ展」だったら、
あのたのしみ展自体が一つの祝祭空間だと思ってるので、
お客さんの気持ちのワクワク加減と、
そこに並んでる物にお客さんが触れることによって、
そのワクワクが増幅されるような場を目指します。
ひとつひとつの店が
そういう場であってほしいなと思ってます。
伊藤
そういう物を選ぶし、そういう陳列にもしている?
小林
そうですね。ちょっとバザール感を出して。
伊藤
モリモリしてて楽しいですものね。
小林
そうです、そうです。
特にRoundabout、OUTBOUNDの
たのしみ展における役割っていうのは、
すっきり路線じゃないと思っていて。
もちろんすっきり見せた方がいいものは
すっきり見せた方がいいと思いますけれども、
うちの役割はワクワクした気持を増幅してもらえるような
造りがいいかなあと思っていて。

店を開くという責任

未分類

伊藤
アメリカでの買い付けでは、
どんなお店に行かれたんですか?
小林
「Rose Bowl Flea Market」っていう、
カリフォルニア州パサデナにある
歴史的なスタジアムのローズボールの
大きな駐車場で開かれる蚤の市に行ったんです。
1999年の日本って、まだ
ヴィンテージデニムブームが続いてたと思うんですよ。
だから日本の古着ディーラーがけっこういましたね。
日本人の人も古着を売っていたりして。
伊藤
へえー。それを買ってきて、
キャバレーだったスペースに。
小林
はい、並べて。
あ、その物件って元々キャバレーだったんですけど、
そのあと予備校になったりして、
天井が蛍光灯に変えられていたんですよ。
もっと雰囲気のあるスポットライトだったはずなのに‥‥。
だからその予備校時代の天井のまま
最初の半年はやってたんですけど、
2000年に切り替わる正月休みのときに、
みんなで天井を剥がして、
昔の雰囲気を取り戻したりしました。
伊藤
お店が軌道に乗り始めたなあって感じたのは
始めてからどれぐらいのことだったんですか。
小林
最近じゃないですかね。
伊藤
えっ?!
小林
ほんとです。
伊藤
そうかなあ。そんなことないと思いますよ!
小林
Roundaboutだけのときは、
メンバーの親戚の方が大家さんだったんです。
なので親戚価格で貸してもらってたので、
小さく始められたんです。
その彼が抜けてからは
ちょっとだけオマケしてもらっての
一応の正規料金になって。
でもOUTBOUNDは、普通に探して普通に契約して。
スタッフの力も借りながらなんとかやって。
2店舗の経営は厳しいながらも、
でもまあなんとかやってきました。
展示を増やして、コロナを経て、
そのコロナ期間中にオンラインストアも作ったりして、
それでどうにかなんとかなってはきているけれど、
でも、店って、ほんとに儲からない仕組みですよ。
家賃はもちろん、お給料プラス社会保険。
税金もそうですし。
伊藤
仕入れたものが全部、売れるわけじゃないですし。
仕入れて運営するランニングコストがかかり、
在庫は資産になってしまう。
小林
そうなんですよ。ちゃんと年度末までに
売らないといけないし。
‥‥っていうことを考えると、
在庫商売ってほんとにしんどい。
伊藤
とはいえ小林さんを見ていると、
始めたときと今と、売るものが変わったり、
気持が変わってはいない気がするんです。
小林
そうですね。
伊藤
「これは売れる」とか、
もちろん考えてらっしゃると思うけど。
小林
もちろん最低限、維持していかなきゃいけないから、
それを可能にするための売上をつくるっていうことは、
絶対条件ではあるんですけれども、
でもやっぱり基本的には
「自分が人にすすめたいものしか置かない」
っていうのがあります。
というのも、もしも売れるものだけで固めたとしても、
ほぼセレクトの品で在庫抱えて
実店舗で商売するという時点で
そんなに儲からないんですよ。
もしもひと財産築きたいっていうのが
店を始める動機だったら、やらない方がいいです。
伊藤
小林さんはお店が好きなんですね。
小林
そうですね。あと、
プロダクト(大量生産品)だけを扱っていたら
お店の責任の範囲は限られますけれども、
同時代の作家の仕事を紹介するようになってからは、
僕自身がその作家の人生の伴走者になっていく、
という側面も出てきたと考えます。
作り手に対しての一定の責任っていうのは
出てくるよなと思って。
伊藤
なるほど。
小林
だからやっぱり店って続けていくことが大事なんです。
「ほんの短期間だけ存在した伝説の店」
なんて表現を見ることがあるんですが、
そんなの誰だってできるよ! って思うんですよ。
期間限定の店がだめっていうわけじゃないんです。
けれどちょっとしかやってなかった店を
必要以上に持ち上げることに対しては
ちょっとどうかなと思います。
伊藤
続けていくのが大変なんですよね。
飲食店も開業して3年続く店って
全体の半数だという話を聞きました。
1年でも3割が廃業するとか(*)。
(*)飲食店の10年存続率は3割未満、
20年では1割以下といわれる。
小林
そうですよね。料理は特に、
同じテンションで同じ味を作り続けていくって、
なかなかできることじゃないでしょうし。
伊藤
小林さんはすごいですよ、
創業の時の気持ちを大切にしつつ、
2店舗を運営しているということは、
ちゃんと軌道に乗ってるってことですよ。
小林
なんとか、ね。
それも本当にギリギリのバランスです。
伊藤
さっきおっしゃった
作家の方の人生の伴走者というお話も、
すごいことですよ。
小林
いい関係を続けていくには
やっぱりちゃんとしっかり対話を重ねつつ、
深度を伴った時間を共有していきたいと思うんです。
もちろん物が良いかどうかということが大前提ですが。
物が良くなければそもそも伴走をする必要もないですし。
伊藤
お店と作家の関係、
お互いがそうなんでしょうね。
小林
はい、自分も作品を良い形で見せるだけでなく、
しっかり売っていかないといけないので、
ちゃんと責任持って紹介して届けることが大事だと思うんです。
伊藤
そのお話を聞いていて書籍のことを考えました。
1冊出すことはできる。でも2冊目からが難しい。
そのためには最初の本をしっかり売って、
その成果をもって次を出すことが大事だと思うんです。
書籍って、関わる人がいっぱいいるんですよ。
読者も、編集者も写真家も印刷所も書店員さんも。
小林
そうですよね、売らないと次がありません。
まさこさんが本を作り続けてらっしゃるのは、
出した本がちゃんと人々に届き、
そのことでまた次があるっていうことなんですよね。
伊藤
だからこそちゃんとしようって思います。
やっぱり続けるって大事です。
小林
うんうんうんうん。そうですよね。
伊藤
小林さんは「物が好き」だったところから、
店づくりが好きになったってことですよね。
小林
確かにそうですね。
伊藤
空間の仕事を頼まれたりは、しないんですか。
小林
たまにありますよ。
伊藤
じゃあ結局は大学で勉強していたことが
役に立っているのかもしれませんね。
最初はうーんって思ったことが、
今に繋がったってことですものね。
小林
この間、まだオープンしてないんですけれども、
台湾のとあるプロジェクトで
お店のデザインをやらせてもらったんです。
もちろん僕は図面を引いたり
パースを作ったりはできないので、
昔の仲間でインテリアデザインをやってる知り合いに
声をかけて手伝ってもらいました。
そのとき僕は素材選びなども含め、
決められた予算の中でやってみようとしたんですけど、
現地の工務店さんとのやりとりがほんとうに難しくて。
やっぱり餅は餅屋だなと思いました。現実世界に立ち上がるというというのは
純粋にワクワクしますし、また是非やってみたいと思いました。
でも、次にまた空間の仕事の依頼を受けたとしたら、
自分は監修ぐらいがちょうどいいですね。
伊藤
ちなみにここの店舗はどういうふうにデザインを?
小林
ここは、最初から、誰かに設計を依頼するのは
ちょっと敷居が高過ぎるなと思って、
自分がざっくり考えたプランを立て、
施工だけ工務店の方にお願いしたいな、
っていうふうに思っていたんです。
それでフェブの引田さん夫妻(*)にお会いしたとき、
「お知り合いでいい工務店さん、
いらっしゃらないですか」なんて聞いたら、
引田かおりさんが
「だったら新関謙一郎さんにお願いすればいいのに」
とおっしゃって。
新関さんっていう方はNIIZEKI STUDIOっていう
設計事務所を吉祥寺で主宰されている方で、
フェブとダンディゾンのビルの設計は
新関さんが以前に共同運営していた建築事務所が手がけたんです。
(*)ギャラリーフェブは引田ターセンさん、
引田かおりさん夫妻がオーナーの、
2003年吉祥寺の大正通りにオープンしたギャラリー。
ベーカリーである「ダンディゾン」も同時にオープン。
伊藤
そうなんですね。
小林
もともとRoundaboutのお客様として
面識があったとはいえ、
自分が建築家の方に依頼するのは
敷居が高いなって思ったんですけど、
せっかくそういう場をセッティングしていただいたので、
新関さんに新しい場所の設計を
お願いをすることにしました。
でも丸投げっていうんじゃなくって、
しっかりイメージを膨らませてお伝えしよう、
そのために自分のイメージを伝えようと、
イメージ画像を集めたファイルを作ったんですよ。
伊藤
面白いです。
そんな経緯があったんですね。

就職しない組

未分類

伊藤
小林さんは、大学でインテリアデザインを勉強したけれど、
自分がやりたいことは空間のデザインではなく、
手で扱えるくらいのサイズのものだった、
というお話でしたね。
それで、大学の卒業を控えた小林さんは、
どうなさったんですか。
小林
なんとなく目先にある就職口と
自分のやりたいことの紐付けができなかったので、
2ヵ所だけ記念受験的で応募しました。
当時、1999年って、IDÉE(イデー)(*)が
輝いてたじゃないですか。
(*)IDÉEは日本のインテリアブランド。
創始者は黒崎輝男さん(1949-2026)。
1985年にIDÉE SHOPを南青山の骨董通りにオープン、
オリジナル家具の企画販売を行なった。
2017年に良品計画に吸収合併。
伊藤
輝いてましたね。
ザ・コンランショップ(*)にもドキドキしませんでした?
「コンランが日本に来る!」みたいに。
(*)ザ・コンランショップは、
家具とインテリアデザイナーである
英国のサー・テレンス・コンラン(1931-2020)が
1973年にロンドンに開いた
インテリアとライフスタイルの店。
1994年、東京・新宿に日本1号店を開いた。
小林
そうですよね。それでとりあえず就職活動は
教務課に貼ってあった設計事務所とIDÉEだけ。
でもそんなチャラい動機で受けたので、
だめに決まってるわけです。
伊藤
そうなんだ。
小林
で、そのまま「就職しない組」として、
ズルズルっと卒業して。
多摩美、武蔵美の仲良かった友人たちに、
4、5人、同じような仲間がいたんですよ。
伊藤
私も「就職しない組」でしたよ。
スパイラルマーケットで数ヶ月アルバイトをして、
そんなに雑貨が好きならって、
友人がスタイリストのアシスタントはどう? と、
紹介してくれたんです。
小林
そうだったんですね。
僕らは卒業したあと、喫茶店で集まっては、
「こういうことがしたいね」とか話してて。
その時に「お店とかできたらいいね」って。
伊藤
楽しそう!
小林
「レコード屋やりたいよね」とか、
夢だけ語って、そのまま解散してました。
じゃあそのために何をする、
ということにはならないんです。
伊藤
そのためにお金を貯めるとかでもなく?
小林
ただ単にダラダラっと話しただけ。
そういう、若者にありがちな日々だったんです。
そんなある日、その仲間のうちの1人が
吉祥寺で1週間だけ借りられる場所があるよ、
っていう話を持って来てくれたんですよ。
伊藤
いいお話が! 
小林
そうなんです。
で、「えーっ? おおーっ!」て盛り上がって、
じゃあ何日の何時にここに集合して
シャッターを開けてもらおう、となりました。
結論から言うと、
それがRoundaboutになったんですよ。
伊藤
そうだったんですね。
あの建物、かっこよかったですよね。
小林
かっこよかったです。すごく古いビルで、
がらーんとしたかなり広いスペースでした。
1階がレンタカー屋さんで、
僕らが借りた2階は、
元、キャバレー(*)だったんですよ。
赤い絨毯の階段を上がって行く、
そのアプローチ含めてすごく好きでした。
(*)昭和30年代~40年代に
最盛期を迎えたキャバレーは、
広い空間にステージと客席があり、
ステージでは生バンドによる歌と演奏やダンス、
客席では女性スタッフの接客を楽しめる
大型娯楽施設だった。
伊藤
最初は、1週間だけ?
小林
そうです、最初は1週間限定でした。
アイデアとしては、
グループ展をやろうかとか、
ファッションショーをやろうかとか、
いろんな企画があったんですけど、
それだと絶対に内輪で終わっちゃうよね、
っていう話になって。
逆に内輪で終わらないものってなんだろう? 
っていうふうに考えたんです。
そして、その結果出た答えが「店」だったんです。
伊藤
場所ができたことによって、
急に具体的な話になりましたね。
小林
そうなんですよ。場所があるっていうのが、
一番大事だと思います。
伊藤
それまで思い描いたものが現実に。
小林
一気に目の前に流れて、一気にスイッチが入って。
かといって1週間限定だし、
何かをちゃんとメーカーから仕入れて、
っていう感じでもない。
なので、例えばどこそこのアメリカンスクールの
バザーがあるから、そこに行けばなにか面白いものが
仕入れられるかもしれないねとか、
メンバーの中にシルクスクリーン工房に
出入りしてるやつがいたので、
Tシャツのボディを仕入れて、
自分たちで版を作ってシルクスクリーンを手刷りして
Tシャツを作ろうとか。
伊藤
ほんとうに、急に動き始めたんですね。
メンバーは何人だったんですか。
小林
その1週間のときは5人いましたね。
共通項はありつつ、
それぞれのテイストもあり、
やっぱりこう、なんかバラけた感じもあって。
そのミックス具合も今考えると面白かったな。
それでどうにか、1999年の5月か6月、
1週間限定のお店をやって、
自分たちなりの手応えを感じることができたんですよ。
それで本格的にやりたいねって話になりました。
そうしていざ始めようと思ったときに、
1人はデザイン事務所に就職が決まり、
もう1人は留学することになって、
僕を含めた3人が残りました。
そのあと1年弱ぐらいで
家具補修のバイトをしていた1人が本業になって、
最後まで一緒にやってた仲間は同じビルの
物置として使ってたスペースを
自分のデザイン事務所兼店舗にして独立したんです。
そんな感じでそれぞれの道に分かれ、
2000年の5月ぐらいにぼく1人の状態になりました。
伊藤
1週間のときからお店の名前はもうRoundabout?
小林
そうなんです。
いろんな物や人が行き交うイメージで。


▲大きな焼き物は、丹波篠山の平山元康さんの作品。近隣より採取した粘土を、雑木や籾殻などの灰から精製した釉薬を用い、薪の火による登り窯で焼き上げています。

伊藤
行き交うし、通り抜けていくし。
私、交通ルールのRoundabout(*)が大好きで。
運転も楽しいし、すごいいいシステムですよね。
(*)Roundaboutは中心に島を持つ環状の交差点。
信号機がなく、常に車は移動を続ける
(円周上を走行する車が優先される)。
左側通行の日本では時計回りで進入、
出る時はウインカーで合図をする。
伊藤
元々は馬車の時代のものらしいですね。
馬は急に止まれないから。
小林
そうみたいですね。
伊藤
すごくいい店名ですね、
そう考えると。
小林
嬉しいです。
「回り道」「遠回り」の意味もあるじゃないですか。
それに、roundもaboutもわりかしすぐ平易な英単語。
そんな2つの耳馴じみある言葉がくっついて、
結果的に耳馴じみのない言葉になるっていうのが好きで。
それに、交通の流れにまつわるようなイメージに
ちょっと憧れてもいたので。
伊藤
それは、例えばどんなイメージだったんですか。
小林
当時よく雑貨屋さんに
ジャック・タチの『トラフィック』(*)っていう
映画のポスターとか、貼られてたじゃないですか。
(*)ジャック・タチ(Jacques Tati; 1907-1982)は
フランスの映画監督、俳優。
『トラフィック』(1971)は、
『ぼくの伯父さん』シリーズのひとつのコメディ映画。
フランスでのオリジナル版ポスターは、
イラストレーターのアンドレ・レトリア
(André Letria)作の、
欧文のスペルが立体的な道路で表現されているもの。
伊藤
トラフィックっていう言葉、いいですね。
小林
いいですよね。
僕、映画の本編は観ていないのに、
高速道路のイラストが醸し出す雰囲気に憧れて。
伊藤
ポスターを見ただけでも、ワクワクするんですよね。
小林
そうなんです。
あとシンガー・ソングライターの
ミニー・リパートンが在籍したサイケ・ソウル・グループ
「ロータリー・コネクション」という名前も、
2語合体系でしかも交通っぽさもあって
なんだかかっこいいなあと思ったり。
そういう漠然としたぼんやりしたイメージから
「Roundaboutっていいな」って思って。
伊藤
じゃあほんとに偶然のように店ができて、
店名ができて、やがて1人になり。
小林
そうですね。
実質3人で始めたのが1999年の夏なんですけど、
その前に1回、アメリカ西海岸に、
買い付けに行ったんですよ。
今じゃ考えられないですけど、
当時、成田=ロサンゼルスの往復が、
29,800円とか、39,800円とかで。
それでも親からお金を借りての甘えた旅でしたけれど、
『AB-ROAD』(エイビーロード)(*)で
安いチケットを探して、電話で注文して振り込んで、
レンタカーは日本で電話予約して、
行き当たりばったりの旅をしたのが思い出深いです。
(*)『AB-ROAD』は1984年に創刊された、
リクルートの月刊の海外旅行情報誌。
それまで海外旅行は、旅行会社の窓口にあった
パンフレットで探していたが、
複数の旅行会社のツアーや航空券を
比較検討できるものとして画期的だった。
インターネットの普及にともない2006年に休刊、
ウエブで展開していたが、2021年にサービス終了。

20代で培ったもの

未分類

伊藤
大学生の頃、好きだったお店ってありますか。
小林
ありました。
ほとんど知っている人はいないと思うんですけど、
吉祥寺にあった「SIDE C」っていうお店は、
友人とよく行ってましたね。
それこそコラーニ的な世界観の家具や雑貨がありました。
それから、青山の根津美術館の近くに
今ミーレ(Miele)のショールームになってるところの
もうちょっと墓地寄りのところに
「O-parts shop」(*)っていうお店があって。
(*)2003年にノキア・ジャパンが南青山につくった
ショールーム内のインテリア雑貨店。
「Future & Technology」をコンセプトに、
デザイン性の優れたインテリア商品を扱った。
のちに赤坂に移転。
伊藤
「SIDE C」はわからないんですけれど、
「O-parts shop」は知ってます!
小林
初期のRoundaboutはかなり影響を受けました。
最初はいわゆる『2001年宇宙の旅』(*)みたいな
世界観にけっこう憧れがあったかもしれないですね
(*)1968年に公開された、
スタンリー・キューブリックのSF映画。
原作はアーサー・C・クラーク。
のちのSF映画に多大な影響を与えた。
小林
学生時代前半は多摩美のすぐ近くの
八王子の鑓水(やりみず)っていうところに
住んでたんですけど、3年から国立に住み始めて。
国立には雑貨屋さんが多く、
なかには生活雑貨に軍物をミックスして
売るようなお店もあったりして、
そういうとこは好きで
よく学生時代にのぞいたりはしていました。
あと「ALL ORDINARIES(オールオーディナリーズ)」
(*)という代官山の店も、生活雑貨とか文具とか、
あと軍物をミックスして置くようなスタイルで。
(*)1998年開店、2006年に閉店。流行に左右されないウェアを中心に展開していた。
伊藤
私は「F.O.B. COOP(フォブコープ)」(*)が好きで。
(*)ガラスワークとレストランサプライ商品に特化し、
広尾にオープンした雑貨店&カフェ。
1981年、益永みつ枝さんが創立。
のちに家具、インテリア、リビング、ダイニングなど
ライフスタイル全般へと広げ、人気店に。
2015年に閉店。
小林
あ、はい! 
当時日本に入って来てなかった
フランスのビストロやカフェで使われていた
DURALEX(デュラレックス)のグラスを
扱っていたんですよね。
ただ僕が知ったのは2000年頃だったので、
80年代に「F.O.B. COOP」がもたらした
衝撃っていうのは、ちゃんとは自分は受けてない。
伊藤
なるほど。私と5歳違いなので、
ちょっとだけ世代が違うかもしれないですね。
小林
あとはその5歳プラス、
まさこさんはほんとに中心にいて、早くから。
伊藤
なんの中心ですか(笑)。
小林
メディアの中心で動いてらしたから、
より早く世の中の動きに敏感だっただろうし、
時代の流れを作る、むしろ当事者だったと思うので。
伊藤
そんなことはないんですけれど、
雑誌を見て近くで知らない店があったら必ず行ってました。
今はなんでもインターネットで調べられるけれど、
当時は知らないと思ったら巻末のクレジットを見て
出かけるしかなかったんです。懐かしいな。
小林
まさこさんは‥‥ちょっといまさら
こんな質問もあれですけど、
最初はどんなお仕事をなさっていたんですか。
アシスタント時代とか。
伊藤
たとえば、1990年代にNHK出版が刊行していた
『H2O』(エイチツーオー)というインテリア雑誌の
撮影アシスタントのお仕事をしていました。
体力の要る仕事で、
毎日トラック数台を手配して都内の家具屋を巡り、
撮影用の家具を借り回っていたんです。
「私、なんで青山通りで家具を包むための毛布を
こんなにたくさんたたんでるんだろう?」
と思ったりもしながらでしたけれど、
あの経験は、すごくよかったと思います。
大量に良い物を見る機会を得たんですから。
小林
そうですよね。ああいう現場ってほんとに、
撮影するのは数点なのに、
その何倍もの数を用意しますよね。
伊藤
棚を1つ借りても、そこに並べるものが大量にあったり。
メーカーやショップにアポイントを取るのも
アシスタントの仕事なんですが、
当時は、ほとんどが固定電話だったんですよ。
小林
そうですよね!
伊藤
借りる時間に合わせてルートを組んで、
逆算してロケバスに乗り、
トラックと一緒に移動して。
撮影後の返却も、
雑誌に掲載するためのクレジットを書くのも、
アシスタントの仕事でした。
パソコンもインターネットもない時代でしたから、
大変だったんです。手書きでしたし。
小林
90年代‥‥92、3年?
伊藤
そうですね、94年ぐらいまでですね。
95年になるちょっと前に独立をしたんです。
小林
その時に、インテリアから、雑貨に?
伊藤
はい、インテリアはあまりにも体力を使うなあ、と。
そんなふうに思いながらアシスタントをしていたある日、
わたしがついていた先生が食器や雑貨のスタイリングで
ある料理家さんの本を担当することになりました。
そのお手伝いをして、びっくりしたんです、
「こんな世界があるんだ」
「私に向いているかも?」って。
私、元々食いしん坊だし、
こんなふうにテーブルの上で収まる世界が好きだな、って。
小林
「これだ!」って思ったんですね。
伊藤
テーブルの上の世界を自分で決められる、
っていうのがよかったんです。
それに、美味しいものが食べられますし! 
小林
なるほど、なるほど。
確かに事前に、自宅のテーブルの上で
ちょっとシミュレーションもできる。
インテリアはそういうわけにはいかないですね。
伊藤
「料理が主役」っていうのも面白くて、
「私は独立したら料理のスタイリストになります」
って言ったら、『オレンジページ』から
小っちゃい冊子みたいな仕事が来たんです。
何にもお見せできる経歴がなかったのに。
小林
すごいことですね。
じゃあ、独立した「伊藤まさこ」になってからは、
料理にフォーカスしたスタイリストだったんですね。
伊藤
そうなんです。それからしばらくして、
『ku:nel(クウネル)』っていう雑誌が出て来て、
普通の暮らしが素敵、という提案が始まって。
小林
そうですね。2003年でしたね。
まさしく伊藤さんの世界だなって感じますが、
伊藤さんはその前の90年代なんかは、
当時主流だったかもしれない
テーブルマナーに則った豪華な料理写真じゃなく、
脱・ナプキンリングみたいな、
シンプルな料理写真の提案をしていたんですか。
伊藤
『H2O』はずいぶん新しい感覚の雑誌でしたけれど、
それでもスタジオで
きちんと作り込んだ撮影をしていました。
独立してからは、
もっと普通のことができないかなあって、
ずっと思っていて。
小林
独立して「伊藤まさこ」として
スタイリングができるようになった当時は、
どんなお皿を使っていましたか。
インポートのお皿なのかな、作家物じゃなくて。
伊藤
そうですね、仕事で集めるときは
リース屋さんに行ったりして。
小林
そうですよね。まだ個人作家のシンプルな器って、
94、5年頃って恐らくそんなに
一般的じゃなかったですよね。
伊藤
今のようにたくさんはなかったです。
それでも西麻布の「桃居」など
よい作家の器を扱っているギャラリーに行って、
いいなあと思うものを個人的に買っていました。
恩塚正二(*)さんの作品とか、好きでした。
(*)1946年福岡県生まれの陶芸家。
1986年に田川市に築窯。器などの実用品だけでなく、
2001年からはオブジェの製作も。
のびのびした作風で知られた。2025年没。
小林
いま伊藤さんらしい器と言えば「白」ですが、
当時はまだ白くはないですよね。
伊藤
まだ白くはなかったです。ふふふ。
小林
けっこう土あじ。
でもいわゆる民芸品ではなく、
作家物といっても
情念を器にぶち込む的な感じではないですね。
伊藤
洗練されているものが好きでした。
私も20代なのにギャラリーのオーナーさんは
すごくちゃんと相手にしてくださって。
それでちょっとずつ買うようになりました。
小林
著作を出すきっかけはどんなことでしたか。
伊藤
料理研究家の先生の本の
料理のスタイリングを1冊任されたとき、
その先生の器をまず見せてもらって、
足りないと思うものを家から持っていったんです。
そうしたら編集の人が
「伊藤さんって自宅でこんな器を使っているんだ? 
本を出してみない?」って誘ってくださった。
そうしてつくった本が
『まいにちつかうもの』だったんです。
小林
なるほど! 野田琺瑯が紹介されていた本!
伊藤
そこからは、いただける仕事があるのは嬉しいことだし、
一所懸命に仕事をしようという時期が続きました。
スタイリングをすることと、本を出すこと。
‥‥って、いつの間にか私の話に?!
小林
ふふふ、訊きたかったんです。

図書館で

未分類

伊藤
こんにちは、小林さん。
今日はどうぞよろしくお願いします。
「生活のたのしみ展」を前に、
小林さんに「お店」について、
物えらびや並べ方なども含めて
いろいろとお聞きしたくて、お邪魔しました。
小林
こちらこそどうぞよろしくおねがいします。
伊藤
小林さんって、おいくつでしたっけ。
さきほど立ち話で
「スタッフの親御さんの歳が自分と
7、8歳しか変わらなくって‥‥」
なんておっしゃっていたから。
小林
僕、兎年です。昭和50年生まれですね。
去年、50になりました。
伊藤
小林さんは覚えていらっしゃらないかもしれませんが、
私が小林さんに初めて会ったのは
Roundaboutの最初の店舗でした。
小林
あ、僕、覚えてますよ。
伊藤
ほんとですか。取材で伺ったんですよね。
小林
僕、ちょうどその数年前の2003年に
まさこさんの本を拝見して、
「野田琺瑯っていいなあ」と思っていたんです。
伊藤
そのときキラキラした目で
「伊藤さんのおかげで野田琺瑯を知ったんです、
ありがとうございます」って。
小林
もう20年近く前ですよね。
伊藤
文藝春秋の散歩の本(*)でしたね。
(*)『東京てくてくすたこら散歩』
小林
まだ今みたいに生活雑貨の店で
野田琺瑯が置かれてなかった状況だったんです。
全白で、縁の部分が青くない琺瑯って、
そのとき初めて見て、
「こんなのもあるのか!」と思って。
あれはまさこさんが火付け役だったんですね。
伊藤
いやいや、そんなこと、ないですよ。
小林
懐かしいですね。


▲対談の日は、西・中央アジアの遊牧民による敷物と袋物を中心にした年に一度の“tribe”展が開かれていました。トライバルラグ、民族染織、先住民族工芸を軸に活動する榊龍昭さんが主宰するもので、ヴィンテージ(およびアンティーク)ラグの多くはアフガニスタンとイランの遊牧民によるものです。

伊藤
私もあの時に、プラスチックの保存容器から
野田琺瑯に統一したんです。
それで冷蔵庫の中がきれいになって。
小林
明るくなりますよね。
白いものが冷蔵庫の中に入ってると。
伊藤
あの当時のRoundaboutは‥‥。
小林
建物が2016年に取り壊されることになり、
代々木上原に移転して、
今年ちょうど移転10周年になるんです。
けっこう自分でもびっくりしてるんですけど。
伊藤
こちらの店(吉祥寺のOUTBOUND)は?
小林
こっちは2008年につくりました。
吉祥寺のRoundaboutは1999年に始めたんですけど、
ここOUTBOUNDは2008年にオープンしたので、
2016年に吉祥寺のRoundaboutが取り壊されるまでの
8年間は、吉祥寺に2店舗あったんですよ。
伊藤
なるほど、なるほど。
2店舗作ったのは、棲み分けみたいなことが?
小林
そうですね‥‥とはいえ、
最初99年にRoundaboutを始めたときは、
ほんとに大学を卒業したばかりでしたので。
伊藤
そうなんですね。
小林
どういう経緯かっていいますと──、
僕は多摩美でデザイン系の専攻だったんです。
そもそもなんで多摩美に行こうとしたか、
なんで物(もの)に興味を持ち始めたかって
いうところなんですけど、
中学生ぐらいのときによく市の図書館に
行っていたんです。父が車を出して
「ちょっと図書館行くよ。行くか?」って。
僕も図書館のあの雰囲気がけっこう好きだったので
ちょくちょく父について行っていました。
それで何を借りるかというと、
小説とかそういう読み物系じゃなくって、
写真集やデザイン書で、あるときたまたま
ドイツのインダストリアルデザイナーの
ルイジ・コラーニ(*)の作品集を借りたんですね。
(*)ルイジ・コラーニ(Luigi Colani; 1928-2019)は
ドイツ出身の工業デザイナー。
自然の造形物を手本とした独特のフォルムで知られる。
航空機、船舶、住居、設備機器、家具、靴、衣類、
宝飾品、家電・オーディオなど、
「毛抜きからスペースシャトルまで」と呼ばれる
多種多様なデザインを手がけた。
伊藤
中学生ぐらいのときに? 
へえー。
小林
意識的に手に取ったというよりも、
なんだこれは! って。
伊藤
かっこいいなあ、って?
小林
そう、そういう感覚でした。
ルイジ・コラーニのデザインは、人間工学に基づいた、
かなり流線形を取り入れたものなんですけれど、
近未来的なめちゃめちゃかっこいい世界だなあ、と。
そして写ってるものは全部家にあるものと全然違う。
そんなことに衝撃を受けたんですね。
そして工業デザイナーっていう職業があるんだ、
ということをそのときに初めて知ったわけです。
伊藤
ファッションデザイナーではなく。
小林
はい、服ではなく物をデザインする人。
あたりまえのことではあるんですけれども、
今、世の中にあるものって、車でも家具でも家電でも、
誰かがデザインしたことによってそこにあるんだ、
っていうことをそのとき知りました。
伊藤
小林さんが育った家は、
どんな感じの家だったんですか。
小林
いわゆる「実家」的な家でしたよ。
伊藤
「実家感」があふれてる感じ?
小林
実家感、それです。
実家っていろんなものがあるじゃないですか。
伊藤
それを子どもながらに
「これちょっとなあ」とか思った?
小林
そうですね。
一方で面白いものもあるなとも思っていました。
海外のお土産がけっこう家にあったんです。
ギリシャやエジプトの郷土人形みたいなものですね。
でもそのいろいろミックスされた実家の感じとは違う、
一定のトーンにまとまった世界観が
ルイジ・コラーニの写真集にあったわけです。
人が物のフォルムに能動的に関わることによって
開かれる世界っていうものがあるんだ、っていうことを
たぶん初めて認識したんだと思うんですよね。
それでそういうことに関われるといいなあ、
というふうに漠然と思った。
伊藤
仕事として。
小林
はい。そして‥‥、そうだそうだ、思い出した。
けっこう当時、文房具雑誌みたいなものもあったんですよ。
専門誌ってそんな硬いものじゃなくて、
町の本屋に売っているようなものなんですけど、
それを見るのが好きで。そういうことがあって、
物のデザインに興味を持ったんですよね。
けれども高校は部活に入ったりして、
1回、デザインのことを忘れるわけなんですけれども、
大学受験の季節になって
「そういえば工業デザイナーに興味があったなあ」と、
美大に行くために美術予備校に行き、
結果的に多摩美に落ち着いたという感じなんです。
伊藤
何科だったんですか。
小林
昔はデザイン学科に立体デザイン科があって、
その中のインテリアデザイン専攻でした。
でも入ったら入ったでピンと来なくて。
課題はどっちかっていうと空間寄りだったんです。
自分は手に取れるぐらいのスケール感の物の
デザインに関わりたいってなんとなく思っていたんです。
でも自分が専攻したインテリアデザインは
オフィスだったり住居、店舗などの、
大きいスケール感でした。
インテリアデザインだから
空間のデザインに比重が置かれるのは
当然ではあるんですけれども、
思ってたのと違うなあ、
あんまり自分の性に合わないなあ、って。
今だったら自分が店舗を営んでいるので、
店舗のデザインっていう課題があったとしたら
すごく燃えると思うんですけれど、
当時は興味が持てなくて。
それで、自分がやりたいのはこれじゃない、
っていう気持ちで、課題と興味がかみ合わないまま、
ズルズルと卒業しました。
卒業制作では一人掛けの椅子を作って、
職業としても家具のデザインに就きたかったのだけれど、
90年代後半は、今みたいに情報がなく、
どういう会社に入ったら後々そういうデザインに
関われるようになるのか、わからないわけで。
伊藤
好きなものをセレクトして売る、
っていう今のスタイルより、
物をデザインしたかったんですね。
小林
そのときはそうですね。
でも同時にどこかで店というあり方に対しての
漠然としたロマンも
ちょっとずつ醸成されていたんですよ。

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