前回のボンバージャケットに続き、
ALWELから“カジュアルで、かわいくて、かっこいい”
こんな服が届きました。
片面がポリエステル製のエコファー(フェイクファー)、
もう片面がすべすべしたナイロンツイル、
どちらを表にしても着られる、大きめ・ざっくりの
リバーシブルファーベスト」です。
伊藤まさこさんが
「1枚で“いい感じ”になる」というこのベストを
素敵に着こなしてくださる方を、と、
このかたにお願いをすることに。
それが、滝口和代さん
天然素材を使ったアパレルブランド
「nest Robe」プレスや
「fofofofa」というプロジェクトで
服づくりをされている方で、
伊藤さんとおなじように、
「デザイナーではないけれど、
服にかかわるという大好きな仕事を続けている」人。
どうやらALWELの服も愛用しているみたいなんです。
伊藤さん、さっそくfofofofaのアトリエへおじゃまして、
リバーシブルファーベストの
コーディネートを見せていただきながら、
いろんな「服にまつわる」お話をききました。
つくりたい服のことや、滝口さんの洋服哲学、
菊池亜希子さんといっしょに進めている
滝口さんのプロジェクトのことなどへと、
話はどんどんひろがっていきましたよ。

写真=南萌(weeksdays)

滝口和代さんのプロフィール

滝口和代 たきぐち・かずよ

山形県生まれ。女子美術短期大学服飾科卒業。
長年、天然素材のブランド「nest Robe 」に携わりながら、
菊池亜希子さんとのモノづくりプロジェクト
「fofofofa」や様々なブランドに携わる。
今は服作りに夢中。
娘と一緒に音楽と、美味しいものを巡るのが好き。

■Instagram

01
洋服好きが、きっと好きになる

伊藤
滝口さん、こんにちは。
今回はALWELのベストを着てくださって
ありがとうございます。
滝口
こちらこそありがとうございます。
どちらを表にして着るかで雰囲気が変わるので、
着こなしがたのしめました。
伊藤
どちらを表にしようか、
迷っちゃいますよね。
滝口
そうなんです。
ファーを外にするときは、
中に白いシャツを着て、
ショートパンツにタイツを合わせると
きれいめのコーディネートになって
素敵だなと思いました。
伊藤
いいですね! 
そんな時は、小さいバッグを持ったりして。
滝口
そう! 
この服には「小さいバッグ」が似合いますよね。
ファーの質感が、小物でほっこりした印象になって。
この服、手持ちのいろんな服に合う気がするんですよ。
伊藤
私もこのベストを見たとき、
「これはいい!」って思ったんです。
1枚着るだけで
なんとなく今らしい着こなしになりそう。
滝口
そう「今の感じ」がするんですよね。
ぐんと冷えてきたけど、
電車の中は暖房で暑いし、
分厚いアウターやダウンはまだ着たくないな、
というときにも、ちょうどよさそうです。
車移動が多い方にもいいですよね。
伊藤
たしかにそうですね。
気温が変わりやすい季節にも便利かも。
寒いときには、
ファーを中にして着たら暖かかいんです。
滝口
機能的なだけじゃなく、
着方によって表情が変わるのも
すごくうれしいですよね。
伊藤
そうなんですよ。
裾を絞ったり、
前のジッパーを開けたり閉めたり、
着る人に自由がありますよね。
ファーを外にして着たとき、
腕の下の脇線のところだけファーがないでしょう。
ここまで全部ファーだったら、
着たときにちょっとモコモコになりすぎる。
さすがだなぁと思うんです。
滝口
全面ファーだったら、
シルエットも変わってきちゃいますものね。
伊藤
ナイロンを表にしてジッパーを閉めたときに
首元のファーがちょっと出るのもかわいいんです。
ALWELって、こういうバランスが、
ほんとに上手なブランドなんですよね。
滝口
わかります。
細かいところまで、
きちんと計算されて作られている気がします。
伊藤
縫製もきれいで、
ものすごくいいんです。
ALWELって、洋服がすごく好きで
ベーシックなものはひと通り持っているという方も
気に入ってくれるブランドかもしれない。
「おや?」みたいな発見があるんですよね。
滝口
それはあるかもしれません。
だから1枚でも「なんか素敵じゃない?」って
思わせてくれるんでしょうね。
伊藤
滝口さんは、
毎シーズン、お洋服を買われますか。
滝口
買います。
自分のと、娘の分もあるので、
部屋が服でいっぱいになっちゃって(笑)。
そろそろ断捨離しなくちゃと思っています。
伊藤
ふふふ。そんなに? 
お洋服が好きなんですね。
滝口
好きですね。
私の中では「服を買う=夢を買う」
みたいに感じているところがあって。
こんな自分になりたいなぁという
願望を満たしてくれるツールだと思ってます。
伊藤
「夢を買う」。
そうかもしれないですね。
滝口
基本はデニムやオーバーオールに
Tシャツやニットを合わせることが多いんですけど、
「こういう恰好がしたいな」
「これにあれを足そうかな」
なんていつも考えています。
伊藤
スカートはあまり穿かれないですか。
滝口
多くはないんですけど、
実はいま、私が穿きたいスカートを
作っているところなんです。
伊藤
あら。
ご自身のブランドで? 
滝口
ボリュームたっぷりのリネンのスカートなんです。
足元にぶわっとギャザーが広がって、
マニッシュな生地感と女性らしさが感じられるものが
欲しいなと思って進めています。
伊藤
いいですね。
そのスカートにもこのベストは合いそう。
滝口
絶対合うと思います! 
それから菊池亜希子さんと一緒に取り組んでいる
「fofofofa」というものづくりプロジェクトがあって、
最近はハーフパンツが私たちの中でブームなんですよ。
以前作ったものが人気だったので
今回コーデュロイ生地でも作っているんですけど、
それにこのベストを合わせてもすごくかわいいと思います。
ちょうどお尻が隠れるベストだから、
ハーフパンツの裾を見せて、
タイツも合わたらバランスもよさそうです。
伊藤
そう、丈感もいいですよね。
色も素敵だし。
滝口
黒でも茶でもなく、
何でもあわせやすい絶妙なカーキですよね。
伊藤
今日は滝口さんに3パターンほど
着こなしを紹介いただきましたけど、
最初にこのベストを見たときに
「あの服に合わせよう」って
ピンときたんですか。
滝口
そうですね。
このベスト自体が、
いつもの私というか、
無理をして頑張っていないときの自分の装いに
ぴったりだなと感じました。
デニムにも合うし、
シンプルだけどアクセントにもなる。
きれいな感じで着たいときは
ファーを外にしてヒールの靴に合わせてもいいし、
反対側はアウトドアっぽく着られるのもいいなって。
もう、コーディネートが無限に浮かんできました。
伊藤
考えるのがたのしいですよね。
これを羽織るだけで “いい感じ” になるし。
「ALWEL」の服って、
どれもすごくわかって作られてるなって思うんです。
Tシャツも、ありそうでない、
欲しかったと思えるものが見つかったり。
滝口
わかります。
うちの70歳になる母が
山形の実家で美容師をやってるんですけど、
「ALWEL」のTシャツをプレゼントしたら
とても気に入って着てるんです。
ブランドには詳しくない人なんですけど、
毎日のように着ていて、
それでも生地と縫製がいいからなのか、
全然くたびれた感じにならないんです。
いつもの母が、なんかおしゃれなんですよ。
伊藤
素敵。
そう、おしゃれになるんですよね。
滝口
不思議です。魔法かなって。
袖のカットなのか、首のカットなのか、
何かが違うんでしょうね。
伊藤
すこし前にALWELのジャンパーも
取り扱わせていただいたんですけど、
それもとってもよかったんですよ。
いろんなバランスが、すごくいい。
そんなブランドだなと思います。
(つづきます)
2025-12-15-MON