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2018-05-25

おしらせ

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・いつごろからか、「とんかつ」のことをよく書いている。
 「とんかつ」はおいしいだとか、
 どこそこで「とんかつ」を食べただとか、
 年をとってきたら「とんかつ」が好きになっただとかね。
 「とんかつ」のことを書いているぶんには、
 特に迷惑をかけることもなく平和なものだろうと、
 あんまり気兼ねなく書いてきてはいる。

 しかし、あらゆる角度から検討したりすると、
 「とんかつ」のことを書いているだけだとしても、
 だれかの神経を逆なでするという可能性はある。

 いま血糖値が高いなどの理由で
 カロリー制限している人が読んでいたら、
 せっかく我慢しているのに人の気も知らないで、と、
 おもしろくないと言われることもありうる。
 肉食を強く否定している人だったら、
 問答無用で拒否する、という可能性もあるだろう。 
 豚を食べることを禁止している宗教もある。
 その立場から、ぼくが「とんかつ」を食べたという文章を
 咎めるようなことはないとは思うけれど、
 書き方しだいでは、傷つく可能性はあるのではないか。
 「とんかつ」を食べたいけれど、お金がない。
 そういう状況にある人から見たら、
 あちこち出向いてはうまいうまいと浮かれているのが、
 おもしろくないと思っているかもしれない。 

 人にはさまざまな立ち位置があって、
 さまざまな感じ方と考え方がある。
 絶対にだれもが不快にならないことはありえない。
 「平和であれ!」だって、反発されることはあり得る。
 「とんかつ」みたいなものについてだって、
 配慮しすぎたらのびのびと文章なんて書けなくなる。
 「晴れてうれしい」であろうが「雨が好き」であろうが、
 必ず、それを言われたくない人は存在する。
 そうやって考えていると、終いにはなにも書けなくなる。

 <知に働けば角が立つ、情に棹させば流される。
 意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。>
 あの文豪だって、そう書いているくらいだからね。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
のびのびと生きている人は、それだけのことをしてるよね。


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