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2018-07-22

おしらせ

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・近所の天ぷら屋さんに聞いた話。

 ある日、北欧の若い人たちが店にやってきた。
 じぶんの国にいるときに、日本に来たことのある友人に
 この店の名刺をもらったということで、
 たのしみにして訪ねてくれたのだという。
 うれしくてしょうがないという姿だった。

 それを見ていたカウンターの別のところにいた中年の客。
 この近所に仕事場のある経営者の人らしい。
 店の前をよく通り掛がかっていたのだけれど、
 まだ入ったことがなかったという。
 今日、思い切って入口のドアを開けたのだという。

 北欧の若い人たちも、中年の社長も、
 天ぷら食べてすっかりごきげんになった。
 特に社長、うれしくなっちゃって、
 はるばる北欧からやってきた若い人を見ていた。
 天ぷらも、日本も、わるくないでしょう?
 人生の先輩として、ひとつここはごちそうしましょう。
 というわけで、もうひと組のお客さんの分まで、
 まとめて天ぷらの代金をおごってくれちゃったんだって。

 もうひと組のお客さんというのが、ご老人のカップルで、
 この店が開店した何十年前からの常連さんだった。
 ごちそうしたいという初めてのお客さんに素直に従って、
 気持ちよくおごられてくれたという。

 ただ、それだけの話なんだけれど、
 そこに、天ぷら屋のご主人も登場人物としているわけだ。
 で、いま語られている場面では、
 ぼくと、家人が、聞き役、うなづき役としている。

 もともとは他人の、ある店のお客という人たち、
 それぞれに配役があるわけでもないし、
 互いが互いを知らないままそこにいるだけなのだけれど、
 それぞれに名前がついたり設定があったりすると、
 けっこうおもしろいものなんだなぁと思ったんです。
 個人で長くやってる店って、都会のなかにあっても、
 なんか人と人をつなげちゃうことがあるんだね。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
他人同士がごちそうしあう場面って、なんかいいんだよな。


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