ずっと決まった枕がなかった、
という伊藤まさこさんが出会った
マニフレックスの「フラットピッコロ」。
小さくて、平らで、寝た時に首がのびる、
独自の高反発素材を使った枕です。
これをつくっているのが、イタリアの
「マニフレックス」(Magniflex)というメーカー。
東京・青山にあるショールームに伺い、
マニフレックスのこと、
この枕のことを取材してきました。
お話しくださったのは、マニフレックスの社員である
矢崎 理(やざき・おさむ)さんと
川田 雛(かわだ・すう)さんです。
モデル/商品写真=有賀 傑
取材写真=畑唯菜(weeksdays)
マニフレックスのこと
Magniflex
マニフレックスは、1962年に
フィレンツェで創業した寝具ブランド。
現在、世界の100か国に展開、
世界最大級の寝具の総合ブランド。
金属スプリングやプラスチック部品を使わず、
高反発フォームを使ったマットレスがメイン商品。
オール・メイド・イン・イタリー、
自社工場で一元管理をしている。
国立フィレンツェ大学とともに行なっている
人間工学に関する共同研究を商品開発に反映。
今では1日1万台以上、
年間でおよそ400万台のマットレスを販売、
世界で100カ国に輸出しており、
取り扱いが30年を超えた日本は
世界でのシェア2位なのだそう。
大きなマットレスを圧縮してくるくる巻き、
円筒ロール状で配達される。
02寝心地のよさのひみつ
- 伊藤
- マットレスも、枕もそうなんですが、
マニフレックスって、
硬さやフィット感だけじゃなく、
使っていてとても快適ですよね。
そこにはなにか秘密が?
- マニフレックス
- はい。「オープンセル分子構造」というんですけど、
素材そのものに分子レベルで
ジャングルジムみたいに穴が開いていて、
通気性がすごくいいんです。
寝てる間はコップ1杯分ぐらいの汗をかくといいますが、
特に頭って汗もかくし熱がこもるので、
こんなふうに通気性のいいものを使って、
蒸れずにお休みいただけるというのは、
眠りの要素として大事ですよね。
そういえばこんな実験があるんです。
下からドライヤーで熱風を当てると、
マットレスの上に置いた羽毛が
フワッと浮き上がってくるんです。
ここが一般的な低反発の芯材との違いですね。
耐久性については、
つぶして戻してみたいなことを繰り返す
テストをするんですけど、
そういうことに厳しいドイツの基準を
しっかり高い基準でクリアしています。
- 伊藤
- へたりにくい、ということでもありますね。
- マニフレックス
- はい、買って最初のうちがいいのは
当たり前なんですけど、
10年、12年、15年という形で
変形に対する保証をきちっと謳っています。
15年保証のものを10数年使ったら、
真ん中が凹んじゃいました、
みたいなことがあれば、
新しいものと交換しますよっていうことです。
寝心地そのものは
徐々にはやわらかくはなっていくんですけど、
落ち窪んじゃうとか変形しちゃうとか、
つぶれて戻ってこないみたいなことは起こりません。
逆にそれだけ耐久性もあって通気性もあるので、
真空ロールにしてもお宅でもう一回開けたときに、
空気を吸って反発力できちっと戻ってくるっていうのが
実現できてるんです。
- 伊藤
- 真空ロールは、発明ですよね。
- マニフレックス
- 輸送コンテナへの積載量が大幅に上がるんですよ。
マットレスのままだと
170台ぐらいしか積めなかったものが、
8倍近く積めるようになりました。
当然海を渡って運んできますんで、
CO₂の発生量を抑えるのにも貢献しています。
とはいえ、真空ロールにはフィルム、
平たく言えばビニール素材を使っていたので、
これを減らせないかとかっていうアプローチも
どんどん加速させています。
普通のパッケージに比べれば、
もともと省ゴミなんですけれど、
ちょっとでも減らせないかというので、
ゴミの量が1/10ぐらいになることを目指して、
新製品中心に、
徐々にこの新パッケージに切り替えています。
ロールを入れる段ボールも使わずに、
直接デリバリーの伝票を貼ってお届けしているんです。
そこに使うインクまで考えて。
あと、ちょっと補足というか蛇足かもしれませんけど、
コロナ禍のときにも、
スイスのメーカーがいちはやく開発した
コロナウィルスに対応できる薬剤を
染み込ませたファブリックを使いました。
やっぱり寝室というのは、
マニさんからの変わらぬ考えとして、
一番無防備で家族が安心安全で安眠するために
くつろげる場所でなくてはならないという思いがあるので、
そういう空間を提供していきたいと、
日々の企業努力を重ねているブランドです。
‥‥長々となりましたが、
マニフレックスのご紹介をさせていただきました。
- 伊藤
- ありがとうございます、
とてもよく理解できました。
マットレスから始まったマニフレックスにおいて、
枕はいつから登場したんですか。
- マニフレックス
- まくらは、2003年に発売を開始しました。
一番最初は「バイオシェイプピロー」というもので、
日本人の頭と首の形に合わせて作ってもらったタイプ。
今回の「フラットピッコロ」はイタリアでも販売している、
全世界型のノンシェイプタイプの低めの枕です。
ちなみに枕の中で、数的に売れているのは
「ピローグランデ」っていう大きいタイプですが、
「フラットピッコロ」はそれに次ぐ人気ですよ。
- 伊藤
- 「フラットピッコロ」の登場は、
本国では‥‥。
- マニフレックス
- 本国は昔からありました。
日本に参入したのが2010年です。
- 伊藤
- そうなんですね。
そこから、ロングセラーに?
- マニフレックス
- ロングセラー‥‥であることは間違いないんですけれど、
最初から売れていたかというと、そうではなく、
ここ4、5年で急にワッと評判になってきたんです。
- 伊藤
- 何かきっかけがあったんですか。
- マニフレックス
- 女性の方に低めのまくらのニーズが増えてきたこと、
美容エディター的なお仕事の方たちが
テレビや雑誌で「気に入って使ってます」って
取り上げてくださったことですね。
それもタイアップではなく、
ご自身の思いでお伝えくださったのが
大きかったと思います。
- 伊藤
- なるほど。
わたしは単純に「寝心地がいいなあ」と。
- マニフレックス
- ありがとうございます。
ロジカルに「こういう理屈だから、いいんです」よりも、
身体を預けたときのなんとなくの感覚、
無条件の開放感とか安心感、
落ち着くなぁとか、しあわせだなと思う、
その印象が大事ですよね。
- 伊藤
- そうですね。
「フラットピッコロ」の素材は──。
- マニフレックス
- 枕はすべて
「エリオセルMF(マインドフォーム)®」という素材です。
全身を受け止めるマットレスには
「エリオセル®」という反発力がしっかりあるもの。
頭と首を受け止める枕には
センシティブにきちっと反応して受け止められる
「エリオセルMF®」を使っているんです。
- 伊藤
- クルクルってできることから、
旅に持って行かれる方も多いんですか。
- マニフレックス
- 多いですね。
われわれもイタリア出張の時は持っていきます。
マットレスは、特にフィレンツェに行くと
マニフレックスが入っていることも多いんですが、
枕はフカフカッとしたタイプが多いんですよ。
- 伊藤
- ヨーロッパのホテル、その印象がありますね。
フカフカの枕が複数あると、
幸せな景色が演出できるんですよね。
いかにも上等なベッドルームの雰囲気が出るから。
- マニフレックス
- そうなんですよね。使い勝手は別として、
見た目と、クッションに近い気持ち良さがありますね。
でも寝るときは、枕はやっぱりマニフレックスです。
- 伊藤
- 社内でも使ってる方が多いんでしょうね。
- マニフレックス
- 弊社、自社製品の使用率がとても高いと思います。
ご家族を含めて愛用者が多い。
自社製品を、友人だったり、大切な人に勧めて
喜んでもらえるっていうのは、
社員としての誇りです。
- 伊藤
- 今回「フラットピッコロ」には
「トラベルロール」という
ピローケースをつけたまま丸めることができる
持ち運び用のアイテムが付属しますね。
これ、日本だけのオリジナルだと聞きました。
- マニフレックス
- はい、スタートは日本です。
もともとはうちの代表の発想で、
丸めたらいいんじゃないかって。
でも今は本国でも「スシ」といって、
製品化されているんです。
- 伊藤
- すごいですね!
そっか、巻くから「スシ」(笑)。
- マニフレックス
- 身内ながら、代表のアイデアと着眼点、
先見の明はさすがだと思います。
今、良くも悪くもマーケティングで、
お客さんが何を求めるかを探りますよね。
それもまたすごく大事なんですけど、
代表はどちらかというと
「思い」で進んできた人なんですよ。
「これはいいものだし、自分がそう信じてるから、
皆さんにも伝わるはずだ」っていう信念で。
- 伊藤
- それって大事なことですよ。
売る方が自信がないとお客様も不安です。
- マニフレックス
- そうですね。長く使ってもらうものだし、
枕もマットレスも誰もが使うものなので、
嘘がつけない。
リピーターを大切にしていこうというのも
一つはっきり最初からコンセプトとしてあったので、
アフターサービスとかいろんなケアを含めて、
大切にやらせていただいています。
今回も、耐久性の保証を3年つけています。
通常のご使用においてつぶれてしまったり、
変な形がついてしまったりすることは、
本来、ないので、そういうことがあれば
お申し出いただいて、
お預かりして検品をさせていただいて、
弊社規定に合致する場合は
新しいものに交換します。
- 伊藤
- ありがとうございます。
気温、室温で変化がないというのもいいですよね。
- マニフレックス
- 寒い部屋では硬くなったり、
夏場は逆にフニャッとしちゃったりする
芯材もありますからね。
その点、マニフレックスは安定しています。
- 伊藤
- 私がいいなと思ってるのは、
方向が決まっていないことです。
立体的な枕って、置き方が決まっているものが
多くあるんですけれど、
うっかり反対側にして寝ちゃったりするんですよ。
フラットピッコロはそれがないので、
表裏も、左右も気にせずに使えます。
逆にいつも違う方向で置いて、
片寄らないようにしています。
‥‥片寄ることもないんですけど。
- マニフレックス
- 片寄ることはありませんが、
それがいいと思います。
より長持ちするのはそういう使い方だと思いますから。
- 伊藤
- よかった!
この気持ちよさが、
多くの方に伝わるといいなと思います。
ありがとうございました。
- マニフレックス
- ありがとうございました。
(おわります)
2026-02-03-TUE