ほぼ日 |
シールブック、好調です! |
大図 |
あ、ホントですか。 |
ほぼ日 |
ありがとうございます。 |
大図 |
いえいえ、こちらこそありがとうございます。 |
ほぼ日 |
で、本日は、シールブックの話もお聞きしつつ
謎の多い大図さんを紐解いていこうかと思ってます。 |
大図 |
よろしくお願いいたします(笑)。
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ほぼ日 |
さっそくですが、大図さんが
この道に入るきっかけってなんだったんですか? |
大図 |
もともとは手芸用品を扱うお店で
販売促進という部署にいたんです。
その時代には、
あみぐるみで何かいっしょにやりたいと思って
「ほぼ日」にメールしたこともあるんですよ。
断られましたが(笑)。 |
ほぼ日 |
はい(笑)。 |
大図 |
で、クロスステッチだけでやっていこうと思って
仕事を辞めたのが去年なんですね。
さすがにすぐには辞められなかったんですが、
気持ち的には突発的だったんです。 |
ほぼ日 |
うんうん。 |
大図 |
いろいろと営業してました。 |
ほぼ日 |
話によると志賀昆虫(東京は青山にある、
昆虫標本で有名なお店)にも行ったとか。 |
大図 |
はい。
原寸で作った昆虫標本を
モチーフにした作品も多いですから。 |
ほぼ日 |
で、「ほぼ日」宛てに
作品の展示会の案内をいただいて
見に行ったんですよね。 |
大図 |
そうですそうです。
そのときに何かいっしょにやりましょうと
言っていただけて。 |
ほぼ日 |
で、最初にお願いしたのって‥‥。 |
大図 |
ギフトパッケージとハラマキですね。
同時期にふたつも(笑)。 |
ほぼ日 |
で、カレンダーとシールブックも
お願いしたわけです。
大図さんって社内でも人気高くて
ひっぱりだこですからね‥‥。 |
大図 |
とってもありがたいです。
僕、展示会とかそういったイベントに
積極的に出るようにしているんです。
そのとき「ほぼ日で見ました」って
言ってくださるお客様が多くて、
「ほぼ日、すげぇ」って実感しましたね(笑)。
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ほぼ日 |
そう言っていただけると
ありがたいかぎりです(笑)。
では、クロスステッチについて
お聞きしたいのですが、作品を完成させるのに、
どれだけ時間かかってるんですか? |
大図 |
そうですねぇ。
作品の大きさによって異なります。
今度、クロスステッチの講習を行うんですが、
早い人なら、2時間の講習で
ちょっとしたハートとかチョウチョのステッチが
完成させられますね。
背景に色がついているものなんかは、
その部分も縫わなくてはいけないので
かなり時間がかかるんです。 |
ほぼ日 |
そうか! 背景もステッチなんですもんね。 |
大図 |
そうです。 |
ほぼ日 |
デザインも考えて、実作業も行うとなると
相当の時間がかかりますね。 |
大図 |
たくさん仕事が来た場合なんかは、
いろいろな人に手伝ってもらって
手分けして作ってます。
デザインを考える時間よりも
実際に刺繍をする時間のほうがかかるんですよ。 |
ほぼ日 |
あー、なるほど。
そこは分担で作業できる部分なんですもんね。 |
大図 |
いま、仕事として受けているなかで
いちばん手間がかかるのが、
赤ちゃんの足型をクロスステッチで
再現したものなんですね。
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ほぼ日 |
あー、すごくいいアイデア!
これはかわいいですね。 |
大図 |
これ、僕がほかの仕事をこなしているあいだに
突然注文が殺到して
アタフタしている状態なんですよ。 |
ほぼ日 |
うれしい悲鳴(笑)。 |
大図 |
しわとかも、ひとつひとつ再現してあるんです。 |
ほぼ日 |
これはいいですね。
注文が殺到するのもわかりますもん。 |
大図 |
ちょうど友だちが赤ちゃんを産むことがわかって、
出産祝いを何にしようか考えていたときに
「あ、生まれてくる赤ちゃんの足型を
クロスステッチで作ったらおもしろいかも!」
とひらめきました。
注文をいただいたあとに、
赤ちゃんの足型を送ってもらうんですけど、
いま家には20人くらいの
かわいい赤ちゃんの足型が(笑)。 |
ほぼ日 |
あははは。
あんまり待たせちゃうと
赤ちゃんが成長しちゃって大きくなっちゃう! |
大図 |
僕、仕事をこなすのがあんまり上手じゃなくて、
ひとつひとつ片付けていかないとダメなんです。
そんななかで、
いま、頭をかかえている仕事がありまして‥‥。 |
ほぼ日 |
どんな仕事です? |
大図 |
ある雑誌の表紙を手がけることになって、
紙に刺繍してほしいって言われたんです。 |
ほぼ日 |
うんうん。 |
大図 |
だいたい5000部くらいの
知る人ぞ知るような雑誌なんですが、
よくよく聞いてみたら、
1冊1冊の表紙に刺繍することだったんです! |
ほぼ日 |
えぇ!? 5000部も!? |
大図 |
そんなキチッとした刺繍ではなく、
刺繍糸を通して垂らす程度なんですが、
手作業でこなしていくしかないんですよ。
でも、すごく大変なのはわかってるんですが、
その試みがおもしろそうで
引き受けちゃったんですよね(笑)。
※インタビューのあとでこの表紙の計画は
表紙を全面クロスステッチでデザインしたものを
印刷するというものに変更になりました。 |
ほぼ日 |
おもしろそうって‥‥(笑)。
そういうたいへんな仕事をこなしつつも
いろいろな作品作りもされてますよね。
たとえばコレなんですが。
コレってアレがモチーフですよね? |
大図 |
イベント用に作っている作品なんですが、
いっぱい作ったらおもしろいかなぁ、と思って
いっぱい作っちゃいました。
あ、つけてみますか? |
ほぼ日 |
いいんですか? よろこんで!
ーーー 装着中 ーーー
|
ほぼ日 |
あ、なんかコレうれしくなっちゃいますね。 |
大図 |
ネットで海外からたくさん注文が来るんですよ。 |
ほぼ日 |
海外からですか? |
大図 |
辞書片手にいただいたメールを訳していくと、
どうも海外のヒップホップ系の雑誌や
ファッションブランドに携わっている人から
反響をいただいているようです。 |
ほぼ日 |
へぇー、意外ですね。
海の向こうのB-BOYがこれを着けてるのかぁ。 |
大図 |
あと講習会も頻繁にやらせてもらっています。
「ほぼ日」でも見たという方も
多くいらっしゃってますね。 |
ほぼ日 |
ホント一歩一歩前進している感じがしますよ。 |
大図 |
ありがとうございます。
僕、いま28歳なんですけど、6、7年まえに
このクロスステッチを始めました。
そのときは就職もせず、バイトをしながら
何かできることを探している青年だったんです。
で、たまたまこのクロスステッチに出会って
始めたら運よく評判になったわけです。 |
ほぼ日 |
もともと何かを作るという行為は
好きだったんですか? |
大図 |
そうですね。
親がイラストレーターだったんですよ。
で、手芸も趣味でやってるような人で。
だから材料なんかは家にあったんです。
さらに姉と妹は大学の被服科なんですね。
家で課題をやっている姿を見てまして
興味はあったんです。
でも男だったので(笑)。
それに、おばあちゃんが手芸をやっている
僕の姿を見るのを嫌がったんですね。
「男のくせに」ってな感じで。
だから、一人暮らしを始めたのといっしょに
クロスステッチも始めました。 |
ほぼ日 |
自分の好きなことを仕事にした感じですね。 |
大図 |
そうですね。
あと、男の方が少ない世界なので、
僕はラッキーだったな、って思うんです。
よく感想のメールをいただくんですが、
女性が恐竜をデザインしたりすると、
どうしてもかわいらしいものになっちゃうそうで。
僕のはかわいくないデザインなんですよ(笑)。 |
ほぼ日 |
糸井も「男の子らしいデザイン」と
評してましたしね。
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大図 |
さっきの時計みたいに、
いろいろインスパイアされたものを図案にした
作品を作ることもあるんですが、
そういうものってなかなか紹介されづらいんですよ。
まえに取材を受けたときなんか、
いろいろ持っていったんですけど、
何も載せられなくて(笑)。
権利ものにインスパイアされることが多いと
気づきましたね。 |
ほぼ日 |
うんうん、たしかに。 |
大図 |
たしかに(笑)。 |
ほぼ日 |
そういえば、新しい本が出るとか聞きましたが
進み具合はいかがですか? |
大図 |
はい。いま、来春発売予定の本の製作に
取りかかっています。
もうそろそろ刺繍の作業に
入らなくてはいけないのですが、
やりたいことがありすぎて、
ページ数の問題を編集担当の方と
やんわりモメています(笑)。
でも、これはよい本になりますー。 |
ほぼ日 |
おぉ、期待できますね。
さらに「ほぼ日」からも新たなデザインを
お願いすると思いますので、
そのときはよろしくお願いします。 |
大図 |
こちらこそよろしくお願いいたします!
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