「ほぼ日のシールブック」の
デザインをてがけた
大図まことさんインタビュー。
2008.11.21
ほぼにちわ、です。

ほぼ日手帳といっしょに使えばあなたの手帳ライフが
ググッと楽しくなる文房具「すてきな文房具」

そのなかに「ほぼ日のシールブック」なるものが
あるのをご存じでしょうか。
FOOD、PLAY、SCHOOL&BUSINESSなど、
8つのカテゴリーに分けられた
400点以上のシールを収録しております。
どのシールもクロスステッチ(刺繍)の図案でできており、
独特の風合いを出しています。

そのクロスステッチをデザインされたのが
クロスステッチデザイナー、大図まことさんです。
すでに「ほぼ日nonbillyハラマキ」
「ほぼ日のギフトパッケージ」
その類い希なるデザインセンスは実証済み。
男性ながら、作り出される図柄は、
かわいらしいさとアイデアに満ちあふれています。
さらに今年は、
「ほぼ日ホワイトボードカレンダー2009」でも
その手腕を発揮しております。

そんな大図さんにいろいろなお話をうかがいました。
大図さんがクロスステッチを始めた理由や
ユニークな図柄のアイデアなど、
話は多岐にわたっています。

ごゆるりとお楽しみくださいませ。

それでは大図さん、よろしくお願いいたします!

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大図 あ、ホントですか。
大図 いえいえ、こちらこそありがとうございます。
大図 よろしくお願いいたします(笑)。



大図 もともとは手芸用品を扱うお店で
販売促進という部署にいたんです。
その時代には、
あみぐるみで何かいっしょにやりたいと思って
「ほぼ日」にメールしたこともあるんですよ。
断られましたが(笑)。
大図 で、クロスステッチだけでやっていこうと思って
仕事を辞めたのが去年なんですね。
さすがにすぐには辞められなかったんですが、
気持ち的には突発的だったんです。
大図 いろいろと営業してました。
大図 はい。
原寸で作った昆虫標本を
モチーフにした作品も多いですから。
大図 そうですそうです。
そのときに何かいっしょにやりましょうと
言っていただけて。
大図 ギフトパッケージとハラマキですね。
同時期にふたつも(笑)。
大図 とってもありがたいです。
僕、展示会とかそういったイベントに
積極的に出るようにしているんです。
そのとき「ほぼ日で見ました」って
言ってくださるお客様が多くて、
「ほぼ日、すげぇ」って実感しましたね(笑)。



大図 そうですねぇ。
作品の大きさによって異なります。
今度、クロスステッチの講習を行うんですが、
早い人なら、2時間の講習で
ちょっとしたハートとかチョウチョのステッチが
完成させられますね。
背景に色がついているものなんかは、
その部分も縫わなくてはいけないので
かなり時間がかかるんです。
大図 そうです。
大図 たくさん仕事が来た場合なんかは、
いろいろな人に手伝ってもらって
手分けして作ってます。
デザインを考える時間よりも
実際に刺繍をする時間のほうがかかるんですよ。
大図 いま、仕事として受けているなかで
いちばん手間がかかるのが、
赤ちゃんの足型をクロスステッチで
再現したものなんですね。



大図 これ、僕がほかの仕事をこなしているあいだに
突然注文が殺到して
アタフタしている状態なんですよ。
大図 しわとかも、ひとつひとつ再現してあるんです。
大図 ちょうど友だちが赤ちゃんを産むことがわかって、
出産祝いを何にしようか考えていたときに
「あ、生まれてくる赤ちゃんの足型を
 クロスステッチで作ったらおもしろいかも!」
とひらめきました。
注文をいただいたあとに、
赤ちゃんの足型を送ってもらうんですけど、
いま家には20人くらいの
かわいい赤ちゃんの足型が(笑)。
大図 僕、仕事をこなすのがあんまり上手じゃなくて、
ひとつひとつ片付けていかないとダメなんです。
そんななかで、
いま、頭をかかえている仕事がありまして‥‥。
大図 ある雑誌の表紙を手がけることになって、
紙に刺繍してほしいって言われたんです。
大図 だいたい5000部くらいの
知る人ぞ知るような雑誌なんですが、
よくよく聞いてみたら、
1冊1冊の表紙に刺繍することだったんです!
大図 そんなキチッとした刺繍ではなく、
刺繍糸を通して垂らす程度なんですが、
手作業でこなしていくしかないんですよ。
でも、すごく大変なのはわかってるんですが、
その試みがおもしろそうで
引き受けちゃったんですよね(笑)。

※インタビューのあとでこの表紙の計画は
 表紙を全面クロスステッチでデザインしたものを
 印刷するというものに変更になりました。
大図 イベント用に作っている作品なんですが、
いっぱい作ったらおもしろいかなぁ、と思って
いっぱい作っちゃいました。
あ、つけてみますか?
大図 ネットで海外からたくさん注文が来るんですよ。
大図 辞書片手にいただいたメールを訳していくと、
どうも海外のヒップホップ系の雑誌や
ファッションブランドに携わっている人から
反響をいただいているようです。
大図 あと講習会も頻繁にやらせてもらっています。
「ほぼ日」でも見たという方も
多くいらっしゃってますね。
大図 ありがとうございます。
僕、いま28歳なんですけど、6、7年まえに
このクロスステッチを始めました。
そのときは就職もせず、バイトをしながら
何かできることを探している青年だったんです。
で、たまたまこのクロスステッチに出会って
始めたら運よく評判になったわけです。
大図 そうですね。
親がイラストレーターだったんですよ。
で、手芸も趣味でやってるような人で。
だから材料なんかは家にあったんです。
さらに姉と妹は大学の被服科なんですね。
家で課題をやっている姿を見てまして
興味はあったんです。
でも男だったので(笑)。
それに、おばあちゃんが手芸をやっている
僕の姿を見るのを嫌がったんですね。
「男のくせに」ってな感じで。
だから、一人暮らしを始めたのといっしょに
クロスステッチも始めました。
大図 そうですね。
あと、男の方が少ない世界なので、
僕はラッキーだったな、って思うんです。
よく感想のメールをいただくんですが、
女性が恐竜をデザインしたりすると、
どうしてもかわいらしいものになっちゃうそうで。
僕のはかわいくないデザインなんですよ(笑)。
大図 さっきの時計みたいに、
いろいろインスパイアされたものを図案にした
作品を作ることもあるんですが、
そういうものってなかなか紹介されづらいんですよ。
まえに取材を受けたときなんか、
いろいろ持っていったんですけど、
何も載せられなくて(笑)。
権利ものにインスパイアされることが多いと
気づきましたね。
大図 たしかに(笑)。
大図 はい。いま、来春発売予定の本の製作に
取りかかっています。
もうそろそろ刺繍の作業に
入らなくてはいけないのですが、
やりたいことがありすぎて、
ページ数の問題を編集担当の方と
やんわりモメています(笑)。
でも、これはよい本になりますー。
大図 こちらこそよろしくお願いいたします!




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大図さん、楽しいお話をありがとうございました。

大図さんがデザインされた「ほぼ日」グッズ、
「ほぼ日のシールブック」
「ほぼ日ホワイトボードカレンダー2009」
「ほぼ日のギフトパッケージ」は絶賛発売中です。
ぜひデザイン性と独創性に溢れた
クロスステッチをお楽しみください。

さらに大図さんの作品は、
大図さんご自身のwebで購入できます。

ステキな作品ばかりですので、
ぜひ一度ご覧くださいませ。