「ほぼ日手帳」は、
記憶を司る
“海馬”のような存在です。
2007.12.07
「ほぼ日ごきげんハラマキ」のデザインを
担当してくださった、
テキスタイルデザイナーの有田昌史さんも、
「ほぼ日手帳」を愛用してくださっているお一人です。
有田さんの手帳は、
頭に浮かんだキーワードやイメージを
思いつくままに、
どんどん手帳に書き込んでいくというだけあって、
いままで見たことのないような世界が
広がっていました。


有田昌史さん

記憶を司る“海馬”のような存在

ーー 有田さんは、今年(2007年版)から
「ほぼ日手帳」を使ってくださっている
そうですね。
有田 はい。
今年の夏に、ほぼ日のハラマキの
デザインを担当したときに、
「ほぼ日手帳」の存在を知って、
何か気になって使いはじめたんですよ。
ーー 有田さんは、「ほぼ日手帳」を
ふだんどんなふうに
使っていらっしゃるんですか?
有田 手帳なので、基本的には、
予定を書き込でいます。
予定は月間カレンダーに
どんどん書き込んでいきます。
予定が変わったら、線を引いて消して、
さらに隙間を縫って書き込んでいくので、
他の人が見ても、
何が書いてあるのかわからないでしょうね(笑)。

ーー 予定以外には、
何か書いていらっしゃいますか?
有田 新幹線や飛行機の中で、
3、4時間くらい時間があったりするときは、
言葉のひらめきや、抽象的な図形のひらめきを描いたり、
そのとき読んでいる本の中で気になることがあると、
それについて思ったことなど、
とにかく思いつくままに、
一気にキーワードを書き出していきます。
ーー 言葉だけでなく、
頭に浮かんだデザインのスケッチも、
手帳に描いたりするのですか?
有田 そうですね。
いろんな絵のパターンを、
思いつくままに、描くこともありますね。

有田 「ほぼ日手帳」とは別に
スケッチブックを愛用しているんです。
ほんとうは、常にこのぐらいの
A3サイズくらいのスケッチブックを
持ち歩けたら最高なんですけどね。

ーー スケッチブックを拝見していると、
具体的な図柄というよりは、
抽象的な絵が描かれているようですが‥‥
有田 たしかに、デザインのラフの段階では、
具体的な図柄というよりは、
世界観といったものを
描いていることが多いですね。
僕は、新しい仕事をするとき、
まず最初に、本質や世界観を
イメージします。
このイメージを取りこぼさないための
スケッチがすごく重要で、
旅先やちょっとお昼に出たりするときに、
大きなスケッチブックを持って行けないときは、
「ほぼ日手帳」の出番です。

ーー 思いついたら、
とにかく、どこにでも書き込むんですね。
有田 はい。
脳や心の中で沸き起ってくるものから、
実際に、最終的なデザインの形に落とすための、
痕跡のようなものを残しておきたいんです。
たとえば、すごく素敵な夢を見たときに、
朝、夢のしっぽを捕まえておくと、
そこから連想して思い出せますよね。
反対に夢のしっぽをつかみそこねると、
全く思い出せなくなりますが、
それと同じようなことなんです。
ーー 言葉や絵として残しておいたものを
とっかかりにして、
創作活動につなげていくということですね。
有田 そうです。
たとえ、他の人から見たら、
不可解なスケッチや言葉だったとしても、
自分自身では、それを見て、
描いたときの香りや空気感などが、
臨場感をもって想起されるんです。
ーー 「ほぼ日手帳」は、
有田さんの頭の中を
呼び起こすためのツールなんですね。
有田 はい。
僕にとって、「ほぼ日手帳」は、
記憶を司る“海馬”のような存在です。

「ほぼ日手帳」は愛車感覚に近くて、
気がついたら、愛着が湧いていました。


ーー 有田さんは、過去に使っていた手帳を
読み返したりすることはありますか?
有田 読み返しますよ。
過去の手帳を見てみると、
その当時に描いていたビジョンを
どのくらい実現できたかなといったことを
振り返ることができますから。
だから、僕は、
何年も前の手帳も、ずっと取っておきます。

ーー 「ほぼ日手帳」のユーザーの方も
よく、使い終わった手帳を
取っておくとおっしゃっています。
あとで読み返したりすると面白いんですよね。
有田 そうなんです。
(ご自身が使っておられた手帳をめくりながら、)
たとえば、こういう絵も、
この当時でないと、
描けないないような視点があるんですよね。
手帳は、自分のその年の記録帳ですから、
やっぱり読み返すと面白いですねえ。
ーー 最後に、今年、「ほぼ日手帳」を使ってみて、
いかがでしたか?
有田 僕は、機能的で、美意識に心地よくて、
愛着を感じられる、
その3つが合わさったところに
定着するものが生まれると思うんです。
機能だけだと、機能の競争の中で
いくらでも新しいものが出てきたら
切り替えられるだろうし、
愛着だけあっても、
手帳としては不十分でしょうし、
美意識だけだと、
実際、仕事で使ったりしていると、
不都合なことが多いかもしれないけれど、
その3つのバランスがよいと、
生活の中で定番化していくと思うんです。
そういった意味で、僕にとって
「ほぼ日手帳」は、
お世辞ではなく画期的な商品でした。
ーー 有田さんの中で、
「ほぼ日手帳」は定番化したということですか。
有田 はい。
「ほぼ日手帳」を持っているのは、
愛車感覚に近くて、
気がついたら、愛着が沸いていました。
鞄にしても、机にしても、
「何となくいいよね」という言葉で
集約されるようなことで、
愛着が沸くものの見えない定義があると思うんですよ。
何となくいいというのは、
多分、本当はものすごく情報量があるからこその
何となくいい、なんです。
何となくいいよね、だからまた使いたいよね、
といった感覚で、
あの店、何かいいから常連になっちゃった
といった感覚に近いですね。
「ほぼ日手帳」は、
そういう定番になるような座りの良さがあって、
馴染みが良い。
そして、自分の中で知らないうちに
定番化しているという感覚がありました。
今年使ってみて、来年も
「ほぼ日手帳」を使おうと決めました。
ちなみに、来年は「ヌメ革」のカバーを
使おうと思っています!



有田さん、どうもありがとうございました。
有田さんは、
「カバーにも、いろいろ入るから、
 ほんとに、この手帳を1冊だけ持って、
 ふらっと出かけることも多いんですよ。」
とおっしゃっていました。
来年も、いろんなところに持ち歩いていって、
「ヌメ革」の手帳が
有田さんの色に変化していってくれたらいいなと
思いました。

それでは、また!