マジシャン・前田知洋さん
「なにかを書き込むからこそ
 完成する手帳ですよね」
2007.10.19
ほぼにちわ!
ただいま「あのひとの本棚。」のコーナーにも、
ご登場いただいている、
クロースアップマジックの前田知洋さんも、
「ほぼ日手帳」を愛用してくださっている
ユーザーのお一人です。
手帳にマジックのことを書いたりするのかな?
お仕事のことやプライベートのことも
書き込まれているのかな?
なんて想像しながら、
前田さんご自身に、お使いの「ほぼ日手帳」について、
お話ししていただきました!



マジックのネタや衣装を書き込んでいます。

ほぼ日 前田さんは「ほぼ日手帳」に
予定以外にも、いろいろと
書き込んでいらっしゃるのですか?
前田 もともと20代のころは、
いちいちメモをとったりすること自体が、
男として、どこかかっこ悪いな、
と思っていたんですよ。
でも、だんだんと年を重ねるにつれて、
思いついたことはメモしておいた方が、
あとで楽だなということに気がついたのです。
それから手帳にいろいろと
書き込むようになりました。
いまでは、自分の予定だけでなく、
マジックのアイデアも、
ほとんど手帳に記録するようにしています。
ほぼ日 マジックのネタも、
手帳に書き込んでいるのですか?
前田 マジックのネタをしっかり書き込むというのではなく、
外出先でアイディアを思いついたとき、
まず手帳に書き込むようにしています。
手帳とは別にマジックのネタ帳を持っていますので、
手帳とうまく連動しながら、
基本的に、マジックのネタは、
そのネタ帳に書いています。
僕は、手帳のポケットの中に、
つねに、黄色い付箋と青い付箋を入れているのですが、
たとえば、マジックを思いついたとき、
「これは、世間の方たちに理解されにくいだろうなあ」
といった、即実現されないようなアイデアは、
黄色い付箋に書いて手帳に貼っています。
この黄色い付箋に書いたアイデアを、
“プロジェクト・イエロー”と呼んでいます。
そして、もうひとつは、青い付箋。
こちらは、即採用できるアイデアで、
例えば、次のテレビ番組で使うネタを考えているときに、
「これはウケる可能性が高いな!」とか、
「こういうふうにプレゼンテーションをしよう」
といった、すぐに実行できそうなアイデアは、
青い付箋に書き込むことにしています。
これは“プロジェクト・ブルー”と呼んでいます。
ほぼ日 アイデアの質によって、
書き込む付箋の色を変えて、
ご自身の中で区別しているんですね。
前田 はい。
思いついたことは、
「即採用」か「しばらく寝かせる」かを判断して、
それぞれ、黄色か青の付箋に書き込んで、
手帳に貼っておきます。
そのあとにネタ帳に清書していきます。


前田さんの「ほぼ日手帳」とマジックのネタ帳。
ほぼ日 ほかには、どういったことを
書き込まれているのですか?
前田 パーティやテレビ番組で披露した、
マジックのネタを記録しています。
前回はこれを披露したから、
今回は違うネタにしようといった
ネタえらびの参考になりますので。
あと、もうひとつ大事なことは、
衣装を記録しておくことですね。
ほぼ日 なぜ衣装の記録が大事なのですか?
前田 僕は、マジックをするときに、
ジャケットに仕掛けをほどこしたりせずに、
普通にお店で売っているジャケットやスーツを
着用しています。
ところが、服によって、
微妙にポケットの位置や大きさが異なるので、
実際に着る服ごとに練習を重ねる必要があります。
衣装ごとに練習が必要な分、
他のタレントさんに比べると、
衣装の数はおそらく10分の1くらいだと思いますよ。
ですので、少ない衣装の中でも、
できるかぎり、同じ衣装に見えないように、
例えば、ジャケットが同じだったら、
インナーやパンツを変えてみたりして
工夫をしています。
そんなわけで、ジャケットと、
インナーやパンツなどの組み合わせが
けっこう細かくなるので、
あらかじめ、手帳に書き留めておくことにしています。

ほぼ日 お仕事以外のプライベートなことで、
なにか書き留めていらっしゃることはありますか?
前田 僕は、インテリアがとても好きなのですが、
インテリアを買うときの参考に、
自宅の各部屋の壁のサイズなどを書いています。
というのも、お店で気に入ったものを見つけて、
「これは、わが家にすごく合うだろうなあ」
と思って買って帰ると、
「あれ? 思っていたイメージと違う‥‥」
なんてことがよくあるんです。
お店の中に展示されているときのイメージと、
実際に家に置いたときとでは、
壁の材質や色、部屋のスケール感が違うので
どうしても違和感が出てきてしまうんですね。
ですので、自宅の部屋の、
壁の縦横のサイズを手帳に書いておいて、
さらに、巻尺を持っていって、
お店の壁の縦横のサイズと見比べながら、
なるべくイメージが違わないように、
えらぶようにしています。
あとインテリアを買うと、必ず、
「配送日は、いつがご希望ですか」
と訊かれますよね。
だいたい数週間から1ヶ月先のお届けということが
多いので、
手帳を見ながら、確実に受け取れる日に
配達していただくようにしています。
インテリアショップに行くときは、
手帳は必需品ですね。
気に入ったものを見つけても、
万が一、手帳を持っていなかったら、
「また出直します」と言ってしまうことも
あるくらいです。


ファンの人たちの「ほぼ日手帳」に触発されて、
僕自身も、カスタマイズしています。


ほぼ日 「ほぼ日手帳」を使っていて、
とくに気に入っておられるところは、
どういった点ですか?
前田 “月の満ち欠け”があったり、
巻末には、しりあがり寿さんの
4コマ漫画があったり、
「ほぼ日手帳」には、
余裕というか、隙のようなものがあって、
そこが、とてもいいなと思います。
隙があるからこそ、
使っている僕らがあれこれ書き込んだり、
カスタマイズしたり、
自分のものにできる余地があるような気がします。
「ほぼ日手帳」は、使う人たちそれぞれが、
いろんなことを書き込んで、
はじめて完成する商品ですよね。
ほぼ日 前田さんの手帳にも、
しおりに、素敵なストラップがついていて、
カスタマイズされているようですが‥‥

前田 はい。
僕のファンであり「ほぼ日手帳」ユーザーの人たちが、
カバー・オン・カバーに、
僕の写真やトランプの柄をはさんだりして、
「前田知洋バージョン」に
カスタマイズして使ってくださっているのを、
インターネット上で、よく見かけていました。
ありがたいことだなあとうれしいのと同時に、
これは「手帳文化」とも言えて、
面白いことだなあと思ったんです。
そこで、僕自身も、
ファンの人たちの手帳に触発されて、
カスタマイズをしてみました。
この黒のチャームは、僕のオリジナルのマークで、
以前、ファンの集いを開催したときに、
ファンの人たちに
特別なものを差し上げたいということで
このチャームをプレゼントしたことがあるのですが、
そのときのものです。
テレビ局に行くと、
「ほぼ日手帳」を使っていらっしゃるスタッフの方々が
とても多いので、
同じ色の手帳が現場に2冊あるということも、
よくあります。
そういうときに、このチャームがついていると、
すぐに僕の手帳だとわかるので、
カスタマイズしていることで、たすかっていますね。


しおりにつけている前田さんオリジナルのチャーム。
ポケットには、黄色と青の付箋や、
ファンの人たちにサインを書くときのトランプも常備。
ほぼ日 最後に、前田さんは、2008年版の「ほぼ日手帳」は、
どの色のカバーを使いたいですか?
前田 僕が去年、この革カバー
(「牛革ガラス加工・ブルーブラック」)を
えらんだのは、
何年間も使いたかったからなんです。
ですので、2008年版は、
カバーはそのまま使って、
本体のみ差し替えることにします。
他の人にこのカバーを見せながら、
僕は、前から「ほぼ日手帳」を使っているんだよって、
ちょっと、先輩気取りで言いたいですね(笑)。


前田さん、どうもありがとうございました!
テレビで拝見する前田さんのクロースアップマジックは、
思わず叫び声をあげてしまうほどの驚きと興奮の連続で、
見ている人たちを楽しませてくれます。
今回の取材の間も、身振り手振りを交えながら、
話を伺っている「ほぼ日」乗組員を
つねに楽しませてくださって、
笑い声が絶えない、とっても楽しい時間でした!!