経済はミステリー。
末永徹が経済記事の謎を解く。
末永徹さんとご近所で、たのしみが増えたよ。
突然、松本人志さんとの座談会に入ってもらったりして、
普段の自分たちにない視点での話が聞けるし、
大きな経済のしくみを、微笑みとともに語ってもらえる。
ご近所だからって、いろいろご迷惑かけてスミマセン。

末永徹さんは、『メイクマネー!』(文芸春秋)の著者で、
どちらかというと研究者タイプの、好奇心旺盛な人。
現在は、若隠居とか贋隠居とか言われてるけど、
ポテンシャルを貯めまくっている感じです。
「ほぼ日」では、経済関係のニュースを、
読み解いてもらうことになりました。

雑誌『中央公論』でも連載中だから、
興味あったら、そっちも読んでください。

第53回 滅多にないほど、忙しかった


突然ですが、本が2冊出ます。

ひとつは、白いシンプルな装丁の
『日本が栄えても、日本人は幸福にはなれない』
(ダイヤモンド社)で、
去年『中央公論』に連載したエッセイが
もとになっています。
大幅に加筆したので、
連載をお読み下さった方にとっても読むところあり。

日本国民の大半は『構造改革』が何か知らないで
小泉内閣を支持してきたのではないか、
私たちは本当に『構造改革』を望んでいるのか、
というようなテーマですね。

タイトルは、出版社がつけてくれたのですが、
「小泉内閣は、日本という国を栄えさせても、
 日本人を幸福にはしない可能性が高いのではないか」
という問題提起です。
あまりガラではないんですが、
リアルな問題提起をやらないと本が売れないと
編集者に励まされて、かなり厳しいことを言ってます。

もうひとつは、コートのポケットに入るような
青い小さな『通勤電車で身につく 経済の読み方』で、
「読み通せる経済用語辞典」がコンセプトです。
85のキーワードを見開き2ページで解説してあります。
編集者の御尽力で参照ページと索引も整備されていて、
この本は、ストレートに役に立ちます。
通勤しない方も、新聞や雑誌の経済記事を読む時に
手元にあったら便利でしょう。

今年は正月からこの2冊の仕事に忙殺されて、
気がついたら、短い暖冬が過ぎて桜が咲いてしまった。
一生を通じて、こんなに忙しかったことはないくらい、
働きました。
少なくとも、腰痛に耐えられなくなったから
床につくなんていう経験は、人生始まって以来だった。
一晩で治る程度の軽症ですが。

うすうす感じていたけど、
「机に向って原稿を書く」という作業は
肉体労働なんだよね。
僕など、電気タッチのキーボードを叩いているのに、
月に200枚が肉体的な限界だった。
昔の人は、羽ペンや万年筆で筆圧をかけながら、
よくも、あんなに書いたもんだと思う。

腹筋、背筋を鍛えてパソコンに向っていられる時間を
伸ばすか、
あるいは、書き出す先に構想を練って
パソコンに向う時間を短くするか。
僕がプロフェッショナルに原稿を書いて行くには、
そのどちらかが必要なようです。

末永さんへ激励や感想などは、
メールの表題に「末永さんへ」と書いて、
postman@1101.comに送ってください。

2002-03-19-TUE

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2001-03-08 第1回 プロの視点
2001-03-11 第2回 政府の信用調査
2001-03-14 第3回 織り込み済み
2001-03-18 第4回 日銀のトラウマ
2001-03-20 第5回 市場関係者の思惑
2001-03-23 第6回 「量的緩和」と「インフレ・ターゲット」
2001-03-26 第7回 信用創造について(金融緩和政策の補足)
2001-03-29 第8回 「カラ売りを買戻しする」とは
2001-04-01 第9回 銀行にとって特別な「最後の一日」
2001-04-02 第10回 ありそうでない「資産効果」
2001-04-06 第11回 損、得の基準
2001-04-09 第12回 アジアからのさざ波
2001-04-12 第13回 政治VS経済
2001-04-15 第14回 あなたは「消費者」か?
2001-04-18 第15回 なぜヤフーや楽天は儲からなかったのか?
2001-04-21 第16回 ネットは一人勝ち?
2001-04-24 第17回 インターネットにしか出来ないこと。
2001-04-27 第18回 いつまでも期待の新人ではいられない
2001-05-01 第19回 あなたは小泉支持?
2001-05-09 第20回 お金を意識して払う、それが市場原理
2001-05-13 第21回 電子商取引環境って?
2001-05-16 第22回 機密費と接待費
2001-05-19 第23回 小泉革命?と御懐妊
2001-05-25 第24回 僕の会社がなくなった
2001-05-28 第25回 社名もブランド
2001-05-31 第26回 契約書のない約束
2001-06-04 第27回 フリーター型社会
2001-06-07 第28回 国力と国民の幸福
2001-06-10 第29回 成長期は終わっても
2001-06-13 第30回 ブッシュ減税
2001-06-17 第31回 所得の曖昧さ
2001-06-20 第32回 政府は役に立つか
2001-06-24 第33回 所得の再分配
2001-06-27 第34回 錬金術の亡霊
2001-07-02 第35回 公共財
2001-07-05 第36回 余計なお世話だけど・・・
2001-07-10 第37回 誰も政府は止められない
2001-07-13 第38回 市場の失敗
2001-07-17 第39回 経済学が仮定する人間とは?
2001-07-23 第40回 取引費用
2001-07-27 第41回 迷惑の市場
2001-08-02 第42回 アメリカ史上最大の赤字
2001-08-08 第43回 見えない「のれん」
2001-08-14 第44回 選挙と市場
2001-08-17 第45回 選挙と市場(続き)
2001-08-24 第46回 IT時代の民主主義
2001-08-27 第47回 インフレ・ターゲットと調整インフレ
2001-09-07 第48回 ディズニーシーとアストロバイオロジー
2001-09-13 第49回 戦争と株価
2001-10-26 号外(第50回) 御無沙汰してます!
2001-11-14 第51回 11月3日 新宿
2001-12-18 第52回 ちょっとばかり宣伝を