経済はミステリー。
末永徹が経済記事の謎を解く。

第20回 お金を意識して払う、それが市場原理


連休中に見たテレビのワイドショーで、
iモードに勝手に送られてくる宣伝メールの通信費を
受信者が負担させられていることを知った。
ちょっと驚いた。
大した金額ではないが、
知らない間にお金を払わされるのは愉快ではない。
 
でも、腹を立てる前によく考えてみたら、
僕は、ぜんぜんiモードを使っていない。
宣伝メールの受信料より、
毎月300円(でしたっけ?)の基本料金のほうが、
よっぽどもったいない。
 
僕は、流行に疎いほうである。
初めて携帯電話に加入した時のころんとした形の
重たい機種(当時は最新モデルだった)を、
ずっと買い替えずに使っていた。
人前で取り出すと好奇と不審の目で見られるほど
時代遅れの型になっても使っていたが、
タクシーに置き忘れてなくしてしまった。
ドコモショップで薦められるままに
iモードに加入したのである。
 
今更ながら、僕にとって、iモードはまったくムダ。
停止するのも面倒臭いから、
多分、今の携帯電話をなくすまで
そのまま加入していると思うが・・・
 
さて、iモードに加入している方は御存知であろうが、
宣伝メールのほとんどは「出会いサイト」から来る。
つまり、私たちは、出会いサイトの
宣伝費を半強制的に負担させられている。
はっきり言えば、
出会いサイトの運営費を負担しているのである。
 
そう考えると、不愉快になりませんか?
 
iモードに加入している大勢の人が、
はっきりと意識しないままに、
出会いサイトの運営を手助けしている。
補助金が出ているようなものですね。
その結果、出会いサイトという商売が
必要以上に儲かりやすくなり、
必要以上の数の出会いサイトが
世の中に出現することなる。
 
実は、「出会いサイトの宣伝メールの受信料」は、
はっきりと使い道を指定しないで
支払われたお金の一例に過ぎない。
この問題を取上げていたワイドショーだって、
「スポンサー企業の製品を買う時に私たちが支払ったお金」
で制作されている。一応、
国会で可決された予算に基づいているとはいえ、
税金も、支払った私たちが使い道を指定できない。
 
「お金を支払う人」と
「お金を受け取ってモノやサービスを提供する人」
の距離が短ければ短いほど、
その人が本当に欲しいモノやサービスを
手に入れることができる、と思いませんか? 
給食、社員食堂、レストランの順番で、
料理の味はよくなるでしょう? 
それが、「市場原理(マーケット・メカニズム)」である。

日本では、まだ、
「市場原理=金儲け主義」
というイメージを持っている人が多い。
でも、それは間違い。
欲しいモノやサービスを自分たちが直接選ぶか、
第三者(多くの場合は国)に決めてもらうか、
という問題なのだ。
 
そういう基準でテレビドラマと映画を較べたら、
映画のほうが市場原理、ということになる。
映画の制作費は、はっきりと意識して
お金を支払った観客が負担している。
テレビドラマの制作費は
「スポンサー企業の製品を買う時に支払われたお金」だ。

2001-05-09-WED

BACK
戻る